サイコガン

登録日:2012/03/24(土) 14:14:09
更新日:2024/04/26 Fri 14:31:09
所要時間:約 4 分で読めます






「サイコガン…! きさまは血ぬられた死神だ 俺の愛するものまでも奪うのか!!」
「オレからなにもかも奪わなければ気がすまないのか」
「きさまはオレにとりついて地獄の底までひきずり込む気かっ!!」
「いいだろう 地獄の底までつきあってやるぞっ!!」



サイコガンとは、寺沢武一氏の漫画『コブラ』の主人公である宇宙海賊コブラのパイソン77マグナムと並ぶ武器である。


海賊ギルドや銀河パトロールの方々は閲覧されると不快になる恐れがあるのでご注意ください。

目次


【概要】


かつて切り落とされて失った左腕に仕込まれた、彼の代名詞とも言うべき武器。ピーナッツの殻に銃身が付いたような形状をしている。
地球日本の銃鍛治である不知火鉄心が作製し、普段は本物の腕と全く見分けが付かないほど精巧な義手の下に隠されている。
もちろん義手に収まるサイズなのだが、連載が進む毎に大きく描かれるようになり、近年では明らかに左腕よりも大きい。
これについてはデザインというか作者の美的感覚の問題だったが、後年になって公式に展開時に変形しているとされる様になった。

左腕にサイコガンを付けているのは宇宙でもコブラ一人であるということは武勇伝と共に宇宙中に広まっているため、これを名刺代わりに見せることも。
しかし広まりすぎたためか、左腕に強力なブラスターなどを付けた者がコブラだと誤認されてしまったこともある。
ちなみにサイコガンの取り外し自体は案外簡単らしく、わざと外して敵を欺いたり、時々盗まれたりもしている。

初代サイコガンは『神の瞳』編の時に寿命で壊れてしまったため、現在使用しているのは鉄心の遺作であり、その孫のゆう子の形見である2代目。
恐らく、今後サイコガンが寿命を迎えた場合は、この2代目を修理して使い続けるだろう。

なお、名称に関しては初期は「サイコ・ガン」と中黒付きだったが、途中から「サイコガン」と中黒無しに変わっている。*1


◆義手

普段サイコガンを包んでいる左腕の肘から下の義手。
手首か、肘の側あたりに接続スイッチがあるようで、そこを押して外す仕組みになっている模様。
この義手自体もただの義手ではなく、
  • リストバンド部分にワイヤーフックが仕込まれている
  • GPSに似た自動追尾機能があり、コブラが離れても、気絶してもオートで戻ってきて自動装着される
  • 付けている間は擬似的な触覚・痛覚があり、体温も痛みも感じる。傷つくと血(オイル?)も流れる
  • 偽造装置が仕込まれており、X線やMRIなどにかけても完全に普通の左腕にしか見えない*2
……などなど、超ハイテク。
中身のサイコガンを外して、義手のみを装着する事も可能。
また、少しだけ接続を外した状態で内側からサイコガンを撃ち、ロケットパンチよろしく義手を発射するという奇襲的な使い方をした事もある。

なお、上記の負傷した際の義手の傷は、時間をかけて自然修復可能。
アニメでは義手が光の粒子状になって消えて、そこからサイコガンが現れるという演出がなされている為、ナノマシン製なのかもしれない。

余談だが、コブラが記憶を消して潜伏していた3年*3の間、自分の腕が義手である事に全然気付いていなかった。
……ということは普通の手のように爪が伸びたり毛が生え変わったりしてるんだろう。


◆特性

作中でもオーソドックスな携帯武器であるレイガン、レーザーガンなどと同じ光線銃に分類されるのだが、特筆すべきはそのエネルギー源。
サイコガンとは、高熱の光エネルギーではなく使用者の精神(サイコ)エネルギーを破壊エネルギーに変換・発射するのである。
また引き金を引く必要もなく(というか構造的に引き金がないため)、「撃つ」と意志を持った時点で発射される。

一応光線の類いなのにコブラ自身や撃たれた相手が反動を受けて吹っ飛ぶ描写がいくつか見られるが、コブラの精神だし物凄くヘビーな物だということなのだろう。
まぁ、ギルドの下っ端には重すぎるよな。

また、精神エネルギーが源になっているため
  • 暗闇のような視界が効かない状況や目視できない場所、壁の中に潜む相手にも気配を感じるだけで当てることができる*4
  • 弾道を自在に曲げる
  • ビームが枝分かれして複数の敵を撃ち抜く
などの普通の光線銃では真似できない凄まじい性能を発揮する。
しかもエネルギー源がコブラの精神力である以上、彼が死なない限り弾切れはあり得ない。

威力に関しても自由自在。
普段は銃身と精神力への負担を軽減するためにパワーをセーブしており、相手を殺さずに気絶させる程度に留めたりもできるが、絶好調の時や怒りに燃えている時など、コブラの感情が昂っている時は威力が飛躍的に上昇し、相手を蒸発させたり海賊ギルドの宇宙戦艦ブラックシープの壁をぶち抜いたりもできる。
「惑星でも砕いてみせるぜーっ!」とは本人の弁。*5
この時にはノリノリだった為に数発でブラックシープを墜落させている。

わかりやすい例はTVアニメ版『スペースコブラ』第27話「悪の帝王サラマンダー」での描写。
ドミニクを殺されたと思い込んでいたコブラは怒り狂い、死体確認に来たギルドの下っ端達はサイコガンを受けて跡形もなく蒸発してしまっている。
(原作でも超合金製の扉をものの数秒で飴細工のように溶かし去るシーンがある)
しかもこの時、サイコガンからは赤いオーラが出ていた。

逆に相手を気絶させる程度に留めることや、金庫室の構造を利用してチャージし、超巨大サイコガンとして使用するなど様々な応用が利く。

簡単に説明すれば早撃ちできて眼を瞑っても当たり弾道は自在に曲がるし一撃で複数の敵を撃てる弾切れしない宇宙戦艦を破壊できる銃だということ。凄ェ!


◆欠点

ただ、そんなサイコガンにも弱点はある。

エネルギー源が特殊とはいえ通常の光学兵器の一種であるため、暗殺者ターベージの三位相反射衛星や、宿敵クリスタル・ボーイの特殊偏光ガラスのボディなど、光学兵器を無力化する装備には歯が立たない。

それ以外にもアイアンヘッドのや、海賊ギルドの四脚戦車キングダムのように普通に相手が重装甲のため破壊できなかった物もいくつかあった。
超重力や高熱による大気の歪みの影響で弾が逸れてしまうこともある。*6
精神力をエネルギーとしている以上、使えば使う程疲弊するのも弱点なのだが、コブラは本当に地球人なのか疑ってしまう程の超人なので実際のところ全く問題にならない。

このように、サイコガンはコブラの武器としてあまりに有名になりすぎたために対策を練る敵も多く、決して無敵ではない。
しかしその度にもうひとつの愛銃・パイソン77マグナムを使ったりサイコガンで義手をロケットパンチのように飛ばす盾では防げない死角から撃つ装甲をブチ抜けなくても高熱でパイロットを焼き殺すといった切札とコブラの機転の効いた行動で窮地を潜り抜けてきた。

サイコガンとは、まさしくコブラあってのサイコガンなのである。






【オマケ】


◆コピーサイコガン(ジゴバモデル)

海賊ギルド傘下の奴隷商人・ジゴバが、サイコガンの盗撮写真を基に作成したデッドコピー。

コブラの物と異なり、ヘッドセットからケーブルを通してサイコエネルギーをライフル式の銃で撃ち出す。
機構自体は問題なく再現できていたが、ジゴバや部下たちがサイコガンの真の特性を理解していなかったのとそもそも常人の精神力ではコブラのような使い方はできないため、ただの「ちょっと高威力で弾切れしない光線銃」でしかなかった。*7

ジゴバの宇宙船に殴り込みをかけたコブラを迎え撃つべく完成早々ジゴバの部下達が赤外線スコープを装着して使用したが、ロクに訓練も積まずにぶっつけ本番で運用した事や、コブラの桁外れなサイコエネルギーの前に全く歯が立たずに全滅した。







「レディー おまえがおしえてくれたんだ 項目は心で追記・修正しろとな…」

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最終更新:2024年04月26日 14:31

*1 ※編者が調べた限りでは単行本『ラグ・ボール』編のラスト、マーメイド撃破後の銀河パトロール大佐のセリフから変わっているが、版の違いや確認漏れもあるかもしれないので要検証。

*2 ただし、電気類には弱いようで、磁石には吸い付くし、雷の多い地域には絶縁体のリストバンドを巻く必要がある。

*3 アニメでは5年

*4 ただしこれはコブラ自身の能力によるところが大きく、下記のジバコの手下たちはそのようなことは出来なかった。

*5 コブラもあくまで喩えで言っているのかもしれないが。空想科学研究所によれば、地球を砕くとなるとそのエネルギーはビキニ水爆の4千兆倍だそうな。

*6 光が曲がるほどの重力ってそれもうブラックホールじゃね?というのはさておき。

*7 それでも一目でサイコガンの威力とわかるぐらいのパワーはあるようだが。