衛宮士郎(プリズマ☆イリヤ)

登録日:2018/02/06 Tue 06:59:38
更新日:2024/03/18 Mon 16:18:11
所要時間:約 10 分で読めます




はじめまして、俺は衛宮士郎。苗字は違うけどイリヤの兄だよ


衛宮(えみや)士郎(しろう)とは、『Fate/stay night』のスピンアウト漫画『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』の登場人物。
原典『stay night』の彼については「衛宮士郎」の項目を参照されたし。


●目次

衛宮士郎

◇概要

『stay night』と同様穂群原学園高等部の二年生で、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンクロエ・フォン・アインツベルンの義兄。
養父である衛宮切嗣アイリスフィール・フォン・アインツベルンはこの世界でも「いろいろあって」籍を入れていないため、姓は「衛宮」である。
ただしこの作品の主人公はあくまでもイリヤのため、今回は脇役で登場するシーンも少ない。アニメだとだいぶ増えたけど。

それもそのはず、この世界の士郎は「孤児だったところを衛宮切嗣に拾われ養子になった」以外は紛れもなく「普通」の「一般人」であり、魔術も知らなければ「正義の味方」を目指してもいない。
孤児になった理由は不明。作中の描写を見る限り魔術絡みではなく一般的な災害と思われる。…「一般的な災害」ってなんだ…?
一応筋トレは欠かさず行っており、弓道も続けているが、それでも(ギャグ補正で)耐久力がおかしなことになってる程度で、そこらのチンピラよりは強いかもしれないが戦闘力は皆無に等しい。
…RPGとかセントリーガンの掃射とかモロに食らってピンピンしてるが間違っても『全て遠き理想郷(アヴァロン)』なんて入ってない。ギャグ補正は宝具にも勝る。

料理スキル

その代わりなのかなんなのか家事スキルがかなーり異常なことになっており、日々家事係のセラの仕事をいつの間にかこなしては「私の仕事を奪わないでください」と怒られている。
…程度では飽き足らず、「クロが調理実習で作ったパウンドケーキ」を少し食べた程度でクロが作ったものではないと見抜いたり(しかも上手い下手ではなく「誰に向けて作られた味か」で)、
セラの当番の日に朝食を勝手に作っては「四品しか作ってないじゃないか」と口走ったり、*1

旅行先に「持ってないと不安だから」と工具セット(家庭にあるような工具箱ではなく大工が使うレベルのものなら全部揃ってる)やらマイ調理セット(内訳:調味料一式に中華鍋)を持ち込み、
現地でバゼットさんが仕留めた鹿肉をプロ同然に調理したりと、まぁ色々とおかしい。以外誰も突っ込んでないのも絶対おかしい。つかなんで税関通った。

ちなみに、セラがいるのに料理を始めた理由は和食や中華が食べたいからというもの(出身地故にセラは当初ヨーロッパ料理ばかり作っていた)だが、セラに教わらずにやった最初の調理は当然ながら大失敗。
セラからお説教されて一度はやめようとするも、自身の失敗料理を涙目になりながらも食べようとしてくれる幼いイリヤの姿に何か感じるものがあったらしく、料理を続けた結果、高い技術と強い拘りを持つようになったとか。

1級フラグ建築士

その一方でフラグ建築能力はこの世界でも未だ健在、というか下手に世界が平和なせいで余計増しており、
劇中でフラグが立っている描写が出てきただけでもイリヤ、クロ、美遊、セラ、凛、ルヴィア奈菜巳(イリヤの友人の姉)、一成と順調にフラグを立てている凄まじさである。…最後がおかしい? 気にするな!

特に上記の家事絡みでセラとの絡みが多いため、ファンからは「これセラ√じゃね?」と言われたり。
ドラマCDに至っては色々あってセラがイリヤのお母さん役をすることになった際、『エミヤ』のアレンジBGMをバックに「俺が!俺たちが!イリヤの両親だ!」とセラの肩を抱き寄せながら声高に叫んで彼女を赤面させたりしている。何やってんだお前。*2
なお実際にセラ√に入っていた場合、将来的に「主家のメイドと子家の子息(しかも養子)が結婚する図」が完成する。これなんてエロゲ?→元はエロゲです

しかしこんなドタバタラブコメディを展開していてもある種の異常性は垣間見え、中学生の頃は(切嗣が存命にもかかわらず)原典同様校庭で飛べもしない走高跳びに挑んでいた。
凛、ルヴィア(と多分桜)が彼に惹かれたのはこれが理由。
やはり世界が多少幸福になったところで、彼のどうしようもないまでの愚直さは矯正されないらしい。

その他

どうやら美遊の兄によく似ているらしく、彼女と初めて会った際は兄と間違われていた。
そのせいか基本的に他者と親しくなるのに時間が掛かる美遊にしてはすぐに気を許し、次に会った時には既に異性として好意を寄せていた。
流石アングラー、俺たちにできないことを平然と(ry

余談だが、この世界の士郎は髪を結うのがヘタクソで、幼い頃イリヤの髪を滅茶苦茶にして泣かせたことがある。

◇主な名(迷)台詞

「なんでさ」

「はぁ……早く切嗣(オヤジ)帰ってきてくれないかな……」
リズ「パパ恋しい?」
「いや 男女比の問題でな」※アインツ家は普段女性五人に対し男性は士郎一人

「はは 公正に…か 安心してくれよクロ 俺は」
「料理に関して嘘は許さない」

「ルヴィアは………おっぱいが大きいなぁ…」※ルビーに自白剤を打たれた副作用です

「わかってるよ たとえ跳べたところで何かが成されるわけじゃない」
「確かに無駄かもしれないけどさ でもそれは」
「挑戦をやめる理由にはならない」

「やる前から無駄かどうかなんてわからない」
「やった後無駄にするかどうかは自分次第」



追記・修正は複数人とフラグを建ててからお願いします。尚、お相手の性別・人類か非人類かは問いません。




















































以下、第三期『3rei!!』のネタバレを多分に含みます。閲覧にはご注意下さい。
















































この作品には「衛宮士郎(エミヤシロウ)」がもう一人存在する。




















































お前が全のため一を殺すというのなら 俺は何度でも悪を為そう

────覚悟はいいか 正義の味方


衛宮士郎とは、『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』に登場する、たった一人の為に全てを捨てる”悪”を選んだ少年である。

CV.杉山紀彰

●目次


並行世界の衛宮士郎

◆もう一つの概要

美遊が居た並行世界の人物にして、彼女の正真正銘の「お兄ちゃん」。また、「ある力」を使って第五次聖杯戦争を勝ち抜いた勝者である。
その能力もそうだが、それ以上に原作からして√ごとに自身の在り方について違った結論を出す士郎の中でも特に変わった存在のため、ファンからは「美遊兄」または「美遊兄士郎」と呼ばれている。
また上記の士郎(美遊兄と区別して「イリヤ兄」とも)や原典の士郎とは「並行世界の同一存在」だが「別人」。
ややこしいが原典各√の士郎、『stay night』のアーチャー、『EXTRA』のアーチャーがすべて「別人」なのと同様に考えるといいだろう。

◆並行世界の士郎の来歴

幼少期にとある災害に見舞われ孤児となったが衛宮切嗣に救い出され、それ以降切嗣の「助手」として魔術の指南を受けつつ、滅びに向かう世界を救うべく世界中を駆け回っていた。
しかしある時”人の願いを無差別に叶える力”を持つとされる「神稚児」の伝承を頼りに訪れた冬木市で謎の黒い闇とそれに巻き込まれ消えていく街を目撃し、
崩壊に巻き込まれていた「朔月(さかつき)美遊」を救出。
街を覆う闇を晴らしたこと、朔月家の記録から彼女が自分たちの求める能力を持っていると確信した切嗣は彼女を「願望機」として引き取ったことで、美遊の義理の兄となる。

切嗣は彼女の”使い方”を見つけられぬまま息を引き取った月のない夜、彼のしてきたことを「間違い」にさせない為に理想を引き継ぐが、
美遊と「兄妹」として接し過ぎた士郎には彼女を願望機として扱う覚悟が決められず数年が経ってしまう。
しかしある日彼女が口にした「士郎さんと本当の兄妹になりたい」という言葉を受け、彼女を「願望機」ではなく「妹」として接することを決め、
切嗣の厳命を破り外に連れ出すも、そこで学園の生徒会長のジュリアン・エインズワースと遭遇。
彼があの闇を引き起こした張本人にして、美遊を願望機として使おうとしていることを知るも、友人であった彼を傷つけることは出来ずに美遊を連れ去られてしまう。
その後言峰綺礼に助けられ、エインズワースの目的が「世界の救済」であることを聴かされるが、それが切嗣の正義と同じく「一を殺して全を救う」手段だと知ると、
「正義の味方を受け継いだ衛宮士郎」では敵に回ることを許されないことを悟る。
それでも美遊に一目会おうと何度もエインズワース邸のあるクレーターに向かったが、空間置換の魔術により近づくことができなかった。

更に士郎を慕っていた後輩・間桐桜すらも美遊を聖杯に据えた聖杯戦争の関係者だと知り、彼女が持ち出したギルガメッシュの力を宿した『クラスカード:アーチャー』を託されるが、
桜が選んで欲しかった「全部捨てて二人で逃げる」という選択肢を切り捨て、美遊の為に立ち上がることを決める。
直後桜を追ってきたアサシンのカードの保持者と戦闘になり、桜はギルガメッシュのカードを使おうとするが、失敗。
アサシンの宝具『亡奏心音(ザバーニーヤ)』によって殺害されてしまう。

それもそのはず、桜が裏切ることはエインズワーズに事前に予測されており、桜が持ってきたアーチャーのカードはどの英霊とも繋がっていない『屑カード』であり、何の力も宿っていなかったのだ。

激昂した士郎は自分自身を触媒にカードを英霊の座に繋げ、英霊をその身に宿す『夢幻召喚(インストール)』に成功。『クラスカード:アーチャー』の力を駆使し勝利。
今際の際に自我を取り戻した”間桐慎二”を殺害し、ひとり次の戦いへと進んでいった。

……彼が召喚した英霊の名は「エミヤ」。遠い未来、どこかの世界で抑止力と契約し人類の守護者となった、彼でない彼自身が至った未来の英霊である。

その後もキャスターライダーランサーバーサーカー
そしてセイバーを下した彼は儀式の場である円蔵山に向かい、ジュリアンと対峙。
「人類を救える力を個人の感傷で無にすることは最低の悪」と語る彼に、士郎は「ただひとりの幸福を願うことが悪だと言うのなら、俺は悪でいい」と反論。
地下大空洞で美遊と再会し、ずっと決めていた願いを口にする。


美遊がもう 苦しまなくていい世界になりますように

やさしい人たちに出会って……笑いあえる友達を作って……

あたたかで ささやかな───

幸せをつかめますように


その願いを叶えるべく美遊(せいはい)は起動。滅びに向かう世界でその願いは叶えられないため、彼女が幸福になれる世界への転移を開始した。
それを阻むべく最後の刺客として送り込まれたアンジェリカと対峙するが、自分自身のクラスカードを使い続けた代償で身体が英霊エミヤに浸食されていた彼は固有結界無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』を展開。
最終的に『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』の前に敗北するが、その時点で美遊の転移は完了。まさに「試合に負けて勝負に勝つ」のだった。

その後はエインズワースに囚われるが、向こう側で放たれた最大出力の『天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)』の余波でこちら側の世界に飛ばされてきたイリヤたちによって救助され、彼女らの窮地をボロボロになりながらも救った。
しかしそれだけの無茶をして無事で居られるはずもなく、「残りの寿命がどれほど残っているかわからない」という理由で戦力外通達を受けてしまった。その際切嗣の遺品である起源弾をクロに託している。


◆魔術師として

原典とは違い切嗣からまともな鍛錬の方法を教えられているため、少なくともあちらの本編開始時よりは技量が上。
しかし何と言っても『クラスカード:アーチャー』を使い続けたことで彼の技能、魔術回路、そして起源すらも譲り受けているため、その戦闘力はHFの士郎に次ぐと思われる。

また夢幻召喚時の衣装は士郎本人に関するありとあらゆるキャラクターの要素が含まれており、
  • アーチャーの腰の外套とアンダーウェア、胸の留め紐は『Grand Order』の第三再臨衣装
  • UBW√の『無限の剣製』展開時のように励起した魔術回路が浮かび上がる
  • HF士郎(通称「腕士郎」)の聖骸布のように左腕のみに纏わせた赤い外套
  • 腕の外套と併せ『Grand Order』の士郎が描かれた概念礼装「リミテッド/ゼロオーバー」及び千子村正(通称「村正士郎」)の白い羽織
  • アヴェンジャーのように頭部に巻かれたバンダナ
これらが上手く噛み合ったデザインは評価が高い。
外見的にはFate√らしい要素はないが、強引に解釈すれば『全て遠き理想郷(アヴァロン)』のように体内にある『クラスカード:アーチャー』、
もしくは「衛宮士郎であることそのもの」がそれだとすることも出来なくはない。

◆人物像

「他の選択をした士郎とは特に変わっている」とは既に書いた通りだが、最も大きくわかりやすい違いはHF√ですら「桜だけの正義の味方になる」と言っていた士郎が、完全に「正義の味方」を捨てて「悪」を名乗っているという点。
「一を殺して全を救う」切嗣やエインズワースの正義に背を向けた士郎には最早正義を名乗れるはずもなく、実際作中で何度も自分を「最低の悪」と自虐的に言い放っている。
また比較的目立たないが、UBW√において士郎は「自分が最後まで偽物であったとしても、最後まで正義の味方を張り続ける」としているが、
こちらは「今までの自分は上辺だけを真似ているだけの偽物だった。だからこそ『本当』を始めようと思った」としているのも大きな違いだろう。

だがやはり根本的な部分は変わっていないのか、やりすぎなまでの滅私奉公は健在。「自分が死んでも構わない」という思考はそのままであり、起源弾を託した際同じような考えを持つクロに指摘している。
…まぁ、その対象が「不特定多数の誰か」ではなく「たった一人の妹」になっただけマシとも言えるが……

なおそこまでして守り通した美遊に対しては激甘で、美遊の面倒は着替えも含めて全面的に見ていたらしい。
というか正確には美遊の方が非常にブラコン。士郎自身は本編よろしく頼られるままに世話を焼いている形である。幼少期から彼女の面倒を任されていたのも大きいだろう。
また、その関係でこちらの士郎は髪を結うのが得意。
ついでにフラグ体質も健在で、妹の面倒を見る感覚で女性陣の着替えに乱入するというポカをやらかしている。
ただ、因縁ある敵だったアンジェリカや、良き後輩だった間桐桜はすでに死亡し「エインズワースの置換人形」など、女性関係はかなり物悲しい…。

◆主な台詞

「わかってるさ 俺が最低の悪だってことは…! けど…どうか…頼む…!」
「美遊を救ってくれ…!!」

「美遊 守ってやれなくて…ごめんな」
「今度こそ…終わらせてくるから」

「お互い様だろ 贋作屋(カウンターフェイター)…!!」

「ほんとにじいさんみたいな台詞吐くなよ 切嗣」
「暗闇だなんて嘘だ 月は見えなくたって…星は輝いてる」
「正しく成ろうとすることが間違いのはずがない」
「俺が 間違いになんてさせないからな……!!」

「確かに俺は!! 正義に憧れただけで何も救えなかった偽物だ!! 正義の形を 家族の形を …人としての形を 真似て取り繕ってきただけの抜け殻だった……!!」
「俺は最初から間違っていた…解っていたんだよそんなことは………! だけど…だからこそ俺は……」
「『本当』を始めようと思ったんだ…………!」
「美遊を…俺の妹を返してくれ…!!」

 (奇跡)はなく (希望)もなく (理想)は闇に溶けた
 それでも それなのに まだ……
 ()が残っている

「人類……人類か 大きなものだよな 言葉以上に────」
「途方もなく重いものがお前たちのその背に乗ってるわけだ けどさ……」
「俺にも 背負ってるものがあるんだよ」

「俺をただの人間と言ったな 認識が甘いぞ英雄王」
「お前が挑むのは 正真正銘」
「英霊のまがい物だ!!」

「勝ったよ………切嗣」

「なんでさ」



追記・編集は、たった一人の為に世界を捨てる覚悟を決めてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • Fate
  • Fate主人公
  • TYPE-MOON
  • プリズマ☆イリヤ
  • プリズマ☆シロウ
  • プリズマ☆エミヤ
  • シスコン
  • 穂群原学園
  • 衛宮士郎
  • エミヤ
  • アーチャー
  • 無限の剣製
  • 杉山紀彰
  • 義兄
  • 養子
  • 体は剣で出来ている
  • 最低の悪、最高のお兄ちゃん
  • ようやく始められた本当のカタチ
  • イメージされた最強のお兄ちゃん
  • 正義の味方をやめた男
  • サバイバーズ・ギルト
  • アングラー
  • 天然たらし
  • ラブコメ主人公
  • どうしてこんなになるまで放っておいたんだ
  • 投影
  • 魔術使い

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年03月18日 16:18

*1 アニメ版での発言。声優のインタビューによるとメインで喋っている後ろのガヤは声優たちで相談して決めているそうなので、台本にあった台詞ではなく現場のアドリブの可能性もある。

*2 一方未来の可能性のひとつであるアーチャーは麻婆神父に唆されて「私が!私たちが!サンタムだ!」とか言っていた。何やってんだお前。