ギラ・ドーガ

登録日:2010/07/03 Sat 01:19:04
更新日:2024/03/18 Mon 16:13:09
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地球がダメになるかならないかなんだ、
やってみる価値はありますぜ!


ギラ・ドーガは「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」に登場するMS。

ギラ・ドーガ
型式番号 AMS-119
所属 ネオ・ジオン軍袖付き
開発 アクシズ(原型機設計)
製造 アナハイム・エレクトロニクス社・グラナダ工場
全高 20.0m
本体重量 23.0t
全備重量 50.8t
出力 2,160kW
推力 54,000kg
センサー有効半径 16,400m
装甲材質 チタン合金セラミック複合材

武装
ビームマシンガン
ビームソードアックス
シールド
(グレネードランチャー×4)
(シュツルム・ファウスト×4)
電磁ワイヤー


□機体解説

U.C.0093に起きた第二次ネオ・ジオン戦争において、ネオ・ジオン軍が主力として採用した量産機
引き締まった四肢、左右のショルダーアーマーに生えたスパイクとシールド、モノアイなど旧ジオン公国軍機に近い意匠を備える。
一般機の装甲は濃淡二色のグリーンで塗装されている。


ベースとなった機体は資料によって異なるが、グリプス戦役後期に開発され、第一次ネオ・ジオン抗争末期のアクシズ陥落時に持ち出されたもの。
マラサイと明示されている資料もあるほか、時期的にザクⅢではないかと憶測される事もある。
マラサイがハイザックをベースとしているため、遡るとザクⅡから分岐した直系と言うこともできるだろう。
その後、シャア率いる新生ネオ・ジオンにてモニターや操縦系など諸装備の強化を行い現行の仕様へと設計が改められ、アナハイム社のグラナダ工廠で量産に向けた微調整が施された上で本生産が行われることとなった。

上記のように原型自体はグリプス戦役から第一次ネオ・ジオン抗争時代のものだが、当時のMSに顕著だった火力などを重視した所謂恐竜的進化方針とは異なる、ザクⅡやマラサイの特徴だった汎用性や性能バランスの良さを重視した機体特性を引き継いでいる。
基本性能も原型機当時の一般機に比べて遥かに高い水準を獲得しており、第二次ネオ・ジオン戦争時の連邦軍次世代主力機・ジェガンと大差は無いレベルとなっている。
拡張性の高い堅実な設計で生産性に優れ、稼働率の高さや使い勝手の良さ等から、古参から新人パイロット・メカニックからの信頼も厚く、連邦軍パイロットからも評価されている。

基本的には宇宙空間用の機体のため、バックパックは大量の推進材を積む(高機動型ザクⅡ以上のプロペラント容量)ため大型の物になっている。
100機あまりが量産され、そのうち82機がネオ・ジオン軍に配備され実戦に投入された。
うち10機は小隊長機としてブレードアンテナの搭載、パーソナルカラーの塗装、武装・仕様変更が許可されていた。
ギラ・ドーガは本来指揮官機を作る予定はなく、別に指揮官専用の機体を開発するはずだったが、その機体の開発が遅れたためにギラ・ドーガを指揮官用に改造することになった。
また、サイコミュ兵器を搭載したヤクト・ドーガ、大型火砲「ランゲ・ブルーノ砲」を搭載したタイプなどバリエーションも多数あった。

しかし、生産時点で既に機体設計は根本的にやや古臭い物であり、戦争自体もネオ・ジオンの敗北という結果となり生産は早期に終了した。
後年には残存した機体が後継機のギラ・ズールと共にネオ・ジオンの残党軍「袖付き」でも使用されたが、使用勢力の小ささやジオン系の紛争が下火になっていった事も加わって、
かつてのザクⅡのように普及する事は無く、名機は歴史に埋もれて行った。

主なパイロットはネオ・ジオン一般兵、レズン・シュナイダーや連邦軍のシド・アンバーなど。
レズン機は青く塗装されている。
シド機も青く塗装されているが、こちらは連邦軍が接収したギラ・ドーガを独自改修したもの。頭部がザクの様なモノアイタイプではなく、ジムの様なゴーグルタイプになっている。

また、シドは30年後のF90の時代において、乗っていたF90を強奪された後は本機を使用しており、
「ギラ・ドーガはいい機体です。特に反応系はジェガンの比じゃありません」という発言を残している。
ジェガンの方がカタログスペックでは推力が上にもかかわらず、反応系はジェガン以上というのが、本機が本機たる由縁だろう。
しかしその台詞を言った相手が連邦の作った悪魔の力ガンダムを渇望して止まない男だったというのはある意味では皮肉であろう。その時は嬉しそうにしていたが…。
一方でその3年後の『シルエットフォーミュラ91』では骨董品扱いされている。
シド機は0120年代の技術で改修されている*1のに対して、『シルエットフォーミュラ91』のレイラ機は30年前の機体そのままだったからだろう。
……そのシド機の活躍はというと、全編通じてやられ描写しかない。F90に模擬戦で負けるのはともかく、オールズモビルの一般兵にも「ザコ」と押しのけられる。なんなら一般兵ジェガンのほうが敵MSを撃破している。
確かに、相手は「特に高性能」といわれるゲルググやギャンだったが……

なお、『ギレン暗殺計画』では首都防衛大隊の元隊員かその関係者が搭乗したと思われる、同隊仕様カラーの機体の目撃例が存在する。



□武装

2連の砲口を持ち、モードの切り替えによって単射と連射が行える。下部にグレネードランチャーを装備。
隊長機用も存在し、砲口は1門でグレネードランチャーは装備されていないが、一般機用と比べて高出力を誇る(レズン機が該当)。
一般用はギラ・ドーガ専用というわけではなく、『ガンダムUC』にて袖付き仕様のズサゲルググも使用していた。

  • ビームソードアックス
汎用性に優れたビームソード、貫通力の強いビームピック、切断力の強いビームアックスの3種類のビーム刃を作れる優れもの。

長方形のシールド。
上部先端に小型グレネードランチャーを装備してあり、中央付近で折り曲がることで発射角度を調整出来る。

  • シュツルム・ファウスト
ジオン御用達の使い捨てのロケットランチャー。シールド裏に四本装備。
コストパフォーマンスが高く使いやすい。

  • 電磁ワイヤー
ハンブラビが装備していた海ヘビに近い特殊兵装。
敵を捕縛して電気ショックを与える。



□バリエーション

ヤクト・ドーガギラ・ズールなど複数の派生機種が存在する。
その他はギラ・ドーガのバリエーションを参照。



ガンプラ

1/144、BB戦士、HGUC、MGで発売。

1/144旧キットは当時の逆シャアキットの中でも屈指の良キット。
プロポーション良好な上、ビームマシンガンが3挺(一般機用のストック縮・ストック伸・指揮官機用)も付属し、ビームソードアックスも3形態+収納状態が付属。武装については後述のHGUCより豊富である。
一般機と指揮官機のコンパチ……なのだが、組み換え方法が デフォルトで生えてるアンテナを折る という豪快かつ不可逆なもの。そのため折って一般機にしてしまうと指揮官機に戻せない。

BB戦士は「SDガンダム」の名を冠した最初期に発売。
シールドにスプリングギミックが仕込まれており、シュツルムファウストを発射可能。そのせいでシールドが箱状になっているのはご愛敬。
こちらも角付きで造形されており、一般機にしたい場合は角を折る必要がある。そのせいか一般機用のビームマシンガンが付属していないのが残念。
後に「Gジェネレーション」シリーズとしてリデコされ、ギラ・ドーガ改とのコンパチ仕様になった。
何気に貴重なギラ・ドーガ改のキット化である。
更に逆シャアのBB戦士を集めた「逆襲のシャアセット」も発売。このセットにはギラ・ドーガが一般機カラーとレズン機カラーの2機入っている。

HGUCは一般機とレズン機が通常販売、更にプレミアムバンダイフロンタル機と袖付き仕様が発売。成型色のほかに付属品が異なる。
HGUC版は発売された年代故か目立つ合わせ目はあるが数は少なく、更にHGでありながらポリキャップが一切見えない。関節の可動域が非常に広く、逆シャアのキットの中では一番良く動く。特に肩関節はデスティニーガンダム等にも採用されているL字型の関節を使用しており、頑張れば大剣系の武器を両手持ちで構えさせる事さえできる。
ビームアックスはクリアーパーツ。一般機はアックス、ピックのみだがレズン機にはサーベル用刀身が付属する。
フロンタル機はギラ・ズールのビームマシンガンが付属するが、新規パーツの取り付けには接着剤必須。
袖付き仕様はアイザック・ガザCとの3体セット。成形色と袖回りに新規パーツが付く他は一般機と同じ。

2013年に発売されたMG版はプロポーションが非常に力強く、付属品もほぼコンプリート。
フレームパーツは全てKPS製で組み立てやすい。
ハンドパーツも豊富で、左手用の銃持ちパーツまであるので二丁ビームマシンガンだってできる。
また、武器持ち用手首とは別に、指の一部が可動して表情をつけられる「エモーションマニピュレーター」が付属している。
下半身のバランスに難はあるが、そちらも股関節の組み方を少し変えるだけで殆ど解決可能。
加えて、合わせ目の数が更に減っており武器以外はバックパックに一つだけ、という見事なパーツ分割を実現した親切仕様となっている。
別売りのLEDユニットを内蔵することでモノアイを発光させることも可能。
レズン機はHGUC版とは違ってプレミアムバンダイ限定。
同じくプレバン限定のフロンタル機と袖付き仕様機もあり、そちらはシールドの接続方式が変更されているので取り回しがより向上した。
フロンタル機にはHGUC版同様ギラ・ズールのビームマシンガンが付属。こちらは全パーツが新規金型で、仕様を本機用とギラ・ズール用に組み換え可能。



□ゲームでの性能


敵量産機として登場。最近の優しいスパロボなら、基本的には一山いくら的な扱いの雑魚。それでもMS系雑魚としては強い部類に入る。

IMPACTでは隠しステージ限定ということもあってか、かなりの強敵になっている。適当なスーパー系より強い。
改造度合いにもよるが、グレートマジンガーなどが一撃で撃墜されていく様子は何かの冗談だと思いたい。

30ではシリーズ累計1900万本出荷突破記念のDLCシナリオにて型番がAMS-119なためか、大挙として祝いにやってくるというまさかの大役を任されたりもしている。
HPが無改造で1900しかなく、「1900」を模した陣形を絶対に崩さない(=移動しない)というネタっぷりも見せた


アクシズの脅威から登場。3機編成の量産型と1機編成の指揮官型が登場する。
レズン専用機は、本人を乗せた指揮官を改造して作製する。
ギラ・ドーガから派生するヤクト・ドーガからネオ・ジオン系のMS・MAに発展していくので、そういう意味でも重要な存在。

量産型は、ジオン系量産機の最高峰でライバル機のジェガンとほぼ同等の高い性能をもつ。
Vだと更に上にメッサーがあるが、生産性はこちらの方が上。
武装が多いという特徴があり、条件を揃えてやるとかなりの火力を発揮する。
指揮官機はアンテナが増設され、若干性能が向上。オールドタイプのパイロットを乗せるのに向いている。

ただ、量産機として活躍させるにはかなり厳しい。
プレイヤー陣営では製造に必要な開発レベルが高いため、作れるタイミングがあまりにも遅い。また、第一武装のビームマシンガンの命中率が55%と低いため、指揮効果の低い状態で仕掛けると意外にスポスポ外れてしまう。
試作機を前線に送れればいいレベルで、量産・運用する頃にはもう終戦、ゲームクリア間近だろう。
また、変形で進軍が素早い上、ギラ・ドーガとほぼ同等の性能を持ち、ダメ押しに素早く完成する量産型バウという最大のライバルが存在する。
その前にも、ジオン系の陣営では優秀な量産機がいるため影は薄い。

量産型もそうだが、ギラ・ドーガ指揮官機も悲惨を極めている。
指揮官機はOT用にしては限界*2性能が高いが、それを考慮しても遥か以前に出来るバウにまたもや使い勝手が劣るのが難点。
性能自体も通常のギラ・ドーガから僅かに強化された、としか言えない微妙な数値。
後継機となるヤクト・ドーガが、パイロットを乗せる機にはファンネル抜きでもありとあらゆる面で優秀。
正直、開発した一機目をヤクトドーガにするぐらいしか使い道がない…。

敵陣営では、ネオジオン(シャア)の初期配備機体としてそこそこの数がいる。
が、ネオジオン(シャア)は大抵最後に戦う勢力、所謂ラスボスであるため、ほとんどのプレイヤーが出現前に十二分過ぎるほど軍備を整えてしまっている。
なので、ジェガンほど強さを感じない。
連邦ではEx-Sやジ・O辺りに、ジオンではゲーマルクや量産型キュベレイ辺りににボコられるギラ・ドーガ達はもはや恒例行事である。

散々こき下ろしたが、アクシズの脅威Vのネオジオン(シャア)編をVERY EASYで始めると、救済措置としてサザビーやヤクト・ドーガと共に多数のギラ・ドーガも配備される。
もちろん、レズン専用ギラ・ドーガも本人の元にしっかりと用意されている。
本来はシャアやグリプス戦役前後の旧式MSを駆使して、ジェガンを乗り切るシナリオだが、ギラ・ドーガのおかげで正面から張り合えるようになる。
劇中のように、ジェガンVSギラ・ドーガの構図を楽しもう。

高い機体性能、堅実的な武装と言えば聞こえはいいが、空も飛べず火力も不足がち、
防御アビリティもシールドのみと量産機特有の汎用性がゲームでは足を引っ張る。
一応シュツルムファウストのおかげでジェガンよりは火力が高いがメインが連射なので安定しない。
敵として登場するときはちょっと厄介。ユニットが育っておらず同程度の性能だと数で押し切られるので注意。

が、開発・設計素材としてはすこぶる優秀。
特に長く開発しても結局はジャベリンなど量産機しか作れない事が多いジェガンと比べ、
ギラ・ドーガはなんとサザビーナイチンゲールはおろか、
最新作ではギラ・ズールを経由してシナンジュまで作れてしまう。
これはジェガンにはない大きな利点である。

しかもシナンジュからユニコーンガンダムにも派生する(シナンジュがユニコーンガンダムのプロトタイプ的な機体の為)。
正にジオン脅威のメカニズム。


  • ガンダムアサルトサヴァイブ
U.C.0093ネオジオンシナリオの初期機体。
速射性に優れたビームマシンガン持ちなので、
予備弾倉かウェポンラックを装備して機体とビームマシンガンだけを強化すれば他機体を使わずとも余裕でクリア出来る。
欠点としては実弾系がグレネード類なので、エースクラスには滅多に当たらない為リロード中のサブウェポンとして使うには微妙
(ビームマシンガンがそれなりにリロードも早いので使う機会は戦艦やIフィールド持ちのMAくらいにしかないが)。


  • 機動戦士ガンダムバトルオペレーション2
500コスト汎用機。劇中のライバルであったジェガンと同コスト同カテゴリ。
600コスト並の優れた防御性能にマニューバアーマー、更に3種格闘を備えた格闘戦の鬼。
特に電磁ワイヤーは強よろけなためコンボ火力は眼を見張るものがある。
実装当初は主兵装含めた即よろけ武装と射撃火力に難点*3を抱えジェガン共々癖がある機体扱いだったが、
性能調整でシュツルム・ファウストが実質2発に増弾&選択式主兵装に指揮官用ビームマシンガンが追加された事で立場が改善。
足回りも若干向上調整され、射撃もある程度できる格闘機として生まれ変わった。
特に優れた防御性能はゲームルール上腐ることが滅多にないため、500コストの初心者向け入門機体としておすすめ。




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最終更新:2024年03月18日 16:13

*1 ジェガンも三十年で大幅にアップグレードされている。

*2 パイロットの能力を引き出す数値。これよりもパイロットの能力が高い場合は頭打ちになる。

*3 短射程単装填を2種のみのため射撃手数が不足し、ビームマシンガンを含めて射撃火力が壊滅的