大首領JUDO

登録日:2018/08/26(日) 10:17:30
更新日:2024/02/23 Fri 23:10:08
所要時間:約 10 分で読めます





この項目は『仮面ライダーSPIRITS』のネタバレが含まれています。





我が名はJUDO…

そして…

バダンの大首領…!!


大首領JUDOとは、漫画『仮面ライダーSPIRITS』の登場キャラクター。
『SPIRITS』の原作である『仮面ライダーZX』に登場するバダン総統に当たる人物。


概要

バダン(BADAN)の支配者であり、1号スーパー1までの歴代ライダーに倒された、
ショッカー~ジンドグマまでの全組織を裏から操っていた悪の大首領。即ち真のショッカー首領である。
その正体は二人の従者を伴って、「」と呼ばれる生物に乗って太古の地球を訪れた地球外生命体。

ショッカー首領(=ゲルショッカー首領・デストロン首領)や岩石大首領は自律プログラムによる影武者とされており、
思考そのものはJUDOと同じと思われるが、彼らの行動については自身にフィードバックしなければ記憶として残らない。
このため、デストロン首領がスカウトした結城丈二の存在を知らなかった。
その一方で地獄大使の事は覚えており、死神博士には後述の計画を一任していたため、この時期は表に出ていたか情報の回収をしていた模様。
因みに彼の声はショッカー首領と同じものらしい。

その姿は、黄金の仮面ライダーZXというべき容姿。
細かい差異では、身体のモールドがZXのものとは全て反転していること、複眼の色が灰色、
マフラーではなく黒いマントを羽織っていることを除けば完全にZXそのもの。
これは、元々ZXの肉体=「ZXボディ」はバダンが大首領JUDOを復活させるために作り上げた「」であり、正確さから僅かな歪みまで全てがまったく同じ「もう一つの大首領の肉体」だからである。
ZXボディに適合した「器」となる人間の人格とJUDOの人格を同物質同士の干渉によって発生する「人格交換」をおこなう事で復活が成されることになっていた。
更に本作では、ライダーマンを除く残り8人の先輩ライダーは皆、
ZXボディを製作する「偉大なる計画」の過程で生み出されたZXの試作型(プロトタイプ)という設定である(しかし彼らのパワーアップやライダーマンの誕生はJUDOにとっても予想外の出来事だった)。

これにより、半公式ではあるものの「何故歴代組織は仮面ライダータイプの改造人間を作るのか?」というファンの長年の疑問をスマートに、納得のいく形で解決させる事となった。
なお、この「偉大なる計画」の立案者はあの死神博士である。
「旧2号誕生篇」を見返すと、当時のショッカー幹部の中でも彼だけはショッカー首領の正体と本当の目的を知っていたことがうかがえる。

性格は善悪という概念を超越しており、その悪意はとても人の口では表現のしようが無いもの。
作中、立花藤兵衛も「悪魔か、それ以上の……」と言葉を濁している。
歴代組織が掲げる世界征服の野望も単なる戯れのお遊びに過ぎず、自身の復活を最優先事項としている。
その為には、配下の組織の幹部達も単なる駒程度にしか考えていない等、「自己中の究極形」と言っても過言ではない。

自身の直属の親衛隊としてデルザー軍団を有している。
デルザー軍団のジェネラルシャドウの事は「油断すると裏切りそう」なところが気に入っているようだが、上記の事を考えるとあくまで「気に入っている」程度の扱いであろう。
なお、実際に裏切った暗闇大使への評価は無茶苦茶低い。

なお、自分が話す際は「ヲシテ」という古代縄文文字を用いている(と言われているが、本当に縄文時代に使われていたかは怪しい。詳細は「偽書」の項目を参照)。
ちなみに劇中に出てくる魔法陣にも、ヲシテで「ば」「だ」「ん」と書かれている(ギリシャ文字のようなマークがそれ)。
後にメタ的に分かりやすくする為、普通の日本語表記になっているが、言葉自体は変わっていないという設定である。*1

作中での行動

目的は不明だが、太古の地球にやって来た彼等は最初に降り立った地(日本)を「聖地」と呼ばれる拠点にし、地球最初の生命を誕生させ進化を促し、
やがて猿から人類を創造した。
因みにJUDO達が最初に降り立った場所が、現在の島根県・出雲地方に当たる。

大首領が人類を創造したのは、自身が宇宙を渡る船として用いている「竜」のエサにするためである。
また人類の祖である猿に対して、「人間は本能的にバダンに逆らうことが出来ない」という恐怖のプログラムを仕込んでいた。
このプログラムが原因で起こったのが「バダンシンドローム」である。

人類が誕生した後は、聖地である日本から竜を操って世界中の人間たちを支配し、自身と二人の従者を神として崇めさせた。
ドラゴンの違いはこの距離の違いに由来するという説が作中人物によって推測されている。

本作の世界観における日本神話でスサノオと呼ばれる神の正体こそが、この大首領JUDOである。*2
スサノオという呼び名も、JUDOという名も人類に対して恐怖と畏怖を与えるためには固有の名称が必要と感じたことから名乗ったものである。
長らく人類を支配していた彼だったが、従者の一人であるツクヨミが人間に情を持ち始め、やがて人類の味方となりJUDOを裏切った。
そして、もう一人の従者アマテラスがツクヨミと戦ったが敗れ、
JUDOもツクヨミが肉体喪失と引き換えに作り出した「虚無の牢獄」に閉じ込められることになった。

だが、JUDOは牢獄から解放されることを企み、「かつて人類に与えた科学を発展させる」ことによって、牢獄から復活するための方法を模索させることにした。
手始めにJUDOは人類の歴史に裏から干渉し、歴史上における様々な争いや戦争をコントロールし、科学を発展させた(アドルフ・ヒトラーを介してナチス・ドイツを操っていたともされる。ショッカーの前身を考えると納得できる話である)。

その後もショッカー~ジンドグマまでの様々な悪の組織を作り出し、自身の影武者や、GOD総司令や十面鬼、ゼロ大帝などの協力者を操って、
ZXボディのプロトタイプである仮面ライダータイプの改造人間を作り出させていた。
これがTVシリーズにおける『初代』~『スーパー1』までの戦いである。

やがて、人類や組織の科学力が十分な域まで達したと判断したJUDOは、
最後の悪の組織バダンを生み出し、地獄大使の従兄弟であるガモンを暗闇大使として復活させ、その指揮を執らせた。
歴代組織の技術を結集させることでバダンにZXボディを作らせたJUDOは、次に世界中から老若男女問わず多くの人々を拉致させ、次々とZX実験の被験者にすることで適合者を見つけることを目論んだ。
そして、南米で拉致した村雨姉弟をZX実験の被験者にし、結果適合した村雨良を復活の器として選ぶのであった。

以降は良との人格交換を企み、良の肉体に憑依し、肉体の乗っ取りを図っていた。
しかし、一条ルミの父・一条博士の作った「メモリーキューブ」の力に邪魔され、良の身体を乗っ取ることが出来なくなった。

四国において、デストロンの作戦によって牢獄を破壊し脱出しようとするが、帰還への欲を抑えられず、巨大な左腕だけが牢獄の外に出るが、
仮面ライダーV3の火柱キックによって腕を吹っ飛ばされた。

その後、ツクヨミの導きによって「虚無の牢獄」にやって来た良と対面し、ライダーマンを除いた歴代ライダーに変身*3しながら、ZXと初めて対決する。
JUDOはそれを「進化」と評しており、やがて最終形態の姿となるまで、ZXを苦しめる。
だが、自身の変身する歴代ライダーは皆、それぞれが成長・進化する前の初期の姿であり、JUDOの戦い方は所詮歴代ライダーのスペックに頼ったもので、ライダー達が戦いや特訓の中で身に着けた精神的な強さや技は受け継いでいない。
ZXにそのことを見破られた上、逆に彼に初めて恐怖の感情を植え付けられた。
しかし、初めて恐怖の感情を与えたZXとの戦いに寧ろ愉しさを覚え、なおも戦闘を続けようとするが、
直後にツクヨミの力でZXが月に転移したため、結局決着は着かなかった。
ZXが去った後には、戦いの途中で放出されたメモリーキューブだけが残されていた。

その後はしばらく出番がなかったが、暗闇大使が結城を独断でバダンに引き入れたり、結城を利用して「時空破断装置(竜)」を操ろうとする行動を取り始めた為、とうとう堪忍袋の緒が切れてしまい、「制裁」として暗闇大使の頭を縦にかち割った。
しかし、この制裁が暗闇大使の過去のトラウマである「地獄大使の裏切り」を想起させてしまい、「裏切られる前に切り捨てる」とヘタレた決意した暗闇大使がJUDOに反旗を翻し、バダンそのものに離反されてしまう。

その後は、時空破断装置を使いエネルギー体として牢獄に侵入してきたライダーマンと対決する。
ライダーマンはエネルギー体の竜を右腕と同化させた「ドラゴンアーム」で対抗してきたが、対するJUDOは徒手空拳でライダーマンの繰り出す竜を次々と破る。
最終的には心臓の鼓動音でドラゴンアーム諸共、ライダーマンを粉々にして倒した。
だが、自身に反抗する仮面ライダーや裏切ったバダンを片付けるべく、ライダーマンをわざと生かし、彼のコントロールアームにメモリーキューブを組み込んで現世に送り返した。

自身の分身たるホムンクルスが現世に顕現した後は、バダンに代わりデルザー軍団を率いる。


各形態

作中におけるJUDOの形態について記述。

黄金の髑髏

日本中の人間達にバダンシンドロームを引き起こす為、日本各地の上空に幻影として現れた際の姿。
巨大な黄金のドクロの姿をしており、これはTVスペシャル『10号誕生!』におけるバダン総統と同じ姿。

歴代ライダー

歴代ライダーの最初期の姿に変身した姿。「異端の仮面ライダー」であるライダーマンにだけ変身できない。

  • 仮面ライダー第1号
旧1号の姿。マスクから髪がはみ出ている。
左腕がもげたままだったが、ZXにライダーキックを食らわせた後に腕をくっつけて再生させた。しかし、左腕だけはZXと同じ外見(以降の形態も同様)。
尚、空中を蹴って反転するという技を見せているが、これが主題歌『ライダーアクション』にある「空気を蹴って」と語られる謎の技「ライダープレーン」なのではないかという声も。

  • 仮面ライダー第2号
旧2号の姿。ライダーパンチで襲い掛かる。ZXをライダー返しで投げ飛ばし、優勢のまま次の姿へ。

  • 仮面ライダー第3号
V3の姿。26の秘密による技でZXに襲い掛かる。自ら「仮面ライダーV3」の名を名乗ったが、直後にZXに大笑いされ、この辺りからスペックに頼った戦い方をZXに指摘され始める。

  • 仮面ライダー第5号
Xライダーの姿。変身時は「大変身」ではなく、「セタップ」を用いた。
牢獄内を荒ぶる大波の空間に変え、ライドルを使用。
ZXはまだXとは会っていなかった為、その能力に翻弄された。

  • 仮面ライダー第6号
アマゾンライダーの姿。大切断でZXに重傷を負わせる。

  • 仮面ライダー第7号
ストロンガーの姿。チャージアップは使えない。

  • 仮面ライダー第8号
初期のスカイライダーの姿。
牢獄内を全方位が大空という空間に変化させ、素早い動きで飛び回る。

  • 仮面ライダー第9号
スーパー1の姿。赤心少林拳が使えない為、変身用の装置を使用しての変身。
牢獄内を宇宙空間に変えた。

  • 最終形態
概要にもあるZXそっくりの姿。

ホムンクルス

JUDOが擬似的に牢獄の外で活動する為、仮初めの身体として作り出した人造人間。
結城丈二のコントロールアームにメモリーキューブを組み込んで作られ、周囲の瓦礫や飛び散った脳髄を元に身体を形成している。
メモリーキューブが良の遺伝子を記録していた影響で、その外見は良と瓜二つである。
だが、全身が真っ白で目が複眼になっている等、どこか人間離れしている。

高い戦闘能力を誇るが、あくまで人間の身体を模した仮初めの姿であるため、JUDO本体の力が肉体に負荷をかけており、ZXとの戦闘では徐々に両手や足がボロボロに崩れている。
現在、完全に崩れてしまった箇所は切断したジェネラルシャドウの手足で補っている。

結城の見立てでは、JUDOはこのホムンクルスの身体でも、体内のコントロールアームの力によって竜を操ることが可能らしい。
だが反面、牢獄内のJUDO本体とは異なり時空魔法陣を自由に扱うことはできない模様。


余談

  • 「JUDO」とは安土じょう(金山静夫)版コミカライズ『仮面ライダーZX』でのZXのバダンにおける呼び名。
  • 大首領が過去の仮面ライダーに変身可能という設定は元々はZXの没設定。『仮面ライダーディケイド』におけるカメンライドに酷似しているが、こちらの方が世に出たのは先である。
  • ZXと同じ外見ということは当然、本作におけるバダンの戦闘員コマンドロイドはJUDOそっくりという事になるが、自分と同じ顔が結構ひどい扱いを受けていることについてどう思っているのかは不明。
    だが従者二人も同じ顔だし、もしかすると地球人から見るとそっくりでも本人から見ると同じには見えない可能性もあるが。
  • もし『SPIRITS』の世界も『BLACK』→『RX』へと収束していくなら、JUDO達が地球を訪れた時点では既にゴルゴムがいたはずである。
    JUDOとゴルゴムの利害が一致するとは考えにくいので全力の大首領VSキングストーン二個持ちの創世王なんて考えたくもない戦いが起きていたのかもしれないが、
    『SPIRITS』が『ZX』で完結するとされる以上、声が同じ皇帝との関係とともに永遠の謎のまま終わると思われる。
    • なお、ゴルゴムは「人類の文明や文化の破壊(による怪人だけの世界の創造)」を目的としており、JUDOが「人類の歴史に裏から干渉して科学を発展させた」事と真逆となっている。
      ひょっとしたらゴルゴムはJUDOの目論みを察して阻止しようとしていたのかもしれない。


追記・修正はZXボディと適合してからお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 大首領
  • 大首領JUDO
  • JUDO
  • カメンライド
  • 仮面ライダーSPIRITS
  • 全部こいつのせい
  • スサノオ
  • 黒幕
  • 元凶
  • 仮面ライダーZX
  • 反転
  • バダン総統
  • バダン
  • BADAN
  • 地球外生命体
  • 宇宙人
  • デルザー軍団
  • ドクロ
  • 骸骨
  • 監禁中
  • 虚無の牢獄
  • 日本神話
  • 真のショッカー首領
  • 異星人
  • 須佐之男命
  • 素戔嗚尊
  • 悪の化身
  • 自己中
  • ホムンクルス
  • 人造人間
  • 三貴子
  • 漫画版仮面ライダーリンク
  • 悪の親玉

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月23日 23:10

*1 彼と初めて対面したルミも「知らない言葉だけど、意味は伝わってくる」と発言している。

*2 恐らくスサノオの三種の神器も電磁ナイフ=天叢雲剣、マイクロチェーン=八尺瓊勾玉、ゼクロスベルト=八咫鏡と、ゼクロスの装備がモデルになったと思われる。

*3 歴代ライダーへの変身は元々はZXの没設定だが、TVSPで風見結城が村雨に見せた誰がどうやって撮ったのかわからないビデオのオマージュとして見ることも出来る。