ペルソナ2 罰 -ETERNAL PUNISHMENT.-

登録日:2012/02/25(土) 14:55:00
更新日:2022/05/13 Fri 14:03:36
所要時間:約 4 分で読めます







真実は記憶の裏にある。




『ペルソナ2 罰』とは2000年6月29日に発売されたプレイステーション用ソフトであり、前作である『ペルソナ2 罪』の続編。
『罪』を未プレイでもプレイするうえでの支障はないが、物語が『罪』のストーリーを経ていること前提の内容であり、また『罪』のエンディングと『罰』のオープニングが繋がっているなど、『罪』と色々比較するのも楽しいので、出来るなら先に『罪』のプレイを推奨する。
『罪』のセーブデータをコンバートすることで、プレイする上でのアドバンテージを得られるという特典もある。

本作のコンセプトは、ズバリ「罪に対する罰」、そして「大人」。
『罪』の主要メンバーの殆どが学生で、未成年の悩みが主に描かれていたのに対して、今作の主要メンバーは達哉以外の全員が成人しており、大人や社会人の苦悩が描かれている。


あらすじ

主人公「天野舞耶」は、ティーン向け情報誌の編集部に勤める編集者である。
幼い頃から憧れた職業に就き、上司と反目したりしながらも、それなりに充実した日々であった彼女の日常は、一人の少年との出会いにより崩れだす。
少年の名は周防達哉。
舞耶は、名前すら知らないはずのその少年に、なぜか以前から知っていたかのようなデジャ・ヴュを憶え、胸を騒がせる。
そんなある日、彼女は、近頃街を震撼させる連続猟奇殺人にまつわる「JOKER呪い(まじない)」の噂を取材するよう命じられ、七姉妹学園(ななしまいがくえん)を訪れる。
そこで待ち受けていたのは、JOKERを名乗る噂の殺人鬼の襲撃と彼女を救った「デジャ・ヴュの少年」との再会、そしてペルソナと呼ばれる別人格の発動だった。
「<向こう側>を思い出せ」
…謎の言葉を残し消え去るJOKERと「全て忘れろ」と言い残して立ち去ったデジャ・ヴュの少年の影を追い、運命の車輪は再び音をたてて回り始める。

全てを知っている……

いや、何も知らない……?

錯綜する記憶の糸を辿る先に待つものは、大いなる罰か?それとも……
(公式より抜粋)


システム

噂システム
街の人々や時には悪魔から噂のネタを収集し、それを流布する事で現実化させる「噂システム」が、引き続き採用されている。
ただし、内容面は前作から大幅に強化されており、『罪』がほぼ武器屋&防具屋と噂悪魔を生み出すだけだったのに対し、今作では現実化できる内容のバリエーションが増えたのは勿論、各武器屋や防具屋も販売品の効果に特色が出るようになった。
結果を二種類以上から選ぶ*1ものもあり、プレイスタイルに応じて選び分けてみるのも一興である。

ショップ
ショップの販売品やサービスのバリエーションも『罪』から大幅に増えた。
魔法スキルカードの複製販売といった前作の痒い所に手が届くものから、モブNPCの中から条件に一致する人物を見つけ出す「人探し」のような報酬以上に過程を楽しむちょっとしたサブクエストまで様々。
また、顔ぶれも『罪』から入れ替わりが起きており、バーや宝石店と言った「大人な」店舗が新たに増えた一方、ティーン向けのカジュアルショップであった「アニマムンディ」等、残念ながらリストラされた店舗もある。
続投した面子でも、『罪』ではラーメン屋(そして武器屋)だった白石のおばちゃんが赤提灯飲み屋(そしてマンサーチャー)に鞍替えしていたり、といった変化があるものも。

コンタクト
悪魔とのコンタクトでは、単独のコンタクトコマンドが一人一つになった代わりに、複数掛け合いのバリエーションが大幅に増えた。
参加メンバーの内訳だけでなく、コンタクト時に誰を最初に選んだかでも内容が変わる。
変化の内容も、追加メンバーが一言付け加えるだけのものからテーマそのものがガラリと変わるものまで様々。本当に100話ある「百物語」等は圧巻の一言である。
なお、コンタクトとしての効果は参加メンバーや内容ではなく、タイトルによって分かれているので、内容が違って見えても同じ効果、またはその逆もある。

ペルソナ
ペルソナそのものについても突然変異の効果が増えたりしているが、それ以上に作成や育成をするうえので環境が大きく充実した。
具体的には、入手困難だったFOOLのカードがサブイベントでも貰えるようになったり、突然変異の発生確率や熟練度の向上スピードを上げる「ペルソナギア」というアクセサリーが追加されるなどしている。
また、達哉以外のメンバーの後期専用ペルソナについては覚醒イベントが無くなり、他のペルソナと同様にマテリアルカードで作成するようになっている。
その他、魔晶変化で手に入るアイテムが殆どカードか素材になり、ショップ利用促進のためか武器や防具が殆ど無くなった他、『罪』では後期専用ペルソナの燃費が異常に悪かったというある意味の欠点も『罰』で改善された。

合体魔法
『罪』でも重要な要素だった合体魔法だが、『罰』では更にその重要性は跳ね上がっている。単純に威力が桁違いというのも勿論だが、ペルソナ育成における突然変異の重要性が増したことと、その突然変異を起こすには合体魔法をガンガン使う必要がある事が特に大きい。
正直、中途半端に強力だが合体魔法に使えないスキルを持つペルソナより、合体魔法の起点にできる各属性の最低位単体魔法(アギとかガルとか)を揃えたペルソナの方が有用性が高いぐらいである。これによって一見所持スキルのしょぼいペルソナにも活躍の場が広がったと同時に、特に有用な合体魔法に必須なスキルは大体上位ペルソナが所持しているため、SP消費の激しい上位陣の威厳も確保されている。
一方で、カードで追加できないスキルが光属性と闇属性を始め意外とあり、耐性による威力増減の割合も高いため、ただぶっ放せば良いというものでもなく、ダンジョンごとの属性等の傾向を読んだうえでペルソナを揃える戦略性が要る。

MAP
行動エリアに海浜開発区の「鳴海区」が追加。ここ最近の開発で発展した地区であり、高級ホテル「プレアデス」やヨットハーバーのようなお洒落な施設が並ぶ一方、下水処理場や理化学研究所といった最新鋭ながら無機質な施設群が同居している。
仲間であるパオフゥ南条の拠点があったり、沖合や地下に出陣する際の玄関口になったりと立ち寄る機会は多いが、終盤のアメノトリフネ浮上と共に壊滅するので、それ以降は行けなくなる。ヤサが壊れたパオフゥ涙目。



登場人物

天野 舞耶(あまの まや)
CV:矢島晶子
前作のヒロインであり、本作の主人公。
「クーレスト」というティーン向け情報誌の編集記者。
明るい性格で、「レッツポジティブシンキング!」が口癖…なのだがアトラス作品の主人公の伝統であまり喋らない。*2
部屋は非常に汚く、家事は苦手でよくルームメイトのうららに頼っている。

象徴アルカナは「MOON」、初期ペルソナは「マイア」で専用ペルソナは「マイア・改」「アルテミス」「天野舞姫」。


芹沢 うらら(せりざわ うらら)
CV:金子哲子
占い好きの化粧美人。CD女
結婚願望が強く、騙されたりする男運の無さを嘆いている。
気性の荒い性格だが手先は器用で家事が得意で面倒見もいい。
色々な習い事に手を出していて、ボクササイズはそのうちの一つ。
自分の目的意識の薄さに悩んでいる。

象徴アルカナは「STAR」、初期ペルソナは「カリスト」で専用ペルソナは「アステリア」。


周防 克哉(すおう かつや)
CV:高田裕司
港南警察署刑事一課強行犯係の敏腕刑事で、達哉の実の兄。
エリートっぽい見た目だが昔はパティシエを目指していたので趣味はお菓子を作ること。あと、達哉の為に貯金すること(公式) 
そしてかなりの天然。陰惨としてくる後半に差し掛かった時のパーティの清涼剤。
カレー好きだが辛いのが苦手、猫好きだが猫アレルギーというちょっと気の毒な人。

象徴アルカナは警官らしく「JUSTICE」、初期ペルソナはぬこ…っぽい見た目の「ヘリオス」で専用ペルソナは「ヒューペリオン」。
猫が苦手なのに初期ペルソナが猫っぽい事は気にしているらしい。


パオフゥ
CV:中田譲治
盗聴バスターを営む傍ら、噂を集めるホームページを開いている謎の人物。
見た目は胡散臭く斜に構えた態度をとっているが根は常識人でパーティーのツッコミ担当。
パーティーメンバー最年長、酒とタバコが好きで阪…半神のファン。
実は罪でも一瞬だけ顔を出して登場している。

象徴アルカナは「HANGEDMAN」、初期ペルソナは「オデュッセウス」で専用ペルソナは「プロメテウス」「モト」「ベルゼブブ」。
専用ペルソナのモト・ベルゼブブは前作のミッシェルも装備は出来たが相性が悪かったものの、パオフゥはそれらとの相性もいい。


周防 達哉(すおう たつや)
CV:子安武人
『罪』では主人公だった少年。七姉妹学園に通う三年生。克哉の弟。
本作では行動に謎が多く、舞耶からは「デジャ・ヴュの少年」と呼ばれている。
登場する時いつも苦悩に満ちた表情をしているが、その理由が判るととても切ない…

象徴アルカナは「SUN」で初期ペルソナは「アポロ」。



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最終更新:2022年05月13日 14:03

*1 武器屋か防具屋か、等。中にはランダムで変わるものもある。

*2 もっとも、プレイヤーには「……」としか表示されないだけで、実際には結構喋っている設定だったりする。