ジェネレイド(遊戯王OCG)

登録日:2019/08/16 Fri 16:09:50
更新日:2024/03/09 Sat 16:11:32
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世界に君臨する「王」に挑め。






(ジェネレイド)とは、遊戯王OCGで登場したテーマ。

●目次



▼概要

初登場パックは「デッキビルドパック ミスティックファイターズ」。【ドラゴンメイド】や【斬機】の同期。

属するモンスターは初出の時点で全7種類。
メインデッキに入るモンスターが6体で、EXはエクシーズモンスターが1体。
すべて属性と種族が異なるが、レベル・ランクが9であることが共通している。
後の新規カードで属性被りやレベル9でないモンスターも出たが、種族の方は関連があるであろう一種族を除いて未だバラバラである。

9というレベル帯は《トレード・イン》などの有力なサポートにあまり恵まれず、また対応するランクのエクシーズモンスターも選択肢が少なかった。
そのためそもそもレベル9を中心にするメリットに乏しいなど、長らくのデッキ構築の面では不遇な時代が続いていた。
しかし9期で登場した「真竜皇」たちを皮切りに、独特のサポートルートを活かしたユニークな存在として次第にまとまり始める。
そして10期のパック「DARK NEOSTORM」でレベル9自体を指定する汎用カードや強力なレベル9モンスターが多数追加された。
これによりレベル9はついに一つのデッキテーマへと昇華するに至ったのだ。

(ジェネレイド)」はそんな流れを汲む「レベル9であること」をフィーチャーした遊戯王史上初のテーマだと言える。

またメインデッキに入る「ジェネレイド」モンスターは全て自身と同種族のモンスターもサポートする汎用カードとしての側面も持っている。
そのためそれぞれ単独で他のデッキに出張させることも可能。
逆に他のデッキの要素を取り込んだ【ジェネレイド】デッキに仕上げることもできるため、デッキ構成に個性を出しやすい点も魅力。


テーマ全体のモチーフになっているのは北欧神話。
全ての(ジェネレイド)は全て北欧神話の伝承に登場する怪物ないし神の名前がモチーフになっている。
また同じく北欧神話モチーフの「神碑」とは世界観を共有しているらしい。
ロプトルと思わしき人物や(ジェネレイド)に挑んでいた冒険者があちらのカードにも登場している。

テーマ名の由来は「大将・将軍」を意味する「ジェネラル」と、「急襲・強襲」を意味する「レイド」を掛けたものと推測される。
魔法・罠カードがオンラインゲームなどで見かけるような単語も多い。
このことからレイドバトルにおけるボスキャラ側も意識されているのではないかとも思われる。
実際海外でのテーマ名は「Generaider Boss」となっている。
冒頭の公式のテーマ紹介文的に、対戦相手はボスバトルに挑むプレイヤーといった所か。

以下紹介するカードのテキストおよびカード名は遊戯王カードwikiから引用したものを掲載。また共通効果に関しては記述を省略する。



▼所属カード

モンスターカード

前述の通りメインデッキに入るテーマモンスターは基本レベル9。例外は1体のみ。
カード名は「○の(ジェネレイド) (固有名詞)」または「王の○(ジェネレイド・○○) (固有名詞)」となっている。
また全てのモンスターは以下の共通効果を持つ。

(1):(自身のカード名)は自分フィールドに1体しか表側表示で存在できない。

この効果により同名の「ジェネレイド」モンスターを複数並べることは基本的に不可能となっている。同じ王は常に唯一人といったところか。

下級モンスター

  • 王の影(ジェネレイド・シャドウ) ロプトル
効果モンスター
星4/炎属性/天使族/攻1500/守1500
(1):共通効果
(2):自分フィールドの「ジェネレイド」モンスターの攻撃力・守備力は相手ターンの間1000アップする。
(3):自分・相手のメインフェイズに、自分フィールドの「ジェネレイド」モンスター1体をリリースして発動できる。
そのモンスターとはカード名が異なるレベル9の「ジェネレイド」モンスター1体をデッキから特殊召喚する。
世界の舞台裏で暗躍する(ジェネレイド)の影。
唯一の下級モンスターである点、他の(ジェネレイド)達にはあった「自身と同種族のモンスターに関係のある効果」を持たない点など異例なことが多い。
最上級モンスターばかり故に展開の出足が遅という大きな弱点があった【ジェネレイド】待望の下級にして救世主。固有効果は2つある。

第一の効果は相手ターン中のみ自分フィールド上の「ジェネレイド」モンスターの攻守が1000ポイントアップするという永続効果。
最上級「ジェネレイド」は軒並み攻守が3000を超え容易に戦闘破壊できなくなり、自身と「ジェネレイドトークン」も攻守2500で戦闘破壊は困難になる。
相手ターン中の場持ちの良さが格段に向上する効果でありこちらも有用。

第二の効果がこのカードの真価。「ジェネレイド」モンスターをリリースしてデッキからの任意の「ジェネレイド」モンスターのリクルートする。
先攻1ターン目に最上級「ジェネレイド」を場に出しやすくなっただけでも特筆に値するが、マルデルとの組み合わせが見逃せない。
この効果でマルデルをリクルートすることにより、事実上の《王の舞台》サーチとして機能するのだ。

手札にあるだけで初動の安定感が変わってくるほどの効果なので、規制でもされない限りはどんな形式でも3積み確定。
また「ジェネレイド」のギミックを他の種族統一テーマに出張させる場合にも役に立ってくれるだろう。

「ロプトル」とは北欧神話にその名が現れる存在で、意味は「大きく育った者」を意味する。
あのレーヴァテインの製作者であるとされ、多くの伝承ではその正体はロキであるとされる。
ロキの振る舞いについては言わずもがなだが、どうやらこのロプトルも「(ジェネレイド)」を倒す者達に力をこっそり貸している模様。
《神碑の誑かし》に登場した「冒険者に神槍の欠片を授けた仮面の魔術師」も彼の変装の一つだとか。


最上級モンスター

  • (くろがね)(ジェネレイド) ドヴェルグス
効果モンスター
星9/地属性/機械族/攻1500/守2500
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):自分フィールドの、「ジェネレイド」モンスターまたは機械族モンスターを任意の数だけリリースして発動できる。
リリースした数だけ、リリースしたモンスターとはカード名が異なる、「ジェネレイド」モンスターまたは機械族モンスターを手札から守備表示で特殊召喚する(同名カードは1枚まで)。
この効果は相手ターンでも発動できる。
地属性を牛耳る機械族の(ジェネレイド)
固有効果は「ジェネレイド」または機械族モンスターをリリースし、手札から同数の「ジェネレイド」または 機械族モンスターを展開する。

複数のモンスターを一気に展開できる可能性があるものの、リリースコストも手札消費も重いのが難点。
《王の呪 ヴァラ》の登場により引いてしまった「ジェネレイド」を展開する役割が被ってしまった。その上あちらのほうが使いやすいと不遇気味。
こちらは複数のモンスターを出せる点や、機械族である点などを軸に差別化を図っていきたい。

「ジェネレイド」のギミックを組み込んだ機械族デッキなどへの出張要員が主な使い方になるだろう。

モチーフは北欧神話に登場する精霊「ドヴェルグ」。


  • (こおり)(ジェネレイド) ニードヘッグ
効果モンスター
星9/水属性/幻竜族/攻2100/守2600
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):相手がモンスターを特殊召喚する際に、自分フィールドの「ジェネレイド」モンスターまたは幻竜族モンスター1体をリリースして発動できる。
その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。
水属性を率いる幻竜族の(ジェネレイド)
固有効果は「ジェネレイド」または幻竜族モンスターをリリースすることによる特殊召喚の無効。

ステータスは最上級としてはやや心もとないが、置いておくだけで展開を抑止してくれる。
無効にできるのは「1体」とは書かれていないのでP召喚で複数体出てきてもまとめて無効にできる。
しかし無効に出来るのはあくまで「特殊召喚」だけであり「特殊召喚を含む効果の発動」は無効にできない。
現代遊戯王ではインフレの極みに達した融合モンスターや儀式モンスターの展開を阻止出来ない点が非常に痛い。
とはいえ「ジェネレイド」の中では比較的効果発動コストが安く、他にモンスターがいなくても自身をリリースしてしまえば良いので使い勝手は良好。

出張カードとしての適性も高め。
幻竜族であるため主な出張先は「真竜」や「竜星」になる。
単体で完結している上に非常に汎用性の高い効果なので、単純にレベル9を主軸にしたデッキに汎用カードとして放り込んでも良い。

モチーフは北欧神話において世界樹の根本に住み着きその根を噛むという蛇「ニーズヘッグ」。


  • ()(ジェネレイド) ヘル
効果モンスター
星9/闇属性/アンデット族/攻 800/守2800
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):自分フィールドの「ジェネレイド」モンスターまたはアンデット族モンスター1体をリリースし、
そのモンスターとはカード名が異なる自分の墓地の、「ジェネレイド」モンスターまたはアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
闇属性を統括するアンデット族の(ジェネレイド)
固有効果は「ジェネレイド」またはアンデット族モンスターをリリースしての「ジェネレイド」またはアンデット族モンスターのフリーチェーン蘇生。

モンスターの数は増えないが墓地のモンスターと場のモンスターを入れ替えられる。
フリーチェーンなのでサクリファイスエスケープなどにも使える柔軟性に富んだ効果。
ただし守備表示で蘇生されるためバトルフェイズの追撃には向かない。
相手ターンでも使えることを活かしてパーミッション効果や制圧効果のあるモンスターを優先的に釣り上げていこう。
単純に場のトークンを墓地のモンスターと交換してしまうのも強力。

かなり汎用性に富んだ効果であるため、アンデット族への単独出張もあり得る優秀な一枚。

モチーフは北欧神話の悪神ロキの長女にして死の神「ヘル」。
原点に忠実な姿でデザインされているためか、モチーフを同じくするコナミのボクらの太陽に登場するヘルと姿が酷似してしまっている。


  • (つるぎ)(ジェネレイド) フローディ
効果モンスター
星9/風属性/戦士族/攻2500/守2000
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):自分フィールドの、「ジェネレイド」モンスターまたは戦士族モンスターを任意の数だけリリースし、その数だけフィールドのモンスターを対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
その後、破壊された相手フィールドのモンスターの数だけ相手はデッキからドローできる。
この効果は相手ターンでも発動できる。
風属性を治める戦士族の(ジェネレイド)
固有効果は「ジェネレイド」または戦士族モンスターをリリースしてのフリーチェーンのモンスター除去。

表示形式の縛りもなくフリーチェーンで複数のモンスターを除去できるという強力な効果を持つが、相手にドローさせてしまうという欠点も抱える。
一応後述のサポートカードの発動トリガーとすることを意識して設計されたのかもしれないが…。
無計画に除去しても相手が引き込んだカード次第ではかえって不利になる可能性も否定できない。
よって除去するカードを慎重に見極め必要がある。リンクモンスターなどの除去後展開に支障を来すようなモンスターを狙い撃ちするのが良いか。
基本的には引かれたカードを使われるリスクを回避しつつ、一気に勝負を決める事ができるように相手のエンドフェイズか自分ターンに発動したい。

モチーフは恐らく北欧神話の神フレイの別名「フロディ」、もしくは亡霊と戦って魔剣ミストルティンを獲得したとされる王「フロームンド」か。


  • (ひかり)(ジェネレイド) マルデル
効果モンスター
星9/光属性/植物族/攻2400/守2400
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
「光の王 マルデル」以外の、「ジェネレイド」カード1枚または植物族モンスター1体をデッキから手札に加える。
光属性を統べる植物族の(ジェネレイド)
固有効果は召喚・特殊召喚時の「ジェネレイド」カードもしくは植物族モンスターのサーチ。

「ジェネレイド」カードなら魔法・罠も持ってこれるのが強み。
自分のターンに出して必要なカードを引き込み、相手ターンを凌ぐための戦線を整えるのが主な役割。
《王の影 ロプトル》や《王の呪 ヴァラ》をサーチして直ぐに展開に使うか、《王の舞台》で次のターンに備えるのも良い。
効果発動後はバニラ同然となるため、さっさとフィールドから撤去して再度の効果発動に備えられるようにしたい。

植物族デッキでは《ローンファイア・ブロッサム》から展開できて植物族をサーチできるので小回りが利き、出張候補として有力。

「マルデル」はフレイヤが行方不明になった夫のオーズを探して地上をさすらっていた際に名乗った偽名の一つ。
フレイヤは豊穣を司る地母神であるため、植物族なのはここに由来すると考えられる。
しかし北欧神話において光の神に相当するのはバルドルであるため、名前の語感的にそれもモチーフに含まれている可能性もある。


  • (ほのお)(ジェネレイド) ナグルファー
効果モンスター
星9/炎属性/獣戦士族/攻3100/守 200
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに自分フィールドの「ジェネレイド」モンスターまたは獣戦士族モンスター1体を破壊できる。
炎属性を支配する獣戦士族の(ジェネレイド)
固有効果は自分フィールドのカードの破壊を「ジェネレイド」または獣戦士族モンスターに身代わりさせる効果。

この身代わり効果は破壊されるカードの種別も表示形式も問わず、しかも複数の破壊でも一枚の身代わりで対処できるなど地味に有能。
とはいえこのカードの真価はその高い攻撃力からくる戦闘への強さにある。
攻撃力3100は同レベル帯でもトップクラスの高打点。補助無しでも多くのモンスターを戦闘破壊でき、ダメージレースにも大きく寄与する。
直接アドバンテージを得るわけではないが、場持ちもよく維持しやすいため1枚入れておくだけで信じられないほどデッキの安定感が増すいぶし銀な1枚。

…ちなみにコイツの守備力は200である。もちろん爆発対応モンスター中ではダントツの最高打点。
《火霊術-「紅」》で投げれば1ターンキルも視野に入る。
獣戦士族かつ自分のモンスターを破壊する効果なので出張先は「炎王」あたりが有力か。《真炎の爆発》を共有できる点でも好相性。

名前のモチーフは夜の女神ノートの夫である「ナグルファリ」、もしくは死者を運ぶ船である「ナグルファル」。


  • (うつろ)(ジェネレイド) ウートガルザ
効果モンスター
星9/光属性/岩石族/攻2200/守2700
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):自分フィールドの「ジェネレイド」モンスターまたは岩石族モンスターを合計2体リリースし、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
2枚目となる光属性を統べる岩石族の(ジェネレイド)
固有効果は「ジェネレイド」または岩石族モンスター2体をリリースしてのフリーチェーンの除外除去。

単純なアドバンテージだけで見れば2:1交換となり効率が悪いが、強力な除外除去であり魔法・罠カードも除去できるのが強み。
《虚無空間》などの厄介な永続カードを突破でき、破壊耐性もすり抜けられるため非常に強力。
重いコストは極力「ジェネレイドトークン」で賄うようにしたい。

モチーフは巨人の国ウートガルズを支配するとされる巨人、「ウートガルザ・ロキ」。
間違いやすいがこいつとは別人。二者が対面するエピソードも存在する。
強力な幻術師であり、トールを得意の幻術で翻弄したことも。
イラストには歪んだ城のようなものが描かれているがよく見ると背景の山が透けて見えている。
恐らくは幻術で作り出した「乾闥婆城」なのだろう。


  • (とどろき)(ジェネレイド) ハール
効果モンスター
星9/闇属性/魔法使い族/攻3000/守3000
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):1ターンに1度、相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。
相手は自身の手札・フィールドのモンスター1体を墓地へ送らなければならない。
(3):魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、自分フィールドの「ジェネレイド」モンスターまたは魔法使い族モンスターを合計2体リリースして発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
2枚目となる闇属性統括する魔法使い族の(ジェネレイド)
このカードのみリリースコストを要求する固有効果に加えもう一つ固有効果を持っている。

第一の効果は相手がデッキからカードを手札に加えた場合、強制的に手札か場モンスター1枚を墓地送りにさせる効果。
慣れた遊戯王プレイヤーならこの効果が非常に凶悪な除去であることをご存知かもしれない。
なぜならこの効果は「相手プレイヤーに墓地送りを強要する効果」であって「モンスターを除去する効果」ではないからだ。
よっていかなるカード効果耐性も無視してモンスターは墓地に送られる
一応相手が選ぶので狙った対象を除去できるとは限らないが、手札の少ない状況では相手はかなり厳しい選択を迫られることになる。
ネックはやや受け身気味な発動条件だが、近年のデッキはよほど特殊なデッキでもない限りサーチもドローも一切しないということはまずあり得ない。
してこないなら「ジェネレイド」のサポートカードで無理やりドローさせてやればいい。

もう一つの効果は「ジェネレイド」または魔法使い族モンスター2体をリリースしての大正義万能カウンター。その制圧力は言わずもがな。
リリースコストは若干重いが「ジェネレイドトークン」で容易に賄えるし、いざとなれば自分自身をリリースすることもできる。
ステータスも攻守ともに3000と非常に高く戦闘破壊も容易ではない。後述するロプトルの効果が合わさると相手ターン中は攻守4000の化け物に変貌する
まさしく【ジェネレイド】デッキのラスボスだと言えよう。ラスボスといっても先攻1ターン目に出す「ジェネレイド」の筆頭候補だけどな!

モチーフはオーディンの異名の一つで「隻眼の者」を意味する「ハール」。
名前の通り目深にかぶったフードの奥に赤い片眼が光っている。


  • 王の呪(ジェネレイド・セイズ) ヴァラ
効果モンスター
星9/炎属性/天使族/攻2500/守2500
このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):このカードが手札・墓地に存在する場合、手札から他の「ジェネレイド」カード1枚を墓地へ送って発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
(3):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分の手札・墓地から「王の呪 ヴァラ」以外の「ジェネレイド」モンスター1体を選んで特殊召喚する。
レベル9としては2枚目、ロプトルを含めると3枚目となる炎属性の(ジェネレイド)
ハール同様固有効果は2つなのだが、効果の性質が同じ炎属性・天使族のロプトル同様補助寄りで、レベル9「ジェネレイド」の中では異端の存在。

第一の効果は手札・墓地にいるときに自身以外の「ジェネレイド」カードを墓地へ送ることで自身を特殊召喚する効果。
手札コストは「ジェネレイド」カードであれば何でもいいので同名や魔法・罠でも良く、被った《王の舞台》などもコストにできる。
この効果で特殊召喚した場合はフィールドから離れると除外されるが、お察しの通りエクシーズ素材にしてしまえば墓地経由で使いまわすことができる。

第二の効果は特殊召喚成功時に手札・墓地の「ジェネレイド」モンスターを特殊召喚できる効果。
先程の効果でコストにした「ジェネレイド」モンスターをそのまま特殊召喚できる。
ただし同名は蘇生できない。まぁ蘇生範囲に入っていたとしても共有効果により基本並べるのは無理なのだが。
この効果は《王の舞台》やヘルなどで特殊召喚した場合でも使える。
効果無効や表示形式の限定、攻撃制限や除外デメリットなどもない上に何気にエクシーズモンスターも蘇生可能なので高性能である。

まとめるとこれまで引いてしまうとお荷物になってしまいがちだったレベル9「ジェネレイド」達をさらに有効に使えるようになった画期的なカード。
このカードの登場により自分のターンでも能動的に展開しやすくなった。
墓地からでも特殊召喚できるため、《九字切りの呪符》や《おろかな埋葬》などで墓地へ送ってランク9エクシーズなどを構えに行きたい。
純構築ならロプトル同様基本的には3積みとなるだろう。

モチーフは北欧の伝説における女性のシャーマンあるいは予言者である「ヴォルヴァ」。
オーディンが助言を求めるほどの力があったとされている。


エクシーズモンスター

現在登場しているのは2枚のみ。2枚とも自身と同種族に対する効果を持っていない。
また素材縛りはないため汎用エクシーズとして出張させることもできる。

  • (とこしえ)(ジェネレイド) オルムガンド
エクシーズ・効果モンスター
ランク9/地属性/爬虫類族/攻 ?/守 ?
レベル9モンスター×2体以上
このカード名の(3)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):共通効果
(2):このカードの元々の攻撃力・守備力は、このカードのX素材の数×1000になる。
(3):このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
お互いは、それぞれデッキから1枚ドローする。
その後、ドローしたプレイヤーは自身の手札・フィールドのカードを1枚選び、このカードの下に重ねてX素材とする。
この効果は相手ターンでも発動できる。
地を取り巻き天を喰らう、世界に君臨する爬虫類族の(ジェネレイド)
固有効果は素材数に応じた攻撃力の決定と変則的なドロー・素材増加効果。

フィールドに出てすぐは攻撃力2000だが、効果発動によって毎ターン1000ずつ攻撃力が上がっていく。
相手のカードをエクシーズ素材として吸収できる強力な効果を持つが、対象は相手が選ぶ上にそもそも吸収できるかどうかも相手の任意。
どちらかというと自己強化に相手のリソースを奪う効果がおまけで付いていると言った感じ。
過度な期待はせず後述の《王の舞台》の効果発動のトリガーとしつつ自己強化のできるアタッカーと見たほうが良いだろう。
一方何らかの方法で相手から奪取したカードを自分の分として吸収してしまえば相手だけに2枚分の損失を押し付けられる。
《大捕り物》や《機巧蹄-天迦久御雷》などを絡めるのも面白い。
《轟の王 ハール》と並べれば毎ターン1枚ずつアドバンテージを削り取っていく事が可能。

相手に手札交換をさせるリスクが高い割には爆発的に打点上昇させることができず、単体では直接的に妨害効果を持ち合わせていない。
他のランク9と比べても性能が見劣りする上に当時は《真竜皇V.F.D.》という凶悪な制圧モンスターも使えたため、猶更使う理由がなかった。
長い間見向きもされなかったのだが、《影の王 レイヴァーテイン》の登場により強力な効果を使うためのおまけ的ではあるが評価されるようになった。
元から《天霆號アーゼウス》との相性が良好だったのもあり、殴った後に素材4枚以上で繋ぐことができるためおまけとはいえ侮れない活躍ができる。

モチーフは言わずもがな世界蛇「ヨルムンガンド」。
二つ名が「(とこしえ)」なのはヨルムンガンドがしばしばウロボロスと見なされることに関係していると思われる。


  • (かげ)(ジェネレイド) レイヴァーテイン
エクシーズ・効果モンスター
ランク9/炎属性/天使族/攻2500/守2500
レベル9モンスター×2体以上
(1):共通効果
(2):相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は1000ダウンする。
(3):自分・相手ターンに、X召喚したこのカードをリリースして発動できる。
EXデッキから天使族モンスター以外の「ジェネレイド」Xモンスター1体を特殊召喚する。
その後、このカードが持っていたX素材の数まで、自分または相手の、
フィールド・墓地のカードを選んでこの効果で特殊召喚したモンスターの下に重ねてX素材にできる。
《王の影 ロプトル》との関係性を匂わせる、炎の剣を持った天使族の(ジェネレイド)
最近増えてきた素材指定が「以上」なエクシーズモンスターであり、任意で素材を増やせる。
固有効果は2つ。どちらもロプトルに類似している。

第一の効果は相手モンスターの攻守を1000ダウンさせる永続効果。
ランク9にしては素の攻守が控えめだが、これにより実質攻守3500となるので戦闘には強く出られる。
ロプトルと共に立たせると攻撃力差は2000にも膨れ上がる。

第二の効果が本命。
お互いのターンに自身をリリースして、EXデッキから天使族以外の「ジェネレイド」エクシーズモンスターを特殊召喚し素材を補充させる。
この効果で特殊召喚できるエクシーズモンスターは、現状では《永の王 オルムガンド》しか対存在しない。
しかしエクシーズモンスターの特殊召喚後に行う素材補充効果が非常に強力。
素材の補充元は自分・相手のフィールド・墓地から選ぶため、実質的にフィールドか墓地に対するフリーチェーン除去となる。
つまり対象を取らず、カードの種類や表裏も関係なく選べ、エクシーズ素材に埋め込む除去がフリーチェーンで飛んでくるのだ。
エクシーズ素材化は対処が非常に難しいもの除去の一つであるため、それを気軽に放てるのは強烈。
素材化できるカードはリリース時に持っていた素材の枚数までが上限。
基本的には2枚までとなるが、3体以上の素材で出した場合には1度に除去できる枚数が増えるため無駄にはならない。
フリーチェーンという利点を活かしてバトルフェイズに自身で攻撃した後に効果を使い、《永の王 オルムガンド》で追撃することも可能。

汎用的かつ強力な除去強化を持ちながらも素材縛りがないため、EXデッキを2枠取ることを許容できるなら出張で使うこともできる。

モチーフはロプトルによって作られた武器である「レーヴァテイン」。《王の影 ロプトル》とは種族・属性が一致している。
リリースすることで「ジェネレイド」を特殊召喚する効果、攻守に関わる永続効果を持つなど似ている点は多く何らかの関係性はあると思われる。
また、設定によるとこの「(ジェネレイド)」は秘匿された存在であり、他の「(ジェネレイド)」全てを撃破した後に戦う事が出来る隠しボスにあたる存在らしい。


魔法カード

  • 王の舞台(ジェネレイド・ステージ)
フィールド魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、相手がデッキからカードを手札に加えた場合に発動できる。
デッキから「ジェネレイド」モンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
(2):相手ターンに、自分が「ジェネレイド」モンスターの特殊召喚に成功した場合に発動できる。
自分フィールドに「ジェネレイドトークン」(天使族・光・星4・攻/守1500)を可能な限り攻撃表示で特殊召喚する。
このトークンはエンドフェイズに破壊される。
(ジェネレイド)の集う世界。
専用フィールド魔法。効果は2つある。

第一の効果はデッキから「ジェネレイド」モンスターをリクルートする効果。
「相手がデッキからカードを手札に加える」だけで効果を発動できるため非常に条件は緩い。
というかドローも「デッキから手札に加える」行為であるため、ドローフェイズのドローでも効果が発動する。
実質毎ターン相手のドローフェイズ時に「ジェネレイド」モンスター1体をリクルートする効果といえる。
ほとんどが自力で特殊召喚できず展開を外部に頼るしか無い【ジェネレイド】にとって安定して展開を続けられるこのカードの存在はまさに生命線。
幸いこのカード自体は様々な方法で迅速にデッキから引き出せるようになっている。デュエル最序盤に真っ先に確保しておきたい。

第二の効果は相手ターンに「ジェネレイド」モンスターが特殊召喚された場合、自分フィールド上に「ジェネレイドトークン」を生成する効果。
マルデルとヴァラ以外のメインデッキのレベル9「ジェネレイド」モンスターは効果発動に自分フィールド上のモンスターをコストに要求する。
このトークンは主にそれらの効果の発動コストとして使用される。
相手ターンが終わると同時にトークンは全て消え去ってしまうため、それまでに積極的に消費してしまいたい。
地味に素材やリリースなどに制限はかかっていない。
そのため相手ターン中にリンク召喚やシンクロ召喚などができるカードがあれば、それらを使ってシンクロ召喚やリンク召喚を行うこともできる。
ちなみにエンドフェイズに「破壊」されるので、ナグルファーの効果を使えば自分のターンまで生き延びられる。

イラストでは青い背景に9つの球体が描かれた幾何学的な紋章のような物が浮かんでいる。
コレは北欧神話における世界観の根幹をなす「9つの世界」の配置を示した図であり、それぞれの球体は各世界の位置関係を表している。
「ジェネレイド」モンスターの背景に共通して描かれている紋章もコレ。


  • 王の試練(ジェネレイド・クエスト)
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):手札の「ジェネレイド」モンスター1体を相手に見せ、デッキから「王の試練」以外の「ジェネレイド」魔法・罠カードを2枚まで手札に加える(同名カードは1枚まで)。
その後、見せたカードをデッキの一番下に戻す。
(ジェネレイド)との対峙。
通常魔法。
手札の「ジェネレイド」モンスター1枚をデッキに戻し、同名以外の「ジェネレイド」魔法・罠カードを2枚まで手札に加える。

2:2交換でアドバンテージの損失なく2枚ものカードをサーチできる。
しかしこのカードの真価はそこではなく「手札の『ジェネレイド』モンスターをデッキに戻せる」点にこそある。
自力で自己を特殊召喚する能力を持たない「ジェネレイド」モンスターは手札にあっても腐る可能性が高いが、このカードはそれを解決してくれる。
手札の質を高めるだけでなく、腐っている「ジェネレイド」モンスターをデッキに戻して《王の舞台》による展開を可能にもしてくれるのだ。
採用するとデッキの回転速度を大幅に高めることができる。


  • 王の報酬(ジェネレイド・リワード)
永続魔法
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドにトークンが存在する限り、相手は「ジェネレイド」効果モンスターを攻撃対象に選択できない。
(2):「ジェネレイド」効果モンスターが戦闘で破壊された場合に発動する。
相手はデッキから1枚ドローする。
(ジェネレイド)を打ち倒した対価。
永続魔法。効果は2つある。

第一の効果は相手の攻撃対象を制限する効果。
戦闘破壊されたくない「ジェネレイド」効果モンスターを「ジェネレイドトークン」を身代わりにして守るという使い方が主。
だが「ジェネレイドトークン」は攻撃表示で特殊召喚される関係上高攻撃力のモンスターにサンドバッグにされる危険性がある。
むしろ【ジェネレイド】ではステータスが高く戦闘破壊が困難な効果モンスターの方に攻撃を誘導したい場面の方が多く、あまり有用とは言い難い。

第二の効果は「ジェネレイド」効果モンスターが戦闘破壊されると相手が1ドロー出来る効果。
はっきり言ってこちらには何らメリットがなく相手に塩を贈るだけの効果。
《便乗》などと組み合わせればコンボもできるかもしれないが、それにしても発動条件が受動的すぎて使い物にならない。
おまけにこのドロー効果が発生するのはダメージステップなので、このドローに対しては肝心要の《王の舞台》の効果を発動できない。

総じて得られるメリットに対してあまりにもデメリットが重すぎる。《王の舞台》との件を考えると明らかに設計ミスとしか思えない1枚。
「王を倒せば報酬が得られるよ!」というフレーバー感は素晴らしいのだが…

イラストは光を放ちながら開かれる宝箱。よく見ると背景でドヴェルグスが「××」「><」といった顔で倒れている。
「ジェネレイド」カードには珍しいコミカルなイラスト。


罠カード

王の襲来(ジェネレイド・バトル)
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のデッキ・墓地から「ジェネレイド」フィールド魔法カード1枚を選んで発動する。
その後、相手はデッキから1枚ドローする。
迫り来る(ジェネレイド)
通常罠。
デッキ・墓地から「ジェネレイド」フィールド魔法を発動し、その後相手に1枚ドローさせるシンプルな罠。

「ジェネレイド」フィールド魔法カードは現時点で《王の舞台》しか存在していないので実質専用サポート。
指定的に今後別のフィールド魔法が登場する予定なのだろうか?
「《王の舞台》の発動」「ドローによる効果の起動」「『ジェネレイド』モンスターの展開」
【ジェネレイド】に必須の挙動をこの1枚で全て遂行することができる。ただし罠なのでワンテンポ遅く、相手に手札を与えるリスクもある。
極力「ここを凌げばどうにかなる」シーンや、切り返しの手段を確保してから使いたい。
もちろんデッキとして《王の舞台》を引き込めていなければ論外なので、そういう場面では躊躇なく使ってしまおう。


「クエスト」「バトル」「ステージ」「リワード」「ジェネ『レイド』」…
これらの名前から察した人も多いかもしれないが、「ジェネレイド」のテーマ設計はオンラインゲームにおけるいわゆる「レイドボス」。
「多数のパーティで倒すことを想定された、強大で打たれ強いボスキャラ達」をモチーフとしているようだ。
対を成すテーマである「神碑」は、逆にプレイヤー視点となっている。


  • 王の支配(ジェネレイド・テリトリー)
永続罠
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分の「ジェネレイド」カードの効果の発動にチェーンして相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時、手札を1枚捨てて発動できる。
その相手の効果は「お互いのプレイヤーは、それぞれデッキから1枚ドローする」となる。
(ジェネレイド)による支配。
永続罠。
「ジェネレイド」カードの発動ににチェーンして発動した効果を「お互いのドロー」に書き換えて実質無力化する。

一番の役割はやはり《王の舞台》のリクルート効果にチェーンして発動された《灰流うらら》や《増殖するG》などを無力化することだろう。
どちらも直撃すると致命傷になりかねないため、それを回避できる効果は重要だと言える。
《王の試練》から《王の舞台》もろともサーチしておき、返しのターンの妨害に備えよう。


  • 王の憤激(ジェネレイド・バイト)
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分フィールドの「ジェネレイド」モンスターを任意の数だけリリースし、自分フィールドのXモンスター1体を対象として発動できる。
リリースした数だけ自分の手札・フィールド・墓地から、リリースしたモンスター以外の「ジェネレイド」モンスターを選び、対象のモンスターの下に重ねてX素材とする。
(ジェネレイド)の咆哮。
通常罠。
場のエクシーズモンスターの素材数を一気に増やすことが出来る。

しかし「ジェネレイド」モンスターを任意の数だけリリースするコストが非常に重い。
加えて「ジェネレイド」で多用されるランク9のエクシーズモンスターには、フリーチェーンで素材を増やせることに意味のあるカードがほぼ無い。
せっかくの利点を活かしづらく、また直接的なアドバンテージに結び付きづらいのが難点。
コストには「ジェネレイドトークン」を充て、墓地のモンスターを優先的に回収するなどしてコストの軽減を図りたい。
オルムガンドに使えば瞬間的に最大5000も攻撃力が上昇するので、ワンショットキルを狙うのも良いかもしれない。


▼デッキ概要

先述の通り、遊戯王でも非常に珍しいレベル9のモンスターを主軸に動かしていくテーマである。
デッキの基軸である《王の舞台》を真っ先に発動し、次のターンの相手のドローフェイズをトリガーにデッキから「ジェネレイド」モンスターを展開。
同時に展開される「ジェネレイドトークン」を効果コストに相手ターンを凌ぎつつ、自分のターンでは展開した「ジェネレイド」モンスターで攻め込む。
レベル9で統一されているため、合間に強力なランク9エクシーズモンスターを絡めることでより多彩な戦法を取ることが可能。

【ジェネレイド】単体だとコントロール寄りの低速デッキになる。
しかし各「ジェネレイド」モンスターは自身と同種族もサポートできるため、各種族デッキに単独ないし《王の舞台》とセットで出張も可能。
手軽に混成デッキを構築でき、また強力なランク9エクシーズモンスターを戦術に取り込むことができる。
また【ジェネレイド】は展開の手段の大半を「ジェネレイド」モンスターと《王の舞台》で賄えるコンパクトさが一番の売り。
様々なデッキのギミックを取り込むことができ、積極的な攻めの構成に仕上げることも可能。
組む人によってデッキの様態が異なる珍しいテーマだと言える。

弱点としては以下の点が挙げられる。

  • 王の舞台(ジェネレイド・ステージ)》への依存度の高さ
モンスターの展開やコストとなるトークンの用意など、このデッキは戦術の大半を《王の舞台》1枚に依存してしまっている。
当然コレが除去されたりあるいは序盤で手札に引き込めなかったりした場合はデッキの動きに凄まじい支障を来す。
「ジェネレイド」モンスターを展開できなくなり、相手ターンを凌ぎ切るのが著しく困難になる。
《王の舞台》自体は豊富なサポートの存在から手札に確保するのはそう難しくないが、執拗な除去で徹底的に排除されると流石に立て直しが難しくなる。

  • 特殊召喚封じ
《王の舞台》を介した特殊召喚で展開されるのが【ジェネレイド】の基本。
それ故にその特殊召喚自体を封じられるとデッキのコンセプトが崩壊する。

  • 魔法・罠カードへの対処手段の乏しさ
効果の性質上対モンスターにはかなり強いものの、魔法・罠カードを除去できる「ジェネレイド」モンスターが少なめ。
致命的な永続カードなどに居座られたり、大量の伏せカードを出されたりすると対処が遅れがちになる。
種族属性がバラバラな上に、同名トークンを大量に並べる動きもするため《群雄割拠》《御前試合》《センサー万別》とありとあらゆるメタが刺さる。
スキルドレイン》に関しては発動コストに自身をリリースすれば穴を突けるため、《虚の王 ウートガルザ》で除去しに行くことができる。

  • 回りくどさ
《王の舞台》の関係で最低1回は相手にターンを回してやる必要がある。
また相手がデッキからカードを手札に加えなければならないため、能動的に動くには相手にそれを促してやらなければならない。
当然自分から促すと相手に塩を贈ることになるため、相手が有効なカードを引き込んでしまった場合かえって自分の首を締める結果になりかねない。
このあたりの足の遅さは《王の影 ロプトル》と《王の呪 ヴァラ》の登場によってかなり改善。
序盤から《影の王 レイヴァーテイン》などを立てて積極的に攻勢を仕掛けて行けるようになった。


▼相性の良いカード


■ランク9エクシーズモンスター
複数のレベル9モンスターが自然に並ぶ稀有なデッキなので、普段出すのに一工夫要るランク9モンスターも容易にデッキに組み込める。
とはいえ《真竜皇V.F.D》禁止以降は以前のような強烈な制圧手段とはならなくなったため、何を採用するか、出すべきかどうかまで含め慎重に判断すべきだろう。
強力な除去を持つ《幻子力空母エンタープラズニル》や《無限起動アースシェイカー》、無効化効果持ちの《神樹獣ハイペリュトン》などが有力候補。

■《フルール・ド・バロネス》
適当なレベル9ジェネレイドモンスターとレベル1チューナーの組み合わせでシンクロ召喚可能なのだが、《光の王 マルデル》や相性の良い《ローンファイア・ブロッサム》から《コピー・プラント》と《スポーア》が呼び出せるため非常に扱いやすい。
後述する《ホップ・イヤー飛行隊》からの展開ルートもあり。

■植物族ギミック
《光の王 マルデル》を介して相互にサポートしあえる上に出張適正の高いカードが多く相性が良い。

  • 《ローンファイア・ブロッサム》
主に《光の王 マルデル》を呼び出して《王の舞台》をサーチするのが役割。
しかし場合によっては《スポーア》や《コピー・プラント》を呼び出すことでさらなる展開に繋げることができ、
事故率軽減だけでない様々なコンボに活かすことが可能。

  • 《スポーア》《コピー・プラント》
どちらも植物族のレベル1チューナー。《コピー・プラント》は《光の王 マルデル》のレベルをコピーすればランク9エクシーズモンスターに、そのままチューナーとして使えばレベル10シンクロモンスターに繋がる。
《スポーア》は自己再生効果を持ち、特殊召喚に使った《ローンファイア・ブロッサム》をコストにすれば一枚からLINK2に化けられる。
またレベル10シンクロモンスターを出した後《光の王 マルデル》をコストに自己再生すればなんとランク10エクシーズモンスターも出せてしまう。

  • セリオンズ出張セット
《セリオンズ“リリー”ボレア》が《光の王 マルデル》でサーチ可能である点を利用して、《円盤闘技場セリオンズ・リング》経由で《セリオンズ“キング”レギュラス》に繋げることが可能。
レギュラス自体もジェネレイドならフィールド魔法サーチに使った《惑星探査車》を利用して特殊召喚できるため素引きしてしまっても腐りづらく、相性が良い。

■レベル9モンスター
同レベル帯のモンスターはサポートカードを共有しやすく戦術の幅を広げてくれるため採用が見込める。
レベル9の《雷撃壊獣サンダー・ザ・キング》や緩い条件で特殊召喚できる《巨大戦艦 ブラスターキャノン・コア》などが候補か。
特に《トリアス・ヒエラルキア》は大量に召喚される天使族の「ジェネレイドトークン」をコストに即降臨が狙えるため相性が良い。
特殊召喚に必要なコストを増やすとフリチェ破壊や2ドローと強力なおまけがつくが、コストにするトークンの管理がシビアになるので注意。

《天霆號アーゼウス》
エクシーズデッキにはおなじみのカード。
《永の王 オルムガンド》は素材を増やす効果を持つため、全除去用の素材を蓄えつつ繋ぐことができ相性がいい。
ただ盤面維持が重要な【ジェネレイド】では自分のカードも墓地送りになるのは軽くないダメージなので使用タイミングは慎重に見極めたい。

■《星神器デミウルギア》
3500という高い打点とモンスター効果を受けない強力な耐性を持つ。使った素材によっては全体破壊すら撃てる。
ただし素材指定がレベル5以上のモンスター3体ととても重い。
レベル9主体の【ジェネレイド】では素材指定の重さはクリアしやすく、種族・属性がばらけているため破壊効果を得るための条件も満たしやすい。
後述する《星遺物の胎導》を利用して展開するのが主な手段となるだろう。

■《宣告者の神巫》
天使族をデッキかEXデッキから墓地へ送れる。
状況によって《王の呪 ヴァラ》《トリアス・ヒエラルキア》《旧神ヌトス》など落とすモンスター使い別けられる。
ただ落とすモンスターの都合上レベルが高くなりすぎるので、シンクロ素材には使いにくい。
《星神器デミウルギア》の素材や《トリアス・ヒエラルキア》のリリースに使うのが良いか。

《無力の証明》
高レベルのモンスターが自分フィールド上に立っていることが珍しくなく、効果発動条件を満たしやすい。
フリーチェーンなので攻撃制限を回避できる相手ターンに使うのが基本。

■《貪欲な瓶》/《貪欲な壺》
【ジェネレイド】単体では墓地に送られた「ジェネレイド」モンスターを再利用する手段に乏しい。
これらのカードで再利用することでアドバンテージへと変換しつつ、《王の舞台》によるリクルートへと繋げられるためぜひ採用したい。

■《星遺物の胎導》
手札からレベル9モンスターを特殊召喚する、もしくは対象のモンスターと種族・属性の異なるレベル9モンスター2体をデッキから特殊召喚する通常魔法。
メインデッキの「ジェネレイド」モンスターは属性も種族も異なりやすいので、2体リクルートが行いやすい
上手くいけば実質デッキから異なる「ジェネレイド」モンスター2体を呼び出すことが可能。
コレ1枚で即エクシーズ召喚なりリンク召喚なりに繋げることができ、おまけでマルデルの効果も発動できる。
それができなくても手札に来た「ジェネレイド」モンスターの展開に使用できるので無駄がない。
しかし自分フィールドにレベル9モンスターが存在する=【ジェネレイド】のギミックがきちんと機能しているという事でもある。
逆にそれらが機能していない劣勢時には腐りやすい。
《王の呪 ヴァラ》と絡めれば1ターンにランク9エクシーズを2枚並べられる可能性もある。
とりあえず構えておきたい筆頭候補は妨害性能が高く柔軟性がある《影の王 レイヴァーテイン》になるか。

■《墓穴の道連れ》/《一時休戦》/《未界域のモスマン》
どちらも相手にドローを促し《王の舞台》の効果を能動的に発動できる。ハールの効果による除去のトリガーにも最適。
《墓穴の道連れ》なら相手の手札を荒らすことで余計なアドバンテージを相手に与えるのを防ぎつつ、厄介な手札誘発を先んじて潰すことができるため理想的。
《一時休戦》なら「ジェネレイドトークン」を狙われたことによるワンショットキルを防げるためこちらも有用。
《未界域のモスマン》は自分も手札交換しつついざというときは特殊召喚してリンク素材に充てる独特の動きが可能。

「Sin」モンスター
フィールド魔法である《王の舞台》を採用するため一緒に採用しやすい。
「ジェネレイド」モンスターは強力な効果持ちも多く戦闘参加できなくても戦線維持に貢献できるため、攻撃制限デメリットを比較的無視しやすい。
《王の舞台》を守ることができる《Sin スターダスト・ドラゴン》が特に好相性。

■相手ターンにシンクロ召喚、リンク召喚可能なギミック
余りがちな「ジェネレイドトークン」をシンクロ素材として活用できるので相性は良い。
《ホップ・イヤー飛行隊》なら《砂漠の飛蝗賊》を経由することで、1枚ハンデスしつつ奇襲気味に《フルール・ド・バロネス》につなげる事ができる。
《スチーム・シンクロン》ならトークン2体を素材に《氷結界の還零龍 トリシューラ》につなげられる。
《I:Pマスカレーナ》はジェネレイドトークンを素材にリンク召喚できるため、《星遺物からの目覚め》を介して相手ターンにリンク召喚することで除去から妨害まで幅広くこなせる。

■《テラ・フォーミング》/《メタバース》
《王の舞台》のサーチ要員。
《王の舞台》を引き込めなければ話にならない【ジェネレイド】では優先的に投入したい。

■「召喚獣」/「シャドール
6属性全てに「ジェネレイド」モンスターが存在するため、各属性の融合モンスターの融合素材に活用できる。
特に効果使用後のマルデルを素材にすれば強力な《召喚獣メルカバー》や《エルシャドール・ネフィリム》などを融合召喚できるため無駄がない。
メルカバーは奇しくもレベル9であり、サポート面でも【ジェネレイド】との親和性が高い。

■《ザ・カリキュレーター
性質上高レベルのモンスターが複数並ぶので爆発的な打点向上が見込める。
「ジェネレイド」モンスター1体で攻撃力は3300に達し、2体で6000、3体で8700、4体なら11400にまで上昇する。

■《ドロール&ロックバード》
ドローを強要するカードを利用し、能動的に相手のサーチを封じに行くことができる。フリーチェーンの《王の襲来》や《永の王 オルムガンド》をスタンバイフェイズに撃ちつつ発動というムーブが理想的。ただしこちらの「相手にドローさせる」効果も封じられてしまう点は注意が必要。

■《九字切りの呪符》
レベル9モンスター専用の《トレード・イン》。
手札の「ジェネレイド」モンスターを処分しつつ2枚もデッキを掘り下げられるのは言わずもがな非常に便利。
手札事故のリスクを大きく軽減してくれる。
地味にフィールドのモンスターをコストに出来る点も優秀。効果発動後のマルデルをコストに充ててしまえば無駄がない。

■《失楽の魔女》
召喚したときにデッキから「禁じられた」魔法カード1枚を手札に加え、相手メインフェイズと遅いがデッキからロプトルをリクルート可能。
ロプトルは有効なサーチ手段に乏しい天使族のため、それを確保できる機会を増やしてくれるだけでも採用に値する。
ついでに《禁じられた聖杯》や《禁じられた一滴》を持って来ておけば相手への牽制にもなる。

■《ヌメロン・ネットワーク》&《ヌメロン・ダイレクト》
主に相手ターンに展開してゆく特異なテーマ性から発動によって被るデメリットの大半を回避することができ、
さらに《王の舞台》をサーチする《テラ・フォーミング》や《惑星探査車》を共有できる。
エクストラデッキね枠にも比較的余裕があるため、展開した「ゲート・オブ・ヌメロン」を素材に最大素材の《召命の神弓-アポロウーサ》を繰り出して先攻の抑えにしつつ、
次の相手ターンでの《王の舞台》に対する《灰流うらら》を封じ、《轟の王 ハール》でさらに妨害を上乗せするといった戦法が強力。
もちろんセオリー通り隙を突いて即死攻撃をプレゼントしてやるのも良いだろう。

■《黒魔女ディアベルスター》
手札かフィールドから1枚墓地に送って特殊召喚できるため、手札に来てしまった「ジェネレイド」モンスターを墓地に送り《王の呪 ヴァラ》や《死の王 ヘル》で蘇生できる対象を増やすことができる。
魔法使い族のため自身を《轟の王 ハール》の効果のコストにすることが可能で、相手ターンならば効果発動のコストで墓地に送られても自力で墓地から蘇生することができる。
そして特殊召喚成功時にセットできる「罪宝」魔法カードも優秀で、自身をサーチ&サルベージできる《"罪宝狩りの悪魔"》、レベル7以上の魔法使い族に効果耐性を付与しつつその魔法使い族の攻撃力分だけ相手モンスターを弱体化させ0になったら破壊もできる《死の罪宝-ルシエラ》が相性が良い。
特に《死の罪宝-ルシエラ》の効果対象には自身より攻撃力が高い《轟の王 ハール》が含まれるため、《王の影 ロプトル》と《影の王 レイヴァーテイン》がフィールドに存在すれば攻撃力5000までのの相手モンスターを一瞬ですべて破壊可能と制圧・除去能力にも優れる。








追記・修正に君臨するアニヲタに挑め。

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最終更新:2024年03月09日 16:11