金田一少年の事件簿 悲報島 新たなる惨劇

登録日:2019/06/22 (土) 09:59:05
更新日:2023/12/17 Sun 00:42:24
所要時間:約 9 分で読めます





「山童の使者」の正体は必ず俺が暴いてみせる。

ジッチャンの名にかけて!!


『金田一少年の事件簿 悲報島 新たなる惨劇』とは、1996年11月29日に講談社から発売された、『金田一少年の事件簿』ゲームシリーズ第1弾のタイトルである。
ハードはPlayStation


概要


週刊少年マガジンの人気推理漫画『金田一少年の事件簿』初のゲーム化作品。
主人公の金田一一は勿論、ヒロインの七瀬美雪や一の良き理解者である剣持勇やいつき陽介といった、原作ではお馴染みのキャラクターが登場している。イヤミ警視は残念ながら未登場。
今回登場する怪人は「山童の使者」。


舞台は日向灘に浮かぶ絶海の孤島「悲報島」。
この島は原作『秘宝島殺人事件』で連続殺人の舞台となった場所で、今回もこの島で凄惨な殺人事件が立て続けに発生する。
プレイヤーは一を操作して島で起きる連続殺人事件を捜査。真犯人「山童の使者」の正体を突き止め、事件の真相を暴くのがゲームの目的である。
要所要所でアニメーションが挿入されており、探索パートはポリゴンになっている。
現在のゲームと比べると荒いが、当時ではとても画期的であった。

王道の推理アドベンチャーゲームで、シナリオは『秘宝島』と繋がっている事もあり雰囲気がとても良い。
美雪とのラブコメもあり、選択肢によっては美雪と一緒に寝る事も出来たりする。
切断された首が天窓から落下してくる等、原作さながらのトラウマシーンもある。

トリックはしっかりプレイしていれば難なく特定出来るだろうが、トリックや犯人が先に分かったとしても、ちゃんとした手順を踏まなかったり証拠を見つけていなかったりすると先に進めなくなる。

金田一「いったい、なにがいけなかったんだ!?教えてくれよ、ジッチャン!」

また、謎解きの場面では選択肢が沢山登場し、1つでもミスをすると即アウトとなってしまう。たとえ選択肢が合っていたとしても、するべき捜査ができていなければ、その時点まで戻らなければならない。
こうなるとゲームオーバーまっしぐら、最初からやり直しとなる。
その際には美雪達に手の平返しをされ、ボロクソに言われて「ポンコツ探偵」扱いされてしまう。

美雪「学校で会っても、しばらく声かけないでね。それじゃ」
剣持「それに引きかえ、金田一、こんな時にたよりにならないとは、この役立たず!!」

ただし、原作の美雪達は推理に失敗しても、これらの台詞を言うキャラではない為、ぶっちゃけキャラ崩壊といえる*1
こんな事を言われたら一も美雪達が犯人と疑われても助けたくはないだろう

他にも、自室でしかセーブができない、移動中に情報を見直せないなど、レトロゲームならではの欠点も多い。
『金田一少年』で最も古いゲーム作品なので最近のゲームと比べると画質の荒さや操作性の悪さが目立ってしまうが、事件の背景などはしっかり作られている。
『秘宝島』を先に読んでからプレイすればより一層楽しめる作品でもある。


システム



  • 探索パート
3Dマップを調べて事件の情報を収集する。
ゴミ箱や引き出し等を調べて事件の証拠を集めたり、図書室で本を読んだりできる。
屋敷の部屋から部屋へは3Dダンジョンのような廊下を歩いて移動する。
移動に時間がかかるうえ、古いゲームならではの操作の難しさもあって、本作屈指のイライラポイントとなっている。
3D酔いにも注意。

屋敷の外に出ると悲報島の2Dマップに切り替わるが、ここでは移動先を選択するだけでOK。
ここでの操作もやや難しいが、3Dマップの時と比べると楽にはなっている。

  • 探偵ポイント
簡単に言えば、プレイヤーの捜査に対してつけられる点数のようなもの。
このゲームのエンディングは探偵ポイントの高さで変動し、捜査中に人に話しかけたり、しっかり推理できていたりすればどんどんプラスされていく。
基本は全員に最低1回は話しかけ、全ての場所をくまなく訪れればいいが、話しかけすぎたり常識外れの行動を取るとマイナスとなるので注意。
また、探偵ポイントが低いままエンディングを迎えると、犯人が自殺をし後味の悪い結末となってしまう。
ちなみに探偵ポイントが上がっていくと、登場人物の台詞が少しだけ変化するので、これを目安にする事もできる。


ストーリー


九州の日向灘に浮かぶ孤島「悲報島」。
かつてここでは財宝伝説にまつわる惨劇が起きたが、事件の後でこの島は資産家の葉月光定のものとなっていた。
光定はこの島にリゾート施設を作るつもりでおり、その計画の一環として悲報島宝探しツアーを小暮開発と協力して企画する。
前回の事件で宝を見つけた一は光定からの依頼を受け、美雪・剣持・いつきと一緒に悲報島に向かう。
島へ行く船の上で、前回の事件で知り合ったクリス・アインシュタインと再会し、悲報島に上陸。
しかしその夜、開発関係者の1人が惨殺される事件が発生。その事件は「呪い唄」の通りに起きており、その後も呪い唄に見立てられ次々と島の人間が殺されていく。
果たして島の人間を次々と殺害する「山童の使者」の正体とは……?


登場人物



レギュラーキャラクター


CV:岩永哲哉
ご存知主人公。
光定から財宝探しの依頼を受け、美雪達と一緒に悲報島を訪れる。
探偵ポイントの高さに応じて、周囲からの扱いが変化する。

CV:宮村優子
ご存知ヒロイン。
いつものように一についてくる。
選択肢によっては一といい雰囲気となるが、ゲームオーバーになると容赦ない嫌味を言ってくる。だがその後で攻略のヒントもくれる。
彼女が失くした帽子は必ず見つけること。

CV:高橋功
ご存知オッサン。
ある事件の捜査のためにはるばる悲報島を訪れる。

CV:二又一成
ご存知いつきさん。
船が苦手なのも省みず、光定のスキャンダルを取材するために悲報島へと来た。
余談だが、いつきの元彼女の名前も「葉月」である。

警視庁の女警部。冒頭のみ登場。
一達が悲報島へ向かう前に「岩田はまだあの島のどこかで生きているんじゃないか」と箱の中にいる生物の言葉を代弁した。


ゲストキャラクター


  • 葉月光定(はづき みつさだ)
悲報島のオーナーで葉月家当主。葉月コンツェルンのオーナーでもある。
元々この島のオーナーであったが、12年前に前のオーナーの美作大介に売っている。
美作が殺人事件で死亡した後に買い戻し、島をリゾート地に開発する事を決めた。
時計のコレクションが趣味で、気に入った人間に時計をプレゼントしている。
女性関係が派手な事でも有名。

  • 葉月マユラ(はづき -)
CV:天野由梨
葉月家長女。
悲報島に悲報神社を建て、そこの巫女になろうとしている。
だが光定には反対されており、現在は神社の建設がストップしている状態である。
島が開発される事に反対している。

  • 葉月マユキ(はづき -)
CV:ならはしみき
葉月家次女。
幼い頃のある事件で精神が壊れてしまい、すぐに錯乱するので屋敷の一室に幽閉されている。
現在はヨネが彼女の世話をしている。
ちなみに事件が起きる前から言葉が喋れないので、話すことができないのは生まれつきである可能性もある。
中の人は嵐を呼ぶ園児のかーちゃん。

  • 栗原真奈美(くりはら まなみ)
CV:手塚ちはる
葉月家メイド。
葉月家とは遠縁にあるが、幼い頃に両親と死別した後で葉月家に引き取られ、以降は葉月家で働くようになる。
実は光定とは男女の関係である。

  • 相田ヨネ(あいだ -)
CV:山田みほ
葉月家のまかない。
悲報島の伝説に詳しい。マユキを溺愛している。
島で起きる事件を山童の祟りだと考えている。

  • 三村翔子(みむら しょうこ)
CV:山田みほ
葉月家の侍医。
これまでに光定を始め、数多くの政財界の大物の主治医を務めてきた美女。
財宝伝説に執着しており、財宝を手にするためならどんな手段でも使おうとする。

  • 東堂小百合(とうどう さゆり)
CV:手塚ちはる
西北大学考古学研究室の大学院生。
木暮開発に依頼され、島の遺跡の調査のために訪れている。
遺跡の保護のために、リゾート開発には反対している。

  • 木暮条一郎(こぐれ じょういちろう)
木暮開発社長。
コテコテの関西弁で話す脂ぎったオヤジ。
リゾート開発を進めている一方で、島の財宝を手に入れるために様々な人物と裏取引をしている。

  • 遠藤信(えんどう しん)
CV:二又一成
木暮開発社員。
眼鏡をかけた幸薄そうな男性。常に胃の痛みに悩まされている。
木暮にこき使われているが、裏では三村と手を組んでおり、財宝を手に入れて木暮を出し抜こうと考えている。

  • 武内灯妙(たけうち とうみょう)
CV:二又一成
悲報神社神主。
神社を建てる時にマユラが連れてきたが、いつも酒を飲んでいるいい加減なじいさん。
財宝伝説を独自に調査しており、重要な情報を掴んでいるらしい。

  • 葉月マサキ
CV:ならはしみき
葉月家長男。
12年前に失踪し、現在も行方不明。


その他の人物


  • クリス・アインシュタイン
CV:ならはしみき
『秘宝島殺人事件』に登場した天才少年。
悲報島の財宝を諦めておらず、今度こそ発掘するために再び島を訪れる。
一をライバル視しており、推理クイズを出題したり推理合戦を仕掛けてきたりする。

  • 岩田英作
『秘宝島殺人事件』に登場した美作家執事。
その事件の終盤で洞窟の崩落に巻き込まれ死亡したと思われていたが、今回で奇跡的に助かっていた事が判明。
しかし事故の影響で記憶を失くしており、「ウガ」としか言わなくなっている。
半分野生化しているため、剣持に「岩田原人」と名づけられる。


悲報島の概要



  • 葉月邸
葉月家の人間が住んでいる洋館。大きな時計がシンボル。
ゲームの拠点となる場所で、島に招かれている客もここに宿泊している。
原作ではログハウスがあった場所に建っている。

  • 鳥居
原作にもあった、白・緑・黒の鳥居。
黒の鳥居へは、葉月邸の裏口から行ける。

  • 洞窟
原作で財宝が隠されていた場所。

  • 仮宮
悲報神社建設予定地。遺跡の森の中にある。
光定は建設を反対している。

  • 山童の像
遺跡の森にある像。

  • ボート小屋
入り江にある小屋。
普段は鍵がかかっているので中に入れない。

  • 灯妙の小屋
灯妙が住んでいる小屋。
普段はここで財宝の事を調べているらしい。

  • 資料小屋
悲報島の遺跡にまつわる資料等が保管されている。
以前は島に点在していたコテージの1つであった。

  • 物置小屋
葉月邸の近くにある。
岩田を閉じ込めるのに使用。


追記・修正は探偵ポイントを上げてからお願いします。

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最終更新:2023年12月17日 00:42

*1 また、このゲームをプレイした原作者(作画担当)のさとうふみや氏も「原作の剣持警部だったら絶対言わない」とコメントしている。