スプリガン(漫画)

登録日:2012/06/10(日) 00:44:25
更新日:2023/07/09 Sun 20:43:07
所要時間:約 8 分で読めます





世界中にある我等の文明の断片を
遺産として残そう
だが、もしも
君達にそれを受け取る資格がなければ
すべてを封印して欲しい


われらと同じ道を歩んではならぬ…



スプリガンとはかつて週刊少年サンデーに連載されていた漫画。原作・たかしげ宙、作画・皆川亮二。
平成元年掲載開始なので20年以上前の作品である。

1998年には劇場用アニメが公開。2021年にNetflixでアニメ版の配信が決定し、2022年夏頃に配信され、2023年夏にテレビ放送が決定された。

●物語
1990年代。世界各国は各地に眠る遺跡や遺物に秘められた強大な力を求め暗躍を始めた。巨大財団アーカムは深海に沈んでいた滅び去った人々の願いを書き綴ったプレートを受け、遺産を封印するためエージェントを派遣する。

その名は『スプリガン』。遺跡を守護する妖精になぞらえて…


●登場人物
  • 御神苗優
CV:森久保祥太郎(映画版)/小林晃弘(アニメ版)
本作の主人公。屋上は爆破するわ、女子の胸触ってサイズ当てるわ、早退しまくるわの問題だらけの高校生。
しかしその正体は凄腕エージェント「スプリガン」の一人。高い戦闘能力に加え特殊スーツ「A.Mスーツ」の装着により超絶的な能力を発揮する(なお終盤ではA.Mスーツに頼らず朧のような仙術を使うようになる)。
刀身が分厚く、大きなトレンチナイフ風の護拳の付いたオリハルコン製ファイティングナイフを白兵時の得物として扱う。
後述の「ルナヴァース」の設定に拠れば愛用銃はH&KG3-A4(ライフル)SIG SAUER P226(ハンドガン)

遺跡を巡る紛争に巻き込まれ両親を失った挙げ句、米軍により拉致され少年兵にされた哀しい過去を持つ。「御神苗」の姓も彼の養子先のもの。

本来は名の通り「優しい心」の持ち主だが、そのことは彼の弱点ともなっている。


  • ジャン・ジャックモンド
CV:子安武人(映画版)/阿座上洋平(アニメ版)
スプリガンの一人の金髪長髪のイケメン外国人。超高速移動や圧倒的パワーなど人間離れした能力を持つ。

というか彼自身、超古代文明が生み出した
生物兵器「人狼(ライカンスロープ)」の末裔である。そのため自らの血を見たり猛烈な怒りに駆られると野獣化し見境なく暴れ回る。
普段の性格も優よりドライで、敵対したものの命を奪うことにも割とためらいはない。


CV:子安武人
スプリガンの一人で優の師匠。そして劇中最強のチート人物でクンフーと気孔の達人。
数百発の銃弾を避け、一撃で相手を行動不能にして部隊を壊滅させるぐらいは朝飯前。分身だって朝飯前。

  • ティア・フラット
スプリガンの一人。ウェーブヘアーの美女。
守護霊を使った「コーリングビースト」や空間をねじ曲げる術から、『魔女』という通称を持つ。
朧とタメを張れるんじゃないかというぐらい戦闘能力は高く、チート人物の一人。
ただ、相手に出し抜かれたこともあり、遺物の争奪戦では意外と隙があったりする。
実は伝説の魔法使いのマーリンを師匠に持ち、実際の年齢も三桁行ってる


  • 暁巌(あかつきいわお)
CV:細谷佳正
遺跡の力を狙う軍事複合体「トライデント」の実働部隊隊長。御神苗の物とは動作原理の違う機械式A.Mスーツを着ておりその実力は折り紙付き。
生存不可能な過酷な環境でも生きて帰ってくることから「リターニング・マン」と称される。
後のサラリーマン忍者とは関係ない・・・かな?

  • ボー・ブランシェ
CV:稲田徹
遺跡の力で復権を目指すネオナチスの男。
ムキムキの筋肉やかなりのスピードを持つが、バカなので御神苗たちに簡単にあしらわれている。ネオナチが壊滅した後は御神苗と戦うためフリーとなった。

「強者が弱者を導くべき」という思想を持つが、同時に「だからこそ強者は強く正しく生き、弱者を守り幸せにする義務がある」という考えを持つ。
いわゆる「日本かぶれの外国人」で、ビデオで見たNINJAの「分身の術」や格ゲーから思い付いた「竜巻風陣脚」を使う。
色物キャラ…と思われそうだが、作中屈指の


  • 染井芳野(そめいよしの)
CV:伊瀬茉莉也
黙っていれば美少女の遺跡荒らし。平気で遺跡ぶっ壊すわ、足元見てぼったくるわで、その悪名は業界内では有名。
口寄せが出来るイタコ体質のため、いろいろ便利。

御神苗とは腐れ縁の関係。実は彼女も高校生。


  • 金谷昌(かなやしょう)
優がかつて所属していた少年兵部隊の現チームリーダー。この名前自体は暫定的なコードネームの様で本来の名前は不明。
「人間性は排除された」とされているが、実際は度が付く程陰険かつ嫉妬深い性格。
野心も強く、米軍に居た指揮官を切り捨てトライデントに自分達を売り込んだりしている。

指揮官としてはとても優秀だが、単体の戦闘能力スペック自体はやや劣る。
(A.Mスーツを着ていない優と互角に殴り合う程度の技量はある)。


●用語
  • アーカム財団
T.F.アーカムが設立した財団。遺跡の研究と共に、スプリガンを使い遺跡の保護・封印あるいは完全破壊を行っている。遺跡から得たオーバーテクノロジーを持つ。

アニヲタ的にも有名なアトランティスの金属。人の精神に反応する性質を持ち他の元素と組み合わせて合金化することで様々な性質を発揮する。

オリハルコンを精製するのに必要な希少土類。特定の遺跡の周りで採掘され、大量の金も精製出来る。

  • A.M(アーマード・マッスル)スーツ
各種オリハルコンの合金製の人工筋肉と外装(一応作中では人工筋肉繊維がニッケルとの合金、外装がチタン系との合金という事になっている)で作られたパワードスーツ。
着用する事で通常の30倍ものパワーを発揮出来る上に銃他大半の攻撃が効かないマッチョマンになれ、霊体相手には掌に収束した精神波の塊をぶつける「サイコブロー」機能で対処可能である。
初期は御神苗専用だったが、後にトライデント側でも動作原理の違う機械式が生産されたり等で敵側キャラも着る様になった。

  • マシンナーズ・プラトゥーン(機械化小隊)
米軍が開発した人体に破壊兵器を埋め込んだ兵士たち。いわゆるサイボーグ
高熱破壊腕を持つバトルマニアに始まり、ガトリングデブにワイヤーカッター外道、エスパークソガキに人権差別針鼠などなどかなりのイロモノ集団と化している。

  • C.O.S.M.O.S(Children Of Soldier Machine Organic System)
米軍の特殊実験部隊。洗脳した少年兵を極限まで鍛え上げ均一化し、脳内に移植したオリハルコンで意識を共有することで一つの意志による完全統制を実現させている。

実は優は米軍に囚われた際この部隊に在籍させられており、オリハルコンの移植前に脱走している。

  • トライデント
アメリカのグラバーズ重工・ヨーロッパのキャンベルカンパニー・日本の高隅財閥が結託した軍事複合体。いわゆる「死の商人」
遺跡の力を悪用し、兵器としようとしている。


●登場した遺跡・遺物・物体
  • ガイア超生命体
  • パレンケの仮面
  • ノアの方船
  • 超古代無差別殺傷兵器「バーサーカー」
  • ラーマの呪い&ラーマ神像
  • 水晶髑髏
  • マッパムンディス
  • バベルの塔
  • 超古代コンピューター「ヤーマ」
  • 幻島
  • ノンモの船
  • ソーマ(神酒)
  • 聖柩(契約の箱)

なんかいろいろチャンポンである。古代人やべぇ

○余談
漫画連載終了後の1998年にアニメ映画化。
ノアの箱船編を映像化した物だが、優の過去等、他の章も絡めたアレンジが為された。
当初はOVAとして[バーサーカー]編を前・後編で企画されていた。
(そのまま進んでいた方がスプリガンらしい作品ができていたかもしれないが。)

1999年には我らが変態企業フロムソフトウェアの手により『スプリガン ルナヴァース』というタイトルでゲーム化が成された。
原作者二人は制作に関わっており特に皆川氏は仔細なキャラの設定画の寄稿や設定の提案をしている程。
ただ、制作当時皆川氏がARMSを連載していた為か寄稿した絵のタッチやゲーム内のオリキャラの設定や描写がARMS寄りになってる部分が有り賛否が分かれる場合もある。
主人公は優ではなくオリ主の「大槻達樹」。一応二週目で優を使えるがちょっとだけキャラの違いによる差分イベントが発生する程度。
ストーリーも一応原作終結後だがオリジナルであり、M60やデザートイーグルといった実在の武器を使用して古代兵器や超人・人外を相手にするという大まかな世界観に則った形となっている。
フロム名物の某聖剣やスケルトンは出るが。
優やジャンといった原作キャラが協力者としてたまにサポートしてくれる他、AMスーツが登場するなどが原作要素となっており、そこまで絡みが多い物ではない。
AMスーツにしても、サイコブローの発展形とはいえ魔法染みた属性付き精神波攻撃が放てるなど、原作のそれとは別物である。ティアが協力したんだろうか。
まあ、少なくとも世界観を否定したり原作的に歪みが発生するような出来ではない。スプリガンである必要性を問われると多少アレかもだが
AMスーツは攻撃力()、防御力()、スピード()のいずれかに特化するというものだが、それぞれ残る二つのどちらかが最低という物で3竦みではなく、それぞれ特性が異なる。
取り分け、スピードタイプは攻撃力も防御力も最低かつ操作に癖が合って操り辛いという初心者はスルー確定な代物。
逆に初心者向けなのは硬くてそれなりに攻撃力も有ってプレイヤーの操作追従も良い防御系。
各スーツは使い込むとレベルアップ(各三段階)し、能力が強化される(防御タイプは移動力が下がるが)。さらに、「ゼロバースト」という時間制の能力開放を行うとそれぞれ特殊な効果が得られる。
ちなみに、特殊な条件を満たすとマイルドな性能の各タイプのEX版が手に入る。単純なバランスでいえば、おそらく防御EXが簡単に入手出来て扱い易い(というか入手条件の一つがあからさまにゲーム下手系初心者救済策のソレ)、と初心者向けの品。
しかし、慣れた人はおそらくスピードタイプ一択である。何故ならこのゲーム、ミッションの初回クリアタイムに応じてキャラを強化するための振り分けポイントが手に入るのである。
スピードタイプは操作に癖が有るが素早く動ける上に「ゼロバースト」すると空中を滑空ダッシュする事が出来るので、ステージ次第では大幅なショートカットも可能(あるステージが最大ポイント入手の為に広大な空中ステージで飛び回ってショートカットする事で2分30秒での初回クリアを条件としている)と能力強化(厳密には能力強化コンプリート)には他の選択肢は有り得ないレベルとなっている。
最高レベル精神波攻撃も広範囲にダメージを与える竜巻を発生させる、というものでなかなか便利。…忘れがちであるが、これはAMスーツの話である


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最終更新:2023年07月09日 20:43