RPG(ロールプレイングゲーム)

登録日:2011/01/19 Wed 20:57:09
更新日:2024/03/28 Thu 06:31:42
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RPGとは、ゲームのジャンルの一つ。
Role-Playing Game」の略称。現在は一般的に、コンピュータゲームのジャンルの1つ(いわゆるCRPG)を指す。
たまにRPGゲームという表記が見られるが、これはゲームの部分が重複してしまっている誤記なので注意。

RPG自体はコンピューターゲームが無かった時代から存在する言葉で、当初は卓上で遊ぶTRPGの事を指していた。
当のCRPGも『ダンジョン&ドラゴンズ』に代表されるTRPGをベースに発展したものである。
現代では国内外ともに、一般的にRPGと言えばCRPGの事を指すことがほとんどである。


RPGを直訳すると「ロールプレイ(=なりきる、役割を演じる)をする遊び」となり、考えようによっては非常に多くのコンピューターゲームが当てはまる。実際に定義はかなり曖昧である。
試しにSteamでRPGジャンルに登録されている作品を見てみると、『龍が如く』、『Stardew Valley』、『モンスターハンター:ワールド』など多種多様なゲームがヒットする。

一応ほとんどのRPGに見られる傾向としては、ストーリー、冒険と探索、キャラクターの育成・成長要素、そして戦闘が挙げられる。
しかし、このどれが欠けているとRPGではないと言えるような、明確な基準は無い。


日本では単にRPGと言った場合、後述する経緯から「ドラクエFFのようなゲーム」を指す言葉として用いられることが多い。
とくに「複数人のパーティによるターン制コマンドバトル」や「ファンタジー世界の冒険譚」が圧倒的な支持を受けていたため、中にはこれがRPGの定義であると解釈する人もしばしば。
無論、これは誤りである……のだが、日本のゲーム界隈、特に所謂スマホゲーム界隈では殆ど「ファンタジー」と「RPG」が同義語と化している節がある。
いっそ「原義的な意味での『RPG』」と「日本語としての『RPG』」は別物、と割り切ってしまった方がいいかもしれない。


日本への伝搬とその後

日本人がコンピューターRPGをRPGと呼ぶようになったのは、TRPGをベースとした『ウルティマ』や『ウィザードリィ』がRPGを名乗っていた為。
更にそれらをベースとしてRPGを名乗った『ドラゴンクエスト』が大ヒットした事により、雑誌等に「RPG」と表記されるようになった。
ちなみにドラクエより前には、どうみてもシューティングゲームな『頭脳戦艦ガル』がRPGを名乗っていた。

ドラクエの発売後は海外以上にRPGが普及し飛ぶように売れたため、多くのメーカーが追従するように発売する。
これらの初期作の影響で、『中世ヨーロッパ風』や『剣と魔法の世界』を扱ったRPGが多くなった。

日本のRPGが国内ユーザー向けに独自の進化を遂げた結果、海外のRPGとの内容の違いを区別する意味で「JRPG」と呼称されることも。
典型的なイメージとしては
  • 日本ではターン、コマンド制の戦闘が多いが海外はリアルタイムでシームレスで行う戦闘が多い。
  • 日本では主人公のプロフィールが細かい所まで定まっているが、海外では自分でプロフィールを決めたりプレイ中にコロコロ変わる事が多い。
  • 日本ではシナリオ・キャラクター・システムを重視しているが、海外では世界観・自由度を重視している。 グラフィックはどちらも重視している。
など。

元々は揶揄的に使われていた言葉であるが、典型的なJRPGでありながら海外で高評価を受けるゲームも多く、海外メーカーからもJRPGの作風を志向したゲームが度々発売される。

国内ではコマンド式の古典的なJRPGは減少しつつある。
JRPGの代名詞であるFFシリーズにおいても、『XV』でナンバリング作として初めて純粋なアクション戦闘になった。
』のリメイクでは、コマンドとアクションが併用されている。


また、厳密にはゲームとは呼べないものの『RPGツクール』シリーズにも注目するべきである。
ゲームコンストラクションソフト自体は他にも多数でされていたものの、『RPGツクール』は使いやすさやと分かり易さを兼ね備えており
この作品によって各自でメーカーの作品を「遊ぶ」だけでなく「ぼくのかんがえたRPG」を「創造する」事さえも容易となったのだ。
ゲーム制作の敷居が格段に下がり制作ゲームの配信が容易になったことにより、いわゆるインディーズゲームの確立に大きく貢献した。


各メーカーの状況

旧スクウェア及びスクウェア・エニックスがこのジャンルに対し異様な拘りを持っており、RPGタイトルが多いだけではなく『レーシングラグーン』のようなレースゲームもRPGと名乗っている。
FFやドラクエシリーズのほかにサガシリーズ、聖剣伝説シリーズ、ディズニーとのコラボで制作されたKINGDOM HEARTSシリーズなど多くの大手IPを抱える、RPGの世界を代表するメーカーの一つ。


ゲームフリークの『ポケットモンスター』シリーズも、公式が明記している通り、歴としたRPG作品である。
……が前述した通り、日本においては「RPG=ドラクエかFFのような作品」というイメージが強い中、他のRPG作品とは一線を画したシステムを取り入れており、「モンスター収集ゲーム」という、RPGの中でもより狭い1ジャンルを形成・代表するタイトルだけあって、「ポケモンのジャンルは?」と聞かれれば正しく「RPG」と答えられる人は多くとも、「RPGといえば?」の切り口で語る際はやや忘れられがちである。


日本を代表するゲームメーカーである任天堂は、RPGにそこまで積極的ではない。制作も多くはセカンドパーティが手がけている。
しかしスクウェアとのコラボで開発された傑作『スーパーマリオRPG』を始め、『ペーパーマリオ』シリーズ、『マリオ&ルイージRPG』など、マリオシリーズのスピンオフとしてRPGタイトルをいくつか手がけている。
また後のポケモンやUndertaleに影響を与えた『MOTHER』シリーズや、その筋のお姉さま方から絶大な支持を集めたタクティカル戦闘の『ファイアーエムブレム』シリーズなど、コアなファンを多く抱えるタイトルも。


アトラスは骨のある難易度と、一筋縄では行かない重厚なストーリーのRPGでお馴染み。
代表作は『女神転生』シリーズ、及びその外伝である『ペルソナ』シリーズ。
とくに『女神異聞録』としてスタートしたペルソナシリーズは、3からそのイメージを一新。
ポップでスタイリッシュなビジュアルと音楽、リアルな日本の街並みで繰り広げられる青春、各キャラクターと織りなすサイドストーリー、ギャルゲー的な恋愛要素といった独自色を大胆に導入した。
これらが国内はもとより海外でも高評価を受け、*1、アニメのヒットなどもあり一躍JRPGを代表するタイトルへと躍り出た。
またWizardryの現代版とも言える3Dダンジョン攻略型RPGの『世界樹の迷宮』シリーズも有名。

フロムソフトウェアによる『Demon's Souls』を始まりとするいわゆる「ソウル系」の3DRPGもRPGを語る上では欠かせない作品である。
ウィザードリィのような古典的RPGの、探検のドキドキや敵の恐ろしさといった本質的な面白さを最新技術で再現しようとしたこれらのシリーズは世界中でヒットし、特に海外では評価が高い。
その影響力により「ソウルライク」ジャンルと呼ばれる数々のフォロワーを生み出した。

他の会社ではトライエース、モノリスソフト、コーエーテクモ傘下のガスト等がよく出す。


欧米メーカーではやはりなんと言ってもベセスダ・ソフトワークスの『The Elder Scrolls』シリーズおよび『Fallout』シリーズがその代名詞。
とくにTES4Fallout3は当時やや迷走しつつあった日本のゲーム業界に黒船のごとき衝撃を与え、以降日本でもオープンワールドなマップや自由度の高いゲーム性を追求したゲームが大幅に増えた。

ポーランドの開発会社CD Projekt RED制作のウィッチャー3 ワイルドハントは、オープンワールドのハイファンタジー世界を舞台に、壮大なストーリーとまるで映画のような美麗な映像を実現した金字塔としてお馴染み。

日本ではイマイチ人気がないがカナダのBioWare社も、このジャンルの『Mass Effect』シリーズや『Dragon Age』シリーズなどでとても高い評価を受けている。
フランスのUbisoft社が制作する『アサシン クリード』シリーズも、2017年のオリジンズ以降の作品はRPGと見做されている模様。

海外製RPGによくある特徴として、FPSもしくはTPSによるシューティング要素をフィーチャーしたゲームが度々見られる。
前述したFalloutやMass Effectのほか、ハクスラ要素も加わったコミカルな『Borderlands』シリーズ、ホラー要素のある『Bioshock』シリーズもRPGと捉えられる事がある模様。



関連するジャンルにアクション要素が強いアクションRPG、シミュレーション要素を加えたシミュレーションRPGもある。
現代では多くのRPGが戦闘にアクション要素を導入しており、逆にアクションゲームにも広大なマップの探索や、経験値やスキルなどの成長要素が含まれることも多いため、「アクションRPG」はかなり広範なジャンルになり、比重も作品によって異なるので、一言でジャンルを表すのは難易度が上がった。

そして忘れてはならないのが、元祖不思議のダンジョン『ローグ』を始めとするローグライクRPGだ。
日本では『ローグ』と、その進化版の『ネットハック』の中間のようなシステムが主流となっている。
欧米では文字通りハードコアな層から根強い人気を集めているようだ。
ただし、現代では単に「ローグライク」と言った場合、「ランダム生成のダンジョンをランダム配置のアイテムを使用して攻略するアドリブ性の高いゲーム」としての意味が大きくなり、従来の「ターン製」「見下ろし型」でないゲームも増えている。


ちなみにネットスラングとして『日本3大RPG』なるものが存在する。
これは『テイルズ』シリーズの開発者が、2008年のインタビューで「テイルズは3大RPGの一つ」(要約)と発言したことに由来する。
残りの2つがインタビュー上では公言されていなかったため議論を呼んだ。
もっとも『ペルソナ』『ファイアーエムブレム』などの従来シリーズの躍進や、『DARK SOULS』などの新興シリーズの登場などを経た現在では形骸化した言葉である。
ちなみに四大RPGもある。*2
これはファミコン発売ソフトのうち発売日が近く人気の高い作品が雑誌に取り上げられたことが由来らしい。

なお、セガガガでも何度も言われているが「R.P.G.」はバンダイの商標。



◆以下代表的なRPG

RPG以外でのジャンルでのRPG要素

ゲームジャンル自体は別ゲームなのにRPG要素をミニゲームとして入れているゲームも多い。
中にはこのミニゲームRPGが本編といった物まであったりもする。
◆以下代表的なゲーム外RPG要素
レーシングゲームだが、アルバイトや資金稼ぎと言った理由で3Dダンジョン、2DRPG風のミニゲームがある。
初期の頃はあくまでRPG風ミニゲームに過ぎなかったが後期作ではファンタジー世界に転移して本作的に世界を救うというとんでもない作品まで存在した*3
主人公「これレーシングゲームだよね…」
OUTER OPSが該当。
自動進行だが、素早い順に各自が行動しダメージを与えて敵を撃破して戦利品獲得と成長する要素は正にRPGの戦闘そのものである。
選挙が該当。
カリスマ(HP)、せいとう(攻撃力)、えんぜつ(守備力)、ポスター(素早さ)にポイントを割り振って他の候補者を倒して当選を目指す。
  • バイトヘル2000
スラ仏百人組み手が該当。
ファミコン時代のドラクエチックな戦闘画面で様々なスラ仏を百人倒す戦闘ミニゲーム。

めいでん「ゆうしゃアニヲタよ。ついきとしゅうせいでアニヲタウィキをすくってくれ!」

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最終更新:2024年03月28日 06:31

*1 レビューサイトmetacriticにおけるスコアは4ゴールドが93点で、PSVita全ソフト中最高。5ロイヤルは95点でPS4全ソフト中3番目、日本製ゲームでは断トツのハイスコアである。

*2 ラインナップは『ドラクエⅣ』、『ファイナルファンタジーⅢ』、『メガテンⅡ』(真ではない方)、『ウィザードリィⅢ』

*3 流石に本編クリア後のオマケ要素扱いだが…