哀しき悪役

登録日:2017/09/14 Thu 04:05:00
更新日:2024/04/21 Sun 00:34:58
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普通の悪役とはまた違った悪役。
「悲しき」と書けば何となく意味は伝わるだろうが、平たく言えば「悲しい過去や事情などがあって悪になってしまったやつら」のことである。

と言っても人によって定義は違うのでそう呼ばれる多くのキャラに共通する点を述べていく。


●目次

●概要

物語における悪役とはばいきんまんやドロンボー一味のような
「悪事を働いてヒーローや正義の味方と呼ばれる存在によって倒される」のがお約束。
特に勧善懲悪の物語においてはそれが当たり前の存在とも言える。
しかし中には物語の見方を変えた場合「あれ?本当に倒すだけでよかったの?」「やってる事は許せないけど何だか可哀想」と思えるような背景を持つ悪役が存在する。
それが哀しき悪役である。
彼らの場合、悪事に手を染めてもそれは普通の悪党のような私利私欲ゆえではない理由があったり、ヒーロー達と同じ思想だったのが後述するような悲劇的な経歴が原因で悪にならざるを得なかった哀れな存在である。

そうした人物が悪に堕ちてしまうきっかけは様々なケースがあるがメジャーなものだけでも


  • 家族・恋人・親友・仲間・恩師等を殺されたor事故で失ったから
  • 故郷・祖国を滅ぼされたから
  • 周囲とは違う力・容姿を持っていた為に化け物扱いされたから
  • 周囲の者に一方的に迫害されて反撃した事で加害者扱いされたから
  • いじめ・虐待・人種差別等、上記も含む何らかの事情による迫害を受けて性格が歪んでしまったから
  • 黒幕に祖国・家族等の弱みを握られているから
  • 黒幕に洗脳・改造等を受けて悪の心を植え付けられたから
  • 黒幕に悪に染まってでも目的を達成したいと思いこんだところを利用されたから
  • 黒幕に騙されたから

……例を挙げればキリがない。
やってる行為自体は紛れもない悪事なので、それそのものは許されない…が、こちらはそれをするまでに至った経歴を見ると同情するべき点が見られ、ただ単に悪として倒すだけでは何も解決しないというケースがほとんど。


哀しき悪役に定義される事の多いキャラの一例として『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』のミュウツーを挙げてみよう。

このミュウツーというポケモンは元々人工のポケモンで、ロケット団による「最強のポケモンを生み出す」研究により、あらゆるポケモンの始祖とも言われる「ミュウ」のまつ毛の化石から生まれた。

しかしそうして生まれたミュウツーは自分を単なる兵器としか見ていないロケット団の人間の身勝手さに怒り、自らを生み出した人間への逆襲を宣言して行動を開始する。

「わたしは誰だ…?ここはどこだ…!? 誰が生めと頼んだ…!誰が造ってくれと願った……!!」
「わたしはわたしを生んだすべてを恨む」
「…だからこれは攻撃でもなく宣戦布告でもなく わたしを生み出したお前たちへの "逆襲"だ」
という有名な台詞はこの場面のものだが、彼の言う「お前たち」とはロケット団だけではなく人類そのもの。

ロケット団構成員はともかく、大多数の人間からすれば因縁もなにもない。
にも拘らずミュウツーからは一方的に敵視され、図鑑にも「最も狂暴な心を持つ」とか「目の前の敵を倒すことしか考えていない」といった生物兵器さながらの記述がされているのだから、
何も知らない人間にはミュウツーは目の前に立てば人間にも悪意(敵意)を向ける、非常に危険なポケモンにしか感じられないだろう。
※尤も、ゲームと『ミュウツーの逆襲』のミュウツーは(人語を話す様子がない等で)キャラクター像に差異があるため、ゲームの段階では本当に生物兵器めいた設定だった可能性が高い。

だがミュウツーからすれば人間にぞんざいに扱われた結果人間不信になったのであり、根っからの悪というわけではない。
重要なのはこの点で、哀しき悪役の定義はいかに視聴者や読者に同情される一面があるか。これに尽きる。

また彼のように復讐キャラを兼ねているケースが多いが、後述するように場合によっては主人公の決死の説得に応じて改心し、味方になったり味方化はせずとも倒されずに済んだりするケースもある。

近年においてはヒーロー側もこうした存在を倒してめでたしめでたしとはならず、仮に倒したとしてもその事で後悔してしまうという事も。

ただし、どんなに悲しい経歴があっても
当の本人がやってる事の方があまりに酷過ぎたり、
動機が明らかな逆恨みでやられた側に全く非がなかったり、
物語中の動きや結末が雑なために制作部の迷走が推測され、観賞者があまり感情移入できなかった場合
はこれに含まれない事が多い。

どんなに悲劇的な経歴があろうともやってることがあまりに外道過ぎ、アホ過ぎで同情も共感もされなくなってしまってはそこらの悪党と変わりなくなってしまうからだ。
また、『ウルトラマンレオ』のある回では「悲しいからと言って何をしてもいいなんてことはない」という名台詞が登場しており、これもひとつの真理といえるか。

こうした視聴者や読者の同情を誘う目的があるからなのか、哀しき悪役という連中に同情の余地もないような外道な悪役は極めて少ない傾向があるのも特徴と言えるだろうか。
巻き込まれる主役よりも明確な動機から行動を起こす悪役の背景が掘り下げられる作品も増えており、結論は別としてもその過程に共感や理解を示せるようなキャラクターは増加傾向にある。
そのため敵側の背景説明が長々続くようだと「また理由つきの悪役か」という声を上げる人もいる。

単純な善悪二元論でくくれない複雑な事情を持ったキャラクターであるため、視聴者や読者の感性に上手く合えば名キャラクターになる可能性が高い。
一方、挙動によっては「キャラに『同情なんていらない』と言わせている癖に、制作側の『同情してもらいたい』という意図が見え見えだ」として嫌われてしまうようなケースも。

また作品の長期シリーズ化や制作に複数の人が携わり、入れ替わることによってキャラクター性がぶれてしまい、当初は哀しき悪役と思われたキャラも次第にその要素が薄れてしまうことも。
ドラマ監督とアクション監督の間で意見が合わず、30分番組の前半後半で扱いが変わってしまった『ウルトラマンガイア』の超コッヴ・超パズズはその代表例といえる。
有名な悪役(敵役)であるゴジラも、最初は「人間に危害を加えるが、彼自身人間の手で目覚めてしまった悲劇の怪獣」だったが、
ゴジラシリーズ』化にあたり、悲劇性よりヒーロー性・超然とした存在の面にクローズアップされることも多くなっていった。

作品数の増加による鑑賞者の慣れ、物語性に加えて整合性の取り方が重要という点から、哀しき悪役は制作者の力量が問われるキャラクターともいえるだろう。


●代表的な哀しき悪役

◇神話

地中海に浮かぶクレタ島の地下迷宮(ラビュリントス)に潜む牛頭人身の怪物。
怪物としては世界各地の神話の中でももっとも有名なもののひとつだろう。
英雄テセウスに退治されるまで子供も含めた老若男女を襲いむさぼり喰っていた以上、同情できる人はほとんどいないだろう。

しかしながらその生涯は神と大人の身勝手に翻弄された悲劇的なものであった。
彼の父は、ミノス王が海王ポセイドンからいずれ生贄にささげることを条件に借り受けていた白い雄牛。
その雄牛の美しさに魅了されたミノス王が約定を違えて自分のものとすべく、別の雄牛を生贄としたことに激怒したポセイドンは、
ミノス王の妃であるパシバエに、自らが貸し与えた雄牛に欲情する呪いをかけた。
パシバエは悩んだ末、名工のダイダロスに命じて雌牛の張りぼてを造らせ、自らその中に入って雄牛に近付くと、
雄牛もパシバエが中にいると知ってか知らずか欲情して挑み掛かり、結果、パシバエは雄牛との子供を妊娠した。これがミノタウロスである。
ミノタウロスは牛の頭と人間の身体を持つ異形として生を受けたが、ポセイドンの更なる不興を買うことを恐れたミノス王によって死ぬことが許されず、
さりとて生きることも望まれぬまま、ミノス王がダイダロスに命じて作らせた巨大迷宮に閉じ込められて生を歩むこととなった。
本来の名前、『雷光』や『星』を意味する言葉の「アステリオス」という名前で呼ばれることもなく、
異形の子、神の怒りを受けた子、獣の子、不義の子などといった数々の汚名を生まれながらに着せられながら……

その行為に同情の余地はないとはいえ、この生い立ちで歪むなというのはあまりに酷だろう。
後世の創作においてもミノタウロスは悲劇の主人公という扱いを受けることも多い。


◇特撮作品

ウルトラシリーズには時折根っからの悪というには疑問符がつくような可哀想な経歴の怪獣・宇宙人が登場する。
その代表的な怪獣として名が挙がるのがジャミラである。
元々は地球人の宇宙飛行士だったが、事故で水のない惑星に不時着。救助を待つも事故の隠蔽を図る母国に見捨てられてしまう。
水のない環境に適応したジャミラは自力で宇宙船を修理・改造して復讐のために地球に戻るが、変化した身体は人であった時に渇望した水が弱点になっており、
最期はウルトラマンの光線技ではなく放水能力のウルトラ水流を受けて苦しみ、のたうち回った末に死亡するという、なんとも悲劇的な最期を迎えている。

ジャミラと共に、ウルトラシリーズに登場する悲劇的な背景を持つ怪獣として名前が挙がる。
元々はとある惑星に棲む生物だったが、その故郷を人間の兵器実験で破壊され、その超兵器の放射能で突然変異を起こして怪獣化。
故郷の復讐のために地球に飛来して暴れ回るが、その背景に同情しつつも覚悟を決めたセブンに倒される…と、完全に人間の被害者と言える怪獣。
ゲームにおいてもその点が考慮されており、倒すと他の怪獣と違って怪獣名の後には「撃破」ではなく「永眠」と続き、
その文字と共に原作で走り続けるリスのカットが写される…というなんとも悲壮感溢れる映像が流れる。
際限なく強力な兵器が開発され続けることを「血を吐きながら続けるマラソン」と例えたのはこのエピソード。

『悲しみの沼』と共に、考えさせられる話としてよく挙げられるエピソード『銀色の眼のイザク』に登場する怪獣。
人間が絶滅させてしまった動物を生き返らせるテストケースとして、「アルテスタイガー」*1の最後の一頭であった『銀色の眼のイザク』がクローン再生させられるも、
直後、イザクは根源的破滅招来体によって怪獣化され、かつて重油の混じった水を飲んだ経験から石油コンビナートを狙い、その周辺の町を破壊して回る。
ウルトラマンの変身者である高山我夢、藤宮博也を含む人間たちは、イザクが町で暴れる理由を「仲間を滅ぼした人間への復讐」と推測していたが、
それは「イザクとその仲間が人間によって絶滅させられた」ことを負の歴史として彼ら人間たちが知っているからこその推論であり、
再生させられた理由はおろか、自分以外の同族が絶滅したことすら知らないイザク当人には当然人間への悪感情などは存在せず、
町を破壊して回っていたのも、ただ「生きる」という自身の本能に基づく活動でしかなかった。

  • 仮面ライダーに登場する怪人や戦闘員(仮面ライダー)
今作に登場する怪人、戦闘員は全て元は普通の人間であり、ショッカーの意向で改造された者たちである
一応本編では元犯罪者や本郷を妬んでいた友人等の志願者もいたが、全体的に見るとその時その時の都合で拉致されて無理やり改造されたものが大半である*2
脳改造を施されているのでショッカーの操り人形となったまま悪事に加担させられ、そのまま仮面ライダーに倒される者が大半を占める上に、
そういった者たちは元がどういう人間だったかも、心配する家族等の存在も描写される事なく忘れ去られるという救われなさもトップクラスの存在である。
稀に洗脳装置と変身装置が故障して真人間の生活に戻れた幸運な例も居るが、洗脳が解けた途端に自分が悪の組織の手先として殺人を犯していた事を理解して家族の元に帰れないと嘆き悲しんだ末に、改造した首謀者に突撃して死亡>と言う元の人格に戻れても悲惨な結末を迎えた例もある。
すがやみつる氏による漫画版『仮面ライダー』のシリーズではそういった「改造人間の基となった人間」に焦点を当てたエピソードが多いため、興味あるファンにはお勧め。

  • 堀之内慶應
仮面ライダーWに登場した小説家にしてパペティアードーパントの正体。
ドーパントになって暴れていた理由は自分が出版した小説を酷評されたから。
ドーパントになった人間の多くは犯罪に手を染めたり、得手勝手な理由でドーパントになった者が多いが、
誹謗中傷されるような扱いを受けた彼には同情の余地があると言ってよい。

  • 大星団ゴズマの構成員(電撃戦隊チェンジマン)
ゴズマは星々を侵略し、征服した星の残存戦力を自軍に加えることで際限なく戦力を増強していく。
そうしてゴズマの手先になった者達は破壊を楽しんでいる者もいないわけではないが、大多数は故郷の星を人質に取られて嫌々他の星を攻撃している者達である。
チェンジマンを散々苦しめたギルークやアハメスも、結局は故郷の星を再建したい一心でバズーに従っていたに過ぎなかった。
もしもチェンジマンがゴズマに敗れたら、チェンジマン達も地球の存続を条件に他の星を侵略する哀しき宇宙獣士となる運命にある。

デカブルー/戸増宝児の恋人だった異星人・テレサの弟。
姉想いで若くして医者になったが、貧しい環境が原因の病で余命いくばく無い姉を直す特効薬を開発するため、星々で若い女性の命を奪い人体実験を行っていた。
身勝手な動機が多いアリエナイザー達の中でも比較的同情できる立ち位置で、彼が登場したエピソードはラスボスが一切関わってこなかったりと、作中どころか戦隊シリーズでも異色尽くめの内容となった。


◇漫画原作

北斗の拳に登場し、その特異体質によってケンシロウを一度は打ち破った強敵。
作中では暴君として振る舞ったが元々は愛情深い性格であり、現在の性格になってしまったのは恩師を巡る悲劇でその性格が仇となってしまったある事件から。
愛故に狂ってしまったのを見る限り彼もまた哀しき悪役と言えるだろう。

作中組織、完璧超人始祖の一員。
対戦相手を次々と再起不能にする残忍性と、目的のためには部下も見殺しにする冷酷さを持った組織の急先鋒だが、それは愚直なまでに自らを救い教え導いてくれた師を尊敬し、その恩義に報いるためだった。

暗黒武術会編のラスボス。
人間から妖怪へと転生した元人間で、かつて凶悪な妖怪に自分の目の前で弟子達を皆殺しにされてしまった過去がある。
自分の力の無さ故に弟子達を守れなかった事に絶望した彼は、強さを求めて人間から妖怪へと転生。
本人は「永遠の若さと力が欲しかっただけ」「むしろあの出来事には感謝している」と語ったが、彼が本当に求めていたのは、誰かに弟子達を守れなかった自分を罰してもらう事だった。

かつては人類の為に人知れず戦っていた竜の騎士にして主人公の父親。
瀕死の状態の所をアルキード王国の姫に助けられて良好な関係を築いたが、その状況を快く思わない者達の讒言で魔物扱いされて王国を去る。
その後は去り際に共に付いて来た姫と共に幸せに暮らしていたが王国の追手に包囲されてしまう。
本人は無抵抗で処刑を受け入れるも、その処刑の際に姫が自分をかばって死亡、更に自分の娘の死を罵倒する心無い国王の言葉に激怒してアルキードを滅ぼした。
その後は大魔王バーンの諭しを受けて魔王軍として行動し、リンガイア王国とカール帝国を壊滅させた。

十本刀の一人で、「明王」の異名を持つ破戒僧。
養っていた孤児達を明治政府からの恩賞に目がくらんだ村人達に理不尽に殺害されたことで明治政府への復讐鬼と化し、以来正しき救済をもたらす「救世」を掲げる。
ただし、敵相手でも無益な殺生は好まず、亡くなった孤児達の位牌を肌身離さず持ち続けるなど、本来の心優しさは完全には失われてはいない。

『ピアノソナタ「月光」殺人事件』の犯人。
幼い頃に、麻薬取引から足を洗おうとしていた父を含む家族を、口封じのため共犯者達に殺害され、復讐のため素性を隠し彼らを殺害。
島民からは優しい医師として慕われており、事件の結末からコナンの探偵としての在り方にも大きな影響を与えた。

仮面をつけており、幼いブルーシルバーを誘拐し、壊滅したロケット団を再編した謎の存在。
「自分の手持ち以外のすべては道具」と言い切る冷酷な人物で、手持ちのデリバードとウリムーで伝説のポケモンと互角以上に渡り合う作中最強クラスの実力を持つ。
その正体はチョウジタウンのジムリーダー・ヤナギである。
セレビィを手中に収めて「時の支配」を目論むが、その目的は生き別れになったラプラスの親子を再会させるためだった。
「ポケモンは道具」と言いつつも実際は愛情に溢れた人物であり、手持ちのポケモンや誘拐した子供達から慕われている描写が存在する。
ゲームから大幅に設定改変されたキャラであるが、圧倒的な実力と単純な悪人とは言い切れない活躍から、なかなか人気があるキャラである。
なお、重ねて言うがゲームのヤナギにはこのような設定はなく、普通のジムリーダーである。

十二鬼月の上弦の陸に名を連ねるの兄妹。
その能力を巧みに利用し𠮷原などの遊郭に潜み数百年間人間を喰らい続けてきた。
周囲を顧みない冷酷な性格だが、これは人間時代に生まれや容姿を理由に迫害を受け、遂には理不尽に命を奪われるまでに至った事への反動ともいえる。
互いしか信じられる者がいなかった故に、兄妹の絆の深さも本物である。
もし何か一つでも要因が異なっていればまた違う人生を送っていただろうと、主人公である竈門兄妹とはしばしば比較して語られる。

十二鬼月の上弦の参に名を連ねる鬼。
当初は、強者を歓迎し、弱者を侮蔑する戦闘狂キャラだと思われていた。
しかし、実は人間時代に病床の父のためにやむを得ず盗みを働き(父はこの事を悲観し自殺)、ようやく巡り会えた恩師や恋人も理不尽に命を奪われる再三の悲劇に見舞われ、その果てに鬼に身を墜としてしまっていた。
人間時代の記憶を忘れてもこれらは魂に刻みこまれており、彼の行動原理や能力の血鬼術に色濃く反映されている。

  • 鬼(手天童子)
本作における鬼は一般的な鬼のイメージと同様に人間を食い殺し、人間では到底太刀打ちできない邪悪な怪物として描かれている。
実際、鬼が突然発生する鬼獄界で鬼は鬼同士でひたすら殺し合い、食い合っていた。
やがて真相が明らかになる。
鬼とは、我が子を鬼に奪われたと思い込んだ女性が復讐のためにひたすら邪悪で、凶悪で、醜い呪われた存在として生み出したものだった。
つまり始めから殺し合い、忌み嫌われ、迫害されることを宿命づけられた存在だったのだ。
鬼獄界が消滅し全てが終わったあと、鬼は「手天童子と違って美しくないし決して愛されることはない、でも自分達だって母を愛している」と言い残し、宇宙の彼方へ去っていった。
そこで鬼はとある星に移住し、文明を築くのだが、その文明というのは殺戮によって磨かれ、戦いによって発達した恐るべきものだった。
鬼が他の天体に進出しようとした時、鬼の存在を危険視した異星人によって鬼は滅ぼされる。
結局、鬼は最後まで救われない存在でしかなかった。

◇アニメ


ザフトのエリート部隊「クルーゼ隊」を率いる隊長。
飄々とした態度を示しつつも確かな実力により部下からは厚い信頼を寄せられ、キラ達からは手強い相手として警戒されていた。
しかしストーリー中盤から地球連合・プラントの両方に機密情報を流出させて戦争を泥沼化させ、そのまま人類を滅ぼそうと暗躍する。
その正体はキラ達の兄貴分であるエースパイロット「ムウ・ラ・フラガ」の父「アル・ダ・フラガ」のクローン。
ムウを自身の後継者として認めなかったアルが「自分」を後継者とするために生み出した存在であったが、
テロメアが短く、既に老齢に差し掛かっていたアルの余命と同じ分の寿命しかない状態で生を受けたため、失敗作として捨てられてしまう。
その結果、身勝手な理由で自身を生み出したアルだけでなく、自分のような存在を生み出す人類の欲望、ひいては人類そのものを憎悪し、
ナチュラルとコーディネイターの対立を煽り、潰し合わせることで、自分も含めて人類を滅亡させようとするまでになってしまった。
彼もまた、一部の汚い人間の欲望とエゴの被害者と言える。

プラント最高評議会議長にしてアスランの父親。
ナチュラルに対して異常なまでの憎悪を向けており、その憎悪を上記のクルーゼに利用されてしまい、大量破壊兵器ジェネシスを投入するといった戦火を拡大させる要因を作った。
そこまで彼がナチュラルを憎むようになったのは、元々コーディネイターというだけでナチュラルたちから迫害を受けていた上、
血のバレンタインで妻であるレノアを喪ったことに起因し、彼もまたクルーゼ同様人間のエゴの犠牲者だった。
ただし、ナチュラルの皆殺しに固執するあまり、そのためなら友軍や一般人といったコーディネイターすら容赦なく見殺しにし、
全人類の生命線とも言える地球にも壊滅的な被害を与えようとする苛烈さはやがて同志であった側近の離反を招き、その憎悪が破滅を導く手前で命を奪われることとなった。
しかし、彼のようにナチュラルを憎悪するコーディネイターは少なからず存在し、続編の『DESTINY』で彼の遺志を継いで地球を壊滅させようとするテロリストが現れている。

本作の黒幕。
理不尽な事故で失った実の娘・アリシアを蘇生させるべく、街や次元への被害も顧みずに存在も定かではない異次元への渡航を強行する。
当初娘とされていたフェイトはアリシアのクローンの失敗作であり、娘の紛い物である彼女に度を過ぎた虐待を加えていた。
傍から見れば狂人・毒親にしか見えない彼女だが、上記の暴挙はあくまで娘の死を起因とするものであり、続編等では本来の家庭的で心優しい性格が描写されている。
生まれついての悪では無いのだ。
彼女やサウザー、ヴェイダーのように「愛深き故に狂う」人物が多いのも哀しき悪役の特徴である。

自己を犠牲にし肉体も半ば壊死し、延命に次ぐ延命も限界に達するほどの時間を全て、「破滅の未来を回避し、人類を救う」ために費やし、運命に抗い続けた人類最後の一人。
人類再生のため、仲間達と研究を重ねるも費やした時間が与えたのは仲間達との別離と自分以外が死に絶えるという絶望と孤独の人生だった。
ついには過去へ介入を行い、時には人間・組織の抹消など非情ともいえる行動を重ねてきたがそれも全ては歴史を変えて破滅の未来を回避するため。
しかし奔走し続け、歴史を改ざんし続けても人類が滅ぶという未来は変わらず、ついに来た自分の寿命に対して、強硬手段をとるに至り…。

貧民街出身の魔族の青年。共に育った仲間思いではあるが少年時代、施しを得るために自らの端麗な容姿に気づいて“顔を売って”魔族の富豪に取り入ったものの虐待を受けたり、人間の奴隷にされたりと過酷な半生を送る。誰にも助けてもらえず虐げられた経験から仲間と共に世界への復讐を誓い、仮面をつけて嫌いな己の素顔を隠し、世界を混乱させるべく行動してきた。
ザジが語った世界を滅茶苦茶にすることを望む破滅願望に対し、守った人間から迫害された経験ゆえに世界を憎む気持ちを知る馬神弾は理解を示しつつも、かつて世界を壊しその改革を目指した異界王を引き合いに出し「お前は異界王の足下にも及ばない。お前には壊した先のビジョンがない。ただ壊すだけなら、わがままな子供と同じだ!」と一蹴しつつ、逃げずに過去を語ってくれたザジを「お前なりに世界と向き合い戦ってきた」と慰め、ザジの心を開いた。

世界に不幸を撒き散らす集団「幻影帝国」の首領。
一言で説明すると プリキュア版サウザー。

地獄に封印されていた凶悪な妖怪である大逆の四将の一人。
人間の女性と恋に落ち、里を築いて穏やかに暮らしていたがそれを快く思わない国主によって愛した女性ごと里を襲撃され、これに激怒した彼は怒りに任せ国主の血族も含めて皆殺しにし一国を滅ぼした。
目玉おやじから話を聞いていた鬼太郎にも当初は根っからの凶悪な妖怪だと思われていたが、地獄から逃げた理由は愛する者の魂を成仏させるためであった…
妖怪であることを理由に貶めた人間のせいで悪に堕ちたのを見る限り、彼もまた哀しき悪役と言えるだろう。
ただし元々悪逆非道な振る舞いもしていたため、その報いのようなものであるという見方もなくはない。

  • ゴムリ
映画「おかあさんといっしょ」のガラピコぷ〜のアニメに登場する、ツムリ星の姫イオの友人であるロボット。
ツムリ星の力の源である「グミグミの実」を盗み出し、星が弱るきっかけを作ってしまった。
闇落ちの理由は高所から落ちたイオを守れなかった責任をイオの父である王様に咎められてイオとの接触を禁じられたから。
失敗は誰にでもあるものであり、たった一回の失敗で友人と遠ざけられたというのはあまりにも可哀想な話である。結局星の危機を招いたのはツムリ星の王以外のなんでもないわけである。
余談だが、演じていたのは当時の歌のおにいさんの先代である横山だいすけである。


  • ヤッターゼロ
劇場版平成ヤッターマンに登場した漆黒の犬メカ。
姿はヤッターワンに似ているが、足についているのはガトリング砲とミサイル、尻尾は巨大な剣という兵器同然の身。

◇映画

元々は血気盛んながら正義感溢れる青年であったが、愛する者が死ぬ夢を見てしまった事が彼の人生を狂わせる事となり、悪に堕ちてしまった。
経歴こそ違えど愛故に悪に堕ちてしまったという意味ではサウザーにも通じる哀しき悪役と言える。
そんな彼も当初は巨匠デ・パルマ監督から「陳腐な悪玉」とこき下ろされていた。
彼がそのような底の浅い存在ではなく、僅かに残った良心と数奇な運命に苦しむ「哀しき悪役」である事を示すのが
かの有名な台詞"I am your father."である。

セブルス・スネイプ(ハリー・ポッターシリーズ)
ホグワーツ魔法魔術学校につとめる教師。担当は魔法薬学教師及びスリザリン寮の寮長。
凡そ教師とは思えぬ露骨な贔屓と生徒イビリから生徒、特にハリー達グリフィンドール生の天敵とも言える存在。更に終盤には敵のスパイであったことが判明するも思わぬどんでん返しが…。


◇ゲーム

法月将臣/阿久津将臣 (車輪の国、向日葵の少女)
犯罪や法を犯した者とその監督と義務を解消させるための特別高等人を目指す主人公の監督役であり本作の必要悪。
ベテランの特別高等人であり、少し試験に遅刻しただけの人物を射殺するなど冷酷な指導者である。
作中で主人公の森田健一を何度も試験という名の罠で苦しませた。彼の冷徹ながら心に響く名言は数多い。一見冷徹で血も涙もない人物のようだが過去に自身も試験の過程で愛する女性との別れや親友との決別を体験しており、悪役というよりは主人公が乗り越えなければいけない壁と言えるのかもしれない。

「言われたことしかできない人間を三流、言われたことを上手にできる人間でようやく二流。
森田は、いつになったら一流になるんだ。」


テイルズオブシリーズ始まりの作品におけるラスボスで、当初は典型的魔王キャラであるかのような印象を受けるが、言動に不自然な点もあり結末でその理由が分かるというキャラ。
純粋悪のラスボスが当たり前だった当時のゲームの筋書きに一石を投じたキャラで悲しき悪役でもあるのだが、
やっていることやその理由に数多の問題があることや一部の関連作品による後付けで他キャラをsageまくることで善人扱いになったりもしたため、火種になりやすい存在でもある。
(原作ではあくまでもかわいそうな事情はあるが倒されるのは当然の悪人という扱い)

中世編の主人公。物語開始当初はルクレチア王国に現れた魔王を倒せし勇者だったのだが、中盤辺りから雲行きが怪しくなり、衝撃的な結末を迎えて中世編は幕を閉じる。
上記のダオス同様、王道路線に一石を投じたキャラクター(というか『LIVE A LIVE』の物語構成そのもの)であると言える。
上記の様に一シナリオの主人公も担っており、あんまりにもあんまりな境遇から「RPG三大不幸主人公」の一角にも数えられている。
リメイク版では、末路こそ変わらないものの、ある追加イベントによって、(オルステッドも、スーファミ版当時のプレイヤーも)少しだけ救われることとなった。

人類を滅ぼし大昔の英雄が滅ぼした竜族の復活を望む英雄の子孫。
実の父との血みどろの争いの果てに己と人間そのものに絶望し、千年前の魔竜を解き放つ。

ブレスオブファイアⅣの主人公の一人であり、同作品のラスボス。
約束を破られ、命を狙われながらも防衛に徹していたが……。
呪砲のイベントはあまりにも有名。

アトラスのRPG・ラジアントヒストリアのラスボス。
主人公ストックの上司であり、作中で起こる悲劇の黒幕。
しかしその行動原理は「過酷な運命を背負ったストックを救いたい」というものだった……。
ラスボスでありながらその主人公に向ける愛情の重さから真のヒロイン呼ばわりされる。おじいちゃんなのに

ドラクエ史上最鬱とされる作品のドラクエ7に最初に登場し、プレイヤーの心に衝撃を与えたボス。
兄のパルナを村人から見殺しにされ、その復讐心から魔物へと変わる。
その途中で改心するものの時すでに遅く、
自身の死を持ってしか平和を迎えることができなくなっていた。
戦闘シーンでは一切攻撃せず、パパスのように死ぬまでこちらの攻撃を耐え続ける。
途中で逃げても自害する。

FF史上最鬱とされるFF10のラスボス。
シンを倒すために究極召喚の祈り子になり前のシンを倒したが、
その代償として自身が新しいシンとなってしまった。
彼の精神力によりティーダたちを見守ることはできていたが
シンとしての本能による大量殺戮までは止められなかった。
倒されて崩れ落ちたジェクトが言った「泣くぞ すぐ泣くぞ 絶対泣くぞ ほら泣くぞ」は非常に有名。


◇ドラマ

有名サスペンスドラマシリーズ、「相棒」に登場。主人公・杉下右京の3代目相棒である。
親友の妹を殺された怒りから法の網の目を逃れのうのうと生きている犯罪者を激しく憎悪するようになり、その歪んだ正義感は次第に暴走してゆく。
相棒シリーズに限らず、サスペンスというジャンル自体が登場人物の心理やバックボーンの描写に重点を置いたものであるため、
この手の作品は哀しき悪役を産み出しやすい土壌だと言える。

  • 超次元帝国人
Let's天才てれびくんの悪役で、100年後の異次元空間に住む住人。廃棄物やどちゃもんを動力源とした異次元獣を送り込み地球を滅ぼそうとしたが、これは未来人が勝手に自分の住む場所にゴミを投棄したから。地球係のメンバーがどちゃもんをこっそり逃したりするなど、根っからの悪人でない描写もあったりする。

○オンリー・ロンリー・ローリー
第1の闇のもじ守でミュージシャン。腐のもじもん・ふてくさーるをもじ魔獣にして世界を滅ぼそうとした。
闇堕ちした原因はバンド仲間に曲を盗まれたことと、ネット上で曲を貶されたこと。純粋に曲を愛する人だったことを考えるとこれはあまりにも気の毒である。

○銀沢アイスかずこ
第2の闇のもじ守で元スケーター。氷のもじもん・れいかをもじ魔獣にして世界を氷漬けにしようとした。
闇堕ちした原因は不慮の事故*4でスケーターを引退後、なかなか仕事が上手くいかなかったから。大好きなスケートを辞めてしまったことで精神的に歯車が狂ったと考えれば、それについては可哀想だといえる。

○シロッキー・クロッキー
第3の闇のもじ守で画家。白のもじもん・ほわないとをもじ魔獣にして世界を真っ白にしようとした。
闇堕ちした原因は自分が描く絵を周りに扱き下ろされた上に、唯一絵を褒めてくれる母親と死別したため。
ローリー同様好きだった物を貶された上に心の支えとなる人を亡くしてしまったことに対する辛さについてはかなり同情の余地がある。

○夢見崎★体育
第4の闇のもじ守で動画配信者(というよりはパラサイト・シングル)。名のもじもん・なまえんじぇるをもじ魔獣にして悪事で有名になろうと企んだ。
この闇のもじ守は先述の3人とは一線を画す存在。というのも
  • 闇堕ちの原因がただ有名になりたいというだけ
  • 母親を蔑ろにしており実家の仕事*5を手伝おうとしない
  • 仕事をやりたくないために勝手に人を連れてきて働かせる
  • 言動が残虐なことに加えておふざけ要素もてんこ盛り
という状態のため同情の余地は皆無である。
守守団に敗北したことで日本中に醜態を晒す形で有名になってしまい、立花団長も「(悪人として)有名になった気分はどうだ!!」と一蹴。
自業自得である…かに見えたが後に後述の禍禍団が闇のもじ守を送り込んでいたことが判明したため、4人の闇のもじ守は全員利用されていた身に過ぎなかったことになり、悪に手を染めてでも有名になりたいと思い込んでいたところを禍禍団に利用されていたということはある意味気の毒と言えることになった。

○禍禍団
●暴のもじもん・ぐれんち
手の姿をしたもじもん。乱暴者だが友情を大事にする優しい一面も。もじ魔獣になるまでは朋橋弘至というプロレスラーの体を借りていた。もじ魔獣化に利用したのは朋橋の「試合に敗れた悔しさ」。
闇堕ちした原因はスピード違反動画を投稿したことを動画に映っていた相手に責められたから。
勝手に動画を投稿したぐれんちにも非はあるのだが、責めた方も道交法違反をしているのでぐれんちが一方的に悪いとは言えない*6。加えて動画が投稿されたことにより、車に轢かれかけていた子供が救われたというむしろプラスの結果にも繋がっている。
しかもぐれんちは一方的に否定されるかのような発言を喰らっているためその点については可哀想だといえる。
なお、改心したぐれんちに対しドクターは「ポンコツ」と言っていたため、ドクターにとってぐれんちは人間を滅ぼすための道具に過ぎなかったと思われる。

●金のもじもん・まにーごーるど
ゲルマン系の美女を思わせるもじもん。闇堕ちしている時は口が悪かったが本来はお淑やかな女性である。もじ魔獣になるまでは高橋メアリーというモデルの体を借りていた。もじ魔獣化に利用したのは高橋の「家族のためのお金が欲しい」という願望。
闇堕ちの原因は金田四五六*7という将棋棋士に賄賂を頼まれ、ズルをしてはダメと諭したところ逆ギレされ振られたから。
相手が八百長しようとした上にまにーごーるどに落ち度はゼロであり、これは本当に可哀想な悪役である。*8
これに対して金田は八百長未遂をした上に、説得役をまにーごーるどの恋人である銀のもじもん・ぎんじょるのに丸投げ。無責任極まりない最低の将棋棋士である。
なおまにーごーるどが浄化されたあと、ドクターは「よくも私のもじ魔獣を!」と憤慨していた。このことからまにーごーるどはドクターにとって野望達成の道具に過ぎなかったと思われる。
これは闇のもじ守やぐれんちと同じだが、この6名はもし守守団に勝っていたら即始末された可能性が大である。よって改心させた方が幸せだった筈だ。

●ドクター
禍禍団のリーダーで正体は立花団長の父である立花勇。人間を激しく憎み、闇のもじ守やぐれんち、まにーごーるどを守守団にさし向けるも全員が打ち負かされ改心。そのため自らが動き出す。
たい焼きが好物らしく劇中でよく食べていた。またぐれんちが勝てば守守団を潰せる料理勝負で負ける場面を見た際には意気消沈してしまうなど純粋な一面も。

●力のもじもん・どみねすとろんぐ
黒騎士のようなもじもん。本来は優しいもじもんだったが時の権力者達に利用されては捨てられることを繰り返し、やがて人間を憎むようになってしまった。
これまで悪役とは異なり辛い目を何度も味わっているため、哀しき悪役の名が相応しい。
最終的にもじ魔獣から浄化され、守守団との交流を通して優しさを取り戻した。
もう気づいた人もいるかもしれないが、まにーごーるどの浄化以降は守守団が闇堕ちさせた人に代わって尻拭いをしているも同然なのだ。どこまで無責任な人のために守守団が骨折りしなければならないんだ…

  • ライデェン
天才てれびくんhello,に登場した電子生命体・雷キャで、正体はゲームクリエイターの桜川春一郎*11が子供時代に作ったゲームのキャラクター。
桜川に存在を忘れられた恨みから人間の名前を奪う事を目論んだ。ん!?これってどこかで見たような方法だな…
当初はくろミンに従っていたが、自分の都合で仲間を用済みにしたりこき使ったりする態度にやがて疑問を持つようになる。そして遂に「友人が欲しかった」と心の内を明かし、くろミンと相打ちになり消滅…下かに見えたが、正式に桜川の雷キャとして復活した。

  • てれび騎士(森武美音、丸山煌翔、大野遥斗)
↑のライデェン及び闇のAIくろミンに仕える「てれび騎士」を名乗る少年少女。くろミンにてれび戦士は悪者だと嘘を吹き込まれていたためにてれび戦士と対立していた。



  • シターラ(THE鬼タイジ)
THE鬼タイジにて途中から登場した眼帯をつけた男。一応ラスボス鬼に仕える身分ではあるが、ラスボス鬼が勝っても人間に戻しているなど、鬼に世界が支配されることは望んでいないようである。


●哀しき悪役の位置付けと迎える末路

勧善懲悪をコンセプトにする作品においても主人公だけでなく視聴者や読者へ正義とは何かを問いかける為に突然登場し、
何度も述べている通り普通に倒してめでたしめでたしとはならない存在として扱われることが多い。
また、主人公と似たような設定になっているケースも多く主人公が正義とは何かを見直させるというストーリー的に重要な展開になる事も多い。
その場合、戦闘シーンでは主人公がいつも通りに倒そうとした所その経歴を知って同情してしまい
戦う事に躊躇して本気を出せなくなってしまうという展開もよく見られ、葛藤の末に倒すがそれを後悔し長期間引き摺ってしまうケースすらある。

主人公の決死の説得で改心して仲間になり、罪を償うために戦うという事もあるが、
いくら悲しい過去があったとしても悪事を働いた人物である事には変わりないので、
死亡するケース・生き残るケース両方において、決着後に相応の報いや裁きを受ける展開も当然ながらある。
生存するケースでは普通に拘束か逮捕で済む場合が多いが、死亡を含む悲劇の多い作品では、
和解しそうな雰囲気になったところで黒幕の横槍による不意打ちから主人公を庇って死んでしまったり、
主人公達には許されるものの、当人を憎む存在によって殺害されてしまう等、因果応報ながら悲惨な展開になることも。
だが殺されてしまう末路を迎えても当人は恨みを買う事や殺される事は既に覚悟している事が多く、今際の際にむしろ手を下されたことに感謝することも多い。

ごく稀にだが主人公サイドは被害者側の主張だけを一方的に知らされた為にただの悪と断定してしまったり、
経歴を知っても主人公側が感情論や自己満足、所属組織の受け売りやビジネス等で正義側に属しているだけの存在だった為に、全面否定されたり鼻で笑われたり無視されたりして、
主人公側が何の葛藤も後悔もせずに「いつもの悪役」と同等に殺され、勝利の喜びに沸く一方で哀しき悪役の事情を知る者が人知れず泣く(下手をすれば誰からも顧みられる事無く忘れ去られる)という展開もあったりする。

特にヒーローパロディ、俺TUEEE、ギャグ漫画等では悪役の過去語り中に不意打ちかましたり一々茶々入れしてこき下ろしたり
長話うぜえになって最後の方は寝てるといった行動で煽った後で、
「お前は間違ってる」、「こんな事は許されない」、「僕はこの世界を守る」と言う様な安っぽい綺麗事を語って戦うと言う(見方によっては)胸糞展開になったりもする。


●哀しき悪役がよく登場する作品





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最終更新:2024年04月21日 00:34

*1 実在しない架空の動物だが、脚本段階では実在した絶滅動物「カスピアンタイガー(カスピトラ)」という設定であった。

*2 事実主人公の二人もそれに該当し、救助されなければそのまま怪人として手駒とされていた。

*3 実は1号はこのことを2号から直接聞かされるまで把握しておらず、2号も徳兵衛本人が話すまで知らなかった。

*4 実際に滑る「白鳥の湖」と間違えて気晴らしに聞いていた「スーダラ節」の音源を提出して失格になった。なお実際のフィギュアスケートにはこのような規定はなく、曲を間違えてもアドリブで滑れば採点してくれる

*5 夢見崎の母親は温泉旅館を経営している

*6 事実相手は後で動画でぐれんちに謝っている。

*7 もちろん名前の元ネタは加藤一二三

*8 事実立花団長が闇のもじ守を諭す時と違い、怒気を出していなかったことからも明らかである。

*9 実は当人が正体を明かす前に伏線があった。2期OPには猫のようなシルエットが登場していることや、ドクターが鏡のもじもん・ぎらみーの所有する鏡を「魔の鏡」に変えたことがそれである。

*10 これについて劇中では一切触れられていないが、勇にはレーサーへの願望があったものの立花一族である以上守守団を継がねばならない身にあった。もしかしたらレーサーになりたい願望を利用されたのかもしれない

*11 演じたのはてれび戦士OBの前田公輝

*12 一時期風花は雷キャを所持していたことがあり、それをライデェンが復活させた