ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ

登録日:2018/12/22 Sat 12:49:10
更新日:2023/12/26 Tue 16:41:58
所要時間:約 10 分で読めます





みんなが遊べる、はじめてのポケットモンスター


ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』(Pokémon: Let's Go, Pikachu! / Let's Go, Eevee!)とは、2018年11月16日に発売されたNintendo Switch対応ソフト。
略称は『ピカブイ』『LPLE』。

ポケモンシリーズではリメイク作品かつハードが変更された初の事例なので第七世代か第八世代かは意見が分かれるところ。*1
攻略本で増田順一氏から「本編である」と言われており、初代・FRLGに続く新たなカントー地方の世界といったところ。


◆概要

ポケットモンスター ピカチュウ』のリメイク作品。
シナリオが本作のシステムや2018年当時に合ったものに一部変更された。
また、システムは『Pokemon GO』を意識した作りになっているのが大きな特徴であり、
「GOのような感覚で小さい子供も楽しくプレイできる作品」を念頭に、初心者でも遊びやすいよう様々な調整がされている。

やり込み要素は古参プレイヤーにとって少々物足りないだろうが、完全3DCG化で様変わりした町並みなどを眺め懐かしむのも一興だろう(システム変更の影響で、NPCの民家やセリフもかなり変化していたりする)。
さらに『ピカチュウ』版当時では十分に詰められていなかった設定もセリフの追加などでフォローされている場面がある。
また、ジムリーダー四天王の手持ちが変わっており、ポケモンのダブりが少なくなっている。

難易度は序盤こそ低めに設定されている。例えばトキワの森でナゾノクサ・マダツボミ・フシギダネが出現する上に「すいとる」の威力が「メガドレイン」(メガドレインは登場しない「ギガドレイン」相応に)強化されており、その辺で捕まえたナゾノクサでタケシを軽く蹴散らせる。その上に相棒たちが「にどげり」を覚える。わざマシンも「がんせきふうじ」から「ずつき」に弱体化している(「がまん」よりはマシだが)。
……が、そこを超えるとどんどん難易度が高くなっていく。カスミなぞFRLGの時点で「バブルこうせん」から「みずのはどう」に強化されたのに、さらに威力が高くやけどもついてくる「ねっとう」になっている。
その段階で相棒技を教えて貰えるとはいえど、スターミー種族値の高さも相まって相棒ポケモンであっても油断がならない。
トレーナーのレベルも中盤からリメイク前よりも上昇していくし、AIや技の質が上がっていて強力になっている。

グラフィック面では、過去作だとキャラクターが背景と同化しないよう黒いアウトラインを引いていたのが無くなった。
また、人物の等身はSMのバランスを引き継ぎつつも頭部が若干大きめのデフォルメ感の強い体型となっている。
モフモフした毛並みなどリアルな質感は「親御さんがビックリされるから」とほぼ採用されず、あえて言うなら“USUMに少し手を加えた”といったところか。
フィールドグラフィックは、XYORASの進化版にあたる表現という感じになっている。

◆過去作との相違点など

  • 相棒ポケモン
パッケージタイトルの通りピカチュウ(CV.大谷育江)/イーブイ(CV.悠木碧)を相棒として常時連れ歩ける。
進化はしない代わりに個体値が6V固定。しかもそれぞれ種族値が原種から合計100も強化されており、
後述の相棒技と合わせれば進化後のポケモンたちにも十分に対抗しうるものとなっている。
性別は尻尾で見分けられる。厳選したい人は初起動時のムービーで確認しよう。
服や帽子でオシャレさせることも可能。

  • 相棒技/ヒジュツ
相棒技はその名の通りピカチュウ/イーブイが使える強力な技。
様々なタイプが存在し、弱点を補うことができる。いずれも通常の技にくらべてもかなり強力。
ピカチュウは嘗て配布された「そらをとぶピカチュウ」「なみのりピカチュウ」に因んだひこう・みずタイプの技とでんきタイプの強力な技の3つ。
イーブイは今作には登場しない種類も含め、8種類の進化系に因んだみず・ほのお・でんき・エスパー・あく・くさ・こおり・フェアリーの8つの技がある。
詳しくはこちらへ。

ヒジュツは秘伝技またはポケモンライドにあたるもの。
やはりピカチュウ/イーブイが使うが、伝授してくれるNPC曰く本来は人間が使うものらしい……こいつら何者なんだ。*2

  • 野生ポケモンの捕獲方法
簡潔に説明するとサファリゾーンまたは『Pokemon GO』方式。
本編シリーズ初の完全シンボルエンカウント方式を採用し、接触すると捕獲画面に移る。
Joy-Conを使用してモンスターボールを投げる操作もできる。

二重丸マークを目安に、タイミングを見計らってボールを投げよう。
ただジッとするわけでもなく上下左右に動いたり弾き返す場合があるため要注意。
携帯モード以外では二人同時にボールを投げて捕獲率を上げられる。

連鎖する度に、貰える経験値も増えていく。
今回はトレーナーとの戦闘で貰える経験値が少ないため、手持ちを育てるにはどんどん捕獲して連鎖していく方が効率が良い。

『ピカチュウ』で固定シンボルだったカビゴン+マルマイン+伝説の三鳥+ミュウツーは5分間の制限時間付きポケモン勝負から始まり、
HPを0にすることで「捕まえる チャンス!」に移行するという、『GO』のレイドバトルを意識したような展開になっている。
マルマイン以外はどこぞのぬしポケモン(もしくは後発作品のオヤブン)のように、最初から能力が上昇しているので油断は禁物。


第一世代+リージョンフォーム+完全新ポケモンのメルタン/メルメタルのみ。
あくはがねフェアリータイプに変更された第一世代のポケモンと技は流石にそのまま採用されている。

ポケモンの分布はを除いてピカチュウが赤、イーブイが緑版を再現している。

本編シリーズでこれらが廃止されるのは初の事例。
ただでさえ属性相性が初心者には煩雑すぎるので一旦リセットする目的だろう。
基礎ポイント(努力値)関係もGO合わせになっている。

  • 厳選方法の変更
高個体値のポケモンは同じ種類のポケモンを連続ゲットすることで出やすくなるように。上手く連鎖を続けて厳選だ。
SMから王冠が続投していてゲーム中で拾えるので、それも助けにするとよい。
色違いのポケモンも連鎖によって出現率が上がっていく。
性格厳選はタマゴなどが廃止されたため
祈祷師にこれから会うポケモンの性格を占ってもらう
というなかなかぶっ飛んだものに。
祈祷師の隣にケーシィがいるのは、過去作で特性「シンクロ」要員にされていた皮肉であろうか。

  • 技の整理
USMと比べると大幅に技関連が整理された。
ほぼ初代にあった技+α程度まで削られている。わざマシンも60個に減った。
その為、タマゴの廃止も重なってレベル習得技も手を加えられている。
従来までのタマゴ技が思い出し候補に加わっているパターンが多い。

  • レート対戦廃止
通信対戦と通信交換自体は存在する。

  • 連れ歩き実装
3DCGとなってついに復活。ちゃんと色違いも反映されるし、場所によってポケモンのリアクションが変化するのも健在。
第六・第七世代のポケモンライドのノウハウが反映されており、一部のポケモンは背中に乗ったり捕まったりして移動できるようになっている。

  • アメ
ポケモンGOよろしく、転送時に加え拾ったりもらったりすることで入手出来るアメを強化に使う事が出来る。汎用のアメも存在。ただしけいけんアメはまだ無い。
なんと能力値を単純強化できるという代物で、これを使えば強化してない相手ならマルマインより早いゴローニャなんてやりこみ要素も可能。
シナリオ中に登場するコーチトレーナー、およびクリア後のマスタートレーナーはアメで強化済みのポケモンを使ってくる。
コーチトレーナーこそ、ストーリー中で出会う相手ということもあって、育成をそれなりにしておりタイプ相性を理解できていれば「モブトレーナーやジムリーダーと比べると少し手強い」程度で済む相手ではある*3が、マスタートレーナーは「同族*4でしか戦えない」&「アイテム使用不可(回復はもちろん、プラスパワーなどの積み技に相当する能力強化もできない)」という制限が加わることもあって、こちらもアメで十分強化していない(ラッキーなど一部の相手については特定の技を覚えさせておいて使う必要がある)とまるで歯が立たない。
「イシツブテに先手を取られた」「メタモンがなんだか硬い」と手応えに焦った人も多いだろう。

  • 伝説のポケモン
ファイヤーフリーザーサンダーの3匹がなんと野生で登場する(シンボルエンカウントのより基本的に弱い)。
クリア後、稀にではあるものの上空を普通に飛行していることがあるのだ。
ただし戦うにはリザードンプテラカイリューに乗って空高く飛ぶ必要がある。


◆あらすじ

マサラタウンに住む主人公とライバルは今日からポケモントレーナーとして旅に出る。
1番道路でオーキド博士を見かけた矢先、ここらでは珍しいピカチュウ/イーブイが現れた!?
捕獲してみると主人公に懐き、やがて頭の上や肩が定位置に。
頼れる相棒と一緒にポケモン図鑑完成を目指していざ飛び出そう!


◆主な登場キャラクター

元のピカチュウ版やFRLGの主人公とは全く違う新しいデザインとなっている。
ゲーム開始時に性別*5と肌・髪・瞳の色の組み合わせを4種類から選べる。
相棒とお揃いの衣装も入手可能。
PVなどではカケル/アユミというタイトルの「Let's Go」を意識した名前(駆ける、歩み)が使われており、ファンからもこう呼ばれることが多い。
年齢は10代前半程度と思われるが、選択肢からロケット団に堂々と歯向かえる芯の強さを感じさせる。

主人公と同様、新しいデザインの人物として登場。
PVなどでは「シン」という名前が使われており、ファンからもこう呼ばれることが多い。
主人公と同年代の少年で、やや鋭い三白眼が特徴。
主人公が選ばなかった方の相棒ポケモンを手持ちに入れる(能力値などは一般ポケモン扱いで進化もする)。
面倒見はいいが少々ヘタレ。

主人公とライバルにポケモン図鑑を託す。
ちなみに本作は『にがす』が『博士に送る』に変更され、送った種類や数に応じて彼から能力値補正に関わるアメを貰える。

オーキド博士の孫であり、今作では主人公の先輩トレーナーの立ち位置で登場する。
ストーリーの都合上概ね第二世代に即した年齢設定のようだが、服装は第一世代当時と同じ。
自信家というキャラ造形こそそのままだが、ロケット団の悪事に対して我関せずというスタンスだったリメイク元とは打って変わり、積極的に同郷の主人公たちを手助けするべく奔走する。
ちなみに本人曰く彼らの世代の図鑑は手書きだったらしく、やはりリメイク前とは異なる世界の物語であることが示されている。

タマムシシティにアジトを構えるポケモンマフィア。
アニメでお馴染みラブリーチャーミーな敵役が『ピカチュウ』当時より強固なキャラ描写をひっさげて登場するほか、なんと『HGSS』で登場したアポロとも戦う。
一部プレイヤーの間で囁かれていたシルフカンパニーとの癒着疑惑は……?

殿堂入り後に条件を満たすとセキエイ高原に登場するトレーナー。
他の作品のレッドと同じく今作の彼もやっぱり無口。
グリーンと同じく容姿は第一世代の主人公を元にしている。

殿堂入り後に条件を満たすとハナダの洞窟に登場するトレーナー。
金銀やHGSSのグリーン同様に名前に合わせた町の色ネタとも言える。
彼女のデザインは「最初にもらえる3体に合わせて三つ巴になるとしたらこうだろうなと考えて攻略本の表紙用にデザインした女の子」(杉森建氏談)が元になっていると思われ、
同じくその女の子の要素を意識してデザインされた『FRLG』の女の子主人公の造形からも影響を受けた雰囲気となっている。


◆余談

2004年には、『赤緑』のリメイクである『FRLG』が発売されている。
元にしたソフトこと違えど、同世代が複数回リメイクされるのは今回が初の事例となる。

また、地味ながら「勝利!トレーナー」のメロディが初めて初代バージョンのアレンジとなった。
初代アレンジのメロディは次回作の剣盾にも引き継がれている。
(RSE〜USUMは赤緑のBGMをリテイクした金銀版のBGMをアレンジしたものが使われている)

時代の流れで、現実世界ネタや扱いづらくなった要素が軒並み自粛された。
以下例。
  • コロンビアごう→ただのスペースシャトル
  • シルフカンパニーポナヤツングスカ支店→場所がロシアではなくなった
  • きゃっ いまからださわらなかった?」→「ちょっと きみ! 今 わたしの ほう 見たでしょ」(ちなみにこれはFRLGも同様)
  • ロケットゲームコーナー→スロットマシンからアーケードゲームに(主人公は遊べない)
  • モノマネ娘の家にあるゲーム「マリオとワリオ」→「ポケモンクエスト」
  • サイクリングロード→暴走族廃止のためか「ポケモンロード」に、他のトレーナーも連れ歩きしている
  • 名前だけ借りてたでんきグルーは元ネタに凄く似た顔になった。



相棒の皆さん、ヒジュツ『ツイキシュウセイ』をお願いします。


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最終更新:2023年12月26日 16:41

*1 そもそも「第何世代」という定義自体がユーザー発祥の非公式のものである

*2 とはいうが、初代の「いあいぎり」はサントアンヌ号の船長が自分の得意技をひでんマシンにしたものなので、ある意味原点回帰と言える。類例としては第二世代・第四世代における「いわくだき」がある。

*3 コーチトレーナーは勝利すれば育成アイテムや、三色パンチなどといったそのトレーナーのポケモンが使用していた技のわざマシンがもらえるため、ストーリーでも積極的に戦っておくとよい。

*4 メガシンカと同種のリージョンフォームは使用可能だが、リージョンフォームは原種に対して相性が悪いケースが多い。

*5 ゲーム中使われない表現だが、分かりやすくするためこう記載する