ティラノサウルス・レックス(ジュラシック・パーク)

登録日:2018/05/25 (金) 23:23:52
更新日:2024/04/08 Mon 10:52:00
所要時間:約 8 分で読めます



画像出展:映画『ジュラシック・パーク』(1993)より
@アンブリン・エンターテインメント/ユニバーサル

ティラノサウルス・レックス(Tyrannosaurus rex)
恐竜好きなら皆が知ってるだろうし、好きでない人でも名前は聞いたことがあるだろう。

大型獣脚類では随一の知名度と人気を持ち、フィクションにおいて恐竜モチーフが入ると
必ずといっていいほどお呼びがかかることからもそれが窺える。
まさに恐竜界のスーパースターと呼ぶに相応しい存在だ。

そんなティラノサウルスが活躍するフィクションの中でも有名と思われる
映画『ジュラシック・パーク』シリーズにおいてはすべての作品に登場(2018年現在)、
ロゴマークも1作を除いてティラノの骨格になっている。

「ジュラシック・パーク(ジュラ紀公園)」じゃなくて「クレイタス・パーク(白亜紀公園)」じゃないの?というツッコミがたまにあるレベルで、
ジュラシック・パークシリーズには白亜紀の恐竜が登場するが、ティラノサウルスはその代表格でもある。

ここでは主に『ジュラシック』シリーズにおけるティラノサウルスについて紹介する。
生物としてのティラノサウルスについてはこちらを参照。


ジュラシック・パーク(映画)

全長:12.2m
体高:5m
体重:7t
性別:メス
5歳。幼少から人間に育てられて育った為、知能が高い。作中中盤、パークのシステムがダウンしたことで高圧電線の電源が切れたためにフェンスを突き破り脱走。
ティム、レックス、ジェナーロの乗るランドクルーザーに襲いかかる。
ジェナーロはその姿を見た途端2人を見捨てて逃げ出し、トイレに隠れたが敢えなく捕食されてしまった。
幸いマルカムが囮となったため、その隙にティムとレックスはクルーザーから脱出、
マルカムも傷を負ったものの駆けつけたマルドゥーン達に救われ、ジープに追いつかれそうになるもどうにか逃げ延びる。

その後、ガリミムスの群れを襲う場面を最後に以降はヴェロキラプトル達がメインとなってくるため、出番はこれで終了…かと思いきや、
終盤でグラント達が2頭のラプトルに追い詰められたその時に突然乱入、襲いかかろうとしたラプトルに食らいつき図らずもグラント達を救う結果に。
残った一頭に首に傷をつけられながらもその顎でとらえ、骨格標本へブン投げて叩きつけた。
そして自らの力を誇示するかのように勝利の雄叫びをあげた(この件のトリビアは作品項目も参照)。

初登場シーンにも拘りがあり、足音と振動でコップの水が揺れることでT-レックスの接近を演出しているのもこれまた非常に印象的である。

ちなみに原作小説ではマルドゥーンから「レクシィ」という愛称で呼ばれており、
映画版の個体も(後の作品のティラノとの区別も兼ねて)ファンからこう呼ばれることがある。
なお映画版における最初のストーリーボードでは「ロベルタ」という名前がついていた。次作のドゥは双子の姉妹の妹でバックは義弟、ジュニアは甥である。


ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク

イスラ・ソルナ島に生息しているオスの通称バックとメスの通称ドゥのつがいに加え、彼らの雄の子供(ジュニア)の計3体が登場し、前作より大幅に出番が増えている。
ジュラシック・パークのサンディエゴオープンを計画するルドローによって目玉として付け狙われており、
ジュニアは囮のために捕まって怪我させられたり、親2人も人間たちに猛攻を加えるも最後は協力な麻酔で眠らされ無理やりサンディエゴへ連れてこられる。
しかし船が着いた頃には麻酔が切れてしまっており、オスが鬱憤を晴らすばかりに暴れまわった。
ちなみに、この翌年にも獣脚類に似た巨大な生物がニューヨークで暴れていたらしい。*1

今回は「足がそれほど速くなかった」という学説を取り入れているので、ジープどころか人間にも簡単に逃げられる。

その後の彼らの動向は不明であったが、第6作目にて意外な形で登場することとなる。


ジュラシック・パークⅢ

イスラ・ソルナ島のサイトBにてスピノサウルスの襲撃を受け、それから逃げていたグラント一行の前に恐竜の死骸が現れたかと思うと、
それはなんとティラノサウルス *2の獲物であり、食事中のところにお邪魔するという羽目に…。

逃げ出したグラント達の前に、更に先程まで彼らを追っていたスピノが立ちふさがり、まさに前門のティラノ・後門のスピノ状態に。
顔を合わせた2体の恐竜は互いに闘争心に火が付いたのか、人間そっちのけで戦い始める。
先制攻撃でスピノの首に噛み付き優位に立つが、一瞬の隙をついたスピノに逆に首に噛みつかれ
さらにダメ押しとばかりに両前足に捉えられ、首を折られて死亡。

…要はかませ犬である。
そもそも本作自体ロゴマークからしてスピノサウルスであり、メイン恐竜もそっちだしね……。

なお、映画の制作にも携わっていたジョン・ホーナー氏やニザール・イブラヒム氏およびポール・セレノ氏という恐竜研究界の重鎮は、海外版のDVDや他の雑誌で、このように述べている。

「恐竜のヤバさのレベルをサイズ準拠にして言うなら、肉食恐竜ではスピノサウルスが一番。ティラノサウルスはスカベンジャーだった可能性もあるが、スピノサウルスはプレデターだった。」

「スピノサウルスが一番大きい獣脚類だから目玉恐竜にした。」

「スピノサウルスが水中生物&四足歩行だった可能性も挙がってきたし、他の捕食者との戦闘が起こっても、映画での描写とは全く異なるものになるかもしれない。」

「大型の捕食者同士は、お互いに避けていたという可能性が高いね。スピノサウルスが上陸しても、他の獣脚類などとドンパチやらなかったと思う。」

「もし戦ったら、最初に強力な噛みつきが決まった方が勝利するだろう。」

「そもそも、ティラノもスピノも、棲んでた時代も大陸も全く違うんだがね。」

ジュラシック・ワールド

第1作と同じ個体であり、よく見るとラプトルにつけられた傷が残っている。なんだかんだ22年間生き延びていた模様。
ちなみに年齢にして27歳、ティラノサウルスの平均寿命が30年という学説があることを考えると相当なお婆ちゃん。

ついにオープンしたテーマパーク内にある「T-レックス・キングダム」なるエリアで飼われている。
作中においてはそこに人だかりが出来ているという、園内でも屈指の人気スポットであることを示す場面がある。
ザックとグレイの兄弟も訪れており、その時は餌のヤギを与えられていたが、結局群衆に阻まれてまともに見ることが出来なかった。


ジュラシック・ワールド/炎の王国

30歳。前作の騒動の後、事実上のイスラ・ヌブラルの王者として君臨していたが
島の火山が噴火して他の恐竜共々危機にさらされることになる。
本作はヴェロキラプトルのブルーがメインのため、出番自体は前作に輪をかけて少ないが
予告映像の時点でオーウェン達に襲いかかろうとしたカルノタウルスを(不意打ちとはいえ*4)瞬殺するなど存在感は抜群。この時点では既に人間の顔の判別すら可能となっており、オーウェンを一目見ている。
この場面はポスターにもなっているので印象に残っている人も多いだろう。

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

34歳。前作から4年間、シエダネバダの山脈に潜伏していたが合衆国魚類生物保護局に捕獲され、
今作のヴィラン的存在のバイオシン社に引き渡された後、作中後半の舞台であるイタリアの本社にあるサンクチュアリと呼ばれるジャングルへ放され飼育されている。
そのジャングルにおいても王者…というわけには行かず、バイオシン社で生み出され先に放たれていたギガノトサウルスには縄張り争いでも負けてしまう歯がゆい立場となっている。
流石にもう相当な歳なので、仕方ないところではあるが…。
オーウェンはこの争いの時に居合わせており、ある意味彼女と再会しているのだが、特に言及することはなかった。
また今作において、レクシィのみらず本シリーズで生み出された全てのティラノサウルスのオリジナルである個体についても語られており、
なんとそのギガノトサウルスと激闘を繰り広げ、敗れてしまっていたことが明かされた。
恐竜に詳しい人からすれば両者の棲息していた時代は約3000万年もズレているからおかしいと指摘されるところだが、ツッコむのは野暮だろう…多分。


ジュラシックワールド・エボリューションシリーズ

シリーズのテーマパーク作成を主題としたゲームのエボリューションシリーズでも当然登場。
ステータスは優秀で中でもアピール値(人気度)が最高クラス。ティラノサウルスより上のアピール値はスピノサウルス(ほぼ誤差)やハイブリッド恐竜程度なため導入出来れば間違いなくパークの主力になる。
『2』ではモササウルス等の大型水棲古生物がティラノサウルスを上回る高アピール値を引っ提げてきたが、それでも非ハイブリッド系かつ陸上恐竜の中ではトップクラスのアピール値。
実質1エリア1体制限のハイブリッド系とは異なり2体ぐらいなら同じエリアに放り込めるのは実用面で見ても優秀な点。
個体数制限は無いのでやろうと思えば大量のティラノサウルスを育成することも可能と言えば可能。

管理面ではエリア整備や餌補充はきちんとする必要があるが、管理がしっかり出来ていれば災害とか妨害者は別として理不尽に脱走することは無く、安定性もある。
解放時の演出も凝っており一見の価値あり。

導入費用が凄まじく高いのがネックだが、『2』の一部シナリオではタダで手に入る、というか「とりあえずお通し」ぐらいの感覚で初動にティラノサウルスが運ばれてくるので存在感は大きい。
このティラノサウルスが老衰などで死ぬとパークのアピールに大打撃が加わるので、死ぬまでに孵化環境を整えるなり代替恐竜を用意するなり死ぬまでにクリアするなりしなければならない。

なお『2』では戦闘面が妙に弱く、ヴェロキラプトル数匹に絡まれて袋叩きにされたり格下肉食恐竜に敗北する姿が散見される。
ヴェロキラプトルに関してはメインキャラ補正群れると戦闘が異常に強いというものあるが、格下肉食恐竜にタイマンで負けるのは流石に・・・となりやすい。
攻撃系の特性が付けば流石に勝つがそれでいいのか恐竜の王。


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最終更新:2024年04月08日 10:52
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*1 更についでに言うとサンディエゴで逃げ回る群衆の中に日本人の集団がおり、「ゴジラだー!!」と叫んで逃げているらしい。が、日本人がいるまではわかるが色々やかましくてイマイチ聞き取りづらい。

*2 舞台が前作と同じであることや、この個体は比較的小型であることから前作のジュニアではないかとするファンの声もあるが、あくまで予想の域を出ていない

*3 グレイは作中前半でモササウルスの凄さをその歯の数で兄ザックに語っており、彼にとって歯の数=強さの指数のようなものとなっている節がある。

*4 カルノタウルスは大型獣脚類では最も足が速かったという説もあり、まともに追いかけっこすればティラノサウルス側は捕えるのに難儀するはずである。