宝具(灼眼のシャナ)

登録日:2019/03/06(水) 23:35:00
更新日:2020/09/23 Wed 18:46:12
所要時間:約 20 分で読めます




宝具とは、ライトノベル「灼眼のシャナ」に登場するアイテムの一つである。

概要

作中に登場する“紅世”関連のアイテムの一種であり、「この世」と“紅世”の狭間の存在。
主に「この世」において“存在の力”を繰る人間によって作り出されるが、たまに“紅世の徒”が助力することもある。

宝具の出現は、「この世」にある人間という物体と、“徒”という意志で物事を操る力とが、きわめて高いレベルで合致することによって生じる「ひずみ」であり、
そこに出現する「形を成した望み」である。

“存在の力”を込める必要はなく、互いの存在と強く合致する望みがあれば、その「ひずみ」は望みの形を取り、「力ある物体」すなわち宝具となって具現化する。
宝具の中でも武器などは利害の一致から共闘する人間と“徒”の間に生じやすいが、たまーに敵同士の間で生じるケースもある。
また、その出現経緯の関係から、「出現に関わった当人たちの望み」に特化するため、その望みが個人的で特殊なものであればあるほど、吹聴されにくく外部にも知られない。
同様の理由で、全く同一の機能を持ったものは皆無。
ただ、隠密行動が重視されるためか「気配の隠蔽」ができる宝具はそれなりに多い。

一度完成すれば“徒”によって改造することも可能。


こうして生じた宝具の中には、「この世に空いた“紅世”の穴」であるトーチに宿るものもある。
こうなったトーチは「旅する宝の蔵」こと“ミステス”となり、宝具はその時点から「本体」となる。その“ミステス”が燃え尽きて消滅すれば、また別のトーチへと転移する。
この転移には規則性が一切ないため「無作為転移」とも呼ばれる。
また、“ミステス”に宿すことを前提とした宝具の中には、干渉してきた敵を攻撃する『戒禁』という自在法がかけられていることがある。
元々は“ミステス”を支配するための自在式だったものから派生したもの。


作中に登場した宝具

名前の判明しているもののみを記す。

所有者:“天目一個”→『炎髪灼眼の討ち手』シャナ
特性:絶対不壊、自在法による干渉の無効
日本において、とある刀匠がとある“紅世の王”を相槌に打ち上げた無双の剛刀。
刀匠自身が変じた“ミステス”の本体となっていたが、後に契約したばかりの二代目『炎髪灼眼の討ち手』によって打倒され、以後は彼女の武器となった。
「絶対折れない、曲がらない、壊れない」「自在法を受け付けない」という、一個の武器としての存在に特化した特性を持つ。

  • レギュラー・シャープ
所有者:“狩人”フリアグネ
特性:カードの飲み込み、自動シャッフル
フリアグネが所持していた宝具の一つ。占いに使うための「自動的にシャッフルされるカード」であり、フリアグネはこれに“存在の力”を込めることで攻撃に使用していた。
本来はタロットカードのワンセットなのだが、占いに使えるカードをどんどん飲み込んでいった結果、現在はトランプとなっている。

  • 玻璃壇
所有者:“祭礼の蛇”→“狩人”フリアグネ→『弔詞の詠み手』マージョリー・ドー→“祭礼の蛇”
特性:一定範囲内の地形の投影、“存在の力”の流れと人間の表示
「はりだん」と読む。創造神“祭礼の蛇”が、『大縛鎖』を管理するために生み出した銅鏡型の宝具。
“祭礼の蛇”がのん気+寛大だったことから「討ち手を見張る」という発想が全くなく、ゆえにこの宝具はフレイムヘイズを映さないという欠点がある。
『久遠の陥穽』の一件の後は人の手を渡った末にフリアグネに渡り、彼が御崎市で討滅されたあとはマージョリーが管理。
主に「子分」の佐藤&田中を使って御崎市内のナビゲーションに利用しており、教授の一件では大きな助けとなった。
後に悠二を代行体とした“祭礼の蛇”本人に奪還され、以後は仮装舞踏会(バル・マスケ)で管理されている。

  • アズュール
所有者:“狩人”フリアグネ→“廻世の行者”坂井悠二
特性:火炎攻撃の無効化
フリアグネが所持していた宝具の一つ。指輪の形をしている。
熱量を持った炎を完全に防ぐ「火除けの結界」を張ることができ、許容上限があるとはいえアラストールの炎すらも防ぐ。
だが、シャナの『真紅』のような「物質の顕現としての炎」は防げない。
リングの裏側には所持者の存在を、他の“存在の力”に依らぬ確固たるものとする「転生の自在式」が刻まれている。
フリアグネはこの式で“可愛いマリアンヌ”の存在を確立しようとしていた。

  • バブルルート
所有者:“狩人”フリアグネ
特性:武器に巻き付いての無力化
フリアグネが所持していた宝具の一つ。コインの形をしている。
指ではじかれるとその軌跡に残像を引き、そのまま金の鎖となって敵の武器に絡みつき無効化する「武器殺しの宝具」。
コイン本体は鎖の先端にあり、武器に吸着することで絡みつきを補助する。
絡みつかれた武器は能力が無効化され発動もできなくなり、贄殿遮那でさえ使用不能に陥った。

  • ダンスパーティ
所有者:“狩人”フリアグネ
特性:“燐子”の爆破
フリアグネが所持していた宝具の一つ。ハンドベルの形をしている。
鳴らすことで“燐子”内部の炎の鼓動を加速させ、最終的に大爆発を巻き起こす。
フリアグネはこの作用を利用し、御崎市全域に配置した己の“燐子”を同時一斉起爆することで「都喰らい」を発動することを目論んでいた。
本来は“燐子”を多数使役する“紅世の徒”用であり、真の用途は「“燐子”殺しの宝具」である。仮にティリエル辺りに使えば結構なメタとして働いただろう。

  • トリガーハッピー
所有者:ビリー・ホーキン→“狩人”フリアグネ
特性:フレイムヘイズと契約する“王”の休眠解除
フリアグネが所持していた宝具の一つ。拳銃の形をしている。
実体のない弾丸を射出し、これが命中した討ち手は「器」内部の“王”の休眠が破られ、顕現させられることで「器」が破壊され死亡することになる。
つまりは「フレイムヘイズ殺しの宝具」である。
ただし、討ち手の中でも「器」が特に大きい者であれば、“王”が顕現しても討ち手が死なないため、却って不利になる。
劇中ではフリアグネがシャナに放った結果、アラストールを完全に顕現させてしまい破滅に繋がった。この時ばかりは相手が悪かった。
元は「大地の四神」による「内乱」の最中、『氷霧の削ぎ手』ノーマン・パーセルに故郷を滅ぼされた少年、ビリー・ホーキンがフリアグネと共に生み出したものである。

所有者:『永遠の恋人』ヨーハン→“廻世の行者”坂井悠二
特性:午前零時をトリガーとする、“ミステス”の持つ“存在の力”の回復
噛み合う先のない歯車の形をした宝具。元はヨーハンと“彩飄”フィレスが「ずっと一緒にいたい」という願いを叶えるため、時計塔とヨーハンの存在の一部から作り上げたもの。
その特性はひとえに、“ミステス”となったヨーハンを消滅させないためのものであり、討ち手にとってはあらゆる方向で意味がなく、また“徒”からしてもリスクとリターンが見合わないことから放置されていた。
後に「大命」のためこの機能に目を付けた[仮装舞踏会]に狙われ、サブラクの襲撃を受けたヨーハンを内部に取り込んだまま、トーチとなった悠二へと転移し、それが物語の始まりとなった。
なお、トリガーとなる午前零時は宿主がいる場所に依存し、その土地での午前零時に起動する。

  • 吸血鬼(ブルートザオガー)
所有者:“愛染自”ソラト→“廻世の行者”坂井悠二
特性:刀身の接触した相手への損傷
片手持ちの大剣の形をした宝具。途轍もない重量があり、“紅世”の関係者でなければ持ち上げるのも困難。
切れ味はもとより特性が凶悪であり、間接的にでも刀身と接触している相手に対し、“存在の力”を込めることで無数多数の傷を一度に負わせる。
このため白兵型に対しては最大のメタとして働き、シャナやヴィルヘルミナもこれを食らっている(ヴィルヘルミナの場合は完全に油断が原因だが)。
また、相手に与える傷は込める“存在の力”の量によって増大・深化する。作中で悠二が莫大な“存在の力”を込めた結果、ヴィルヘルミナに多大なダメージを与え危うく殺しかけた。
ソラトの討滅後はマージョリーが所持していたが、悠二が旅立ちの決意を固めて鍛錬を本格化させると共に譲渡され、以後は彼の武器となっている。

  • オルゴール
所有者:“愛染他”ティリエル
特性:登録された自在式の長時間発動
文字通りオルゴールの形をした宝具。
どんなに複雑な自在式だろうと、一度中に込めて奏でれば、対応する自在法を延々と発動させ続けることができる。
ただし、置いておかないと機能しない。
ちなみにシュドナイが「達意の言」で名前の意味を調べたところ「ミュージックボックス」となっている。“徒”の公用語は英語なのだろうか……?

  • 天道宮
所有者:“髄の楼閣”ガヴィダ→『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル
特性:気配・存在の隠蔽、空中移動
ガヴィダが作り上げた「この世」で最大の宝具の片割れ。正式名称は「陽光の宮廷」。
球形の隠蔽結界「秘匿の聖室」に覆われており、これにより外界からは気配の認識は出来ず、視覚でも捉えることはできない。
結界の内側には常に穏やかな晴れた昼間の空が投影されており、また内部の城塞部分は自己修復する。
ただし、後付の設備は対象外。後述の『カイナ』によって制御できるようになっている。
元はガヴィダが隠居所として作り上げたもので、[仮装舞踏会]を離脱する際に持ち出し、『大戦』に対してマティルダとヴィルヘルミナが譲り受け、
その後は二代目の『炎髪灼眼の討ち手』の育成の場となっていた。
本来は後述の『星黎殿』と合わせて一つの宝具であり、直通の通路が用意されている。

  • 星黎殿
所有者:“髄の楼閣”ガヴィダ→[仮装舞踏会]
特性:気配・存在の隠蔽、空中移動
ガヴィダが作り上げた「この世」で最大の宝具の片割れ。正式名称は「星空の神殿」。
基本特性は『天道宮』と全く同じだが、こちらは[仮装舞踏会]の本拠地として使われており、どんどん改造が施された結果多岐複雑な機能が大量に追加されている。
そのため、内実はほぼ別物。
結界の内側には常に満天の星空が投影されており、元々あった城塞部分は自己修復する。
後述の『ゲーヒンノム』によって制御が可能。
元はガヴィダが[仮装舞踏会]と手を切る際、迷惑料として建造して残していったもの。
本来は前述の『天道宮』と合わせて一つの宝具であり、直通の通路が用意されている。
この通路については[仮装舞踏会]側は全く知らず(建造途中で放棄された通路の名残と思っていた模様)、現代の『大戦』ではこれが突破口となった。

  • カイナ
所有者:“髄の楼閣”ガヴィダ→“天穣の劫火”アラストール→『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメル
特性:上に乗った“徒”の“存在の力”の固定
ガヴィダが「隠居」のために作った水盤型の宝具。
“紅世の徒”は本来「この世」にいるだけでも“存在の力”を消耗していくのだが、この上に乗った“徒”は「ただ、そこにいる」だけならば“存在の力”を消耗することはない。
ガヴィダは人間を食らわなくて済むための宝具としてこれを作り出し、人間の友人たちと意見を戦わせていた。
ヴィルヘルミナの手に渡ってからは契約者を失ったアラストールが座しており、同時に『天道宮』の制御装置としての機能が追加されている。

  • ゲーヒンノム
所有者:[仮装舞踏会](普段は“嵐蹄”フェコルーが管理)
特性:灰を使用した地形などの表示
「星黎殿」の制御に使用される竈型の宝具。三つの「大命の宝具」は普段はここに保管されている。
機能的には範囲の狭い「玻璃壇」と言ったところで、どす黒い灰を使って地図や地形などを表示することができる。
また、「星黎殿」の拡張に伴い機能がどんどん追加されており、結果「カイナ」よりも多機能煩雑になっている。
御崎市での決戦の際、「真宰社」を繋ぎ止めるため「神鉄如意」が撃ち込まれた際に破壊された。

  • 非常手段(ゴルディアン・ノット)
所有者:“逆理の裁者”ベルペオル
特性:事前に込めた自在法の発動
ベルペオルが配下の“徒”たちに渡している金色の鍵型の宝具。教授からせしめた「デミゴールド」を素材に作り出したもので、正確には改造された宝具に当たる。
勲章や切り札と偽って渡し、所持した“徒”の“存在の力”を利用して登録された自在法を使わせる、要は仕掛け爆弾である。
“琉眼”ウィネには死に際の広域爆破が登録されていたが、それ以後は全て[仮装舞踏会]への遠隔転送が仕込まれており、おもに人員の招集に使われていた。なお、用法を隠す・偽るのはザロービなどの雑兵に対してであり、将帥クラスに渡す際は転移・招集のためであることを事前に通達している。

  • ジェタトゥーラ
所有者:『儀装の駆り手』カムシン・ネブハーウ
特性:“存在の力”の視認
カムシンが持ち歩いているモノクル型の宝具。「調律」の作業のため、人間の協力者に“存在の力”と「この世の本当のこと」を認識させるために使用する。
VII巻で吉田一美に渡された。

  • メケスト
所有者:『儀装の駆り手』カムシン・ネブハーウ
特性:瓦礫の鞭の接続
カムシンが持ち歩いている鉄棒型の宝具。カムシンの身の丈よりも大きいが、本来の用途は「儀装」展開時の武器。
先端に褐色の炎をまとった瓦礫「ラーの礫」を大量に接続する「柄」となる。
自在法の伝導力が強く、「カデシュの血印」などの配置にも使用している。

  • 神鉄如意
所有者:“千変”シュドナイ
特性:サイズの自在変形
創造神の業になる「大命の宝具」の一つ。槍の形をしている。
シュドナイの本質たる「千変万化」に対応した特性を持ち、槍という基本形状は崩せないものの、シュドナイが望めばいくらでも細く太く長く短くなり、曲げることも捻ることもできる。
また、分身したならばその分だけ増える。
これら「大命の宝具」は持ち主の存在と同期しており、持ち主が討滅された場合同色の火の粉となって消える。

  • トライゴン
所有者:“頂の座”ヘカテー
特性:「大命詩篇」の送受信、“祭礼の蛇”の意志伝播
創造神の業になる「大命の宝具」の一つ。三角頭の錫杖の形をしている。
“祭礼の蛇”の意志を受け取り、時に声を拡散するアンテナとしての役目を持ち、「大命詩篇」への干渉のためにも使用される。
武器としても上等で、『贄殿遮那』と真っ向から打ち合える。

  • タルタロス
所有者:“逆理の裁者”ベルペオル
特性:特定現象の遮断・切断・隔離
創造神の業になる「大命の宝具」の一つ。金色の鎖の形をしている。
あらゆる因果を切り離すことが可能であり、これで囲んだ領域は一種の安全地帯となる。またベルペオルの意志に応じて分離・浮遊させることもできる。
鎖の輪の一つ一つが小規模ながら同様の機能を持ち、“燐子”を封じて使役していた他、討ち手や宝具に巻き付けることでその力を封じることも可能。
存在形態が自在法に近いためか、贄殿遮那には切断される。

  • キングブリトン
所有者:“髄の楼閣”ガヴィダ
特性:不明
ガヴィダが所持する大金槌型の宝具。詳細不明。

  • 小夜啼鳥(ナハティガル)
所有者:???→“棺の織手”アシズ
特性:内部の“徒”の支配
とむらいの鐘が所持していた鳥籠型の宝具。
劇中では内部に捕えられた“螺旋の風琴”リャナンシーも含めた呼び名だったが、ここでは鳥籠の部分のみを挙げる。
内部に“徒”を捕え、“存在の力”を込めることで支配の自在式を刻み込み、意のままに従わせる。
が、いかに弱小と言えど“徒”一人を意のままにするにはとんでもない規模の“存在の力”が必要であり、
アシズですら「都喰らい」を起こして大量の力を蓄える必要があった(彼以前の所有者はこれを実現しようとして自滅している)。
「大戦」の佳境、リャナンシー自らによって内部から破壊されており、現存しない。

  • 九垓天秤
所有者:“棺の織手”アシズ
特性:“存在の力”の分配
アシズの持っていた宝具。九支の上皿天秤の形をしている。
サイズの伸縮が可能であり、皿の上または支点に乗った“徒”同士で“存在の力”をやり取りすることが可能。
[とむらいの鐘]の幹部である9人の“王”の総称はこの宝具から流用されている。
アシズが幹部たちを「九垓を平らぐ我が天秤分銅たち」と呼んでいたのはこれが理由。

  • 風見(ヒラルダ)
所有者:「約束の二人」→『空裏の裂き手』クロード・テイラー→クロードの妻→吉田一美
特性:込められた自在法の起動
フィレスが人間に渡すことのある十字架型の宝具。
“存在の力”があらかじめ込められており、内部の自在式を稼働させることでその自在法を発動できる。現在はフィレスを呼び寄せる「風の転輪」が込められている。
ただし、人間の意志総体は良くも悪くも煩雑であるため、自在法を使うために必要な「まっすぐに念じる」ことができない。
そのため、フィレスはこれを渡す際は「使えば死ぬ」「命が代償となる」と告げ、迷いを振り切ったときに使えるようにしていた。
ちなみに人間が実際にこの宝具を起動した場合、自在法の反動が伸し掛かるため、最悪の場合死ぬこともある。

  • ヒュストリクス
所有者:“壊刃”サブラク→“探耽究求”ダンタリオン
特性:不明
サブラクが持っていた剣の一つ。教授によってドリルに改造されてしまい、怒ったサブラクが手放してからは教授が持っている。

  • タルンカッペ
所有者:“哮号呀”ビフロンス
特性:気配の遮断
ビフロンスが持っている布型の宝具。“存在の力”を込めることで気配の遮断ができるが、常に力を籠め続けなければならないという欠点がある。

  • ノーメンクラタ
所有者:“探耽求究”ダンタリオン→ハリエット・スミス→“彩飄”フィレス
特性:物体構造の解析・干渉
教授が所持していた円盤型の宝具。自在式を含む物体の構造を解析・表示する機能を持つ。
元は教授が[革正団]のもと、「オベリスク」の建造のため使用していたが、頓挫の後にハリエットが所持。彼女の死後にフィレスが受け継ぎ、「大命詩篇」の解析・改変に使われた。

  • 莫夜鎧(ばくやがい)
所有者:“廻世の行者”坂井悠二
特性:飛行・防御の補助
“祭礼の蛇”の代行体となった悠二に与えられた宝具。緋色の凱甲の形をしている。
正確な特性は不明。新世界に渡った後も悠二が引き続き所持しており、戦闘形態の際に展開される。

  • コルデー
所有者:“駈掠の礫”カシャ→『炎髪灼眼の討ち手』シャナ→吉田一美
特性:浮遊制御、登録した自在法の発動
巣立った直後のシャナがカシャから奪った、無数の指輪型の宝具。“存在の力”を込めることで制御が可能で、爆発する弾丸として使用できる。
また、自在法を込めて飛ばせば命中した対象にその自在法で干渉することができ、「大命詩篇」の改変に使われた。
ただし、この時点でのシャナは『コルデー』の扱いに長けておらず、『真紅』の拳で握りこんだまま叩き付けることで使用している。
新世界誕生後は残された一部(自在法は入っていない)を吉田が所持している。

  • 金旌符
所有者:“狩人”フリアグネ
特性:対象者の召喚
フリアグネが持っていた宝具の一つ。吊り旗の形をしている。
特定の符丁を持った対象物を旗のある場所に召喚するが、時間がかかる。

  • スフマート
所有者:“狩人”フリアグネ
特性:気配の隠蔽
フリアグネが持っていた宝具の一つ。長椅子の形をしている。
上に乗っていれば気配を隠すことができる。

  • ラハット
所有者:“狩人”フリアグネ
特性:刀身の操作
フリアグネが持っていた宝具の一つ。剣の形をしている。
「回炎剣」という別名があり、炎と化した刀身を自在に操ることができる。
氷を使う『氷霧の削ぎ手』ノーマン・パーセル対策として用意された。

  • トラヴェルソ
所有者:“頂の座”ヘカテー
特性:炎の竜の召喚
ヘカテーが持ち歩いている笛型の宝具。教授による改造が実に16回も施されている。
吹き鳴らすことで炎の竜を呼び出して操ることが可能。これは元々の機能ではなく改造によって付与されたもので、“祭礼の蛇”をイメージしたもの。ヘカテーはこれが気に入っていた。
「星黎殿」の中で特定の時刻を知らせる際に吹き鳴らしていたのもこれ。ちなみに本来はアニメ用に設定された宝具だが、肝心のアニメ版では未登場に終わった。

  • リシャッフル
所有者:“狩人”フリアグネ
特性:覗いた者の精神の交換
フリアグネが所持していた宝具の一つ。レンズを両端にはめた筒の形をしている。
元は互いの境遇を嘆いた“徒”と人間の貴族が生み出したもので、レンズを覗いた者と覗かれた者の意志総体を入れ替えてしまう。
フリアグネの討滅後、残された宝具の山から悠二が見つけ出したが、うっかりシャナを覗いてしまったことで互いの精神が入れ替わり、エラいことになった。
ちなみにこの宝具は、対象となる二人の間に心の壁があると機能しない。

  • トリヴィア
所有者:[仮装舞踏会](“嵐蹄”フェコルー→“冀求の金掌”マモン)
特性:「銀沙回廊」と「秘匿の聖室」の制御
「星黎殿」に付属して作られた宝具の一つで、松明の形。教授の改造が施されており、それにより移動簡略化装置「銀沙回廊」の制御に使われる。
また、フェコルーが身分を隠して要塞内を見回る際、「秘匿の聖室」の持つ隠蔽の力を纏って気配を隠すためにも使用していた。
他の構成員の前で盟主や「三柱臣」に謁見する際は箱状の『マグネシア』をまとった上にこれを突き刺している。

  • パパゲーナ
所有者:“戯睡郷”メア
特性:炎弾の発射
メアが寄生した“ミステス”の本体であった宝具。神楽鈴の形をしている。
振って鳴らすことで炎弾を大量に発射できるが、威力と大きさは持ち主の“存在の力”の大きさに依拠するため、弱小の“徒”であるメアでは威力も知れたものであった。

  • オレイカルコス
所有者:“嵐蹄”フェコルー
特性:空間を超えた斬撃
フェコルーが持ち歩いている宝具。本編で彼を描写する際に出てくる「鋲を打った太いベルトに提げた湾曲刀」がこの宝具である。
空間を飛び越えて斬撃を放つという地味に凄まじい能力を持つが、フェコルーは数えるほどしかこの剣を抜いたことはない。

  • 七宝玄珠(しっぽうげんじゅ)
所有者:“驀地浸”リベザル
特性:自在法の起点化
リベザルが下側の腕に巻きつけている数珠型の宝具。彼の意志に応じて飛び散り、自在法の起点となる。
弾丸として放つ、同等の能力を持つ分身の核とする、広域探査に使うなど、汎用性は意外と高い。

  • テッセラ
所有者:各地の外界宿管理者/“瓊樹の万葉”コヨーテ
特性:気配の隠蔽
外界宿に設置された正十二面体型の宝具。設置し、常に力を送り続けることで一定範囲の気配を隠蔽する。
世界で一番数が多い宝具だが、なぜかは不明。
力の供給が途切れるか、設置場所から動かしてしまうと機能を停止し、再起動までかなりの手間を要する。

  • アタランテ
所有者:“纏玩”ウコバク
特性:捕縛
金属の輪の形の宝具。“存在の力”を込めた状態で息を吹きかけると、その強さに応じたシャボン玉を発生させ、触れた者を閉じ込める。
閉じ込められた相手はシャボン玉のサイズまで縮小され、さらに身動きと思考が停止する。飢餓などで死ぬことはないが老化は進むため、人間が捕まると老いて行く。

  • 押し出しトンカチ
所有者:“可愛いマリアンヌ”
特性:下記参照
質問コーナー「狩人のフリアグネ」でマリアンヌが使ったアイテム。コーナーを乗っ取ろうとした教授とドミノをページの外に追い出した。完全にメタの世界である。


我学の結晶

教授が自身の能力である「物質の具現化」で作り出した、「デミゴールド」をはじめとする各種「素材」と「この世」の物質で作り上げた「宝具のようなもの」。
教授の内部には個としてはきわめて大きな「歪み」があるため、それにより宝具ほど明確にならないものの、近い性質を持ったアイテムを作り上げることができるという。
教授の存在に同期しているため、彼との繋がりが切れると使用不能になる。
ちなみに教授の“燐子”であるカンターテ・ドミノ(「我学の結晶エクセレント28-カンターテ・ドミノ』)や、
『鬼功の繰り手』サーレ・ハビヒツブルグ(「我学の結晶エクスペリメント13621-合体無敵超人」)も一応ここに分類される。


追記・修正お願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 灼眼のシャナ
  • 宝具
  • 歪み
  • 道具
  • マジックアイテム
  • 我学の結晶

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2020年09月23日 18:46