SCP-2197

登録日:2019/05/16 Thu 23:34:06
更新日:2024/04/25 Thu 08:20:42
所要時間:約 5 分で読めます




SCP-2197はシェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスはEuclid。
項目名は『Shop Class/店舗品位』。


概要

SCP-2197はメイン州のどっかにある『アンジアーノ骨董品店』と書かれた平屋建ての建物である。
ちなみにこの地域の住民はこの骨董品店に訪れることはなく、調査していた財団職員にも避けるように忠告をする。
この骨董品店に遭遇するのはえてして骨董品店についての情報を知らない人である。

遭遇というのがなんとも奇妙に思えるだろうが、この地域を走る車は通常よりもはるか多くの
  • 車両の動作不良
  • GPS機能停止
  • タイヤのパンク
  • 予期せざる燃料切れ
  • 携帯電話の受信圏外
という問題に遭遇する。安定と信頼のGPS
なお、周辺住民及び担当職員はこれらの影響に遭遇する可能性がぐっと減る。
よって当然ながらDクラスが車に乗ってここを走るのが調査手段である。

そんで、助けを求めたドライバーは、通常近くに助けを呼べる施設がそのアンジアーノ骨董品店と整備工しかないので、
そこに入店するのである。

そんで革製の前掛けをかけた老爺・アンジアーノは訪問客を手厚くもてなし、
しばしばそこにある商品を紹介する。その際、どの商品に対しても「製作者が最上を極めた品」であると強調する。
基本的にこれらはアノマリーであり、よってそんなもんを売りつけているこの店と老爺もSCP指定されている。

なお住民たちはこの店とジジイについて沈黙していたが、財団がこの店ととなりの整備工のいるガソリンスタンドの
法的な所有者になってからは(どうやら彼らは届け出を出していなかったらしい)職員たちと交流するようになっている。
もしかしたら彼らの口から謎が語られる日も来るかもしれない。

商品

各品にはアラム語アルファベットでアラプ(𐡀)・ベート(𐡁)・ガマル(𐡂)・ダレット(𐡃)・ヘー(𐡄)・ワウ(𐡅)の文字と、
ものによってプラス・マイナスが記述されている。

固定電話(ガマル-マイナス)

緑色の固定電話で、ひと月に1~6回ほどモジュラージャックへの接続有無に関わらず鳴る。
取ると10代の少女の声で「7日」とだけ聞こえて切れる。

その7日後、その電話をとった人の一番近い電話がなり、通話に応じると「7日が立ちました」とだけ聞こえて切れる。

それだけ。

凹形の物体(ガマル-マイナス)

外縁部に灰の混じった切れ込みのある凹型の物体。
喫煙の経験がありかつ先月の満月時から一切喫煙していない人が近くにいるとクソ不味いタバコを出してくれる。
吸った人は往々にして二酸化硫黄中毒で入院し、喫煙への強いトラウマを抱く。

なにこれ。

鳥小屋(ワウ)

作りの悪い鳥小屋。異常性はない。

アンティーク机(ダレット)

ランプがついた机で、ランプは当初そのオンオフの表記と逆の動作をする。
しかし操作になれてくると表記通りになる。

で、使い続けると戻る。これをひたすらループする。
めんどくせえなおい。

金属片(ダレット-マイナス)

いちおう、本立てのつもりらしい。長辺側に沿って等距離で両端が90度に反り返り、球体の中に入れた際はおおよそU字形を形成するというよくわからない形をしている。

どちらかを手に取ると、10秒毎にサイズが大きくなり、それにともなって大きくなる。
持っている人が手放すと即刻もとのサイズに戻る。

なお両方を持ったからって前述の異常性以外に相互影響があるわけでもない。


塗り絵の本(ワウ)

32ページある、ユニコーンと虹が描かれた塗り絵の本。
1ページでも塗り終えた人はその後運気が統計学的に上昇し、理想的な伴侶と出逢う。

実際に一ページ塗り終えたDクラスは、終了前に異性のDクラスと財団の拘留下から、
通常ありえない事態の頻発により脱出することに成功したようである。


Dクラスにさえ恋人がいるのに、画面の前のお前らときたら…

鳩時計(アラプ-プラス)

本来は取り外し不能だが、壁ごと切り取られた模様。
当初は木製と思われていたが、人間の頭、首、胸腔部に真鍮製の振り子が組み込まれていた。
肺は取り外されており、また肋骨は胸腔内で揺れる振り子を見せるために広げられ、
振り子は揺れる度に近くにいる人を突き刺すよう鋭い剣状になっている、とどこまでもグロい。
更に文字盤は口腔内に楔止めされている。ヴォエ!

なお鳩のポッポーの代わりに、この時計はキリの良い時間に温度が上昇し、それがつらいのか時刻に応じた回数だけ苦悶する。






余談

あくまで著者自身のヘッドカノンに過ぎないが、本オブジェクトの著者Doc MacGillicuttie氏がディスカッションで発言するところいわく、これらのアノマリーは地獄における芸術学校の生徒の卒業制作であり、
しかるにShop Classの本来の意味は「教育講座」のことであるようである*1

で、大概の生徒は無能ゆえいい作品が作れない(ワウ、ダレット)が、一部の生徒は有能なので優れた作品を制作する(アラプ)ということらしい。





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最終更新:2024年04月25日 08:20

*1 そういう熟語。よって日本支部項目名はある意味誤訳であるが、かといってちゃんと訳されているとネタバレになってしまう