1996年第114回天皇賞・秋

登録日:2019/08/02(金) 02:25:00
更新日:2023/12/09 Sat 11:43:08
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バブルだ!バブルだ
バブルガムフェローだー!


1996年10月27日に東京競馬場で行われた第114回天皇賞・秋はバブルガムフェローが勝ったレースである。

出走馬

1 トウカイタロー
2 ナイスネイチャ
3 ゴーゴーゼット
4 バブルガムフェロー
5 ナリタキングオー
6 ベストタイアップ
7 ユウセンショウ
8 マヤノトップガン
9 ダイタクサージャン
10 カミノマジック
11 マーベラスサンデー
12 ジェニュイン
13 ヤシマソブリン
14 カネツクロス
15 マイネルブリッジ
16 サクラローレル
17 マイヨジョンヌ

晴天の天候の下、昨年の年度代表馬や春の天皇賞馬などが集まり、中距離での実績馬3頭と2000m未経験の1頭の3強プラスワンとして戦前は盛り上がっていた。
1番人気は春の天皇賞馬で前走産経賞オールカーマを勝った横山騎乗のサクラローレル。
2番人気は前走京都大章典勝ち、武豊騎手が選んだ遅れてきた大器マーベラスサンデー。
3番人気は昨年の朝日杯勝ち馬で前走毎日王冠3着で岡部騎手から蛯名騎手に乗り替わったバブルガムフェロー。
4番人気は昨年の年度代表馬で前走オールカマー4着のマヤノトップガン。
と、この4頭が単勝10倍を切って人気が集まっていた。

サクラローレルは故障によって1年以上休養していたが、今年になって休養明けの中山記念を勝ちそれを含めて3連勝、東京芝2000mでは不利と言われる大外枠の8枠16番を引いたもののその強さは本物だと言う評価で1番人気に支持されていた。
対して昨年の年度代表馬のマヤノトップガンはG1 3勝とこのメンバーでは一際目立っていたが、今年に入り、好走と完敗を繰り返していて、前走では格下の牝馬にさえ先着されていたので、ここでは評価が落ちていた。
マーベラスサンデーは1年以上の休み明けの明石特別こそ馬体重プラス20kgで4着に敗れたもののそれ以外のレースでは勝利していて9戦8勝でこの大舞台に臨んできていた。
以上の3頭が中長距離路線を歩んできた3強という評価であった。

それに加えて、3歳馬の素質馬バブルガムフェローが2000mの距離未経験ながらG1勝ちの実績と順調にトライアルレースを叩けたのが評価されて前の3強プラスワンの4強と評されていた。

レースは各馬まずまずのスタートで始まった。
しかし、スタート直後にコーナーを迎えるために、人気のサクラローレルは懸念されたとおり、後ろの方からのレースを強いられることになった。

まず先頭に立ったのはトウカイタロー。しかしすぐさまカネツクロスが抜いていく。バブルガムフェローが積極策で3番手、それを見るようにマヤノトップガンがいた。マーベラスサンデーもまずまずの位置取りでその後ろに昨年の2着馬ジェニュインも虎視眈々と戴冠を狙っていた。

向こう正面から3コーナーに向けてサクラローレルが外を通ってじわじわと番手を上げていく。
先頭はトウカイタローとカネツクロスが争ってレースは動いていく。

4コーナーを回って最後の直線。先頭はカネツクロスとトウカイタローが並んでまだ粘っていた。
それを見るようにバブルガムフェロー、外の方からマヤノトップガンが抜け出しにかかる。
そして1番人気サクラローレルは馬群の中に突っこんでいった。


サクラローレルはまだか!
サクラローレルはまだか!


残り200mで先頭に立ったバブルガムフェロー。蛯名騎手は外を通るマヤノトップガンに馬体を合わせるべく、馬を外に持ち出した。
それと時を同じく、スタート直後のロスを埋めるべく横山騎手がサクラロレールを馬群の中に入れたのを見て、武豊騎手がマーベラスサンデーをすかさずサクラローレルの外に合わせにいった。
内にベストタイアップ、前にバブルガムフェローとマヤノトップガン、外にマーベラスサンデーとサクラローレルが完全に囲まれてしまった。
サクラローレルがどうにか馬群をこじ開けようと奮闘する前で、バブルガムフェローとマヤノトップガンの壮絶な一騎打ちが始まっていた。
もうゴール前、サクラローレルがどうにか馬群をこじ開け、サクラローレルを閉じ込めてアドバンテージを持ったマーベラスサンデーをどうにか競り落としたところがゴールだった。
その前で、バブルガムフェローがマヤノトップガン抑え込んでトップでゴールしていた。
そして蛯名騎手が自身初めてのG1制覇で高々とガッツポーズを決めた。


結果


1着 バブルガムフェロー
2着 マヤノトップガン
3着 サクラローレル
4着 マーベラスサンデー
5着 ゴーゴーゼット
6着 ベストタイアップ
7着 トウカイタロー
8着 カミノマジック
9着 ユウセンショウ
10着 ナイスネイチャ
11着 カネツクロス
12着 ダイタクサージャン
13着 ヤシマソブリン
14着 ジェニュイン
15着 ナリタキングオー
16着 マイヨジョンヌ
17着 マイネルブリッジ

払い戻し
単勝:4番 740円(3番人気)
複勝:4番 200円(3番人気) 8番 210円(4番人気) 16番 130円(1番人気)
枠連:2-4 2060円(9番人気)  馬連:4-8 2500円(8番人気)

勝ち時計、1分58秒7、またしても1番人気が勝てなかった。
天皇賞秋では1番人気が勝てないというジンクスは、サイレンススズカの悲劇もあったりで2000年に世紀末覇王テイエムオペラオーが制するまで続いていく。

3歳馬(当時の表記では4歳)の勝利はハツピーマイト以来59年ぶりであった。もちろんJRAになってからは初の出来事だった。
3歳馬に天皇賞秋の門戸を開いてから10年目である。かつてはオグリキャップなどが古馬の壁に跳ね返されてきた。
春のクラシックを故障で棒に振ったバブルガムフェローを秋は天皇賞秋を目標に定めた陣営の読みが勝ったのだ。
そして鞍上の蛯名騎手も待望のG1制覇であった。かつて95年の天皇賞春で2着に負けていたのにガッツポーズをして恥をかいたことがあったが、今度こそ本当の勝利のガッツポーズを決める事ができた。

2着のマヤノトップガンはさすがに実績馬という実力を見せつけた格好になった。しかし、サクラローレルに不利があったためにサクラローレルに実力で先着したとは見られることはあまりなかった。
3着のサクラローレルは8枠を引いたことが最後の直線で響いてきた。実力を出しきれないまでもマーベラスサンデーを抑え込んだことは自力の強さを示したと言えよう。
4着のマーベラスサンデーは武豊騎手が上手く乗ったと思えるが、大舞台の経験不足が響いたというところか。

勝ったバブルガムフェローは続くジャパンカップに参戦したものの、サクラローレル、マヤノトップガン、マーベラスサンデーの3頭は賛否両論はあったけれど、当初の予定通りにジャパンカップを回避、有馬記念に向かうこととなる。そして、3強の物語も有馬記念に続いていったのだった。

若くして栄冠に輝いた方に追記、修正をお願いします。

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最終更新:2023年12月09日 11:43