ムーンライトシンドローム

登録日:2010/09/20(月) 18:05:26
更新日:2023/12/24 Sun 16:11:07
所要時間:約 7 分で読めます




There is NO sound at place(音はそこにない)

THE ORAL SEX OF A COURT OF JUSTICE(裁判所の献身的行為)

the LOVER fallen paranoia(妄想癖の彼)

A road freely extending and contracting(自由きままに伸縮する道)

A bruise Dream box(打撲した夢の箱)

dive of generation(世代の跳躍)

what is a grand LSD?(素晴らしいスピードって?)

hurt cried and then is fixing(心は叫んで、定着する)

the birth of fake(疑似的に生んで、)
and the end of it are simultaneously(疑似はそこで終わる)

carnival one has been longing for(期待していたカーニバル)


ムーンライトシンドローム(月光症候群)

『MOONLIGHT SYNDROME』は、97年にヒューマンから発売されたPS用ソフト。
ジャンルは“サイコ”ホラーアドベンチャー。
ディレクター、シナリオは須田剛一。
96年に発売され、話題を集めた『トワイライトシンドローム』の続編的作品だが、前作とは物語、グラフィックの方向性が全く異なる内容となっており、登場人物の名称のみを同一としたパラレル作品とも言える。
後に須田が手掛ける『シルバー事件』や『killer7』に通じる、一連の“SUDA51”オリジナル作品群の起点となる、極めて作家性の高い実験的なゲームソフトである。*1
余りにも前衛的で人の暗い側面に焦点を絞った作風は非常に人を選び、人によって極端にハマる人間と拒絶するのが分かれることは必至で、そういう意味では紛うことなきクソゲーであると云える。
※以下、理解不能のネタバレ含む。


【エピソード】


【プロローグ】(PROLOGUE)

“黄昏”の象徴であった雛代高校の旧校舎が破壊され、無機質な新校舎が誕生する場面から物語は始まる。
旧校舎だけではなく、旧いものが破壊され急速に作り替えられていく新興都市…雛代町。
ある夜、高校2年生の岸井ミカは暗い夜道を帰宅途中に自分を尾ける別の足音があるのに気付いた。
…しかし、それは覚醒しながら見た夢だったのか?
犯人と思しき不気味な男にも会ったというのに、酷く朧気で……。
漸くマンションの玄関が見えた頃に、呼び止められたミカは旧知のオカルト研究家であるアラマタから、自分や自分の周囲のコミュニティ、そして雛代に住む人々自体が異常な転換期とも呼ぶべき混乱に巻き込まれていることに気付かされる。
しかし、それをミカが聞いたとしても何の意味も無い。
彼女の運命は既に固定されてしまっているのだから。
実感の無い奇妙な体験の最後に、ミカは雛代に響き渡る少年の笑い声を聞く。
深夜、ミカは恋人からの呼び出しを受けた。
異常な大きさに見える満月の光の下で、ミカは黒づくめの奇妙な男に出会う。
月明かりの朧の下で見る恋人の異常にミカは気付くことが出来なかった。
翌日、ミカは自分とそっくりな女が死んだ話をきっかけにクラスメートとの諍いが起こしてしまう。
夜、父母との団欒。
驚いた父の声に注目すると、ニュースでは自分と同じ顔をした女の死が大きく報じられていた。


【夢題】(MOWDEI)

華山キョウコ、最後の1日……。
リョウは、姉のキョウコの夢を見た。
夢の中のキョウコはリョウの心の底を見透かしており、自分もリョウを愛していると告げた。
幸福だが、決して許されてはいけない愛の形。
現実に還り、嫌悪感に苛まれているリョウの下をスミオが訪問する。
スミオはキョウコのかつての恋人であり、リョウとも親しくしていた時期もある相手であったが“ある理由”からスミオはキョウコと別れ、その原因はリョウ達姉弟にあると言う。
今見たばかりの夢もあり、内面を見透かしたかのようなスミオの言葉はリョウを刺した。
虚勢を張りスミオに対抗するリョウだが、心の傷は大きい。
僅かな癒しを求めてクラブに向かったリョウだが、そこに居たのはスミオの妹であり、かつては恋人としての関係を結んでいたルミ。
自分以上に傷ついているルミ、自分が傷つけてしまった相手であるルミからも逃げるように地下に潜ったリョウは、そこで二人の女と出会う。
一人は高橋キミカ。…リョウは覚えていなかった、かつてのクラスメート。…しかし、彼女は大きな役目を果たすことになる。
もう一人は逸島ヤヨイ。彼女と会話を交わす中で安らぎを覚え始めたリョウだったが、彼女はスミオと関係していた。
ヤヨイに導かれたスミオの目前で怒りを顕にするリョウだったが、運命は既にここに集う人物達を絡め取っていた。
ヤヨイが手にした紙袋の中身は……。
リョウが意識を失っている頃、フロアに出て来て談笑するスミオをキミカは見つけた。
キミカは飄々とした態度を崩さないスミオに対し、怨念の炎を自らに放ち近付く。
キミカの覚悟を見たスミオも惚けるのを止めるが、同時に自らの“契約”が成ったことを知り歓喜と共に哄笑する。
意識を失ったリョウを慰めながら、ヤヨイはスミオの替わりに自分がリョウを見守ることを宣言するのだった。
……意識を取り戻したリョウはルミと顔を合わせ、スミオが死んだことを聞く。
住処に戻ったリョウはキョウコからの電話を受けるが、同時刻にキョウコは麗月峠で壮絶な事故死を遂げていた。
キョウコの首は、見つからなかった。
あの、紙袋の中に見たのは……。


【奏遇】(SOWGUW)

愛しのユカリや、幾度も自分を助けてくれたチサトが受験勉強に明け暮れて行動を共にする機会が無くなってしまったこともあってか、ミカは自分をワクワクさせるような噂を渇望していた。
化学教師広瀬の噂を入手し、チサトから居場所を聞き出した後でカリキュラムの合間にサボっていたユカリを連れ出すことに成功したミカだったが、肝心の噂は不発。
呆れたユカリは勉強に戻ってしまうが、敬愛する先輩達との束の間の邂逅でも、ミカは救われた気持ちになるのだった。
…しかし、雛代に降臨した“存在”はミカに執着することを契約により約束されていた。
無理やり部員に引き戻されて久々に参加した部活終わりに、クラブでの変死事件が会話に上がった瞬間、気付くと仲間の姿は消えて、ミカの目の前には以前に会った筈なのに記憶することを許されない白髪の少年の姿があった。
少年は「あの時に運命が決まった」と語り、その中心には他ならぬミカが居るのだ。
しかし、今になってもミカはまだ少年と会ったことを記憶することは許されない。
運命はそして、もう一人の“契約”の中心であるリョウをも……。


【変嫉】(HENSHITSU)

妖精の残酷な悪戯。
金の砂をかけられた人間が見る、見てはいけない残酷な夢。
あの、優しいチサトがミカの家族を殺し、ミカが憎しみでチサトを殺す夢。
月の下で出会った黒づくめの男は、どれ程の罪を負ってもミカを許すと言う。
……いつから見ているとも知れない悪夢から醒めたミカだが、真に残酷な悪戯は壊れ始めた現実に待っていた。
後れ馳せながら、アリサとルミとの待ち合わせ場所へと到着したミカだったがアリサとはぐれ、スミオとの関係を知っていたルミには軽蔑の目を向けられ、いつの間にか一人に。
不安にかられたミカに話しかけてきたのは……ヤヨイ。
チサトの妹を名乗る彼女の存在を、チサトから妹が居るなどと聞いたこともないのに頼りにしてしまったミカを待ち受けていた窮地。
歪んだ妄想にとらわれて歯止めが利かなくなった男が、残酷な魔手を気を失ったミカに伸ばそうとしているのを察知して急ぐリョウ。
しかし、間一髪でミカを助けたのは、後を追っていたリョウではなく……ユカリとチサト。
心に傷を負ったミカだが、今の所はチサトの加護とユカリの意志が守ってくれたようだ。
一方、ミカは守れなかったリョウだが、ヤヨイと…彼女と一緒に居る白髪の少年の前に立っていた。
“敵”を認識して怒気を見せるリョウだが、凡ての元凶たる少年はリョウを見て嘲り……。


【片倫】(HENLIN)

学校。
友人達と会話していたミカは、微かに記憶に残る気がする白髪の少年の姿を廊下に見る。
思わず少年の後を追ったミカだったが、気付くと学校の廊下や階段の繋がりが滅茶苦茶になっていた。
少年の声を追って、漸くループから抜け出たミカだったが、霧の深い森の中でユカリにチサトにカヅキにミホ……親しい友人達がどんどん自分から離れていく姿を見る。
自分が居ないのに楽しそうに談笑する彼女達……次の瞬間、ミカが気付くと目の前には血塗れで倒れ伏す友人達の姿……そして、ミカの右手にはナイフが握られていた。
自分の行為を必死に否定するミカだが、白髪の少年はミカが必死に否定する弱さを嘲る。
──これも、夢?
現実世界に還っても、嫌な感覚が染み付いたままのミカ。
そして、帰宅途中の彼女はまた団地に向かう救急車(・・・・・・・・・・・)とすれ違うのだった。


【浮誘】(FUYOU)

ミカの住む“ピラミッド御殿”のすぐ側にある古い団地。
通称“ピラミッド御殿の城壁”で、また中学生の飛び降り事件が発生した。
久々の大事件の予感に興奮するミカは、やんわりと諭されつつも今回はユカリとチサトとアリサを巻き込んで調査に出発することに成功する。
バラバラに到着したミカとアリサだったが、それぞれに調査を開始する中で、中学生達の行動を指示していると思われるリルなる少女の存在を知る。
次に飛び降りる番を向かえたナナを守ろうとするアリサだったが、僅かな差でナナは団地で膨れ上がった“もの”に連れていかれてしまう。
一方、遂にリルと対面したミカだったが、リルの訴える刹那の時間に生きるしかない中学生達の悲哀と、それから脱する為の自発的なレジスタンスとしての“ダイブ”という“真相”を理解できないままにミカは眠らされ、リルは凡てを終わらせるために自らが最後のダイブに向かう。
その頃、遅れて到着したユカリとチサトはヤヨイと対面していた。
ユカリも知らないチサトの“妹”であるヤヨイ……しかし、確かに太古から縁のある“姉妹”である二人は憎悪を顕にして向かい合う。

同じ刻、アリサをはじめとした心有る者達の必死の抵抗の結果、ナナはミカによって自分の意志を示した少年に救われた。
一方、ミカを振り切り屋上へとやって来たリルはチサトの説得も聞かずに飛び降りを実行するが……結局、リルは死ねなかった。
……落下先にいた、ちょうど帰宅してきたリルの父親が犠牲となる替わりに、リルの命だけは救われたことに作為的な物を感じたチサトはヤヨイを問い詰め、事件の裏側に“彼”……白髪の少年が居ることを知る。
怒りのままにヤヨイを封じ込めようとするチサトだったが“姉妹”の力は拮抗していて……。
その頃、白髪の少年は暗い部屋でゲームに没頭する小学生達を見つめて邪悪な笑みを浮かべていた。


【電破】(DENPOW)

ユカリを誘い、クラブのイベントに参加したミカだったが、爆音に晒されていた影響なのか、何故だか耳の奥底からノイズが離れない。
ノイズの中で、対面した相手の自分への本心も聞こえてきて不安定になるミカが目覚めるとそこはクラブ。
一緒に来ていたのはユカリではなくミホだったのか…?
帰宅して自室で眠りについたミカだったが、気付くと教室。
クラブに行ったこと自体が夢だったのか……更に不安定になったミカのノイズは強まり、言動もおかしくなっていく。
遂に限界を向かえたミカが目覚めると、そこは無人のクラブ。
自分を煽ってくる、微かに見覚えのある白髪の少年を殴ってやろうと思ったミカだったが意識を失い、目覚めると自室。
翌日、学校に行くと奇妙な記憶の発端となったイベントのチラシが渡された。


【開扉】(KAIBYO)

雛代台の駅でアリサと待ち合わせて、何処かへ出掛けようとするミカだったが、運悪く乗り込んだ電車は故障中で暫し足を止められてしまう。
その間、今日の約束が酷く曖昧であることに気付いたり、アリサのの話を聞いている内に眠りについてしまう二人。
…目が覚めると、非常に曖昧ながら今では存在をハッキリと認識出来るようになった白髪の少年が目の前に居た。
少年に誘われ、乗客達の心の声を聞かされていく中で、自分を含む人間の本性の醜さに絶望するミカ。
そして、同じく電車に乗り込んでいたリョウも目覚めさせられ、白髪の少年に執着していたミカの内面を見せられる。
そこにある、刹那的で空虚な内面に絶望しかけるリョウだったが、キョウコの幻影に励まされて意識を保つと、白髪の少年に立ち向かう覚悟をする。
……しかし、リョウとは対照的に自我を破壊されてしまったミカは白髪の少年=異教の契約の神であるミトラに言われるままに向こう側への“扉”を越えてしまうのだった。

──電車が直ったというアナウンスでアリサが目覚めると、そこはとっくに出発した筈の雛代台だった、呆然とするアリサ。
ミカの姿は消えて、後には彼女の持ち物だけが……。
いくぞ、ドライブシュート!!*2


【慟悪】(DOWAKU)

消えてしまったミカの行方を探すユカリ、チサト、アリサ。
深夜の学校でミカの姿を見たという噂を元に調査を開始したユカリ達だったが、その渦中でミカの友人であるミキやカヅキ等が犠牲となっていき危険はアリサにも……。
間一髪で警察に阻止されて射殺された犯人はミカの扮装をしていた化学教師の広瀬……だった筈なのだが、腑に落ちないものを感じたチサトはユカリと共に学校に戻る。
……その中で、新校舎の奇妙な構造に気付いたユカリとチサトの前に、学校に潜んでいた邪悪が姿を顕した。


【エピローグ】(EPILOGUE)

ミカちゃん、戻ってきたよ……
チサトの言葉に、深夜の学校に集うユカリ達であったが、凡ての元凶たるミトラによってアリサも、ユカリも、チサトさえもが命を落としていく。
同じようにミカの帰還を感じ取ったリョウも学校へ……必死に止めるヤヨイを振り切ったリョウは学校の中へ。
唯一、ミトラに対抗する手段である“契約”により執着することを約束させられた存在による意志の力を以て。

物語の最後、朝焼けの光の中を走ったリョウはミカと再会する……だが、それによって“契約”は完了し……。


【登場人物】


  • 岸井ミカ
17歳。本編の主人公。
〝闇〟に魅入られ翻弄される…。
流行には取りあえず飛び付き、明日の事など考えない、いつの時代にも眉を顰められる類の少女。
分岐点の無いこのゲームでは、プレイヤーは彼女を操り危機を回避させる事など出来ない。
ただ、彼女が惑い、絶望の淵に落とされる様を見守るのみである。
家庭は裕福。
ピラミッド御殿(高級マンション)に住む。

  • 長谷川ユカリ
18歳。ミカ愛しの先輩。
前作の主人公だが、今作では物語の外側にのみ位置している彼女は、摂理が狂った世界に於けるミカが還るべき日常を象徴する人物だと言える。
…しかし、ユカリはミカを救うべく〝闇〟に挑む事を決意するのだった…そして…。
教師の彼氏が居る。

  • 逸島チサト
18歳。ユカリの親友で、ミカにとっても前作を通じての恩人。
前作の時点で強力な霊感を持つと云う設定だったが、今作に於てはその〝正体〟が更に一歩進められている。
結果、主要人物の中でも特異な立場、視点により物語に関わる事になる。
彼女の存在は〝闇〟の中で喘ぐ存在にとって〝救い〟だが…。
正体は異教の天使(神)。

  • 鹿原アリサ
16歳。主要人物では一番年下だが、誰に対してもフランクな口を訊く。
内股、天然、マイペースにして霊感持ち。
そんな彼女だが、アイデンティティ揺らぎまくりの先輩のミカも羨む、老成した人格を持ち、その独特のキャラクターは確固たる己を持って世の中に向かいあっているが故である。
〝友達〟のミカを助けるべくチサト、ユカリと共に〝闇〟との戦いに挑むが…。
その最期はメーカーによる〝自主規制箇所〟*3

  • 華山キョウコ
〝享年〟19歳。
リョウの〝最愛〟の姉にしてミカと〝同じ顔〟をした女。
慈愛に溢れる魅力的な女だが、その愛情が本当は〝誰〟に向けていたのかを知られ〝闇〟の犠牲となった。
死後も彼女の影はリョウを苦しめ、慰め、そして救う事になる。

  • 冬葉スミオ
19歳。独特のカリスマ性と魔性を持つ。
キョウコの恋人だったが、キョウコの愛情が〝誰〟に向けられていたのかを知り絶望。
ミカを始め、数多の女性と関係を持ったのも、全てはキョウコの愛情を失った事に自分の非が無い事を証明するが為である。
自らの〝正しさ〟を確認した彼は〝闇〟と契約しキョウコの命を奪い、その死を(時空を捩じ曲げ)リョウに見せる事により彼を絶望させる…。
しかし、その直後〝自らの正しさ〟を証明する為だけに遊んだ女の一人、キミカの復讐により命を落とすのだった。
「執着もまた愛情さ」

  • 冬葉ルミ
17歳。スミオの妹。ミカのクラスメートでもあるが、現在は殆ど学校に通っていない。
リョウと付き合っていたが、彼の眼が〝誰〟に向いているかを知っていた…。
尚、彼女もまたスミオの〝女〟の一人である。
リョウに対して憎しみをぶつけるも、それは誰も自分を本当に想ってはくれない事への反動だったか…。
エピローグでの全てから解放された彼女の姿は幸せそうである…が。
後にシルバー事件にリョウと共に〝最悪〟の形で出演している。

  • リル
団地(ピラミッド御殿の城壁)での中学生飛び下り事件の首謀者。
しかし、彼女は自らを〝象徴〟でしかないと語り、畏れられてはいるが〝ダイブ〟を止められるような権限は無いと言うが……。
彼女もまた、本人が気づいていたかどうかは不明だが〝闇〟との契約者であった。
つまり、無自覚な彼女の意思が矢張り中学生達のダイブという怪異を生んではいたのだろう。
狭間の時間にしか生きられない、自分達のレジスタンスが飛び下りだったと語る。
ミカらの世代との乖離を抱えたまま、自らの死を以て事件を終わらせようとするが…。

  • 校長
雛代高校校長。赴任して来てすぐに旧校舎の取り壊し、スウェーデン式の教育システムの導入によって雛代高校の偏差値を跳ね上げてみせた優秀な教育者…だが…。
〝闇〟との契約者。

  • アラマタ
落ち目の作家。
Mr.セーブポイント。
現在はうさん臭い心霊関係の調査、研究で食い繋いでいる。
前作ではミカに頼りにされていたが、本作ではバカにされている。
しかし、専門家らしく実際に街に〝住んでいる〟ミカ達が無意識に見る事を拒んでいた街の異変と、その原因を指摘してみせた。
名称、モデルは荒○宏先生。

  • 逸島ヤヨイ
チサトの〝妹〟を名乗る謎の女。
…だが、昔からのチサトの親友であるユカリは彼女の存在を知らない等、奇妙な点が多い。
見た目は美しく妖艶、甘い口調で語りかけるが、本性は残忍にして冷酷。
…ミカを彼女を付け狙うストーカーの下に導く事すら平気で行う。
スミオの〝女〟の一人だが、彼を操ってもいた。
スミオの死後、リョウを〝見守る〟事を引き継ぐ。
〝闇〟の側の〝敵〟と呼ぶべき存在だが、リョウやスミオへの愛情は真実だった。
チサトの妹である事から、彼女と同じ〝存在〟である。
「可哀相な子…」

  • 華山リョウ
17歳。影の主人公。
シスコン。
地雷震(見た目)。
物語の(ある意味)元凶にして救世主。
ミトラの玩具その2。
ミカ達とは同学年だったが、早々にドロップアウトし、バイク屋でアルバイトしつつ、明日を見ようともせずに生きていたアウトサイダー。
姉とは互いに惹かれ合っていたが、それ故に彼女との永遠の別れを迎える…。
そして、姉と〝同じ顔〟を持つミカと出会い、今度こそ彼女を守るべく〝闇〟に挑む事を決意する…たとえそれが〝ミカの為〟にならなくとも…。
尚、夢題にてリョウがヤヨイに見せられた紙袋の中身はキョウコの首と思われる……が、同章のラストは死を間際としたキョウコからの電話で締められる=あの時点では、まだキョウコは死んでいない筈である。
これは、運命を絡めとるミトラの力とも思われるが、同時にディレクターの須田剛一は“近しい人を亡くしたことによる喪失感”は死を認めるまでにタイムラグを生じさせる(意訳)と答えており、単にミトラの悪戯というよりはゲーム内の怪異の多くが契約者や標的となった者達の無自覚な本心が元となっていることを示す事例とも言える。



  • 白髪の少年
〝闇〟にして〝光〟
〝全知〟にして〝全能〟
千の耳と万の眼を持つ、雛代の闇と契約し降臨せしその神の名は…『ミトラ
物語に於ける全ての怪異、事件は彼と契約した者の〝望んだ〟災厄である。
〝彼〟もまた、ミカとリョウに執着し人の運命に介入するが〝神〟である彼もまた、より大きな存在に支配される身でもある。
……故に、全知全能でありながらも、同時に〝契約〟に縛られている、自由意志の許されない存在と云える。
チサト、ヤヨイとは祖を同じくする〝兄弟〟とも云うべき存在。*4
…後にkiller7にも登場。



【余談】


  • トワイライトシンドロームの続編(と信じられた)と云う事で、ソフトの発表、発売当時には雑誌、店頭などでのプロモーションは積極的に行われた。 しかし、上記の様に記載されたのはドロドロした人間関係ばかりだった…。

  • エンディング曲の「あなたは海の底」作詞作曲・歌:桃乃未琴は名曲。…現在は入手困難か?聞きたければ動画サイト等でどうぞ。

  • SIREN』シリーズのシナリオライター佐藤直子は、本作に大きな衝撃を受けたらしく、主人公格の須田恭也の名前は須田剛一から拝借したことを公言している。

  • 90年代後半は、所謂『エヴァ』ブームから始まる難解な心理的メタファーを盛り込んだ作品が持て囃されていたこともあってか、ユーザーには賛否両論なれど業界人やライターには人気があったのか、一本道でゲーム性が皆無な作品にも関わらず、7社から攻略本が出版されている。内容もゲーム攻略というよりは心理描写や演出の解析に絞ったものが多く、ファンからは読み物としての人気が高いとのこと。




〝岸井さん…。
追記、修正しますか…?
しませんか?
あら、また…。〟



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  • ED後ムービーの紙袋の中身はどっちなんだろう・・・ ・・・リョウの失禁のくだりいる? -- 名無しさん (2017-01-25 17:44:35)
  • リョウのシルバー事件での最期が悲しすぎる;;でも小説版では救済されてて良かった。後ヤヨイが失禁して気絶したリョウをかわいいとか言いながら大事なところ吸うシーンは変な性癖目覚めそうになるwww -- 名無しさん (2019-03-25 20:44:56)
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最終更新:2023年12月24日 16:11

*1 某クソゲーwikiでは『トワイライトシンドローム』シリーズの黒歴史となったと書かれているが、正確にはオリジナルの『トワイライトシンドローム』は初代PSの時点で途絶えているので、黒歴史も糞も無かったりする。(以降の『トワイライトシンドローム』を冠した作品はオリジナルに対するフォロワー的な位置付けというのが正しい。)『ムーンライトシンドローム』も須田剛一作品として『シルバー事件』と関連付けられる等、此方は此方で無視されている訳では無い。

*2 ミトラ役の声優が大空翼役の小粥よう子であるためか、この章の駅のホームにて端まで行くと、←の決め台詞(ボイス付き)と共にミカが空き缶を線路に蹴り飛ばすのが見られる。

*3 本来は頭を吹き飛ばされて殺されたことがハッキリと描かれた上に、ミトラがユカリに見せるのもアリサの目とその周りとなる筈であったが、余りに残酷過ぎるのでアクセサリーに修正された。しかし、そのことでユカリの反応が不自然に過剰と感じるものとなってしまっている。

*4 本作ではチサトとヤヨイはゾロアスター教の神と悪魔の化身であると設定されているため。