魚族(遊戯王OCG)

登録日:2017/10/22 Sun 15:43:40
更新日:2024/04/24 Wed 02:12:00
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深淵に眠る大いなる勇魚。

生と死を廻る大海原に目覚めよ!



魚族とは、遊戯王OCGに存在する種族の1つである。

種族名は「魚」だが、クジラや貝なども含まれているため実質「魚介類」が所属する種族となっている。生物学的におかしい?まあゲームだし…
そのイメージ通りほとんどのモンスターが水属性で構成されており、水属性以外の魚族は10体もいない。
また焼き魚になるのもどうかという理由か炎属性は一体も存在しない。


―激流のような時代の流れ

●第一次氷河期

第5期あたりまでは魚族関連のカードがほぼ存在しておらず種族間のまとまりもクソもない状態だったため、
当時同じく不遇の扱いを受けていた水族海竜族と共に「水属性モンスターとしての活用がメインで、種族はあって無いような物」といった立ち位置であった。
なお、この時代までに登場していた魚族を指定するカードは、他の種族との兼用フィールド魔法であると、
魚族メタの永遠の渇水のみだった。

●黎明期

2007年末、超古深海王シーラカンスの登場により状況が一変し「魚族である」事に明確なメリットが生まれた。
魚族は「水属性のバリエーション」ポジションから脱却し、ついに「魚族」としてデッキを組む意義が出るに至ったのである。
その後も光鱗のトビウオや竜宮の白タウナギ、フィッシャーチャージといった優秀な魚族サポートが少しずつ増えていった。
更に強力なチューナーであるフィッシュボーグ-ガンナーも登場し、環境でも姿を見せるデッキにまで上り詰めた。

●絶頂期

他デッキも多用されまくったフィッシュボーグ-ガンナーが禁止カードに指定され、環境からは激減した。
一方でアニメZEXALに魚族をメインに使うデュエリストのシャークさんが登場。
彼が魚族の新規モンスターを多用したため、魚族モンスターはその数を急激に増やす。
新規カードに魚族をサポートする効果を持つ物が多かった事もあり、魚族デッキの完成度と多様性は急上昇。
魚族だけを使うデッキではないが【除外海産物】といったデッキも誕生し、
超古深海王シーラカンスに依存しない構築も組む意義が出てくるようになったのは大きい。
魚使いのデュエリストはまさに水を得た魚のようにビチビチと踊り狂った。

だがメインデッキに入るモンスターは多く出たものの、魚族エクシーズモンスターだけは殆ど出なかった。シャークさん…

●第二次氷河期

アニメZEXALが終了すると今までのフィーバーが嘘のような静けさが訪れる。
アニメARC-Vの時代にOCGに登場した魚族モンスターはなんと2枚だけという悲惨さ(どちらもEM)。
さらに魚族関連のサポートカードも一切出なかった。ARC-Vの時代の第9期は3年あったのにも関わらずである。
アニメARC-Vでは魚族テーマのアクアアクトレスも登場していたのだが、何故かOCG化の際に全て水族に変更される。イジメか。

VRAINSの時代になると新マスタールールが導入され、
シーラカンスの持ち味であった大量展開からの連続シンクロエクシーズが困難になってしまい、魚族デッキ自体もパワーダウンした。

●現在

漫画版ARC-Vで魚族シンクロデッキを使うキャラクターが登場、魚族初のシンクロモンスターがようやくOCG化するに至り、
さらに時代が進むとようやく魚族初のデザイナーズデッキであるゴーティスも登場。
新マスタールール実装に伴って弱体化したシーラカンスも、ルール変更やリンクモンスターの充実に伴いパワーを取り戻してきている。
魚族はこのまま波に乗れるだろうか。


概要

登場から現在まで魚族デッキの中心として活躍している超古深海王シーラカンスを始めとして、魚族自体のサポートカードはそれなりに多い。
そのため種族内のまとまりは良い部類に入るのだが、いかんせんシーラカンスに依存している部分が大きすぎるため、
「シーラカンスのおかげでまとまりを維持できている」だとか「魚族自体がシーラカンスを中心としたテーマデッキ」という印象も強かった。
ZEXALのシャークさんのカード辺りから特殊召喚できるカードが増え、シーラカンスに頼らずともエクシーズ召喚などでも戦えるようになってきたが、
レベルがバラけているため、何をするために展開するのか吟味してデッキ構築を考えたい。

種族としての特徴もあまり無く、シーラカンスの持ち味が連続特殊召喚である都合上フィニッシャーが魚族でない場合も多い。
またモンスター単体の攻撃力不足も目立ち、2017年10月に白闘気双頭神龍(ホワイト・オーラ・バイファムート)が登場するまで、
元々の攻撃力が3000以上の魚族モンスターは1体もいなかった

魚族はOCG最初期から存在していたのだが、海外先行のゴーティスが登場するまで魚族のデザイナーズデッキは存在しなかった。
その空白期間の長さたるや、実に23年半
特別な立ち位置である幻神獣族・創造神族を除くと、特定の種族を中心として構成されたデザイナーズデッキの登場が最も遅かった種族である。
新参のサイバース族でさえデザイナーズデッキがすぐに登場したのに…

漫画やアニメでは度々使用者が登場する。
原作・アニメDMでは梶木漁太がこの種族を多く用いた水属性デッキを使用し、
ZEXALではアニメ版・漫画版双方で神代凌牙/シャークがこの種族を多用している。
アニメARC-Vでは鮎川アユが魚族テーマであるアクアアクトレスを使用していたのだが…上記の通りOCGでは水族に変更されてしまった。
漫画ARC-Vでは蓮がホワイトと名のついた魚族のシリーズカードを擁するシンクロデッキを使用している。



代表的なカード

●モンスターカード

超古深海王シーラカンス
登場から現在に至るまで魚族デッキの大黒柱を勤める最上級モンスター。
手札1枚と引き換えにデッキからレベル4以下の魚族を可能な限り特殊召喚するという豪快な効果を持つ。
この効果で呼び出した魚は効果が無効になり攻撃できないデメリットを持つが、
魚族1体をリリースして自身を対象とする効果を無効にし破壊する効果のコストにできるので単なる置物にはならない。
登場当時から十分強力なカードであったが、シンクロ・エクシーズ・リンク召喚の登場により1ショットキルも容易な程の爆発力を獲得する。

このように非常に強力で魚族のエースにふさわしい能力を持つモンスターであるが、
最上級モンスターである故の重さや戦略がバレやすいためにこのカード自体が妨害されやすいなど弱点も多い。


ジェノサイドキングサーモン
上級通常モンスター。
特別な効果は持たないが、伝説の都 アトランティスの影響下ではレベル4・攻撃力2600というハイスペックなモンスターに化ける。
上級モンスターなのでシーラカンスには対応しないものの、アトランティスを用いるデッキでは有力なアタッカーになり得る。
ただし、この運用方法ではギガ・ガガギゴという上位互換がいる為、魚族サポートや攻守を活かして帝サポートを併用したい。


・深海の怒り
墓地の魚族・海竜族・水族の数に応じて攻撃力と守備力を上げる上級モンスター。
1体辺り500と倍率が高く、ものの6体で3000を超える。
ジェノサイドキングサーモンと同様レベル5で、シーラカンスには対応していないがアトランティスの影響下であれば有力なアタッカー。
元々の攻撃力や守備力が0なのでグリズリーマザー辺りや、レベル4魚族にトランスターンを使うことで引っ張って来れるのも強みで、魚族に限らずそれらを多く擁する水属性のデッキでは切り札となり得る。
ただし、耐性が全く無いため、除去には注意が必要。


・レインボー・フィッシュ
第一期の頃に登場した魚族の通常モンスター。
攻撃力1800と当時としては中々なスペックを持ち、レベル4以下の魚族の通常モンスターとしては現在でも最高攻撃力の持ち主。
特別な効果は持たないが、現在でもシーラカンスを使用する場合は採用候補となり得る。
特に予想GUYやレスキュー・ラビットとは抜群の相性であり、展開要員としても優秀。
欠点を挙げるならば、絶版したノーマルカード故に入手が少々面倒な所だろうか。
ちなみに、属性違いのレベル4魚族としては、地属性の魂喰らい、風属性のフライング・フィッシュがいる。
攻撃力こそレインボー・フィッシュに大きく劣るが、特定の属性を要求するEXモンスターを採用する場合は、こちらも候補になるだろうか。


・スクラップ・シャーク
なんと攻撃力2100もあり、下級魚族では最高の攻撃力を持つ。
…が、 カードの効果が発動するだけで自壊してしまう場持ちの悪さがネック
カテゴリとしては間違ってないのだが、魚族としては少々扱いにくい。
地属性を要求するEXモンスターを採用する場合やライオウなどを強引に突破する手段として採用の余地があるか。
強制転移等と相性が良く、1:1交換に持ち込む事が可能(強制転移の効果処理後にスクラップ・シャークの効果が発動する為)。
シーラカンスで出すと効果が無効化されるが高い攻撃力を活かせなくなってしまうので注意。

・竜宮の白タウナギ
レベル4のチューナーモンスター。
素材を全て魚族で統一しなければいけない誓約を持つが、主にシーラカンスデッキで使われるのでほぼ気にならない。
このカードからシンクロ、必要ならばシーラカンスと共にさらにランク7のエクシーズに繋げるのが基本。
14年もの間唯一のレベル4チューナーであり続けたが、2024年1月27日発売の『LEGACY OF DESTRUCTION』にてとうとうメリット効果を持つレベル4チューナーが現れたため、遂に役目を終える事となった。


・オイスターマイスター
戦闘破壊以外の方法でフィールドから墓地へ送られた時にトークンを生成する効果を持つ下級モンスター。
シンクロ素材やリリースなどに使われてもトークンを生み出せるので、
かつての魚族デッキではシンクロのレベル調整やコスト調達など様々な用途に使われた。

エクシーズ召喚とは、エクシーズ素材になるため効果が発動できずトークンも素材にできないので相性が悪く、
今は他に優秀なカードが増えた事もあってあまり見かけなくなったが、
チューナーなしで直接墓地送りにできてレベルを問わず、トークンも素材にできるリンク召喚では有用。

言うまでもないが牡蠣は魚類ではない。まぁ魚介類と言うからね。
しかし本来なら親戚と思われる《砲弾ヤリ貝》は水族
水関連の種族が意☆味☆不☆明なのはいつものこと。


・水精鱗-アビスパイク
・水精鱗-アビスタージ
水精鱗に属する下級モンスター。
召喚・特殊召喚に成功した時に水属性モンスターを捨てることで、
アビスパイクならデッキからレベル3水属性モンスターを、アビスタージなら墓地からレベル3以下の水属性モンスターを手札に加えられる。
手札コストは必要だが、別のモンスターを持ってこれる。
魚族ではないが、コストに墓地発動効果のある海皇モンスターなどを使うと無駄がない。


・サイレント・アングラー
自分フィールドに水属性モンスターが存在する場合に手札から特殊召喚できる下級モンスター。
ただし効果で特殊召喚したターンに他のモンスターを手札から特殊召喚できなくなる。
召喚条件が緩いので水属性デッキではシンクロ・エクシーズ・リンク素材他アドバンス召喚のためのリリース確保など幅広い用途で活用できる。


・ダブルフィン・シャーク
召喚した時に、墓地のレベル3かレベル4の水属性魚族モンスターを、効果を無効にして守備表示で特殊召喚できる下級モンスター。
蘇生先に指定があり、さらに効果を使ったターン水属性モンスターしか特殊召喚できない制約もかかるが、魚族主軸のデッキであれば非常に便利なカード。
自身と蘇生させたモンスターで、リンク召喚か、レベル4ならエクシーズ召喚、チューナーならシンクロ召喚が可能。


・飢鰐竜アーケティス
白闘気たちがカバーしていない、レベル9のシンクロモンスター。
ステータスは低いが、手札の枚数に応じてステータスが強化される効果を持つ。
更にシンクロ召喚するとチューナー以外のシンクロ素材の数だけドローできるため、リソース回復にもうってつけ。
チューナーとそれ以外の2体では1ドローしかできないが、素材を多く使えばそれだけドロー枚数も増える。
手札を増強するだけでなく使う効果も備えているが、手札2枚を使用して1枚破壊とかなり効率が悪い。
それでもフリーチェーンかつなんでも破壊できるため、できるだけ消費を抑えつつ多くの素材を揃えたいところ。

水属性チューナーを用意する必要はあるが、こちらもシンクロ召喚を得意とするデッキなら十分に採用の余地がある。
シーラカンスの効果を使った時に一度はこいつを呼び出せば、更なる大量展開に繋げられる。
また、瑚之龍を介せばハリラドンから呼び出せるため、V.F.Dアクセスへのルートでも使われていた。

●魔法・罠カード

・浮上
墓地のレベル3以下の魚族・海竜族・水属性モンスターを1体、守備表示で特殊召喚する魔法カード。
レベル4以上には対応しないが、各種素材の調達や効果の使用に便利な蘇生カード。

・フィッシャーチャージ
自分フィールドの魚族1体をリリースしてフィールドのカードを1枚破壊し、自分は1枚ドローする罠カード。
自分のモンスターを犠牲にする破壊カードとしては珍しくドローのおまけつきだが、
魚族を多量にフィールドに残す戦法を使うならともかく、シンクロ・エクシーズ・リンク召喚などで魚族を残さないデッキとはあまり相性がよくない。

●カテゴリ

フィッシュボーグ
水属性魚族の下級モンスター群。
フィッシュボーグ-ドクター以外は全てチューナー。

最初に登場したフィッシュボーグ-ガンナーは、
自分フィールドにレベル3以下の水属性モンスターが存在する場合に手札1枚を捨てて墓地から特殊召喚できる効果を持つ、レベル1のチューナー。
素材を水属性で統一しなければならないが、蘇生効果はターン内の発動回数制限が無いため、蘇生を繰り返して1ターンキルを行うコンボが横行した結果禁止カードに。

後に穴を埋めるようにフィッシュボーグと名がつく自己再生可能なモンスターが続々と現れたが、
この反省を活かしたのか全員の効果に1ターンに1度の制限がかけられ、更に水属性以外のモンスターを排斥するような条件や効果が存在している。
フィッシュボーグ以外が存在すると自壊するドクターを除けばどれも水属性メインのデッキであれば単体で使えるが、
フル活用することだけを考えるとメインデッキとエクストラデッキが全て水属性モンスターというとんでもない構築を要求される。正気の沙汰じゃない…!


・ホワイト・オーラ
2017年中盤に入ってからようやく初登場した、漫画版ARC-V出身の魚族シンクロモンスター群。
魚族はOCG発足当時から存在している種族の中ではシンクロモンスターの登場が最も遅かった。
そういう意味でこれらは記録的・代表的なモンスターと言える。イルカやクジラが魚と言えるかどうか疑問だが

いずれのモンスターも高い制圧力と戦線維持能力を持ち、魚族デッキの主力として活躍できる。
一部は素材に水属性縛りがあるので注意。

彦久保雅博「元々いるグレート・ホワイトさんには何だか申し訳ない気がしています」


ゴーティス
2022年に海外先行カードとして突如登場した、深海生物じみた幻想的な見た目の魚族テーマ。
相手のカードを除外するだけでなく自分達も除外されたりそこから再び現れたりと全体的に除外を駆使するカードが多い。
???「俺たちのアイデンティティが…」
詳細は個別項目にて。


原作・アニメで活躍したカード


要塞クジラ
最上級儀式モンスター。クジラだが魚族である。遊戯王のクジラ目はアイツを除けば概ね魚族か海竜族に分類される傾向にある。
レベルの割に低すぎるステータスからそのまま使われる事はあまりなく、概ね水属性・儀式モンスター・レベル7という特徴と相性のいいカードと組み合わせて使われる。
原作・アニメで梶木が使用したので高い知名度を持ち、それゆえかシーラカンスをさしおいて魚族の代表モンスターとして扱われる事もある。

地縛神 Chacu Challhua
地縛神に属する最上級モンスター。魚族では珍しい、水属性以外のモンスター(闇属性)。シャチだが、OCGでは珍しく魚族。
フィールド魔法が無ければ勝手に破壊されてしまうが、魚族には関連を始めとして相性のいいフィールド魔法が多いので共存は充分可能。
OCGにおいては、無理に魚族との共存に拘らず、強力で強固なロックを仕掛けられる【チャルアイーター】という専用デッキを組むのが主流。
攻撃力は青眼の白龍ラインに僅かに届かないものの、攻撃対象にならない上に直接攻撃可能なのでほぼ気にならない。
白闘気双頭神龍に抜かされるまで、実に8年半も魚族最高攻撃力を誇っていた。

・ビッグ・ジョーズ
レベル3ながらレベル4の標準的なアタッカーに匹敵する攻撃力を持つモンスター。
アニメではシャークさんが使用。通常魔法を発動したターンに手札から特殊召喚できるというかなり便利な効果を持っていた。

OCG化に際してこの便利な効果が消滅、代わりに攻撃したらバトルフェイズ終了時に除外されるというあまりにも重いデメリットを付加された。
同じパックで登場した除外に関する効果を持つモンスター群と連携がとれるように与えられた効果だが、単体では驚くほど使いづらい。
OCGとアニメのカードの差を目の当たりにした魚族使いはイラっときた事だろう。

潜航母艦エアロ・シャーク
ランク3のエクシーズモンスター。
アニメZEXALシャークさんが使う超強力モンスターだ!アニメ版効果の話。
アニメのモンスター人気投票ではなんと2位にランクインした大人気モンスターだぞ!ポケモン人気投票のコイルみたいなもん。
レアリティはなんと看板モンスターと同列のウルトラレア!使いにくすぎるので再録時はノーマルまで格下げされた。




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J( 'ー`)し<追記・修正されないのはイラっとくるぜ!

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最終更新:2024年04月24日 02:12