リボ払い

登録日:2017/09/12 Tue 19:27:45
更新日:2024/03/07 Thu 19:06:56
所要時間:約 5 分で読めます




リボ払いとは正式にはリボルビング払いと言い、消費者金融やクレジットカードの返済方法の一方式で、毎月決まった金額を返済していく方式。
この記事ではクレジットカードの決済におけるリボ払いについて記述している。


概要

クレジットカード決済で代金を決済した場合、一括払い・分割払いと並んで提示されていることの多い支払い方式。
一番目に付くところで大々的に宣伝されていることが多い。
分割払いと異なるのは、分割払いは個別の支払に対して請求金額が計算されることに対して、リボ払いは全ての支払いをまとめた上で請求金額が計算される点。

と言っても分かりづらいと思うので、
クレジットカードで5万円のカーナビ+1万円の寿司を買った時の、その他の支払い方法とリボ払いの具体的な例を挙げてみよう。
どちらも利子は年利15%として月1.25%の利子とし、リボ払いの利子計算は毎月の支払残高から算出する契約(元金方式)とする。

・分割払い
カーナビを5回分割支払で購入し、その後1万円の寿司を一括払いで購入したとする。
寿司を買ってもカーナビの支払契約には一切関係なく、寿司と合計して最初の1ヶ月の請求額は2万円+カーナビの分割金利手数料125円である。
翌月からはカーナビの代金+利息の10,125円の支払だけになり、それを残り4ヵ月の計5カ月で完済する。
途中Blu-rayを買おうが定期券を買おうが、このカーナビの月10,125円の支払い金額や期間は変わらず、支出総額は60,750円となる。

・リボ払い
一方、リボ払いは個々のクレジットの利用に支払い方法を決めず、利用した分すべて総額に組み入れ、返済方法は総額に対して決める。
カーナビと寿司の例で考えると、月1万円支払のリボ払い契約として、5万円のカーナビを買うと総額5万の月1万+利息の支払の5ヵ月間支払いになる。
その後1万円の寿司を買うと利用総額は6万円になるが、月々の支払額は1万円のまま変わらないため完済までおよそ6ヵ月かかることになる。
この間の利子は毎月の利用残高が基準として、初月は60,000円の利息750円となり、翌月は50,000円の利子625円。
そこから500、375、250、125となっていき、支出総額は62,000円となる。
途中アニメグッズやらゲームやら漫画などを買っていくと更に支払期間と支出総額は増えていく。

※実際の契約内容とは異なる部分があるのでご注意ください。


種類

  • 定額方式
契約などの段階で設定した一定の金額を毎月返済する方式

  • 定率方式
毎月の締め日時点での支払残高に対する一定の割合をその月の返済額にする方式

  • 残高スライド方式
定額・定率方式と組み合わされる方式。支払残高が多くなるほど段階的に返済額が増えていく。

更に定額・定率・残高スライドはそれぞれ以下の方式に分かれる。
  • 元利方式
毎月の支払額の中に利子を含めるもの。言い換えれば「毎月の支払額-利子」が元金の返済に当てられる。
支払金額が定額となるので一見シンプルに見えるかもしれないが、支払総額はむしろ分かりづらくなる。
利子の分も考慮して支払うために支払い期間がより長くなる傾向にあり、当然利子もその分高くつきやすい。

  • 元金方式
毎月の支払額とは別に利子を支払うもの。定額方式でも残高によって利子分が一定にならないため、完全な定額にはならない。
その代わり、設定してある定額分の返済はきちんと進むので、元利方式と比べれば残高は毎月着実に減っていく。
例えば定額方式で毎月1万円の返済、未払い残高が5万円で利子が15%だとした場合、
最初の月の支払金額は17,500円で、2ヶ月目は16,000円、3ヶ月目は14,500円…という具合に未払い残高が減っていけばそれに応じて利子も減っていく。
逆に途中で未払い残高が増える(カードを利用して決済した)と利子分が増える。
元利方式とどちらが安くなるかは、ケースバイケースとしか言えない。


問題点

  • カード利用額が増えても毎月の支払額が変わらないため、知らず知らずに無駄遣いをしてしまいやすい
  • 使用金額が増えると返済期間が延び、利息負担が激増する
  • 利子は劇的に増えやすいのに支払総額がわかりにくく、利息の多さが実感しづらい
  • 支払いを勝手にリボ払いにする「自動リボ払い」制度が横行している

リボ払いはカード会社からしてみれば個別の決済において一括・分割を指定するよりも多くの利息を取れるので非常にメリットが大きい。
更にコンスタントに利用した場合支払いが終わらないので、他の支払いより継続して利息を取れやすいこともポイント。
カード会社が高めのポイント還元率などの特典を用意してリボ払いを強く推奨してくるのはこういう事情がある。
もちろん今の所違法ではないので、リボ払いを推奨しているからといって悪徳会社というわけではないが、契約内容に注意しよう。

キャンペーンなどに釣られたり、営業電話などを断り切れずに「自動リボ払い」にしてしまったりするケースもあり得る。
また、契約の書類はキチンと確認して、自動リボ払いの項目を必ずチェックしてから契約すること。
あまりないと思われるが、タチの悪い場合は半自動的にリボ払いにされることもありうるので、リボ払いなんてしないと決めている人も注意しよう。


長所

利用者からすると、まともな長所はないと言ってもよい
「分割払いではなく実質的には借金しているだけ」と解釈するのが妥当という意見も強いほどである。
まあ、クレジットカード自体「信用取引」である時点で借金なんだけども。

前提として、前述したように分割払いの方が利息が安い場合がほとんど
分割払いは2回払いまでなら利息がつかないことが多いため、その場合更に出費額に差が開くことになる。
本来ならば、一括払いが出来る収入を得てから買うなり、貯金してから買う方がベストなのは言うまでもない。
ただし、全ての支払い残高から利息を算出するという性質上、決まった日数や月数ごとに細かく利息計算するので、
契約内容と支払い内容によっては分割払いよりも利息が少なくなる場合もあり得る。
もっとも、そうなるケースは極めて限定的である上に、何かを追加購入するとひっくりかえりがちなので、やはり玄人にもお勧めしがたい。

最大分割(会社によるが多くて36回が主流)でも1回分を直ぐには払えないからリボで、という場合もあるかもしれない。
しかし、その場合最大分割しても1回分を払えないような金額+利息の商品を買うという行動のリスクを冷静に考えるべきだろう。
また、そこまでの額になるとローンの方がマシなことも多く、パソコンなどの高額な商品はローンの金利を販売店側が負担してくれる場合もあり、その場合(リボ払いや3回以上の分割よりも)総額は少なくなることが多い。
そこで審査に落ちるようなら見通しが甘いか破綻しているということなのだから。

言ってしまえば、「毎月の支出額が一定になるので金銭管理が楽になる」……というのが唯一のメリットなのだが、これは問題点と直結している
リボ払いで支払額を固定しないと困るほど収入or管理能力がない人間は、必然的にリボ払いのドツボにハマる確率が極めて高いのである。
使うべき人間に最もオススメできないのだから、メリットがメリットにならない。

直接の長所ではないが、積極的に使ってもらうためにカード会社が多大なポイントサービスを付与していることも結構多い。
もちろん普通にリボ払いしているのでは、利息>ポイントになるため得することは絶対にないが、返済額をできるだけ多く設定し、なおかつ一月の利用額を返済額の範疇に収めることで、「ポイントだけ受け取りつつ利息は殆ど払わない」という荒業もないことはない。
とはいえ、カードとしての利用枠が非常に小さくなるため、「クレジットカードとしての利便性」を明らかに犠牲にしたやり方になるので、「そこまでするか?」という疑問も大いにあるのだが……。


もし利用してしまったら

リボ払いを利用した場合は、出来る限り一括返済や支払額の増額を利用して早めに返済してしまうと良いだろう。
基本的にはリボ払いでも任意の支払日の一括返済や月々の支払額の一時増額を受け付けている事が多く、中には利用明細に上がった時点で返済できる会社もある。
こうしなければ悪質な企業として苦情が多数寄せられることが予想されるためだが、無い場合もあるかもしれないので注意。

どうしても使用する場合は、リボ払いで支払う物を限定して、何でもかんでもリボ払いにしないようにしよう。
そして返済が終わるまでは、なるべく新たなリボ払いを増やさないようにすることが重要。

また、カードを契約する時は「自動リボ払い」の項目を必ずチェックすること。

あまりにも支払総額が膨れ上がり、返済が困難になった場合は「債務整理」という選択肢もある。広告でよく見かける減額手段でもある。
どの債務整理を行うかは、弁護士などと相談して行うことになるが、いずれにしても借金を減額することが可能。
ただし、借金を0にすることは出来ず、一定期間クレジットカードやローンなどが利用出来なくなるといったデメリットもある。
借金 のページも参照してほしい。


その他

近年では軽率にリボ払いを選択し借金が減らなくなった人の失敗談も広まっており、「仕組みはよく知らないが危険らしい」といった認識を持つ人も多くなっている。
そのためかカード会社によってはリボ払いを「定額払い」等の別名に言い換えて宣伝を行っている例もあるので、利用する前によくサービスの内容を確認しておくべきだろう。

リボルビング(Revolving)は回転するという意味で、アニヲタにはお馴染みの回転式拳銃(リボルバー)と語源が同じである。
ネーミングした側は毎回一定の弾(金)が発射(返済)されるというイメージからこの名前をつけたかもしれないのだが、その実態は借金を延々とリロードし続ける羽目になるし、下手をこけば鉛玉をぶち込まれる可能性もあるので本当に近寄るべきでは無い。


追記・修正は、毎月の支払額と未払い残高をきちんと把握した上でお願いします。

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最終更新:2024年03月07日 19:06