仮面ライダーワールド

登録日:2017/12/21 (木) 23:44:25
更新日:2023/12/14 Thu 15:35:42
所要時間:約 6 分で読めます






ZO・J ダブルライダー夢の競演!!




『仮面ライダーワールド』とは、『仮面ライダーJ』と『仮面ライダーZO』がクロスオーバーした短篇映画。

日本各地で不定期に開催される同名の仮面ライダーのイベントも存在する。
本項目では、劇場版作品としての『仮面ライダーワールド』を解説する。

概要

1994年に製作された劇場版の短篇3D映画作品。

当時、全国のイベントや遊園地などで公開されていた。
映画の同時上映作品は同時上映は『スーパー戦隊ワールド』『東映ヒーロー大集合』。
3D映画『仮面ライダー 世界に駆ける』の続編的立ち位置にもなる。

仮面ライダーJと仮面ライダーZOの共演が見所の映画だが、そこに『仮面ライダーBLACK』の人気キャラ・シャドームーンも共演する。
敵怪人には『真・仮面ライダー 序章』のキャラもいるなど、短篇映画としては豪華な顔ぶれとなっている。
ただし、本来は『(以前にZXまでの昭和シリーズ)BLACK~RX』と各ネオライダー作品には世界観の共有設定はなく、本映画のみの設定の模様*1
作中の描写を見る限りでは『仮面ライダー 世界に駆ける』の後日談設定でもあるようだ。

「ネオライダーシリーズのクロスオーバー」「巨大シャドームーン」など、現在まで語られる要素は多い。
全体的に物語の熱さと設定の奇妙さが混ざった独特な作品ともいえるだろう。
本作と後の平成ライダーシリーズにおけるクロスオーバー作品は通じる要素も少なくなく、見比べてみると面白い発見があるかもしれない。

DVDでは『仮面ライダーJ』『仮面ライダー1号・2号BOX』等の映像特典として収録されているが、3Dでの視聴は不可。
Blu-rayでは『仮面ライダーTHE MOVIE Blu-ray BOX 1972・1988』のボーナスディスクとして収録され、オリジナルと同様の3D映像で鑑賞可能となっている。

余談だが、作品内の特撮映像の一部に『仮面ライダーJ』本編から流用している箇所がある。


あらすじ

かつて、仮面ライダーBLACKRXとの決戦に敗れて力尽きたシャドームーン。

彼は世紀王を自称して再び日本の地へと復活し、宇宙征服を企む。
同時に歴代ネオライダー達に倒された怪人軍団を、かつてのRXを上回る力(シャドームーン評)を持つ再生怪人として復活させた。

シャドームーンの企みを察知したベリーは仮面ライダーへと助けを求めて叫ぶ。
ベリーの存在に気が付いた怪人軍団は、ベリーを拾った一般人の兄弟を奇襲する。
そこに仮面ライダーZOが現れ、後に仮面ライダーJも救出に合流。

再生怪人軍団が撃破された後、シャドームーンがライダー2人組の前に姿を現す。
姿を見せたシャドームーンは巨大化しており、これに対抗すべくJも巨大化。

シャドームーン曰く「世紀王宿命の最終対決」なる、世界の命運を賭けた最終決戦が幕を開く……。


登場人物

  • 仮面ライダーJ
当時の最新仮面ライダーで、本作の主役。

本作では変身前の姿は見せないが、声は瀬川耕司役の望月祐多が担当している。
作中ではベリーの助けを呼ぶ声に応じ、ZOに続いて怪人軍団との戦いに参戦する。
本作の世界ではどうやらZOとは以前から面識のある設定の模様。

巨大化したシャドームーンを見て、ジャンボフォーメーションへと変身して戦いを挑む。
一応巨大化能力は奇跡の形態なのだが、本作では結構簡単に変身している。
巨大シャドームーンとの戦闘の末、ジャンボライダーキックによって撃破した。

なお、本作がJのジャンボフォーメーションでは初の人型の敵との戦闘でもある。

  • 仮面ライダーZO
仮面ライダー誕生20周年記念作品の主役ライダー。

J同様に変身前の姿は見せないが、声は麻生勝役の土門廣が担当している。
作中では怪人軍団に終われるベリー及び一般人の救出に参戦し、戦闘最中にJとも合流する。

シャドームーン出現以降は相方が巨大化したため、シャドームーン撃破後まで物語から一時フェードアウト。
この扱いはよく「黙って巨人の戦闘を眺めていたのか」とネタにされる(確かに「任せろ」とはJ側から言われてはいるが)。
説明も前例もなく仮面ライダーが巨大化するのは「夢」でもなければ不可能らしい。

実は本作が初めて「仮面ライダーZO」という名前を自ら名乗った作品だったりする。

  • シャドームーン
BLACK及びRXの宿敵……だが、本作でのライバルはネオライダーの方。

RX本編とはパラレルだとは思われるが、設定上は一応RX本編で死亡した後。
声も本編と同様にてらそままさきが担当している。

突如として「世紀王」の名の元にこの世に再臨し、宇宙征服を目標に掲げる。
BLACK及びネオライダーシリーズ2作品における怪人達を強化復活させ、怪人達には巨大な幻影のような形で自身の野望を語りかけていた。
ライダーを回想する際には『仮面ライダー 世界に駆ける』におけるてつを4人を思い出していた。

再生怪人軍団が全滅した後、何と巨大化した姿でZOとJの前に現れる。
後にJが同様に巨人になった際には「貴様も巨大化できたのか…」と少し驚いていたが、視聴者からしたら「お前がな!」と言いたいところ。
この巨大化能力については、バイオライダーのゲル能力を応用した物とのこと*2

Jとの最終決戦では「(同様の形態を持つ相手に)世紀王宿命の最終対決」「巨大化したからと言って勝てまい」と意気込む。
そして一時はJとの肉弾戦で優位に立つが、徐々に形勢が逆転。
シャドーチャージャーにJパンチを浴びてダウンし、最後はジャンボライダーキックで爆散した。

本作以降、シャドームーンはクロスオーバー作品において連敗を続けることになる。
ある意味本作がそのきっかけであり、シャドームーンのファンからは批判もある。
一方で、本作で披露した巨大化は以降の仮面ライダーシリーズの関連作品でもシャドームーンの能力として定期的に使われていくことにもなった。

  • 仮面ライダーBLACK/仮面ライダーBLACK RX
シャドームーンの回想にのみ出演。

『仮面ライダー世界に駆ける』での映像が使われているため、BLACKとRX及びそのフォームチェンジの姿が思い出されている。
シャドームーンは「ライダー達」と表現しているが、全員同一人物である。

  • ベリー
仮面ライダーJ本編におけるサポートキャラかつマスコットのバッタ。

物語冒頭からシャドームーンの復活を察知し、仮面ライダーに助けを求める。
シャドームーンと怪人軍団の様子を物陰から見ていたが、そこを怪人ズーに見つかり追われてしまう。
その後、森において傷を負っていた所を一般人の兄妹に発見され、起こっている危機を伝えた。

  • サイ怪人
  • 改造兵士レベル2
  • フォッグ
  • ハチ女ズー
  • トカゲ男アギト
  • コブラ男ガライ
歴代の仮面ライダーの前に立ち塞がるも倒された強敵達。

豪島は原典と異なり、鋏や槍を扱っていた他、右腕が普通の腕になっている。
物語序盤でシャドームーンの手によって、再度復活する。
復活直後は仮面ライダーの存在に怯えている者もいたが、シャドームーンが言うには「RX以上の強化を施して蘇らせた」とのこと。
こうしてライダー達など足元にも及ばない新怪人として宇宙征服に動き出した。

しかし、復活の際の会話を盗み聞きしていたベリーの存在にズーが気が付き、追跡を行う。
こうしてベリーを追い詰めるが、そこにやってきたZOと交戦。
当初は数の優位もあってZOを結構苦戦させていたが、Jが追加で参戦してくると形勢逆転して最後はダブルライダーキックでまとめて倒された。

ちなみに蘇った再生怪人の面子にはクライシス帝国やネオ生命体の怪人はいない。
特にネオ生命体は宿敵のZOがいるのになぁ……。

ガライの声は小杉十郎太氏が担当したが、他の怪人の担当声優のキャストは不明である。

  • 勇樹と亜由美
本作の登場人物で唯一の人間。

服装や台詞から察するに山中にピクニックに来ていたようで、兄妹らしい。
山中で怪我を負ったベリーを見つけ、ベリーの不吉な発言に困惑する。
その直後にベリーを追撃しに来た怪人達に追われるが、ZOによって救われた。
Jとシャドームーンの決戦も見ていたようで、シャドームーンの撃破を見届けた。



余談


  • 勇樹を演じたのは『恐竜戦隊ジュウレンジャー』でブライ役を演じた和泉史郎氏で、本作と同時上映の『スーパー戦隊ワールド』でも怪人に襲われる一般人の役を演じた。



追記・修正は突如として巨人として復活した世紀王に圧勝してからお願いします。

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最終更新:2023年12月14日 15:35

*1 本作以降の第二期平成ライダーシリーズにおける冬映画シリーズの世界観での共演などは本作の共演の流れを継承しているとも言える

*2 RX本編でのバイオライダーとの戦闘時にマイティアイで分析し、自身に活かしたのだと考えられる