マインドシーカー

登録日:2017/09/06 (水曜日) 22:40:02
更新日:2024/02/19 Mon 22:18:55
所要時間:約 3 分で読めます





このソフトは あなたの せんざいいしきの
なかに ねむっている サイキックパワーを
ひきだすために かいはつされた、
ちょうのうりょくかいはつソフトです。

エスパーキヨタの たいけんに もとづいて
げんみつに シミュレートしているので
あなたの マインドレベル にあわせて
トレーニングを すすめれば かならず
あなたもちょうのうりょくしゃに
なれるでしょう・・・・・・・。




概要

「マインドシーカー」とは、ナムコがファミコン向けに開発・1989年に発売してしまった、
「ファミコンを通じて超能力を開発する」という無茶ぶりテーマのコマンド選択式のアドベンチャーゲームである。
その監修は7~80年代に一世を風靡した超能力少年・エスパー清田こと清田益章である。発売当時すでにトリックバレしてたことは内緒

主な内容は、超能力開発センター内でトレーニング&卒業試験を行う前半と
サイCity内でのイベントを行い超能力の腕を磨き、最終的にエスパー・キヨタに会うことが目的となる後半で構成される。
そしてゲーム内では「サイポイント」というものがあり、集めて「サイレベル」を上げることによりストーリーが展開していくことになる。


内容

ゲームの内容はすべて「透視」「念力」「予知」で構成されている。


●透視…裏返しのカードの内容や、箱に隠されたものが何であるかを当てる5択問題。

●念力…スプーン曲げや花を咲かせる、物体のテレポートなどを行う。Aボタンを「念じながら」押して、成功数がノルマを超えれば成功となる。

●予知…次に光るランプを当てる、次に目の前を通る車の色を当てるなどの5択問題。


これらを成功させるたびに「サイポイント」という経験値を獲得することができ、一定数集めることでその都度「サイレベル」が上がっていく。
サイレベルが上がるたびにストーリーが展開され、エスパーキヨタからの電波なありがたいメッセージを受け取ることができる。
サイレベルが11(ゲーム内では「∞」と表記)に到達すれば、パワースポットでの
最終試練への挑戦権を得ることができる。


因みに問題が透視であるのか予知であるのかは、内部プログラムでは

「選択肢が提示された時点で答えが決定している(透視)か、
選択肢を選んでAボタンを押した時に初めて正解が決まる(予知)か」

という違いが存在するが、普通にプレイしている分には画面上からはプレイヤーは一切知ることができない。


なお、冷静に考えれば予知はともかくとして

透視ならばゲームを映しているテレビの中身が見えるのではないか?
念力ならばそもそもコントローラーを触らずに操作すべきではないか?

というツッコミどころが存在するが、あくまで手で操作して画面に映ったものを透視するのである。
なお、実は透視に関しては表側のカードの絵に裏側のカードの絵を重ねたレイヤー構造になっており、
本当に透視能力があれば分かるという無駄に凝った作りをしている。念力は…多分使えても無理


◆超能力開発センター

ゲーム開始直後のチュートリアルの場。まずはここで上記のトレーニングを行う。
最後に卒業テストを受け、見事合格すれば晴れて卒業となり、サイCityへ出ることができる。
ただし、この卒業テストの時点で既に難しく、投げる人はここで投げる

◆サイCity

サイレベルを高める作業の場。開発センターを卒業するとこの街に出ることになる。
様々な場所を訪れ、街の人々に超能力を披露し成功させることで、サイポイントを獲得できる。
イベント中のチャンスは5回で、すべて失敗するとサイポイントを得られずにイベント終了。
マップ中のイベントをすべてこなした後は、別の場所に移動することでイベントが復活する。
このゲームの中で最も長い部分。多くのプレイヤーはここで心を折られていく。
サイレベルが上がると、成功した時に得られるサイポイントとイベントの箇所が増えていく。

◆サイランド

Cityマップ左下にあるゲームセンター。
サイポイントを賭けてゲームに挑戦し、勝利すると賭けた分の倍のポイント
(「ぱねる」ゲームには3倍マスも存在)を得ることができる。
賭けられるポイントはサイレベルによって固定。
サイレベルが3以上無いとゲームに挑戦できず無駄足となってしまう。

◆サイサロン

Cityマップ中央にある、開発センター卒業生のたまり場。
中央に居座るエスパーありまがスプーンを使った超能力の披露を要求してくる。
サイレベルが上がるとガムの自販機やシンセサイザーが使用できるようになる。

◆サイパーク

Cityマップ右上にある、住民の憩いの場。
噴水の前にいるマミがテレパシーを送ってくるが、初期レベルでは
テレパシーを拾えず会話ができない。
サイレベルが上がると噴水を出したり花壇の花を咲かせることができる。


また、街を移動中に呼び止められることがあり、その場合強制的に超能力を披露させられる。
こちらは通常のイベントと違い、失敗するとサイポイントが減少してしまう。あんまりだ。
しかも、とある老爺に至っては、失敗すると「それで卒業生を名乗るか」みたいにボロクソに言ってくる
理不尽すぎる。当然プレイヤーからは蛇蝎のごとく嫌われている。

サイレベルが∞に到達することで、最後の試練が待ち受けるパワースポットに挑戦できる。

◆パワースポット

最終試練の場。
3つの扉を、念力を40回中24回成功させることで開けるという内容。
この24回という条件がわりと馬鹿にならず、ドツボにはまれば開けることもままならなくなったり。
加えて、3つ目の扉は5つの中から本物を透視して当てなければならない

なんとか念力を成功させても偽物の扉だったら駄目だし、本物を的中させても念力が失敗すれば駄目。
失敗すれば、2番目の扉まで戻されてしまう。

実際にプレイした暇人有志の試算によると、最終イベントをクリアできる可能性は0.35%
195回プレイして50%の確率でクリアできるかもしれないというとんでもないものである。
見事突破することができれば、エスパーキヨタのメッセージと共に感動のフィナーレとなる。


ちなみに、一度ゲームをクリアしたデータは名前が「かみ」となり、パワースポットの
念力のノルマ24回が20回に緩和される。 遅ぇよ

問題点


詰まる所、究極の運ゲー

結局は超能力なぞ最初から問題ではなく、5択問題も念力も擬似乱数を突破できるか否かでしかない。
当然のことながら、このゲームをクリアできたとしても超能力が身につくことは一切ない。
ゲーム画面の木が動いたからと言って、現実世界の木が動いたりもしない。

「このゲームは たのしみながら ちょうのうりょくがかいはつされるように シミュレートされています」とはなんだったのか。
というか、エスパーに通常のデバッグしてもらっていないと明言されてるのに……

むしろこれを簡単にクリアできる人は透視能力者でも念動力者でもないが、すでに予知能力者と言える


忍耐力や、ある種の悟りなら開けるかもしれないが。








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最終更新:2024年02月19日 22:18