物理属性

登録日:2019/02/02 Sat 00:01:28
更新日:2024/01/19 Fri 17:18:40
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この項目ではゲームでおなじみの
物理属性について説明する。





◆歴史

棍棒、あるいは自らの肉体で直接攻撃を行う、もっとも原始的な攻撃である。

昔のゲームは「通常攻撃=物理攻撃」だった。
「通常攻撃」は魔法攻撃と比べると威力にも攻撃範囲にも劣るが、MPを消費せず、安定して敵にダメージを与えることが可能だった。
ゲーム内で属性相性が重要になるにつれ、物理内でも細分化されていったり、「物理スキル攻撃」が採用されるなど、「物理属性」という存在を確立していった。


【扱われ方】

非魔法属性はだいたい物理なので、扱いは非常に広範囲に渡る。
単に「物理・魔法属性」と分けられたり、物理内に「打撃・斬撃」などと細分化されたり、作品ごとに色々である。
無属性として扱われることも多い。

多くの作品では敵の「物理防御・魔法防御」が分かれており(物理防御力のみが存在し、魔法攻撃は防御を完全に無視することもあれば、一定確率で無効化されることも)、物理に強い敵には魔法を使う、といった攻略法でバトルの戦術を深めている。

パーティー内での「物理使い」といえば戦士に代表される、シンプルな通常攻撃と高いHPを持つもっとも標準的なユニットである。
動きがわかりやすいため、ビルドを選べるゲームでは「初心者におすすめ」とされることが多い。

また、「遠隔の属性魔法使い」である魔法使いに対し、「遠隔の物理使い」としてはを使うアーチャーが存在する。
高い破壊力を持つパワータイプの魔法使いに対し、アーチャーは素早さや燃費で勝るテクニカルタイプが多い。

このように物理属性というのは「普通(属性)」の要素を持つものであるが、「属性を扱うのが普通の世界」で特別に「物理使い」となると、
  • 魔法すら物理で捻りつぶす異常なパワータイプ
  • 異能に頼らずとも戦える技巧派
など、異能者と戦える一般人のような特異な立ち位置で存在感を発揮することも。
物理に特化したパワーキャラ筋肉キャラであることも多い。


主な物理攻撃


斬撃

切断ともいう、主にを用いた攻撃。
もっとも基本的な属性と言える。
あらゆる敵に平均的なダメージを与えられることが多く、アクションでも振りや射程といった性能が標準的にされやすい。

刃で切り裂く都合上、腹部や尻尾、装甲や甲羅を破壊されて剥き出しになった肉など、比較的柔らかい部位への攻撃を得意とする。
逆になど硬い装甲を持つ敵には通り辛く、後述の打撃・破砕属性や魔法攻撃に頼ることになる。

打撃

棍棒・ハンマーなどの鈍器、素手による格闘攻撃が分類される。

岩の敵や鎧を着こんだ敵やスケルトンなど、斬撃が効きにくい敵にも有効打を与えられるのが特徴。
半面、スライムのようなゲル状の物体やゴム質脂肪体質といった衝撃を吸収してしまう敵には通りづらい。
アクションでは鈍器は振りは遅いが高威力で、格闘は逆に手数が多いスピードタイプという傾向が強いか。

かつて「こんぼう」は剣の下位武器として位置付けられていたが、属性の違いから差別化されていき、今では「剣より硬い敵に通りのいい棍棒の方が使いやすい」なんて作品も。

属性や武器の偏りの都合などからが打撃属性に分類されることもある。
変わり種だとで引っぱたく技などもこれにあたる。

刺突

レイピア、などの「突く」攻撃。
刺突や射撃の分類が存在しない場合は斬撃属性にされる。

役割が明確な斬撃・打撃と比べると、特定の敵への強弱は作品ごとにバラバラで安定しない。
  • リーチがあるので飛行タイプに効く
  • 隙間を突けるので鎧や鱗に効く
  • 急所のある敵にはよく効き、スケルトンなど急所のない怪物に効きにくい
など様々なパターンがある。
「斬撃・打撃両方の属性を持つ」とされる場合も。

相性以外の性能では「貫くので敵の防御を貫通する」「クリティカル率が高い」など。
アクションでは「リーチが長く素早い直線攻撃」といった動き面で差別化がなされることがある。

射撃・間接攻撃

、銃、投石などの飛び道具による攻撃。

相性面では「高いところにいる」敵によく効くほか、位置や高低差の概念があるゲームでは「後衛から攻撃できる」「マスを越えた敵に攻撃できる」といった射程面での優位性がある。
ただし攻撃の機会が多い分、威力は低めにされることが大半(同じ大射程で大コスト・大威力の魔法との差別化もあるか)。

「相手にどんな衝撃を与えるか」を基準にした場合採用されないことも。
その場合、弓による攻撃は刺突属性、投石による攻撃は打撃属性といった感じで分類される。

珍しいものでは剣(遠距離武器)による「斬撃属性の飛び道具」も。

破砕・粉砕

これもまた打撃と同様にハンマーや棍棒、大剣の様な質量武器に多い系統。
刃物による切断ではなく、正に対象を粉々にするようなダイナミックな攻撃が分類される。
やはり剣による切断が効きにくい、余りに硬い敵や部位に有効。
一方でほとんどが重量武器な性質上、攻撃速度が遅くなりがちであり、手数の少なさを一撃の重さで補う趣が強い。

他に破砕属性といえば爆弾攻撃がある。広範囲を破砕できるが自爆に注意したい。

属性物理

「属性物理・属性魔法(特殊)」という分類方法。
例えば
  • 「火炎を載せた剣技」なら「火炎物理」
  • 「火炎放射を吹き付ける」なら「火炎魔法(特殊)」
として扱われる。
有名作品ではポケットモンスターが採用している。

物理属性と魔法属性を両方採用している作品だと、「火炎に強く斬撃に弱い」敵に「火炎斬り」を放ったらどうなるのかなど、相性が少し複雑になる。

物理魔法

魔法でありながら物理属性を持つ珍しい存在。
一見すると矛盾するようだが意外と数が無い訳ではなく、
有名所だとロマサガの物理属性を持つ魔法、ファイナルファンタジー青魔法の一部の技、ポケモンのサイコショック等がこれにあたる。
女神転生シリーズでも物理魔法というものは存在するのだが、これらは核熱・衝撃・重力・電撃と物理学の力をモチーフにした魔法である為、
他の作品では普通に魔法攻撃扱いされる属性でもある為にこのカテゴリーに入れていいかどうかは曖昧である。

他の作品でも多く登場するが、基本的には
  • 念動力などで物を動かして敵にぶつけたり、物体を創造して相手にぶつける魔法
  • 衝撃波(風とはまた扱いが違ったりする)など物理的な現象を起こしてダメージを与える''
  • 気功などの武道家が発する体内エネルギーに関する技
が物理魔法として扱われやすい傾向にあたる。

防御貫通・無視

通常、物理攻撃は敵の物理防御の影響を受けるが、それを無視したダメージを与える。
一定確率で発生する「会心の一撃」やスキルによる貫通など。
原理は大別して「敵の防御をかいくぐる」「貫く衝撃を与える」ような精密攻撃技と、「防御の上から粉砕する」ようなパワー技の2種類がある。

アクションでは格闘ゲームの投げ技も防御不能な攻撃である。
防御を無視できる代わりに隙が大きい、リーチが短い、コストが高いなどの欠点があることが多い。

ビーム・エネルギー

主にSF作品で登場。
実弾やブレードによる通常の物理攻撃に対し、ビームライフルなどでエネルギーを浴びせる攻撃。
実弾の効きにくい装甲にも効果的にダメージを与えることができる。
逆に「対ビームバリア」のような防御に対しては不利である。

標準

上記に該当しなかったり作中で細かく分けられていない物理攻撃はこちらに分類される。
変わり種では、Dark Soulsシリーズでは物理が標準・斬撃・打撃・刺突の4種類に細分化され、刀や短剣など「斬り裂く」攻撃は斬撃、直剣や斧など「叩き斬る」攻撃は標準に分けられている。

その他(物理)

だからと言って何でもかんでも(物理)ってつけりゃ良いってもんじゃねーぞ!
そうした用法については「(物理)」を参照。



◆主な物理属性のキャラ

パワーキャラの項目も参照。
はっきり言って該当するキャラが滅茶苦茶多いので全部が全部書き切れる存在ではない。
何故なら「属性の概念がある世界だがこのキャラは他の属性技を持たない」キャラだと大体このカテゴリーに当たる為。
例えば武器を持って戦う戦士やガンマン、素手で戦う格闘家、噛み付きやひっかき等の身体能力で戦うモンスターなどと言ったキャラクターがこのカテゴリーに該当する為に作品によっては半数のキャラクターがこの物理属性に該当したりするためである。

なので大まかな特徴としては「現実的な攻撃手段を持つキャラ」だと大体このカテゴリーに属すると思って間違いはない。

なお、当たり前だが属性の概念が存在しない作品もカテゴリーに含めるとキャラの数がさらに尋常じゃない事になる。
ヤンキー漫画とか格闘系作品とか歴史もの作品とか大体それになっちゃうし…


【ゲーム系】

魔法戦士になりがちな勇者ながら、シンプルな物理タイプ。
当時は物理キャラでも使える特技が存在しなかったため、通常攻撃のみで敵を(極限まで強くすれば破壊神すら)粉砕していく。

格闘技や肉体、正義感などをモチーフとしたタイプ。名前の通りほとんどがパンチキックといった物理技で、特殊技は「はどうだん」「きあいだま」「しんくうは」の3種類のみ。いわタイプやじめんタイプも特殊技が相当少ないのは内緒
打撃的なイメージが強いためかいわはがねなどの硬いものに強いが、ゴーストにはダメージを無効化されてしまう。

レベルを上げて物理で殴ればいい。

  • ドールマスター系(伝説のオウガバトル)
ゲームにおいて数少ない 物理属性魔法専門職。 ちゃんと魔法攻撃力(INT)を参照しての物理属性魔法を敵全体に放つ。
なお相手の防御力参照も魔法防御力(INT)だが、『伝説のオウガバトル』においての「耐性」は(物理含めて)クラスごとにパーセントで事細かに決められているため、
「(防御力のSTRでなく)物理属性耐性の低い相手に有効な魔法」というのが、この物理属性魔法の立ち位置。
ただ他のクラスの中には物理属性魔法が選択肢の一つとなっているものもあり、そちらの方が物理属性が通りにくい相手には別の魔法を撃てるため便利ではある。


漫画

緑の筋肉巨人。
様々なスーパーパワーを持つヒーローの中にあって、ハルクの特殊能力は「物理的なパワー」。
「質実剛健・強靭無比な肉体」という一点だけで他のスーパーヒーローやヴィランと張り合う、(物理)の一種の到達点である。物理攻撃を無効化するヴィランの鎧を破壊したエピソードはあまりにも有名。
ハルク殴る! 相手は死ぬ。
また、「マッチョのヒーロー=インテリ」とされやすいアメコミキャラの中で珍しく見た目通りの脳筋である。それこそが唯一の弱点とも言えるのだが、作品によっては武術を扱うハルク等も存在したりする。

一応、ハルクに変身するブルース・バナー自身は天才学者*1ではあるのだが。


邪神サイトラックと契約した不死身の肉体と怪力を持つスーパーヴィラン。
ハルク並の怪力を持つものの、その真価は圧倒的な防御力。その防御力はコズミックビーイングクラスの攻撃でさえ傷一つ付けられない程。


本作では「爆炎を生み出し操る」「触れた物体を直す」といった超常現象を引き起こす力を総じて「スタンド」と称されるが、そもそも最初期は能力が守護霊のような人型の化身を以て本体のそばに立っている(stand by me)という設定が出発点であり、
そのスタンド像が物理的にパンチやラッシュを繰り出して格闘するというのが現在のシリーズまで続くスタンドバトルの基本である。
戦闘に物理攻撃を多用する傾向は、相手に接近しないと能力を発動できない代わりにパワーやスピードに優れる「近距離パワー型」のスタンドに強い。

特に空条承太郎のスタンド「スタープラチナ」は、
スピード・破壊力・精密動作性・持続時間・射程距離*2・成長性・というスタンド能力評価の内、
射程距離以外の全てが最高評価と物理属性の観点から言えばスタンドの最高峰に君臨し、スタンドの像も「筋骨隆々の格闘士」という見るからにパワフルなもの。
特殊な能力が無く、本体から僅か2m四方までしか届かないという欠点こそあるが、そのスピードとパワーは正に他の追随を許さない。
おまけにそのスピード故に視力も凄まじく、精密性との併用で「写真に小さく映り込んだ虫を正確にスケッチする」、
「高速で飛来する顕微鏡サイズのスタンドを潰さずに指で摘まむ」などの小技も得意とし、厄介な能力を持つ敵や難関を尽く叩き潰した。
「圧倒的に強く、速いパンチが打てるだけ」という極シンプルな強さだけで最終決戦まで至ったのは、能力バトルものの嚆矢にしてかなりの異例と言える。
最終的に「光速に達する程のスピードを出す」というこれまたとんでもない力技で以って「時を止める」という能力に覚醒した。

そんな「近距離パワー型」とは真逆の性質を持つ「遠隔操作型」の場合大抵パワーは弱く物理攻撃には不向きなものの、
「特殊能力とは別に物理的干渉する力を持つ」という点では変わらず他作品の特殊能力とは一線を画している。
一方で特定の像を持たず、格闘がニガテどころか不可能なスタンドもちょくちょく登場している。


現在の保有者はオールマイト緑谷出久
「力を蓄え」「他人に譲渡する事ができる」能力を持つ"個性"。
オールマイトは8代目、出久は9代目となる。
使用する事で凄まじい身体能力を得る事ができ、劇中ではパンチで起こした上昇気流で雨を降らせ、衝撃を吸収する"個性"に対し吸収できなくなるまでパンチを600発以上連打した挙句に空の彼方へ吹き飛ばしデコピンで衝撃波を放つなどしている。
より正確には「OFA継承者の持つ身体能力を加算し、次世代へ受け継がせる」能力であり、代を重ねる度に発揮可能なパワーが増して行く性質を持つ。
なお身体能力を増強する"個性"自体はこれに限らず他にも多く存在する。


恐らく物理属性持ちでは日本の創作物の中ではトップクラス。

劇中ではあまりの強さからほぼ全ての敵をワンパンで倒しており、しかもそれすらも手加減した打撃で倒している。そんな彼の本気のパンチは天候に作用し、星の表面を吹き飛ばそうとした全力の一撃を真っ二つに割って完全に相殺するレベル
(ここまで書けば分かると思うが、彼のパンチには某コミックのコズミックビーイングクラスの地力でも無い限り物理無効、超再生、etc…等を用意しても無駄である。)

身体能力も化け物じみており、劇中では屈指の強敵に地球からまでふっ飛ばされた際には、そのままジャンプして何事もなく地球に帰還している。
(ちなみに物理的に計算するとサイタマは2.6兆tもの力で月を蹴って脱出している。宇宙最強の生命体も完全にこれにはビビっていたが当然である。)

加えて耐久力もすば抜けており、劇中では服こそ破ける事は多々あったものの、どんな攻撃を食らっても流血はおろか、かすり傷一つ負う事すら無い。
…また、特に動き等は素人そのものであるが、圧倒的な動体視力によって並の敵では攻撃すら当てられない。(紙装甲でもないのに……もう無茶苦茶である。)

さらにオマケとして理屈は不明だが超能力等による“相手の内部を攻撃する”ような搦手さえも無効化する。(肉体の頑強さが由来だろうか?)

…と、ここまで書いといて分かるだろうが彼の戦闘能力は尋常なレベルではない。某鋼鉄の男もびっくりだろう。
早速、世の理不尽の集合体とも言えるべき戦闘能力を持っており、劇中では当然ながら無敗。苦戦すらした事も無い。

そのあまりの強さからわりと世界観がシリアスであるONE PUNCH MANという漫画自体がギャグ漫画扱いされるレベル。



主人公、五河士道が最初に出会った精霊。
精霊は天使という尋常ではない力を持った武装を有するのだが、彼女の玉座とそれに収納された剣の天使<鏖殺公(サンダルフォン)>は単純な高い破壊力による白兵戦を得意とするもの。
他の精霊が天使と共に何かしらの特異な異能力を有してる分、彼女はそれをもってしても有り余るほどの「純粋な強さ」を有している。
戦闘では大剣を振るって近くにいるものだけでなくその余波で周りの敵すら吹き飛ばすなど範囲や射程にも困らない。
搦め手を講じる拡張性がそれほど高くないと言う点があるが、純粋に白兵戦で対処するだけで済むので全くもって弱点になっていない。*3
その為、生半可な搦め手では彼女を打ち倒すのは不可能であり、余程搦め手を講じることで拡張性や汎用性が増す能力を使いこなした相手でもない限り打ち破っている。
そして奥の手として玉座を分解して刀身に再構築して振るう<最後の剣(ハルヴァンヘルブ)>という業を有している。



追記は物理攻撃でお願いします。


画像出典
Pixaby 高品質なフリー画像素材 2019年 11月10日閲覧
https://pixabay.com/ja/

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最終更新:2024年01月19日 17:18
添付ファイル

*1 媒体によって物理学者だったり遺伝子学者だったり生物学者だったりするが、学者かつその道の権威である事は共通している。

*2 スタンドを本体から離れさせられる距離を指す

*3 また、十香自身が策を講じる戦法には向いていないのもある

*4 何事も物理で解決するのが一番だ