蝶野正洋

登録日:2011/08/14 Sun 03:12:01
更新日:2024/02/02 Fri 15:45:27
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◆蝶野正洋

蝶野(ちょうの)正洋(まさひろ)』は日本の男性プロレスラー、タレント。
新日本プロレスの「黒のカリスマ」の異名で知られたトップレスラー中のトップレスラーで、所謂『闘魂三銃士』の一人。

同じ三銃士の一人である武藤敬司、NOAHの盟主であった故・三沢光晴らと並ぶ、90年代~00年代中盤までの日本マット界に於ける最大の顔役であった。
現在は『闘魂三銃士』の最後の一人として25年の長きに渡り所属して来た、新日本プロレスから退団。
夫人を代表に据えた個人会社『ARISTRIST』に所属し(元はファッションメーカー)、フリーランスとなっている。
近年は年齢、体調面の問題からプロレスラーとしてはリタイア状態で、2023年現在は2020年頃に悪化した脊柱管狭窄症の影響で、左足に麻痺が残っているため松葉杖を使うこともあるほど。
2023年2月の武藤引退試合のサプライズ枠でリングに上がったのが実質的な引退試合と目されている。
上記の個人会社の経営やタレント、役者や声優としての活動がメインとなっており、
同じ『闘魂三銃士』の盟友である故・橋本真也の長男である橋本大地のデビュー戦の相手を務める為に久々にリングに立った事が話題になった。



【プロフィール】

通称:「黒のカリスマ」「夏男」
生年月日:1963年9月17日
出身地:東京都三鷹(米国シアトル生)
血液型:O型
身長:186cm(188cm)
体重:108kg
プロレス以前のスポーツ歴:サッカー
入場テーマ曲:「CRASH」

エリートサラリーマンである父の赴任先であった米国シアトルにて生まれる。
サッカー少年である一方で、特にグレてもいないのに中学~高校時代は悪い友達が出来、バイクの免許も無いのに暴走族の頭をしていた。
浪人中にTVでプロレス中継を見てプロレスラーになる事を決意。
……独自にトレーニングをしつつ、家族の願いも聞き入れ大学受験とプロデビューを両立させるも、大学は後に中退している。
同期には後に『闘魂三銃士』の盟友となる武藤敬司、橋本真也、パンクラスの創立者となる船木誠勝、ズ・ザイン・ダと云った錚々たる面々が居る。
三銃士は年長である事もあってか、その中でも目立つ存在であった。
因みに蝶野は格闘技経験の差で若手時代の勝率では武藤と橋本に水を空けられていた。
入門当日、橋本と洗濯機の順番を巡り喧嘩をしたエピソードは有名。

……しかし、その後は元々のセンスの良さもあり着実に実力を身に付け、87年の「第3回ヤングライオン杯」にて橋本を破り海外遠征のキップを手に入れる。
尚、この時に修業に向かったドイツにて生涯の伴侶となるマルティナ夫人と出会っている。
その後はドイツを経てカナダ、米国と修業を進める中、
U.W.F勢の大量離脱により屋台骨の揺らいだ新日本プロレスを救うべく『闘魂三銃士』としてユニットを組まされ一時帰国。
この時はゲスト扱いだったが、海外遠征以降は同団体のトップ選手の一人となる。
……しかし、正規軍では地味な蝶野のスタイルは余り受けが良くなく、実力はともかく人気の面で武藤らに差を付けられていたが、
94年に三度目のG1クライマックスを制覇したのを契機に黒いコスチュームを身に纏いヒールターン(悪役転向)。
当初こそ、一般的なヒールレスラー像を演じていたが、『狼群団』を経て米WCWとの提携で生まれた『nWoジャパン』で国民的な人気を獲得。
ヒールやプロレスと云う枠を越えたムーヴメントを起こし、この時のイメージがその後の蝶野像を決定……現在に至っていると言っても良いであろう。


【ファイトスタイル】

本人曰く「60年代~70年代位の米マットみたいな動きが理想」との事で、これは武藤敬司とも共通している。
若手時代は天性の華を持つ武藤に対して受け身が主体の蝶野のスタイルはひたすら地味で、
派手な動きが流行していた当時の日本マット界では正当に評価される機会が少なかった。
……しかし、ヒールターン以降は元々の技巧に要所を締める反則技を巧みに織り交ぜるスタイルにアレンジ……。
キャラクター人気に伴い、実力が改めて評価される事となった。
※因みに、蝶野のスタイルは後に日本でも流行した『WWE』等の米マットのスタイルに近い。

矢張り本人曰く「省エネが基本」との事で、受けを基本としつつ大技も極力使わず、基本的な技とボディランゲージのみで試合を組み立てるのを基本とする。
(単純な腕責めでもスタミナを奪ってしまうそうな)

特に若手時代は俗に言う「死んだフリ」戦法で有名で、相手の攻撃をギリギリになるまで受けて虫の息になったと思わせた所から真逆の逆転……と云うパターンを得意としていた。

真夏の祭典「G1 CLIMAX」の最多優勝(V5)記録保持者。出場数も歴代2位の16回。

……一方で、獣神サンダーライガーの中の人と思われる先輩に若手時代に受けたパワーボムにより首に古傷を抱えており、
レスラー生活の中で幾度かこの古傷を原因とした休養に追い込まれている。
自身のそうした経験もあってか、「受け身も取れない様な技の流行をプロレスの進化とは思わない」と語る等、以前から警鐘を鳴らしていた一人でもある。



【得意技】

●S.T.F
「ステップオーバー・トゥーホールド・ウィズフェイスロック」の略。
蝶野の代名詞で、海外遠征の最後に立ち寄ったルー・テーズ道場にて身に付けた。
この際に「必殺技を教えて下さい」と懇願したと云う逸話が信じられていたが、
本人曰くテーズが「セメント技(マジ)だからリングでは使えない」と言っていた技を、自分流にアレンジする事でオリジナルにした……と云うのが真相らしい。
因みに、現在の引っくり返した相手を通常のフェイスロックで締め上げる形を考案したのは蝶野自身である。
長州力曰く「決まる前に逃げるか、逃げる力を失ったらギブアップするしかない」と称えられた拷問技。
武藤、そして自分に引導を渡した技である。

※バリエーション

●裏S.T.F
04年頃から使用。
S.T.Fをひっくり返しただけだが「相手は逃げられなくなる
プロレスとしては反則的な技の為、基本的には出さない。

●F.T.S
上記裏S.T.Fの原型。
腕まで巻き込む為に「完全に脱出不可能」な状態に近くなる。
チートなので現在は使用しない。

●原型S.T.F
テーズから指導された原型の形で、技名は「クロスフェイス」。
大型選手には仕掛け難い欠点がある為に、現在の形にアレンジされた。

●S.T.S
相手頭部をフェイスロックではなくスリーパーで捕えた場合にこう呼ばれる。

●クロス式S.T.F
両足を折り畳んでのS.T.Fで「脱出困難にも程がある」チート技。
使うと、ほぼ確実に勝ちが決まるので滅多に使わない。

●ケンカキック
別名ヤクザキック。
ビッグブーツ(フロントハイキック)に似ているが、蝶野は斜め方向に足を開き、インパクトの瞬間に体重をかけてねじ込む様に薙ぎ倒して行く。
本気で打った場合にはスーパーヘビー級の選手をも一撃で昏倒させる威力がある為、靴底が厚い所為とか、何か入れてるんじゃ無いか?等の噂も耐えない。

※バリエーション

●シャイニングケンカキック
現在のフィニッシングホールド。
武藤のシャイニングウィザードを自分流にアレンジした技で、誕生(01)から再使用(05)までが長かった。
意外にも運動能力が高い為に、様々なバリエーションがある。
乱戦の中、この技一発でKO気味に勝利を奪う事も少なくなくなった。
100kgを超える人間の体重がスピードに乗った状態で片足にかかるのだから当然である。

●スライディングケンカキック
上記のF.T.S(裏S.T.F)を考案した時代に同じく使用していたチート技。
練習していたキックボクシング(ムエタイ)の道場で完成させた技で、座り込んだ状態から体重移動のみで座っている相手を立った状態と同じ威力で蹴り込む技。
危険だし、寝転がった相手をKOするのはプロレス的に無しなので封印。

●低空バックドロップ
ルー・テーズから直接指導を受けた一人だが滅多に繰り出さない。
03年の小橋健太戦が有名だが、この時は足を痛めていた為に不完全。
若手時代は特に危険な角度で放っており、あのベイダーを病院送りにもしている。

●羽根折り固め
ゲーム等では「バタフライロック」とも。
S.T.Fと並ぶ拷問技。

●ダイビングショルダーアタック
命中率、威力共に高く、大一番では場外に飛んだ事もある。


【余談】

※現在は「勝敗に関わらず評価を得る選手」になった為か、トップレスラーの中でも「負けブック」を飲む事も多いと思われる一人。
マット界きっての常識人でもあり、個人よりも全体を意識した発言も多い(先輩の獣神サンダーライガーにも同じ傾向がある)。

※酷い遅刻魔として知られている。

※故・三沢光晴が新日関係者で唯一信頼していた人物とも言われ、三沢の追悼興行にも積極的に参加している。

※G1では大会によっては本気モードなのか、隠し技&テクニックを遠慮なく披露する。
橋本が逝去した年のG1でも見事優勝を飾った。

※ガキ使の絶対に笑ってはいけないシリーズで山崎邦正(現・月亭方正)が最も畏れる人物。笑ってはいけない以外にも、「山崎邦正コソ泥裁判」にて「蝶野ビンタの刑執行人」として方正にビンタを見舞ったこともある。
(詳しくはリンク先で)

※短編アニメ集「中学星」にボイスアクターとして参戦する等、近年は役者や声優としての仕事も多い。「ガールズ&パンツァー 劇場版」では、応援大使としてCMに出演した。
ちなみにガルパンでのお気に入りキャラは佐々木あけび。理由は「スポーツする女の子が好き」だからとの事だが、
下記するように愛妻家としても知られているため「金髪のルックスが(若い頃の)奥さんに似ているからでは?」とも言われている。

※1990年代の初期に日本文化センターの「パワートレーナー」のCMに出演したことがある。この頃はサングラスはしておらず、至って普通に商品を紹介していた。

※愛妻家で、ドイツで知り合い結婚したマルティナ夫人とは仲が良く、
「マッサン」と同じ国際結婚した夫婦という繋がりで、夫妻でNHKの「スタジオパークからこんにちは」に出演している。
夫人の事はマイクアピールやプロレス紙の取材などでは「マルティナ」と呼び捨てだが、ツイッターやプライベートでは「ママ」と呼んでいる。


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最終更新:2024年02月02日 15:45