若おかみは小学生!

登録日:2018/10/21(日) 1:47:43
更新日:2024/01/18 Thu 11:49:25
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あたしは春の屋を立派な旅館にしてみせるんだから!!



『若おかみは小学生!』とは、講談社青い鳥文庫より2003年から刊行されていた児童文学シリーズ(若おおかみと間違えられることは作者も気にしている)。
作者は令丈ヒロ子。イラストは亜沙美。なかよしではおおうちえいこが漫画版を連載していた。

両親が交通事故で亡くなり、祖母の家に引き取られた主人公がひょんなことから祖母の旅館の若おかみとなって奮闘し成長していく物語である。
2013年まで連載され、20巻で完結した。サブタイトルは花の湯温泉ストーリー。
その後サブキャラなどの活躍を描いたスペシャル短編集が刊行されている。

2018年4月から9月までテレビ東京系列でアニメが放送され、9月には劇場版が公開された。
アニメのエンディングはLINEの会話のようにキャストが流れるものだったがそこで使われたものがLINEスタンプとして発売された。
なおエンディングが変更された際には劇場版の映像が使用された。
制作は両者ともマッドハウスが担当したが、繋がり自体はなく一部キャストが異なり独立した作品である。
劇場版では高坂希太郎監督、吉田玲子が脚本を務め、音楽を鈴木慶一が担当している。
アニメ版のナレーションでは能登麻美子が担当しEDでは一部劇場版の映像が使用された。
なお番外編では同じ青い鳥文庫シリーズの『黒魔女さんが通る!!』シリーズと度々コラボしている。


※以下ネタバレ注意


【あらすじ】
交通事故で両親を亡くしたおっここと関織子は祖母の旅館である「春の屋」に引き取られそこで暮らすことになる。
おっこはそこに住み着いていた幽霊の少年ウリ坊から言葉巧みに乗せられ、「春の屋」の若おかみとして修行するはめになってしまう…。


【登場人物】

●関織子(おっこ)CV:小林星蘭
本作の主人公。
小学6年生で交通事故で両親を亡くし祖母の旅館である「春の屋」に引き取られる。
一度死にかけたことで幽霊が見えるようになった。
そこに住み着いていた幽霊であるウリ坊から焚きつけられ、一時祖母が倒れたこともあり祖母を支え跡継ぎになるために若おかみとして修行することに。
両親が亡くなってもめげずにひたむきに若おかみ修行に励んでいる。

明るく元気で頑張り屋だが、猪突猛進なところ(ウリ坊曰く体で壁にぶつかって痛みを知ってから成長するタイプ)や思っていることをそのまま口にしてお客様と言い合いになってしまうこともある。
お客様のことを一生懸命考えるが、勉強自体は得意ではなく(体育以外残念な成績で予習などは一切しない)考え事をするのに定期的に甘いものがないとダメ
調子に乗りやすい性格だが癖の強い客や自分とは関係ないお客様の悩みでも一生懸命向き合おうとする。


初めはいやいや手伝いを行っていたが、お客様と向き合い周りの助けを借りながら修行を経て徐々に若おかみとして成長していく。
ウリケンとは喧嘩になることも多いが大切に想っており、春の屋から去ろうとするウリケンを必死に呼び止めた。
ウリ坊や美陽と別れたくないと願っていたが…。

未来ではウリケンと結婚し美来(みくる)と亘誠(こうせい)という名前の一男一女をもうけている。


●関峰子(おばあちゃん) CV:一龍斎春水
おっこの祖母で旅館「春の屋」のおかみ。
両親を亡くしたおっこを引き取る。


「春の屋」をひとりで切り盛りしていたが、おっこに対し若おかみとしてのいろはを叩き込んでいく。
老齢だがキビキビしており昔はかなりの美人だった。

ウリ坊とは幼なじみで両想いだったが引っ越しの時に離れ離れになってしまい、結局結ばれることはなかった。
幼少期はかなりのお転婆だった。


●田島エツ子(エツ子さん)CV:一龍斎貞友
春の屋に勤めるベテランの仲居。

涙もろくおっこが若おかみといった時には涙を流していた。
働き者でおっこのことも可愛がり、礼儀作法を叩き込む。


●蓑田康之介(康さん)CV:てらそままさき
春の屋の唯一の板前で厨房を預かる料理人。

昔気質でおっこをお嬢さんと呼ぶ。
料理の腕もかなりのもので、洋食も難なくこなす。
情に厚いが、注意散漫なウリケンは流石に叩き出した。


●立売誠(ウリ坊)CV:松田颯水
春の屋に住み着く色黒の少年の幽霊。
おっこと同い年くらいの姿だがおっこの祖母と大阪時代の幼なじみだった。

おっこの大切な友達で、峰子のためにおっこに若おかみになってもらうように頼み込む。
明るくお転婆な峰子と気が合い、好きだったが結局想いを告げることはできなかった。
峰子の引っ越しによる心残りから屋根に上りそこから転落して死んでしまう。

上記のように辛い過去を持ち合わせているが、幽霊になっても春の屋で峰子を見守っている。
事故に遭ったおっこを助けたのも彼である。
おっこのことも好きだったが、年長者としておっこにアドバイスしたり、弟の子孫であるウリケンを応援している。
漫画版では掲載雑誌の都合上イケメンに設定された。


●秋野真月(ピンフリ)CV:水樹奈々
おっこのクラスメイトで花の湯温泉で一番大きな旅館である秋好旅館(劇場版に登場する秋好旅館はホテル花水木という実在するホテル)の跡取り娘。
プライドが高く同じ旅館の跡継ぎであるおっこをライバル視し、はじめはきつい態度で上から目線で接する。

いわゆるツンデレお嬢様キャラ(恥ずかしい時に耳たぶを引っ張り、嬉しい時に指をはじく妙な癖を持っている)。
いつもピンクのフリフリがついたド派手なドレス(銀座で購入した)を着ていて、クラスメイトからはピンクのフリフリ、略してピンフリと陰で呼ばれている。
クラスの女王様的存在で誰も彼女には逆らえない。

根は努力家で自分の旅館の相応しい跡取りとなるべく日々勉強している(クラスでは浮いているが知識や行動力は尊敬されている)。
経営や従業員教育を学ぶなど小学生とは思えないほど知識があり、相当なしっかり者。
立ち直りが早くお客様を思いやるなどおっこと似た面もありおっこと親友になる。
仲良くなってからはおっこから頼られることも多い。
劇場版ではスティーブ・ジョブズウォルト・ディズニーなど偉人の名言をやたら引用する。
また『ホモ・デウス』を読んでいる(監督が作者に許可をとった)。


●秋野美陽(美陽ちゃん)CV:日高里菜(TVアニメ版)、遠藤璃菜(劇場版)
白い7歳の少女の幽霊。
生きていれば20歳以上の年齢で病弱なため7歳で亡くなって幽霊になった。

はじめは秋好旅館にいたがいたずらしても認識されなく寂しい思いをしていた。
ウリ坊と同じく春の屋に住み着くことになる。
おっこの大切な友達でお姉さん的存在。

クールで割とキツイところもあるが、恋愛面では奥手なおっこをサポートする。
実は真月の姉で、早くに亡くなってしまったため真月は面識はない。
しかし真月の祖父や真月に時々存在を感じさせることはあったようだ。
おっこ以外に見える人はいなく、真月を見守ることしかできずに秋好旅館で寂しく暮らしていたが春の屋に転がり込む。


●鈴鬼(魔幌羽鈴鬼)CV:小桜エツコ
春の屋の物置の古い鈴に住み着いていた魔物。決して鈴木ではない。
いたずら好きのお調子者で生意気な小鬼。

一応魔物なので春の屋に面倒な客個性の強い客が現れるのは鈴鬼の力によるもの。
登場早々退治させられそうになるが、おっこの頼みで春の屋に住み着くこととなる(災いを及ぼさないこと、春の屋を手伝うことを条件に)。
自分の住み着いていた鈴が弱点で鳴らされることが大の苦手。

魔界の寺子屋時代はNo.1美少女鬼とNo.2美少女鬼に同時に告白されモテまくり……、というのは嘘で暗く引っ込み思案だった(まあ仲は良かったが)。
しかし彼がDrイクズス(SUZUKIを逆さにして読んだペンネーム)として一冊だけ恋愛詩集を発売した際には魔界の女の子に大人気となった。
青年の姿になると今までの面影が薄れ外国の王子様のようなイケメンになる。
同級生のNo.1美少女鬼である沙々夜化のことが好きだったが…。


●立売健吾(ウリケン)CV:小林ゆう
ウリ坊の弟ヤス坊の孫でウリ坊そっくり。
歯並びは悪いが一応イケメンらしい。
祖父が峰子と知り合いで、春の屋を取り上げた雑誌を見て祖父の憧れの人ということで訪ねてきた。

興味のある分野だけとはいえ勉強家で要領よく立ち回りおっこ以外の旅館の従業員に好かれる。
ウリ坊と姿は似ているが性格は似ておらず喧嘩っ早く意地っ張りで少々口も悪いが、心配性で優しい。

祖父のためもあったが雑誌で紹介されたおっこに一目惚れし東京から訪ねてきた。
後におっこと両想いが発覚し恋人同士になる。
あかねのことをライバル視していたが、誤解があっさり解けてから友人同士になる。
将来の夢はおっこと旅館を営むことで春の屋に来て時々手伝っている。


●池月より子 CV:社本悠
おっこが最初に仲良くなった同級生で親友。細くてタレ目の女の子。
おっこのよき相談相手でピンフリや鳥居くんの存在を教えた。
池月和菓子店という和菓子屋の娘で店を手伝っているが、役立ち度は微妙。
頼れる兄がおりお菓子コンテストでおっこや真月を抑えて優勝した。
おっこに対し、鳥居くんファンの子があなたを見てがっかりしたというあまりありがたくない情報を伝えたこともある。
おっこの友人たちである後述の向坂やお土産物屋の泉水、美容室の森野らとともに自室で度々女子会をしている。
中学に進学した際には、おっこと同じスイーツ研究会に所属し3年の先輩に恋をする。
しかし、自身の恋愛に対しては奥手でおっこに言った恋愛に関するアドバイスを実行できないでいる。


●向坂麻由佳 CV:亀谷理子
おっこのクラスメイトで友人。実家が花の湯温泉の温泉玉子が名物の食堂。
勉強が良くできて真面目な眼鏡女子。クラス委員を鳥居くんとともに務めている。
鳥居くんではなくウリケンを選んだおっこに対し、みんながおっこと鳥居くんが付き合い始めると期待していたと言った。


●林佳鈴 CV:劉セイラ
おっこが台湾修行で訪れた日本式旅館の娘。
本人は漫画家志望で旅館の経営に反対していた。
霊感がありウリ坊や美陽たちを見ることができる。
終盤でもおっこに協力する。


●神田あかね CV:小松未可子
春の屋に父親と訪れたおっこと同い年の少年で初の若おかみとしてのお客様。
アニメ第一話で既に登場している。
おっこが顔を赤らめるほどの美少年だが母親を亡くした影響から少々ひねくれている。
熱血タイプが苦手でおっこと言い合いになったが、おっこの姿を見て態度を改め学校に通うことを決意する。
後に意外な人物と付き合うことになる。


●神田幸水 CV:松本保典(TVアニメ版)、設楽統(劇場版)
あかねの父親で妻を亡くし、息子を連れ墓参りも兼ねて花の湯温泉に訪れる。
金髪でもないしドSでもない。
有名な作家ではあるが義実家からはよく思われていない。


●グローリー水領 CV:橋本結(TVアニメ版)、ホラン千秋(劇場版)
鈴鬼が呼び寄せた客で長い黒髪のスタイル抜群の美女。
失恋が原因でスランプに陥っていたが、おっこのおかげで立ち直ることができた。
東京で占い師をしておりおっこの恋愛に関してアドバイスをした。
決しておばさんではない。


●澄川静志郎(鳥居くん)CV:小林由美子
おっこのクラスメイトで成績優秀、スポーツ万能、謙虚で穏やかなバリバリのイケメン。
実家が神社なため鳥居くんと呼ばれている。
下級生にファンクラブができていて女子から人気だが本人はおっこのことが好きで中学生になったら告白することを決めている(当のおっこは当初鳥居くん誰それ状態だったが)。
おっこが好きなことはとうに周囲に知られている。
眠るときに好きな夢を見ることができ、それを利用しておっこと夢の中でデートしているがウリケンやあかね共々鈴鬼たちのせいでトラブルに見舞われる。
後により子から真実を伝えられるが叔父のアドバイスもありおっこに対し長期的な作戦に切り替えていくことにする。
劇場版では冒頭で神楽を披露し向坂さんたちから黄色い歓声を浴びていた。
また真月とおっこの神楽の指導役に選ばれるも息が合わず喧嘩する二人に苦慮する。


●三木創太 CV:桑野晃輔
黒髪長身の爽やかなイケメンの青年で春の屋に来た際には女性陣は色めき立っていた。
大ホテルチェーンの子息で実は旅館のことを下に見ており秋好旅館も含めてボロクソに貶した(ただし指摘自体は的を射ていることが多い)。
自分がたきつけた客が春の屋で満足したの見て旅館に対する考えを改めた。
一時期真月に惚れられていた(本人は清楚な人が好み)。


●木瀬文太(劇場版オリジナルキャラクター) CV:山寺宏一
家族と3人で春の屋に訪れる。
長い期間入院しており、食事に関しても薄味で病院食と変わらないと避けていたが…。
実はおっこの家族が乗っていた車と衝突したトラックの運転手で、ある意味おっこの両親を死に追いやった張本人(もっとも複数台が絡む事故が発生してその車を避けようとして反対車線に飛び出してしまったため彼もまた被害者である)。


●木瀬翔太 (劇場版オリジナルキャラクター) CV:田中誠人
文太の息子。おっこのことは雑誌か何かで既に知っていた。


●木瀬寅子 (劇場版オリジナルキャラクター)CV:折笠富美子
文太の妻で病み上がりなのに食事を残す夫に注意する。






花の湯温泉は追記・修正を拒まない。

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