宇宙警備隊(ウルトラシリーズ)

登録日:2018/04/04 (水) 05:46:50
更新日:2023/09/02 Sat 21:50:38
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かくしてウルトラ警備隊が創設され、解放の戦いを記念してウルトラタワーが建てられた

ウルトラマンタロウ25話ナレーションより……ツッコんだら負け




宇宙警備隊とはウルトラシリーズに登場する組織である。
たまにウルトラ警備隊や宇宙整備隊と、名前が公式サイドにも間違われる。
なお、この項目では主に映像作品での宇宙警備隊について扱う。

【概要】

3万年前*1エンペラ星人率いる怪獣軍団が「光の国」を襲撃し、ウルトラの父をはじめとする多くのウルトラ戦士たちが立ち向かった。
これが伝説のウルトラ大戦争(ウルティメイトウォーズ)である。

長い戦いの末、ウルトラ長老達が急遽開発した(ウルトラマンキングが渡したという説も)ウルトラベルの奇跡によって怪獣軍団は撃破。
そしてエンペラ星人はウルトラの父との一騎打ちの際、父のウルティメイトブレードで負傷したことにより撤退する。

この勝利を記念してウルトラベルを収めるウルトラタワーが建設された。
その後、宇宙の平和を守るためにウルトラの父を初代隊長として集結したウルトラ戦士や協力した星人たちによって結成されたのが、宇宙警備隊である。

現在、ウルトラの星の人口約180億人の内の約100万人が宇宙警備隊員であり、
レオアストラ等の光の国出身以外の隊員は約1万人ほどいるという。
また別宇宙出身であるウルトラマンオーブ=クレナイ ガイがスカウトされたこともあった(流れ者の方が性に合っていると辞退している)。

なお、光の国の住民にはレッド族、シルバー族、ブルー族がいるが、
雑誌の情報やメビウスの言葉を信じれば宇宙警備隊員にそれまでブルー族はいなかったらしく、
また本来青い体色のブルー族でも体を赤く染めていたらしい。

だが、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で普通に訓練生にブルー族もいたので微妙なところ。
訓練を終えて正式採用されると塗られるのか*2ヒカリが特別扱いなのか、ヒカリの入隊後にブルー族の入隊者も増えたのかはいまだに不明である。
とりあえず以後の作品では訓練生以外でもブルー族が確認できるため、ヒカリ以外のブルー族の隊員がいないということにはなっていない様子。
トレギア物語/青い影』でもブルー族のトレギアが入隊を志したことが書かれており、やはりブルー族を理由に入隊できないわけではないらしい。
しかし、結局トレギアは体力面を理由に宇宙警備隊に入る事ができなかったため入隊試験自体は誰でも受けられるが選考基準が厳しかったものと推測される。
ウルトラ銀河伝説はメビウス本編よりおよそ一万年後だとされているためその間に選考基準の緩和、あるいはブルー族の実力向上がなされたのかもしれない。
なお、落ちたといってもトレギアは合格になるギリギリまでの点数は取ったうえでのことである。
ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』ではケンとベリアルが組手をするシーンの背景でブルー族も同様の訓練に励んでいたため、メビウスの世代の頃にはいなくなったがかつては在籍していた、とも考えられる。

入隊試験は一次試験の筆記、二次試験の実技の2段階で、一次試験を突破しないと二次には進めない。
実技試験の内容は毎回変わるようだが、ゼットが受験した年はゼロと組手を行いその内容を警備隊の隊長格が務める試験官が採点する、というものだった。

上述したようにウルトラの父が初代隊長を務め、現在の隊長はゾフィーとなっている。
ちなみにゾフィーが隊長になったのは『ウルトラマン』以後のため、『ウルトラマンメビウス』の段階で約40年とまだまだ経歴的には短い。
銀河伝説以降は最低でも数千年は経っているため、大分経験を積んでいる様子。

宇宙警備隊員のうち、太陽系や地球の防衛と保護を担当していた歴代隊員を特に「ウルトラ兄弟」と呼んでおり、
その中でもゾフィーからタロウまでを「ウルトラ6兄弟」と呼称。ウルトラの父から授かった「ブラザーズマント」を纏うことを許されている。
実の兄弟ではなく、あくまでウルトラの国での称号のようなものである(ウルトラ兄弟で実際に兄弟であるのはレオ&アストラ兄弟とエース&タロウ兄弟*3のみ)。

仕事内容はかなり多岐にわたり、凶悪な怪獣の退治や、侵略宇宙人の撃退、星間戦争の調停等の有名どころから、
怪獣被害に遭った者や遭難者の救助、宇宙空間の異変調査、等々がある。中には諸事情で各星々に長期滞在することも。
また世界観の関係が曖昧だが、文明監視員という仕事をウルトラマンマックス(やウルトラマンゼノン)が担当している。

さらにウルトラの星では犯罪者が皆無と言っていいほど存在しないことから警察機構に当たるものが存在しないため*4
万が一身内に犯罪が起きた場合は宇宙警備隊が対処するようだ(ベリアルゼロ等が該当)。
劇中ではプラズマスパークに関する法律として「M78宇宙警備法」が確認できる。

……100万人で足りるの?とツッコんではいけない。

明らかに激務が予想されるが、給料の概念があるのかは不明。設定上、副業をしている面々も存在する。
タロウがかつて遊園地で遊んでいたことがあったり、80先生曰く、アルバイトや娯楽の概念自体はあるようだし、
ウラーという貨幣もあるのでもらってないボランティアとは思えないが……。

ちなみに休暇があることは度々明言されており、趣味を満喫するためにその手の惑星に行ったり、
地球滞在経験のウルトラ戦士は地球で休暇を取ることもある。
あと若干小ネタとなるが、宇宙警備隊野球部があるらしく、ウルトラマンメビウスはそこでエースだったとか。

……やっぱり100万人じゃ足りないんじゃ……

最近ではマルチバース単位で暗躍する悪い奴らも多く、『ウルトラマンサーガ』で語られたように範囲に限りはあるものの、
時に別の宇宙を守ることもあり、そこに別のウルトラ戦士が存在していた場合は協力して事態の対処に当たることもある。
また復活したウルトラマンベリアルたちテラー・ザ・ベリアル軍によるオメガ・アーマゲドンでは、
M78ワールドだけでなく、アナザースペースやサイドスペースを含めた多数の宇宙での戦いとなっていた。

……休暇…取れてるんだよね?


士官学校とも言えるウルトラ学校では、
通常の学科の他に怪獣生態学、ロボット工学、宇宙地理、変身学などを教わり、暑さ寒さや孤独などに耐える実技試験もある。
『ウルトラ銀河伝説』ではウルトラコロセウムにて戦闘・攻撃訓練を行っている描写があった。

宇宙警備隊の筆頭教官はウルトラセブン → ウルトラマンタロウ。
セブンは恒点観測員であったため宇宙に詳しかったこと、レオへの指導経験があること等からMAC全滅後に救助された際に任命。
しかし、Uキラーザウルスとの一件後、セブンは地球に滞在しなければならなくなったため、代わりにタロウが就任した。
よって、経歴としてはタロウの方が圧倒的に長い。
80先生も教官として所属している。

海外製作の『ウルトラマンパワード』(1993年)でも、第1話でパワードがケンイチ・カイに「宇宙警備隊に属している」と話していた。


所属組織・部署

本部

M78星雲・光の国に存在する宇宙警備隊の本部。
活動拠点である本部基地は『ウルトラマンタロウ』アルファベットの“I”を模った大型の建造物だったが、
『ウルトラ銀河伝説』以降の作品では、空中に浮かぶ多数の宝石にも見える菱形状の物体で構成されたものとなっている。
ウルティメイトフォースゼロのマイティベースもこの本部の建造物をモチーフにしている。

以下は宇宙警備隊の支部。
なお、ウルトラセブンが太陽系支部長となったことが確認できるなど、支部自体は明言されていないものを含めるとかなりある様子。

  • M25星雲支部(ゾフィーが普段指揮を執っている場所とのこと)
  • S・P5星雲支部
  • L・P372星雲支部
  • アンドロメダ星雲支部(ウルトラマンエースはここの支部長)
  • マゼラン星雲支部
  • ペルセウス座星雲支部
  • 銀河系星雲支部(ウルトラマンはここの支部長)

これらの内、内山まもるの漫画作品ではアンドロメダ支部はメロス、S・P5星雲支部はアウラがそれぞれ支部隊長を務めていると設定されていたが、
ウルトラマンZのボイスドラマで本編の世界でも彼らは支部隊長*5であることが明らかになった。

勇士司令部

ウルトラ戦士の戦闘エリート集団。
一説にはウルトラ兄弟クラスやそれ以上の実力者が多く所属してるとか、してないとか……。
ウルトラセブンの父親が部長(設定が消滅した兄がいた際には父親が前部長で、兄が現部長だった)。
ウルトラ兄弟物語』等ではセブン族の機関とされているため、戦闘力が高く戦いに秀でたレッド族のメンバーが多いと思われる。
映像作品ではウルトラマンネオス等が所属。

宇宙情報局

宇宙警備隊の情報収集を担当。要は諜報部。
名前ありのウルトラマンが所属しておらず知名度が低い。
ウルトラマン列伝』第35話でゾフィーの口から名前だけ登場し、当局が別の宇宙の邪悪なエネルギーを探知した旨が語られた。
別の宇宙の出来事も観測しており、高い技術力を所有していることが窺える。
なお、件のエネルギーはゼットンのものに似ており、歴代ウルトラマンとゼットンの戦いを振り返るという形でゼットン特集が始まると当時に、『ウルトラマンサーガ』への前振りとなる。
ウルトラサイン等の通信技術の運用もこちらが管理してそうだが、詳細は不明。

宇宙保安庁

宇宙警備隊のパトロール担当。
宇宙の各地の宇宙警備隊支部の警邏や、支部に配属されている仲間の戦いをサポートしたり、情報収集を主な任務としている。
ウルトラセブン21等が所属しており、彼に代表されるように力量自体は豊富なウルトラ戦士もいるが、
本来の任務は上述のため、カラータイマーをつけていないものも多いそうだ。

ウルティメイトフォースゼロ

ウルトラマンゼロがアナザースペースで設立した「新しい宇宙警備隊」。
当初は、宇宙警備隊とは全く関係ない独立した組織だったが、『ウルトラマンX』等でゼロが所属を宇宙警備隊と名乗っていたりし、
劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!』において、宇宙警備隊の別働隊という扱いになっている事が判明したので、事実上のアナザースペース支部という形になる。
またウルトラ戦士以外の光の国出身でない存在が宇宙警備隊になったのは映像作品では彼らが初となる(ただし書籍設定を含めれば映像作品で主役持ってる大先輩がいる)。
昭和シリーズで事実上没になった「銀河連邦」が完全復活した…とも言えるかもしれない。
ちなみにグレンファイヤーは劇中、ウルトラ兄弟になりたがっていた。


◆銀十字軍

ウルトラの母が隊長を務める組織。
医療機関であり、怪獣被害に遭った者や遭難者の救助活動も行っている。

歴史を確認する限り、宇宙警備隊結成以前から存在する組織だが、
WEBメビナビ等では宇宙警備隊の救護部隊と書かれていたり、宇宙警備隊を助ける組織と引き続き別組織として扱う表記もある。
どちらにせよ現在は宇宙警備隊関連組織として扱われている様子。

◆宇宙科学技術局

科学者達の組織。ウルトラセブンの妻とされている人物が所属している宇宙科学技術との関係は不明。
ウルトラマンヒカリが所属し、命を固形化する技術を開発したこともある。
この技術でウルトラマン達の不死身を可能にしたが、バット星人襲来の引き金にもなっている。

文明監視員

ウルトラマンマックスウルトラマンゼノン(およびギャラクシーレスキューフォースに所属する前のウルトラマンリブット)の担当している。
「宇宙の様々な場所に生まれる文明がどのように進化し、別の文明と友好関係を結べるかといった動きを見守ることを使命としている」とのことで、
基本的には監視対象の惑星には干渉しないが、マックスは地球人トウマ・カイトに「共振する個性」を感じ、地球防衛を行っていた。
宇宙警備隊との関係性は不明だが、『大いなる陰謀』でマックスが発した「宇宙警備隊に報告するんだ!」というセリフから別組織である可能性が浮上している。
但し、前述の台詞は「本部に報告しろ」というニュアンスの台詞だった可能性も十分考えられる上、リブットの台詞から彼自身がタロウの生徒だった=宇宙警備隊の訓練校出身である可能性も極めて高いため、現状は別組織と言い切れない部分もある。

光の国以外の類似組織

宇宙警備隊以外にも似たような組織は複数存在しており、大規模な事件の際には宇宙警備隊と協力することも多い。

U40の戦士団

ザ☆ウルトラマン』に登場。ウルトラマンジョーニアスウルトラマンタイタスが所属している。
U40のウルトラ人はウルトラマンの姿に変身するのは誰でもできるが、巨大化能力を有しているのはジョーニアス以下9人*6の勇者しかいない。その代わりに大規模な宇宙艦隊を保有している。
宇宙警備隊とは交流があり、ジョーニアスはしばしば光の国でのイベントに顔を出す。

アンドロ警備隊

『アンドロメロス』に登場。M78ワールドとは別の宇宙「アンドロ銀河」に所属し、神秘の鎧コスモテクターを纏ったアンドロ超戦士たちにより構成されている。
媒体によりいろいろ差はあるが、設立にはゾフィーが関わっている。
『大いなる陰謀』にてメロスはギャラクシーレスキューフォースに出向ているが、頼もしい後輩たちによって継続していることが判明している。

デラシオン

ウルトラマンコスモス』に登場。コスモスペースでは宇宙正義を司る存在。ウルトラマンジャスティスがその勢力に属している。
コスモスペースの平和を彼らが守っている(作中諸事情で強硬手段に出たこともあったが、現在は再び猶予を持って行動している)。

惑星O-50

ウルトラマンオーブ』にて初登場した惑星。宇宙警備隊に近い存在があるが、(現状)邪悪な存在ではないものの、非情な一面も見られている。
選び抜いた人物に光の戦士の力を渡して、各宇宙でミッションを与えるという独特のスタイルである。
しかし、宇宙の平和のためとは言えど達成困難なミッションを与えて、フォローをしてくれないことがある。
一応任務に何千年かかっても、世代交代しても許してくれる微妙に優しいところもある。

ギャラクシーレスキューフォース

ウルトラマンリブットのステージショーを初出とする、彼の所属団体。詳細は未だ不明だが、生命を守護・救助することに重きを置いている模様。
文明監視員からの出向者であるリブットや宇宙科学技術局から派遣されたソラのようなウルトラマンだけではなく、アンドロ警備隊から出向したアンドロメロス、惑星カノンの女王イザナ、獅子聖獣グクルシーサーの同族、故郷のやり方に反発した宇宙工作員ケリグなど、心ある善良な宇宙人・怪獣からなる多様な出自のメンバーが特徴。

またウルトラマンエックスが所属している謎の組織があるようだが、
ゼロに次ぐくらい喋っているのにも関わらずエックスがそちらの事情をほとんど話さないため詳細は不明。
少なくとも劇中描写を見る限り、M78星雲のウルトラ戦士や宇宙警備隊の存在は知らなかったようではある。

余談

シリーズを通してセキュリティ体制はずさんでザル警備で有名。警備隊なのに…
光の国を発端とする事件も多々起きており、例をあげれば、

  • バット星人襲来の原因は機密漏洩。これが遠因となってヒカリやトレギアが闇堕ちしてしまっている
  • テンペラー星人の光の国攻撃に誰も気づかない
  • 怪獣ボールを持って出発したジャックの目的がアシュランにバレている。その代わりセブンガーはそのミスをカバーしてもお釣りが出るほど強い
  • アストラに化けたババルウ星人ウルトラキーを盗まれ(キーの見張りは皆無)、挙句6兄弟ですら本物のアストラだと勘違いする
  • 宇宙牢獄の見張りはたったの二人で、簡単にザラブ星人に侵入される。これは相手が悪いとしか…
  • 決戦兵器のウルトラカプセルとライザーをストルム星人に盗み出される*7
  • 怪獣の侵入を許した挙句デビルスプリンターへの対抗策として開発していたゼットライザー1機とウルトラメダルの開発方法を盗まれる。
  • ゼットライザーを闇の違法コピーされる。

この他もゲーム版などでは宇宙人に侵入しまくられている。
数少ない光の国でセキュリティが万全なのが『ウルトラタワー』であり、そこだけ異常にセキュリティが高い*8
そんなウルトラタワーすら破られたのが『FER』でのカオスロイド襲撃事件である。
警備システム見直せよ。

ウルトラ大戦争などの設定がまだ作られていない『ウルトラマンA』放送中盤頃に描かれた絵物語
(M78ワールド(ウルトラシリーズ)から分岐したレベル3バースに相当)『ウルトラ5兄弟ものがたり』では、
創設時期はウルトラマンが地球から帰還する前後でゾフィーが創設者とされていた。


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最終更新:2023年09月02日 21:50

*1 ウルトラマン~ウルトラマンメビウスの時期から。銀河伝説以降はこれに+1万年程されていると思われる

*2 初期の雑誌だとジャック/帰ってきたウルトラマンがこの設定だった

*3 エースはウルトラの父とウルトラの母に引き取られた養子のため、タロウとは血の繋がらない兄弟になる。

*4 少なくともウルトラマンキングが生まれる以前の40万年前から存在していないらしい。つまり現在のウルトラマンの力・姿を得る前から警察組織がいらないほど平和な時期があったことになる。

*5 どこの支部かは明かされなかったが

*6 タイタスの登場までは8人だった

*7 確認出来る限り3機(リク、ケイ、ベリアル用)盗まれている。データだけ盗まれて複製された可能性もあるが、いくらなんでも油断しすぎでは。

*8 ウルトラタワーの中のウルトラベル近辺はスーパーウルトラマンタロウですら1分と持たないほど厳重に管理された部屋に置かれている。