剣流星/メタルダー

登録日:2018/07/04 (Wed) 13:26:00
更新日:2024/03/31 Sun 13:25:00
所要時間:約 8 分で読めます





風よ、雲よ、太陽よ!心あらば教えてくれ…!

何故この世に生まれたのだ!!?


剣流星/メタルダー とは『超人機メタルダー』に登場するキャラクターで、同作の主人公である。
ここでは変身後の姿である超人機メタルダーについても記述する。

演:妹尾洸(現・妹尾青洸)
CV(メタルダー時).飯田道郎*1、妹尾洸(第2話の冒頭、及び最終回のラストシーン)


概要

第二次世界大戦中、日本軍の起死回生のために古賀竜一郎博士によって作られた超人機。人造人間キカイダーと同様に左右非対称な形や色が特徴だが、身体の赤い左半身は人間の心を、青い右半身は機械の戦う力を表す。
後述の自省回路や戦闘マニュアルコンピュータといった戦時中に製作されたにもかかわらず、半世紀以上経った現代でも追いつけない高度な技術が多数秘められている
人間体である剣流星のモデルは、神風特攻隊で戦死した博士の息子である古賀竜夫海軍中尉。(演者の二役)

完成時には既に日本は終戦を迎えており、古賀博士により表向きは処分したと装い極秘に建造したシルバーカークスに封印されていた。しかし、42年後にネロス帝国の存在を知った博士により解放。今後は流星自身がネロス帝国と戦うこと、そして博士自身が虐殺されることで"死"の概念を半ばゴリ押し気味に教え込まれ、以降はロボット犬・スプリンガーと共にいつ果てるか知らぬネロス帝国との戦いに身を投じることとなった。

竜夫の姿をモデルとしているためか、戦争さえなければヴァイオリニストになれた程の音楽の才能の持ち主と称された竜夫同様にヴァイオリンが得意で音楽をこよなく愛する。そのためラプソディとの戦闘で名器ストラディバリウスを壊すことはできなかった。また、サックスを演奏することもあるなど、彼なりの"自我"や"嗜好"も備わっている。そのため、決して全てが竜夫のコピーではない*2

起動したばかりの当初は明確な一般知識や目的もインプットされておらず、ただ単に無我夢中で戦っていた。特に「生」の概念の乏しさに関しては、雄闘バーベリィの追撃を受けた際に偶然通りかかった仰木舞を囮にした程。だが、現代社会を知らないまま見知らぬ物に満ちた世界に興味を持ったことから、舞や北八荒をはじめとした人間たちや元戦闘ロボット軍団暴魂トップガンダーとの交流を通じ、徐々に冗談を言ったり嘘を疑うなど成長を遂げていった。

一人称は「僕」。ただし初期には「俺」も使っていた。

瞬転メカニズム

通常は流星の姿であるが、ネロス帝国に対する怒りなど、感情が高ぶることで「怒る(いかる)!!」の掛け声とともに、メタルダーへと「」する*3
目に見える反応としてはまず「怒る(いかる)!!」と叫んだ後、落雷と共に全身にスパークが迸る。次に全身が暗転により包まれた後、姿形がメタルダーのものになりエレクトロアイが発光し暗転が解除。全身から赤と青の光を放った後で、内部フレームがむき出しになっている両腕前腕部を右→左の順に保護アーマーを発光させながら装着*4。最後は仁王立ちと共に水色の光を放出し、"瞬転"が完了する*5
大抵の場合は戦いの最中に瞬転を行うが、サイドファントムの運転目的だけでメタルダーになることもあった。
また、瞬転すると体外から膨大なエネルギーを放出する性質がある。31話ではそこを帝王ゴッドネロスに目を付けられ、瞬転時に放出するエネルギーに反応し自爆するアンドロイド・夢を差し向けられた際は瞬転不可能に陥った*6

剣流星の体内に秘められていた全エネルギーが、感情の高まりと共に頂点に達した時!彼は、超人機メタルダーに瞬転する!!


技・能力


「争いを好まぬ僕に武器はない」と自ら語るように、基本的には外付け・内蔵を問わず武器と呼べるものは装備しておらず接近戦に特化されており非常に高い戦闘力を誇る。
弱点は遠距離攻撃が充実していないことであるが、戦況に応じてその場にある木や岩や鎖、奪った相手の武器などを用いることで自身の弱点をカバーしている。16話では戦闘ロボット軍団暴魂クロスランダーが落とした拳銃を使用した事もある。
また例外として竜夫の形見である短剣をトップガンダーや帝王ゴッドネロスとの決戦に携帯し使用。メタルダーを勝利へと導いた。

●身体スペック

自省回路戦闘マニュアルコンピュータ
メタルダーの持つ最大の機能。
自省回路は、「汝の敵をも愛せ」という古賀博士の博愛精神により搭載された特殊回路。左半身に内蔵されている。これにより人間と変わらない心を持ち、敵に敬意や共感を抱くこともある。
あくまでこれはロボット三原則のような人間への「不殺」のルールを課すものではなく、人間らしい心と理性をもたらすものである。*7
戦闘マニュアルコンピュータは右半身に内蔵されている戦闘回路。戦闘時では視覚・聴覚器官などを併用することで相手の弱点を解析し攻撃・反撃に移る。
非常時にはパワー増幅システム回路を最大限にパワーアップさせて人間で言う所の火事場の馬鹿力を発揮させることが可能。

古賀博士によって戦闘回路と自省回路のどちらか一方のみを強化すると二つの能力のバランスが崩れ改造による強化ができないように*8設計されている。その代わり、「学習」により精神力を鍛え、それによって自省回路の能力を強化できるようにし、自省回路の能力が強化されるとそれとバランスを取るために戦闘回路に精神波が送られ、今度は戦闘力が強化される…という学習*9により性能がアップする特異なシステムを持っている。

●レーザーアーム
腕に超重力エネルギーを集め手刀を超高速で振動させて敵を一刀両断する技で、最も使用頻度が高い。厚さ10センチの鋼鉄も切断する威力を持つ。
左右どちらの腕でも使用可能で、7話のタグ兄弟戦では両腕で同時使用したこともある。また、腕にエネルギーを集めた状態で白兵戦を行うことも可能。
序盤では小指の先から肘に沿って弓形の光刃が形成されていたが、7話から前腕部全体が光に包まれるようになった。17話からは技名も叫ぶようになり、36話では仰木タグスキーの鎧のみを破壊したりと威力を調節できるようになった。

●Gキック
6話で初使用した、右足に集めた超重力エネルギーを全開にして放つ飛び蹴り。10トンの岩も砕く威力。
単独でも強力だが、レーザーアームからの繋ぎ技として使うことも多い。

●メタルボンバー
空中で横にスピンしながら敵に突進し、両手でパンチを叩き込む。21話で初使用。
このバリエーション技でスクリューボンバーという必殺技も存在する。

●メタルトルネード
空中で横にスピンしながら敵に突進し、Gキックを叩き込む。19話で初使用。

●メタルホーネット
横に高速スピンしながら敵に突進し、すれ違いざまに敵の脇腹に手刀を決める。
25話で初使用し、以後繋ぎ技として使用された。

●プラズマパンチ
敵を真上に放り投げ、自らもジャンプして落下してくる敵に強烈なパンチを叩き込む。20話で初使用。

●真剣白刃取り
7話のタグスロン戦で使用。タグスロンの薙刀を受け止めた。

●三角飛び
ここから飛び蹴りを放つこともある。

●分身の術
忍者を研究して編み出した技で4人に分身する。
軽闘士・影との戦闘で得た経験を基にし、舞の仕事の撮影で忍者に扮した際に編み出した。

サイドファントム
メタルダー専用の青色のサイドカー。元ネタとは異なり黄色ではない。
飛行能力を備え、戦闘マニュアルコンピューターと連動した自動操縦装置を内蔵する。さらに、本体とサイド部分が分離して別個に走行できる。
第36話では舞と八荒を逃がすために発進させられ、その際は八荒が運転した。
メタルダー同様に武装はなく体当たりで攻撃する。
全長:2450mm / 全幅:1497mm / 全高:882mm / 重量:240kg / 地上最高速度:時速900km / 空中最高速度:マッハ3

メタルチャージャー
流星専用の赤色の乗用車。外見は市販車と変わらず、メタルダー以外でも運転できる(第13話)。
車体側面の装甲が主翼に変化し、前部と尾翼を展開、飛行能力を発揮する。超重力エネルギーで動くため、ガソリンは不要。
ベースは、6代目のマツダ・ファミリア。
中盤から実車がマイナーチェンジ版(後期型)に変更になったが、ミニチュアはそのまま前期型の形状のままだったため、実車とミニチュアとの形状が異なる。
こちらも武装は存在しない。
全長:2450mm / 全幅:3044mm / 全高:2060mm / 車両重量:1200kg / 駆動方式:4WD / 地上最高速度:時速700km / 空中最高速度:マッハ2.5 / ナンバー:品川59や56-51

この他、本編未使用であるがメタルソード(腕の超重力エネルギーを全開させ手刀で敵を水平に真っ二つにする)、ヘッドクラッシュ(頭部にレーザーシールドを作った頭突き)、半球状のバリアを形成する能力(雄闘ジャースの攻撃を弾くカットが前期エンディングに存在)がある。後、夢は見れない。
18話での爆弾が内蔵された烈闘士ザーゲンとの戦いではレーザーアームが使えないため*10、右腕に食い込んだザーゲンの大鎌で敢えて右腕を切り、それをザーゲンの胸の爆弾の起爆スイッチに投げつけて爆発させるというロボならではの戦術を取った*11


有りのままの自分を太陽に晒した超人機の結末


余談


待ちたまえ君たち

ふたば☆ちゃんねるのスレで上げられたネタ画像の中に「待ちたまえ君たち」というものが存在。
これは2005年8月14日の当スレにて上げられたネタ画像で、ガンダムシリーズに登場するキャラを例に挙げた「ギャルゲーにおける髪の色と性格の関連性」という話題に端を発したのがきっかけで、内容はレイン姫とファイン姫が双方の色のことで仲違いを始めたところをメタルダーが現れ、上記のセリフで仲裁に入るというものである。
pixivでは今もこれをパロディ化したイラストが投稿されており、プリキュアシリーズ東方シリーズのキャラがレインとファインの2人に代わって登場し、仲裁に入るキャラも流星やてぇんさあい物理学者のように半身がそれぞれ赤と青のカラーリングで分けられている点が踏襲されている。

メタルダーの海外版に相当する「バーチャル戦士トゥルーパーズ」では主人公であるライアン・スティールがメタルダーに相当するVR戦士に変身する。
なお、ライアン自体はサイボーグでは無い人間で、時折平成ライダーシリーズにおける素体に相当する軽装形態の「VRダブルバトルモード」も登場することもあった。
また、メタルダーの映像ストックが切れた後に制作されたシーズン2では変身後の姿が宇宙刑事シャイダーに変更されている。

メタルダーの声を担当した飯田氏は次作の「世界忍者戦ジライヤ」でも声のゲストとして出てくるが、元々悪役が多かったためか*12、今度は一転して悪役の「火忍チャンカンフーの息子(正式名称)」の声を担当した。

僕は…生まれてきて良かった!
八荒、舞さん、wiki籠りのみんな。君達に会えて、嬉しかった。
君達の永遠の幸せや追記、修正を祈る。
そして僕は…いつか必ず甦る!
いつも遠くから、君達のことを見守っているよ…

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最終更新:2024年03月31日 13:25

*1 9・10、12〜14話、劇場版では剣流星の声も担当している

*2 劇中で「竜夫さん」と言うシーンがあり、明らかに自分とは別人であると認識している所がある

*3 このコールは14話までは飯田道郎の声だったが、15話以降は妹尾洸本人の声になっている

*4 腕の装着シーンは13話以降は劇中では省略され、EDでしか見ることが出来なくなった

*5 その際のBGMは25話まで専用の劇伴が、23話と26話以降は主に挿入歌の「瞬転!夢の戦士」が使用された。29話、31話では主題歌である「君の人生は輝いているか」が、33話では「ダッシュ!サイドファントム」が使われた

*6 ちなみに、作中で「瞬転」というフレーズが登場人物のセリフで出てきたのもこの回だけであった

*7 そのためメタルダーは生命の尊さを知りながらも、自分の判断、自分の信念に基づいて例え人間が相手でも戦う。ある意味ではロボットに「責任」を持たせるシステムとも言える。

*8 メタ的に言えば「敵に捕まって自省回路の機能を切られ戦闘回路のみを強化される」という事態にならないという事

*9 「学習」はあくまで主視聴層の児童向けの平易な書き方で実態としては「精神修養」や「自己研鑽」辺りがニュアンスとしてはより近くなる

*10 使った瞬間に爆発し、巻き添えを食らってしまう

*11 ちなみに、その右腕は次の流星がサキソフォンを演奏しているシーンで既に再生されており、ナレーションでも再生手術を行った事が語られている

*12 ギャバンのハンターキラー、ダイナマンのダークナイト、チェンジマンの副官シーマなど。メタルダーでも悪側のバルスキーやクールギン・バーベリィの声を初期に担当している