須田恭也

登録日:2011/04/09(土) 14:08:21
更新日:2024/01/11 Thu 14:37:30
所要時間:約 5 分で読めます






SIRENSIREN2に登場する人物。

声:篠田光亮





「SIREN」のプレイアブルキャラクターで、主人公の一人。16歳の高校生。
愛称の『SDK』は自身が書き込んでいた掲示板のハンドルネームから『SuDa Kyoya』でSDKである。

使用武器は火かき棒、石田が持っていた拳銃、狙撃銃、宇理炎、日本刀(焔薙)など。


羽生蛇村で起こったある事件の噂に惹かれ、夏休みを利用して羽生蛇村を訪れ、怪異に巻き込まれる。
村人に追われていた盲目の少女・神代美耶子を保護し、共に地獄と化した羽生蛇村からの脱出を目指す。

良くも悪くも高校生らしい振る舞いが目立ち、明るく前向きな言動は同行する美耶子の心を解したが、
一方で無神経な言動で彼女を怒らせたりもしている。

当初は異界や屍人に怯えている様子も見られたが、美耶子と出会ってからは恐怖などを見せることなく明るく振る舞い、
彼女を村から連れ出すという約束を守るべく屍人などにも立ち向かう漢になっていく。








以下、ネタバレ 


村の暗部などを知る美耶子は、須田と共に村を歩くうちに自分が異界に取り込まれたことなどを感じ取り、どんどん悲観的になっていくが、
須田は事情は知らないながらも絶望的な状況にありながら美耶子を励まし続け、美耶子も須田を名前で呼ぶほど信頼を寄せるようになる。

そして、須田はいつか美耶子をこの村から連れ出すという約束を彼女にするが、
その直後、猟銃を構えた神代淳に不意打ちされて谷底に落下し、美耶子は淳、八尾に捕まってしまった。

だが、常人ならまず間違いなく死亡する、胸元に銃弾を受けて谷底に落下するという出来事を経てなお、須田は生きていた。
これは、以前傷を負った際に赤い水が体内に入って屍人化しつつあった彼を救うために美耶子が自分の血を須田に輸血したことが関係している。
美耶子(神代家)の血には不完全な不死の呪い(死なないので屍人にはならないが不老ではないため、肉体はいずれ朽ち果てて魂だけが永遠に現世に留め置かれる)がかけられているのだが、
この呪いは神代家の血を体内に取り込んだ者にもかかるという特性を持っており、美耶子から輸血されたことで須田もこの呪いがかかって屍人化は食い止められたものの、
呪いは屍人化の進行を止めるだけで治す効果はないため、須田は『人間から屍人になる途中』で固定された状態にあり、屍人になりかけのその肉体には屍人特有の異常な生命力が宿っていた。
これにより、須田は他の屍人同様、銃で撃たれようが高所から落下しようが死なない、不死の肉体に変化していたのである。

しかし須田はそんな自分の身体の変化に頓着せず、美耶子を助け出すべく、屍人たちの妨害を潜り抜けて『屍人の巣』へと侵入する。
最深部へと到達し、美耶子を発見する須田だったが、彼の目前で八尾により美耶子は儀式の生贄にされ、堕辰子が不完全ながら復活してしまう。

そして復活した堕辰子に襲われ、昏倒した須田はある夢を見る。
綺麗な青空と見渡す限りの爽やかな草原が広がる夢の世界で、須田は自身に寄り添うように座る美耶子と笑顔で語らう。
そんな、文字通り夢のような談笑の後、美耶子は須田に願い(約束)を託す。
「全部消して。この村も、あいつらも。全部。」 

夢から目覚めた須田は、美耶子がまだ生きていると頑なに信じ続けたまま(焼死体が美耶子かもとは思っているが)、
異界から脱出しようとする竹内と協力し、霊体となった美耶子の助けも得て、再び屍人の巣の中枢へと突入を果たす。
そこで雰囲気の変わった牧野から宇理炎を受け取った須田は仇敵である八尾と再会するも、彼女の異様な雰囲気に圧倒される。
八尾は須田の持つ宇理炎を危険視して彼に渡すように迫るが、そこで突如発生した濁流に二人は流されてしまった。

流された先は水鏡のある場所であった。その水面を見た須田は、そこに微笑む美耶子の姿を見つけ、顔を綻ばせる。
「美耶子。ここにいたんだ。」 
「あたしはずっと恭也の側にいるよ。」 
そして、「こっちに来て」と自分を誘う美耶子が促すままに手を水面へと当てると、須田は水鏡の中へと入っていった。

水鏡の中は、「いんふぇるの」と呼ばれる、現世の人間では入ることすらままならない、常世と呼ばれる異界であった。
本来であれば入ってこれないはずの須田が現れたことで、八尾は須田が完璧な実(美耶子の血)を盗み、堕辰子の復活を不完全にした張本人と確信し、憎悪を向ける。
しかし須田は「美耶子との約束を守る」という強い意志と、牧野に託された神の武器である宇理炎
自分に襲いかかってきた屍人化した神代淳を倒し、手に入れた神代家に伝わる神刀焔薙
なによりも肉体を失ってもなお、須田の傍に寄り添う美耶子の導きにより、八尾が自身の実を捧げて完全復活した堕辰子を下すことに成功する。
そして、堕辰子は須田に首を落とされたことで絶命。全ての元凶であった八尾も、「いんふぇるの」の崩壊に巻き込まれて堕辰子の首を抱えたまま異次元へと消え去っていった。

ついに美耶子を苦しめていた元凶である八尾と堕辰子を消した須田だったが、「羽生蛇村を消し去る」という美耶子との約束を守るため、
「いんふぇるの」から再び異界と化した羽生蛇村に降り立つ。
そして、ヘッドホンから流れるハードロックを聴きながら、焔薙、猟銃、そして宇理炎という完全武装をもって村に残る屍人を殲滅していった。
「悪いけど、美耶子との約束なんだ。全部…終わらせるって」

この須田の姿を、時空の歪みによって須田が羽生蛇村に行くより過去の人物が目撃したことにより、
須田が羽生蛇村に行くきっかけとなった「××村三十三人殺し」の噂が世間に広まることとなった。
つまり、結果的に須田は自分で自分を羽生蛇村、そして異界へと招いたことになる。

しかし、既に異界から現世へと戻れなくなっていた須田は、美耶子との約束を果たした後も現実世界に戻ることは叶わず、
生きていると信じている美耶子の姿を求め、霊体となって自身に寄り添う美耶子と共に、永遠に異界を彷徨うことになった。


続編である「SIREN2」では異界ジェノサイダーとして登場。

彼をプレイできるステージでは上記のEDで須田が聞いていた曲「THE BUSTER!」にBGMが固定される。

ライフルは使えないが、宇理炎、焔薙を携えて異界を殲滅していく。ストーリーは無きに等しく、屍人や闇人をひたすら倒してスコアを稼ぐスコアアタックモード。
宇理炎の炎(煉獄の炎、鉄の火)を辺りに撒き散らしたり、真正面からの攻撃は効かないはずの闇人甲式・乙式を正面からの焔薙の攻撃で倒せたりとやりたい放題。
ちなみに宇理炎を発動するには自らの命を犠牲にしなければならないが、彼は不死なので何度使おうと死なない
また、難易度ハードだろうが何発貰おうが絶対に死なない。まさしく「SIREN無双」といえよう。
なお、須田は「SIREN2」の世界で闇人を殲滅した後も、異界ジェノサイダーの肩書きの通り、様々な並行世界の異界を渡り歩き、屍人や闇人のような存在を滅し続ける運命にあるという。

ちなみに、須田は一度屍人化しかけた影響で肉体は不死身ながら、神代家の血の呪いで完全には屍人化せずに精神も不滅と、言うなれば八尾同様に不老不死の存在になっており、
かつ、目には見えずともその傍には魂となった美耶子がずっと寄り添っていると、『SIREN』の他の登場人物たちに比べればまだ救いのある結末を迎えているように見える。

しかし、追い求める「肉体を持った」美耶子とは永遠に出会えず、異界から脱出することも叶わないという須田の境遇は、
作中で語られていた「永遠に生きることは永遠に苦しみ続けることと同義」という言葉を体現していると言ってもよく、
そう考えれば、須田は『SIREN』の登場人物の中でも最も不幸な結末を迎えた人物なのかもしれない。



お前らみたいなのがいる限り…、俺は…何度でも現れる」

「全部…消してやる!」






【主な武器】

  • 火掻き棒
刈割の焚き火跡に残されていたもの。
以後長らく愛用することとなり、一部のファンからはヒカキボルグと呼ばれる。
リーチは長いが威力は低く、強攻撃でも3回当てないと倒せない。
また狭いところではそのリーチの長さが災いし引っかかりやすいが、当たり判定を利用し壁の向こうの屍人に攻撃する小技がある。
恐らく八尾に捕まった時に失った。

  • 38口径警察銃
ミネベアM60。ニューナンブとして知られる警察官お馴染みの拳銃。
酒好きの警官・石田徹雄が変化した羽根屍人を電撃トラップにかけて手に入れたものだが、
苦労して手に入れた割に、使える期間は非常に短く予備弾薬もないため、せいぜい食堂前のゴルゴ屍人を素早く倒すくらいしか使い道がない。
こちらも八尾に捕まった時に失ったと思われる。

  • 狩猟用狙撃銃
レミントンM700。
屍人の巣の奥にある墓に供えられていたもので、以後の主力となる。
ジェノサイド時になぜか無限弾化する。

  • 焔薙(ほむらなぎ)
神代家に伝わる家宝の日本刀で、使っていた神代淳が宇理炎に焼かれて消滅した際に残っていたもの。
眞魚岩から採れた隕鉄を使って作られており、刀身にはマナ字架が透かし彫りされている。
名前の由来はかつて眞魚教が弾圧された時に炎を薙ぎ払って村を守った伝承から。
通常はただの日本刀だが、最終決戦で天空から舞い降りた木る伝の依り代となり青い炎が宿ったことで、神を滅する力を持っている。
打撃武器の中では一番威力が高い……のだが、手に入るのが最終戦なので、屍人に使う機会がなく、実質的に「ひるませられる傘」位の威力しかない。
しかし「2」のスコアアタックモードでは闇人甲乙式を正面から倒せるチート武器となっていた。

  • 宇理炎
牧野(の格好をした宮田)から受け取った神の武器。堕辰子や屍人などの力と相反する性質を持った力が宿っている。
見た目は縄文時代の土偶のような姿をしているが、材質や由来など詳細は不明。
「剣」と「盾」の2体が存在しており、須田が持つのは男性型の「剣」のほう。もう片方、女性型の「盾」は宮田の手に残るが、武器としては使えない。
屍人をも滅するを発生させるが、代償として使用者の命を奪うため、普通の人間は一度使っただけで死んでしまう。
しかしながら、須田は神代の呪いで不死になっているので何度も使える。
発生させる炎には、火柱のような「煉獄の炎」と、火が雨のように降り注ぐ「鉄の火」の2パターンがある。
ちなみに、後にディレクターの外山氏が語ったところでは「宇理炎」という名前は四大天使の「ウリエル」からとったものだとか*1


なお、中の人は俳優関連では主に脇役として活動しており、
アニヲタに分かりやすい範囲では、仮面ライダーキババッシャーフォームに倒されたり、帝愛主催の鉄骨渡りに参加(当然転落死)してたりする。


【余談】
因みに、須田という名字はゲームクリエイターの須田剛一(ghm代表)に由来している。
シナリオ担当の佐藤直子が須田作品のファンであることからインスパイアされたとのこと。




追記・修正は屍人を皆殺しにした後にお願いします。

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最終更新:2024年01月11日 14:37
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*1 ウリエルという名は「神の炎」の意味を含む。