カイ(仮面ライダー電王)

登録日:2019/05/11 Sat 18:47:45
更新日:2024/03/15 Fri 09:49:18
所要時間:約 13 分で読めます





※このページには『仮面ライダー電王』のネタバレしかありません。ご了承ください。






























なんか俺、すっげぇ怒ってる気がするよ……

俺、そういう顔してるだろ?

「カイ」とは、特撮テレビドラマ『仮面ライダー電王』に登場する敵キャラクターである。


演:石黒英雄


概要

第37話「俺、そういう顔してるだろ?」より登場した青年(劇中では少年と呼ばれていた。なお、演者の石黒氏は放送当時19歳。うーむ、ギリギリ)。
その正体はイマジン達と同じ、「時の運行に選ばれなかった未来」の住人にして、野上良太郎ハナ=コハナと同じ特異点。
そして何より、イマジン達を引き連れ、2007年に送り込んだ張本人であり、『電王』における全ての元凶。
イマジン達の脳内に語り掛けてくる声の主でもあり、リュウタロスに「良太郎を消せば時の列車の車掌にしてやる」と吹き込んだのも他ならぬ彼である。
その目的はイマジン達と同じく、「時の運行を変え、現代を自分達の未来に繋げることで自分達の存在を確立すること」。
そしてその為にその存在の有無が時の運行を確定する「分岐点の鍵」に当たる人物を抹殺すること。
イマジン達の親玉ではあるが、その存在を認知していたのは、側近であるイマジン達やデネブなどのごく一部の者のみであり、モモタロス達末端のイマジンには一切認知されていなかった。

拠点は持たず、大量のイマジンの精神体と共にあちこちを徘徊している。
登場当初はレオイマジン、アルビノレオイマジンを従えていたが、どちらも登場からほどなくして死亡している。


人物像

服装は登場するたびに変わるが、必ずストールを巻いている。
常に飄々としていて捉えどころがなく、人を食ったような口調や言い回しを多用するが、その実側近に助けれると分かっているからか、高所から突然身を投げ出したり、
偶然見つけた一般人の記憶を後述の能力でいきなり覗き見た他にも、クリスマスツリーを買ったとある家族を自身の能力で面白半分に消し飛ばしたりと、非常に気まぐれで何をしでかすか分からない危険人物。
また、表情と感情が一致していないことが非常に多く、内心では怒りや不満、不快感を覚えていながらケラケラと笑っていることも少なくなく、
そういった時は上記の台詞を周囲に投げかけており、得体のしれない不気味さを醸し出している。
というかそもそも感情の表し方について分からないかのような描写もあり、良太郎の落ち込んだ表情を見た際には「俺もああいう顔してみたい」と呟いている。

また、自身の言う事を聞かなくなってきたリュウタロスに対して、その思いを利用してデンライナーとゼロライナーを暴走させるよう騙した挙句、「いらないから消すよ?」と容赦なく切り捨てるような冷酷さ・残忍さも備える。
リュウタロスに限らず、イマジン達のことは歴史改変の為の道具程度にしか認識していないようであり、
分岐点の鍵である(と思い込んでいた)桜井侑斗(以下現在の彼を「桜井」、過去から来た方を「侑斗」とする)の抹殺が滞ると精神体達に対して「役に立たなすぎ」とぼやき半分に吐き捨てたり、
モモタロス達の事も「根無し草」呼ばわりしていた他にも、自分達を過去へ飛ばせと図々しくせがむNEWモールイマジン消滅させていた。

特異点とはいえ過去が不安定な為、記憶力が非常に乏しくて忘れっぽく、過去に飛ばしたウルフイマジンの存在を忘れ去ってしまい、置き去りにしてしまったこともある。
しかもこの現象は話が進むにつれて悪化していき、つい先ほどまで考えていたことすらも何かの拍子に忘れてしまうようになってしまった。


能力

彼自身はイマジンではなく、仮面ライダーへの変身ツールも持っていない為直接戦闘することはないが、それでも瞬間移動じみた高速移動を可能とする程の高い身体能力や、並みのイマジン程度ならばパンチ一発で消滅させるパワーを備えている。
ダンススキルも高いようで初登場した37話ではリュウタロスに取り憑かれた良太郎とダンスバトルを繰り広げていた。*1

この他にも以下のような数々の特殊能力を有している。

常に様々な日付の書かれた黒い手帳を持ち歩いており、日付を叩き、自身の過去の扉を開くことでイマジンをその時間に飛ばすことが可能。
だが、これは過去の自身の存在を消す上に、体力を著しく消耗する為あまりやりたがらない*2
カイ自身もある程度ならば手帳を介して歴史改変を行うことが出来るようであり、劇中ではとある家族の存在を家ごと焼き殺すように消滅させていた。
また、手帳から書かれている日付の出来事を見たり、イマジンが過去へ飛ぶ際の様に他人を過去の扉を開いたり、体に手を突っ込むことでその人物の過去や記憶を調べることも可能であり、
これらの能力を駆使して過去に逃亡した桜井とニアミスし、なおかつその時間に強い思い入れを持った人間を探し出しては、イマジンを差し向けていた。

イマジンとは常に情報を共有して繋がっており、上述のテレパシーじみた力もこの性質によるもの。
そもそも彼らの時間と現代は時間軸が異なっており、イマジン達を連れてくるのに時の列車無しでそれらを繋げることが可能である模様。
また時空に巨大な裂け目を作って時間そのものを破壊しかねない大爆発を起こすこともでき、しかもイマジン達の精神体を燃料にすることでその威力は増大する。
本編開始前にもこの能力で一度は2007年をほぼ完全に破壊したが、本当の分岐点の鍵が死んでいなかった上に、特異点の良太郎も健在であったため、彼の記憶を基に修復された。

他にも、時の列車を暴走させることが出来る「88888888日」という有り得ない日付の書かれたライダーチケットを偽造する技術、リュウタロス以上の洗脳能力を持つ。


終盤での動向

登場までは桜井を分岐点の鍵と予測して殺害しようとしたが、本人に気付かれ過去への逃亡を許す。
桜井はゼロノスカードによって過去からの干渉を帳消しにできる為、カイはイマジン達を過去に送り込み、その破壊活動に巻き込む形で殺害を企てる等して、専ら物語の裏で暗躍するのみであったが、
初登場を境に良太郎達と頻繁に接触し、桜井も侑斗も存在しない世界を見せつけたり、もうじきイマジン達が消えることを告げる等して彼らの精神に大きな揺さぶりをかけていったが、彼らの強い心やイマジン達とのの力で乗り越えられていった。

一方、アルマジロイマジン戦で侑斗の変身した仮面ライダーゼロノスが桜井よりも電王を庇ったことから、桜井が分岐点の鍵ではないことに薄々気付き始め、
真の分岐点の鍵の手がかりが、桜井失踪の唯一の証人である良太郎の欠けた記憶にあることに辿り着く。
そして彼の記憶を覗き見て、その正体が良太郎の姉の愛理であることを突き止めた。
その後、時の運行が確定しつつある現状を一気に覆すべく、多量のイマジン達と契約して実体化させ、電王とゼロノスの分断も兼ねて現代とあらゆる過去に送り込んだ。

しかし、その最中ふと気まぐれで愛理の記憶を垣間見たことで彼女ですらも真の分岐点の鍵ではないと知り、
しかもその愛理も真の分岐点の鍵に関する記憶を失っており、本当のターゲットを見つけ出すことが困難になってしまう。
自分達の予測や見立てが悉く外れていったことにやけを起こすと、自身の切り札にして最強のイマジン・デスイマジンを嘔吐するような形で生み出し、
更には自分の時間を破壊する力も使って誰かも分からぬ分岐点の鍵を現代の時間ごと消し去ろうとした。

だが、それも良太郎に阻止され、彼の口から桜井と愛理の娘であるコハナこそが真の分岐点の鍵であることを知る。
彼女を殺害すべくデスイマジン率いるイマジン軍団で最後の決戦に挑むが、仮面ライダーとイマジン達の奮戦によりデスイマジンが敗北。
これにより、「カイはどうあがいても電王に勝てない」ことが確定したことで歴史改変が不可能となり、自身が生み出した全ての敵イマジンもろとも消滅した。

終わった…クソっ…。けど、お前らも消える…イマジンはみんな消える……。

しかし、それは共に戦ってきた仲間達との別れも意味していた…



余談

  • 放送終了後も一切その正体が明かされていないカイだが、一部ファンの間では正体に関して「本編とは異なる世界線における桜井と愛理の子供(=ハナの平行存在)」と推測されている。根拠としては、「ハナを殺せば未来が変わる=ハナとカイは同時に存在できない」「『花時計』(愛理の趣味である事が示唆されている)、『懐中時計』と名前が共に時計に由来していると考えられる」(そして懐中時計は桜井が所持していた時計である)という点があげられる。更に桜井の趣味の星座にははくちょう座カイという星もある。
    • この仮説が真実であるのならば、『電王』という物語はお互いの生存をかけて家族同士が殺し会う物語ということになる。
      また冷酷でもあるが、目的を果たせなければ自分達が消滅すると同情できる面も少なからずはあり、性格面での異質さといい、なんだかんだで「『電王』も平成一期の作品である」ということを思い出させてくれるキャラクターなのかもしれない。

  • 黒幕やラスボスとも呼べる人物が最後まで直接戦闘に参加しなかったのは仮面ライダー作品全体を見渡しても珍しく、上述の気質も合わさってその異質さに拍車をかけている。

  • ミルクディッパーに置かれた懐中時計の裏側に書かれた言葉『過去が希望をくれる』(と、作品最大のキーワード『記憶こそが時間』)だが、カイ及びイマジンたちは消えるはずの歴史から来た存在である為過去、つまり希望がそもそもないということになる。
    この言葉が正しいのであれば彼等の敗北は最初から確定している訳であり、大変皮肉の効いた絶望だったのではないだろうか…。




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最終更新:2024年03月15日 09:49

*1 このバトル、開始時にフィンガースナップを行なっており良太郎(リュウタロス)の方が難易度の高く長時間トリックを決めていたにもかかわらずギャラリーの盛り上がりが彼よりも妙に大きかったので洗脳を使っていた可能性がある。ただし、ギャラリーが双方相手のトリックにどう対抗するのか期待して煽っていた可能性もあるしエントリー(ダンス参加)時にライダー顔負けの前宙返りを見せているので身体能力が相当高いことは間違いない。更に余談だがこのシーンはカイ・良太郎どちらも演者さん本人が実際に踊っている。

*2 ちなみに日付を叩く前の撫でる動きは石黒氏が適当にやっているらしい。