腐れ縁

登録日:2019/06/15 (土) 21:09:56
更新日:2019/06/16 Sun 10:27:30
所要時間:約 3 分で読めます






んだが肉は切れても この糸…腐れ縁!! 切れるものなら切ってみやがれェェ!!

『銀魂』 ―坂田銀時




腐れ縁とは、関係を断とうとしても結局は断ち切れないまま関係が続いてしまう好ましくない関係性を指す。

【概要】


親友でも家族でもないどころかむしろ嫌ってすらいるのに、何らかの理由で人間関係が長く続いている状況を意味する。

「腐れ」という単語から既に分かるように、悪い関係性というネガティブな単語としての意味合いが強い。
単に結びつきが強いポジティブな関係性の単語として使う人もいるが、悪感情がなくて関係性が長い人にこの表現を使うのは好ましくない場合があるので注意が必要。
嫌っているのに関係を消せないという奇妙な状況を自嘲する意図も含まれているとされる。

腐れ縁になる理由は色々だが、偶然の運の巡り合わせによる点が強い。
仕事や学校関係なら「定期的な変化があっても何故か同じ職場(進学先)にいる」とか、奇妙にも何かしらの関係性を結ぶことを求められるのだ。

基本的には上述したようにネガティブな関係性とされるので、腐れ縁は何とかして切ったほうが良いとされる(それが切れないから腐れ縁なのだが)。
しかし、基本的にはあっけなく消滅しやすい面を持つ人間関係において、理由がどうであれ偶然にも繋がり続ける人間関係は貴重だとして大切にするべきだという視点も見られる。
尤も、人間関係は定義が曖昧な面があるので、自身や相手が腐れ縁と感じていても第三者から見れば友人や親友と捉えられることもある。
また、腐れ縁と感じていた互いの関係性がいつの時からか「友人」や「恋人」に変化する事も珍しい話ではない。
更に付き合いが長ければ長いだけ嫌でも腐れ縁の相手の人間性を詳しく知る機会が増えるため、下手な友人や恋人よりも心理を読める関係になったりもする。

運的な要素が強いことから、スピリチュアルやカルト的な面で重要視される事もある。
前世で強い結びつきがあった二人なんだよ!」とか、異性の関係だと「実は運命のパートナーなんだよ!」なんて言われる事も多い。
非科学的で具体的な根拠はない考えではあるが、確かに腐れ縁には何処かに見えない超越的な力を感じることは不思議でもないと言える。


【鎖縁】


実は腐れ縁という単語は本来は「鎖縁」という単語だったという説も存在する。

こちらは強い絆で結ばれた相手のことを指し、切ろうとしても切れない鎖のように固く末永くどこまでも繋がっていく良縁を指していた。
この単語が時間の経過によって、いつの間にか語感が似ている腐れ縁と言う呼び方に変化した上にネガティブな含みが強い単語に変化したらしい。
鎖の読み方である「くさり」に別の漢字を当てて「腐り」と変化し、そこから更なる変化を起こして「腐れ」になったとされる。

ポジティブな単語がネガティブな単語に変化を遂げてしまったのかは、「御前(ごぜん/おまえ)」や「貴様(あなたさま/きさま)」のような例はあるが、どういう経緯か非常に興味深い現象と言えるだろう。
沈んだ気分の時に会いたくなる存在→前向きな関係性ではない」「切ろうとしても切れない関係性→実はヤバい関係なのでは?」と解釈が変化したとする説もある。
これが事実だと仮定した場合、人間関係とは人によってポジティブにもネガティブにも考え方が変わる現象の一つでもあるとも読み取れる。


【フィクションにおける腐れ縁】


創作物において、キャラクター同士の人間関係を表現する時にやたらと使われる事が多い単語でもある。

あるキャラクター同士が「二人はどういう関係で?」と聞かれた際、微妙な空気で「腐れ縁かな…」と互いに言い出す展開はよくある。
キャラクター相関図などでも、互いに向いた矢印マークに「腐れ縁…?」的な説明があることも珍しくない。

創作物では、奇妙な友情を感じているが口にする恥ずかしさからこの単語を使いだす描写が王道でもある。
主人公とは異性のキャラが主人公に対してこれを言い出す場合は、密かに恋愛感情まで抱いている場合も見られる。
つまり、創作物での腐れ縁は一種のツンデレ描写の表現技法なのかもしれない。

長期的なシリーズ作品だと、いつまでも憎悪の感情で敵対関係を継続している強大な敵も見方によっては「腐れ縁」になる。
この場合だと「より強大な敵と戦うため一時休戦で共闘」という展開も多く、結局何だかんだで良い感情が混ざった腐れ縁に変化するパターンも。






追記・修正は腐れ縁の相手がいる人にお願いします。

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