SCP-008

登録日:2018/09/19 Wed 23:17:12
更新日:2024/01/28 Sun 23:34:54
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監督評議会による指令


このファイルはレベル4機密対象です


==要レベル4クリアランス==

























セキュリティクリアランス適合:アクセス許可




読んで字の如く。だからこそ恐ろしい。




SCP-008は、怪異創作コミュニティサイト「SCP Foundation」に登場するオブジェクトである。オブジェクトクラスはEuclid。


概要

こいつの特徴を一言で表すと、

ゾンビウィルスである。

…ほんとにそれだけである。いや、冗談抜きでコイツは人をゾンビに変えるウィルス、そのものである。

SCP-008はプリオンの複合体、まあ要するに感染するタンパク質、すなわちウィルスである。このプリオンの特徴を引用すると、

・100%の感染力。
・100%の致死性。
・粘膜や体液に曝露することで感染します。
・空気感染や水系感染はしません。

とまあこんな感じである。つまり、「感染者に触ったり噛まれたりすると確実に感染して死ぬよー」「でも空気とか水とかからは感染しないよー」という事である。

そして、感染してから3時間以内に症状が発現する。長いので箇条書き。

1.高熱、インフルエンザのような症状の後、認知症状すなわち記憶障害
2.その約20時間後、著しい記憶障害から約12時間後、昏睡状態に陥る。なお、財団においてはこの時点で死亡したと判断される。
3.所々で細胞が壊死し、壊疽を呈する。残った組織は著しく回復する。
4.血液の酸素運搬効率が上がる。その結果、血流速度の低下、筋力の上昇が起こる。
5.数時間、筋肉や神経は臓器不全の影響を受けなくなる。
6.代謝が著しく低下する。感染者は10年以上栄養を取らなくても活動できる。
7.血液粘性が高くなる(粘っこくなる)。結果、負傷による出血がごくわずかになる。
8.人間にとっては普通の条件反射や本能行動が損なわれ、知能は著しく低下する。動物実験においては、脳死が起こり活動しなくなった。
9.2本の足で立ち続ける、歩く、噛む、這う等の基本的な行動しかできなくなる。
10.生きている人間を連想させるものに積極的に向かうようになり、機会があれば喰おうとする。
11.完全な無力化を遂行するには頭部に効果的な外傷を与える必要がある。

といった具合である。絶対アンブレラ関わってるよねコレ

当然、財団世界にはそんな企業は存在しないので、財団は、SCP-008は異なる生態系から持ち込まれたものだと推測している。



経緯、特別収容プロトコル

SCP-008は1959年に発見され(何処で発見されたかは不明)、その根絶と収容施設の建設のため、財団はソビエト連邦と短期協力協定を結び、収容に至った。その協定は現在は終了し、今ロシア側が管理しているSCP-008の状況は不明である。

…もう一度言う。

今ロシア側が管理しているSCP-008の状況は不明である。

ロシアは現在、SCP-008をどう扱っているのかは不明なのだ。仮に、生物兵器としての研究が進められていてもおかしくない状況なのである。最悪K-クラスシナリオに繋がりかねないが、現時点で財団はあれこれ対策を練っている様子はない。…本当に大丈夫なのか?

SCP-008は現在、協定によって建設されたG2サイト群に保管されている。当然、下手をすれば生物学的災害を引き起こしてしまうため、これでもかというほど安全対策が取られている。

また、政治或いは軍事行動、停電など、収容違反が発生しそうな、或いは発生してしまった場合は、焼却、および放射線照射措置が取られる。財団はその際、避難手順は用意されるべきではない、としている。



サーキシズム?

このwikiで、あるいは本家財団wikiで記事を閲覧している諸君の中には、ある要注意団体を思い浮かべた人がいるはずだ。


疫病を崇拝し、死を理想とし、腐敗と不浄を求め、腐肉で満ちた世界を作ろうとする宗教団体…。

このオブジェクトは先ほど、ロシアで発見されたと書いたが、これはSCP-610 - The Flesh that Hates(にくにくしいもの)と酷似している。これは、身体が肉腫で覆われ、グロテスクな、蠢く肉の塊になってしまう伝染病である。

このオブジェクトがサーキック・カルトと何かしらの関係を示唆されていることから、SCP-008も関係があるのでは?と想像した人は一定数いると思う。

しかし、SCP-008は2008年代に書かれたものである。まだSCP財団という世界観が安定した概念ではなかった時代である。つまり、カノンが固まっていなかったのである(現に、この記事の冒頭で"監督評議会"という名称が出ている。今のSCP財団にそんなものは存在しないが、O5評議会はある。まだO5評議会という概念すらなかったと思われる)。

当然、要注意団体などというものはない。SCP-008は、関係がありそうに見えて、無いのである。

もっと言うと、SCP-008は先ほど言った通り、何の変哲もないゾンビウィルスである(変哲大ありだって?今のSCP財団では普通に存在しそうです)。今の財団なら確実に低評価削除を喰らうだろう。

先ほど言った通り、このオブジェクトは初期に執筆されたものである。初期の本家のノリで書かれたもの、と言っていいだろう。だからこそ、このオブジェクトは、何の捻りもない、ゾンビウィルスとして存在できるのである。



余談

SCP-008の症状が末期段階に進行してしまった後でも、SCP-500によって根治出来る事が判明している。流石は万能薬。

SCP-052(時間を移動する列車)から降車した2124年の「SCP連合」のエージェントと称する人物によると、2092年にこれの大規模収容違反に起因する「2092年ゾンビ病大流行」が発生するらしい。

また、本家記事にはSCP-008の三次構造のリボン図、一次アミノ酸配列情報が掲載されていたが、現在はライセンス問題が指摘されたらしく削除されている。




追記・修正はSCP-008に感染してからお願いします。


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最終更新:2024年01月28日 23:34