黒柳亮(焼きたて!!ジャぱん)

登録日:2017/7/23 (曜日) 18:54:00
更新日:2024/03/17 Sun 13:49:03
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採点を始める。
1番…-10! 2番も-10、3番-6、4番-8、5番-8、


「え!?ちょ…ちょっと待ってください!!」


なんだ?


「味見もせずに、どうして点数が決められるんです!?」


私だからだ!!


味わわずとも私なら判る。以上!



黒柳亮は焼きたて!!ジャぱんの登場人物であり、ある意味で影の主役と言っても過言ではない男。
CV:子安武人


【概要】

国内大手ベーカリー・チェーン「パンタジア」本店に勤務する青年。劇中では審査員や解説役担当。
血液型AB型。年齢は22歳。
ハーバード大学出身にして僅か19歳で飛び卒を果たした秀才科学者であり若きエリート中のエリート。
学歴のみならず眉目も秀麗なまさに完璧超人。
……なのだがその実態は作中最大の変人にして問題児であり狂人である。


【略歴】

現在でこそ審判や審査員を務めているが職人としての技量も優れており、留学中や帰国後もパン作りの公式戦ではパンタジア新人戦まで100連勝を誇る実力の持ち主。
今の地位に位置しているのはパンタジア入社後に行った松代健との勝負に敗れ、パン職人の道を挫折したため。

その後は松代に弟子入りしパンタジア本店で勤務することになるが、この時極めて鋭敏かつ恐ろしいほど正確な味覚と嗅覚を持っているという新たな才能が発覚。
黒柳をパン職人ではなくプロの味覚審査員に育てたいという松代の意向と自身の意向が合致したこともあって味覚審査員の資格の取得を決断。
極めて厳しい味覚審査員の試験を突破して今のポジションに辿り着き、劇中でのパンタジアの審判を務めるに至った。
才能こそ本物であるが、挫折を経験しながら腐ることなく、そしてその才能に驕らず必死に努力を重ねてきた努力の人でもある。

世界大会終了後、帰りの飛行機内でサンピエールのオーナー・霧崎雄一に遭遇。
邂逅時は彼に反感を抱き、霧崎からのフリーの味覚審査員への転職の提案も当初は断る腹積もりだったが、
師である松代の真意を偶然にも知ったことで彼の想いに応えるべく、最終的に霧崎の申し出を受託しパンタジアを退職。
以後フリーの味覚評論家に転職し「焼きたて!! 25」の司会兼審査員として登場。
初TV司会者とは思えぬ肝の据わったいつもの言動や立ち回りを見せている。


【性格】

性格は傲慢不遜にして自己中心的。おまけに冷徹且つ非常識。
パンに対する思い入れや拘りが強すぎるあまり、パンに関係する事柄に関しては一切の容赦も妥協もしない冷血漢。
自らが評価するに値しないと感じたパンはゴミのように扱い、出来の悪いパンや不味いパンを作った職人に対して


よくできたパンは弾力があり、指で押してもすぐ復元する。だがキサマのパンは…戻らない!!!

ついでにイースト臭もキツイ。発酵が足りない証拠だ!

貴様のパンは-10どころか-20に値する!!! 帰れカス!!*1


というように公衆の面前で堂々と「カス」「クズ」などと平気で罵倒し、
採用試験時の際には清潔感のない者は容赦なく失格を言い渡すなど、他者には極めて苛烈に接する。
加えてマナーにも五月蠅く、気に入らない人物に対しては悪魔のように冷酷になる。
時には美味いパンを食った後「その味の余韻を邪魔されたくない」という理由で後続の選手の審判を食べもせず放棄することさえある。
初期の頃でも対戦相手のパンを全て食べず、片方の相手のパンだけ食べて判決を下すこともしばしばあった。
文字通り「俺がルールブックだ!」を地で貫く男。


ここまで書くとただの理不尽な暴君であるが、きちんと技術的に評価できる点は客観的にきっちり評価し、
例え自身が気に入らない相手であっても敵味方問わず美味いパンを作れば素直かつ公平に賞賛した上で、敵味方の区別も贔屓もなく、ただ美味いもののみを評価している。
罵倒や酷評についても、実の所あまりにも理不尽なものはそこまでない。
パンの出来が悪ければボロカスに貶すが、理由を求められれば貶したパンであっても何故そのパンがダメなのか律義に詳しく解説してくれる。
人を気遣う心が皆無という訳でもなく、状況によっては温情措置を取ったり、他人を慰め鼓舞し今後の生き方について励ますこともあるなど根っからの冷血漢という訳ではない。

彼の苛烈な言動はあくまで徹底的に公正な判断を貫いた結果なのだろう。
ある意味昔ながらの職人気質を拗らせたような男。
その公平さから、こと審査において劇中では敵味方問わず全ての登場人物から高い評価と信用を勝ち取っている。


しかし老人以上に豊富な知識に加え、神経質で説教臭い所や厭味ったらしい発言、グチる事が多い等から年齢以上の年増に見られることが多い。
開幕早々「おじさん」呼ばわりした東和馬に対してはマジ切れし、以後彼からは苦手意識を持たれるようになった。
これに関しては東自身にも否があるといえるので自業自得と言えば自業自得と言えるのだが。

地味に子供っぽい所もあり、世界大会篇ではピエロに解説役を取られて拗ねる姿も見られた。


だが黒柳の真骨頂は上記のような堅苦しい一面ではない。


【能力】

知識のみならず能力に関しても極めて優秀であり、確かな知識に裏打ちされたパンに関する見識は極めて豊富。
世界各国は愚か古い文献にのみ記されたパンの製法にも精通し、その認識力は職人の手つきや作っている生地の状態だけでパンの出来の良し悪しを判別、
並大抵のパンならば食べずとも見たり匂いを嗅いだだけでそのパンの欠点や出来を見つけ出せる。

しかし流石に奇想天外な発想力と天性の才覚により作られる東のパンは、彼の眼力を以てしても基本見抜くことはできていないので実際に食って確かめている。

嗅覚も極めて鋭敏であり、美味い焼き立てパンの匂いを辿り相手を追うことも可能。
おまえは軍用犬か何かか。


◆リアクション

黒柳最大の特色にして真骨頂。
鋭すぎる味覚や嗅覚や視覚、豊富な知識、そして感受性の高さが相互作用した結果、彼は常人では不可能なリアクションを取る。
その結果リアクションを取る度に選手や周囲の人間、観客からは理解不能の狂人を見る目で怯えられる。

分かりやすく言えばこの人の系譜に近いリアクション芸なのだが、物語が進むにつれてリアクションが進化(悪化?)。
心象風景のイメージ映像やアクロバティックな動きのリアクションなど序の口。
肉体変形、地形創造、現実改変、動物化、肉体が(物理的に)粉々に砕けて生きてる、物語や歴史の改竄、美味さのあまり絶命するといった奇行と呼ぶのもおこがましいナニカを起こすレベルにまで成長(?)した。
なお黒柳の力をもってしても世界(画風)の書き換えは短時間しか行えない。

本人の思想も変化し、最終的に美味いパンを食べたり、リアクションを取るためなら命を簡単に投げ捨てようとし、更には人間を辞めることすら厭わなくなった。
度々リアクションを取ろうとして死の淵に向かいかけているのだが、本人はまったく気にしていない。
師の松代曰く「パンの亡者」「ヤツはプロの審査員。おいしさを表現するためには命をも投げ出す」
物語終盤のリアクションを見た諏訪原は、物語初期からの付き合いであるにもかかわらず「寄るな化け物!」と戦々恐々として怯えていた。

一応擁護すると黒柳がオーバーなリアクションを取るのはある意味生物的な反射に近く、
物語初期では美味いパンを食べる前は本人も食べるのに覚悟を決めることが多々あり、リアクション自体も比較的常識の範疇であった。
パンの美味さで絶命するのは常識じゃないというツッコミは禁句
ある意味東たちが作る美味いパンを食べすぎた弊害といえるのかもしれない。

なお物語終盤では美味いパンを食べすぎて鍛えられたのか、匂いや手触り、見た目だけでパンのクオリティを判定できるようになった。
因みに当人は「審査員は審査のリアクションためなら前科者になるのも当然」「美味いパンを食べるために命を懸けるのは当然」という理解不能な思想を掲げている。


なお黒柳のリアクションは、作中のテレビ局視点で見ても放送コードギリギリな模様。

アニメ版では声を担当した子安武人氏の好演というか怪演により余計にインパクトが際立っている。
また、アニメオリジナルエピソードとして一時的に味覚を失うというスランプに見舞われた事もあった。

リアクション一覧

  • カレーが無性に食いたくなる
  • 月面歩行(心象風景)
  • マトリックスよろしく弧を描いてブリッジ
  • 地面に寝そべって犬の人文字
  • 公共の場で股間を露出(未遂)
  • 俳句朗読
  • 手がチョキのカタチで硬直する
  • ガメラのごとく高速回転(ワイヤーアクション)
  • 絶命→短時間の臨死体験の後復活し、蘇生早々元気な様子で同審査員であるデーブ橋口とジャぱん44号の奪い合いを開始
  • 中世貴族のコスプレをしたままダンス
  • 学生時代の思い出の回想
  • スーパーサイヤ人化
  • 髪がウニのように逆立ち硬質化
  • 関取でぱふぱふをした後、麦わら帽子のゴム人間と化す(アニメ版のみ)
  • リアクションのためだけにマレーバクを県外から無理矢理空輸
  • 顔が埴輪の顔に変形し、肉体がオブジェのように完全に硬直
  • 顔を火の付いた高温のジャムが入った鍋の中に突っ込み、数倍の大きさに火膨れさせてジャムおじさんの物まね
  • 生きながら灼熱の燻製用のドラム缶の中に入り自身を燻製にしようとする(未遂)
  • 骨格を無視し軟体動物のごとく全身を文字通り540度以上に捻れさせる(捻れたまま平然と会話・歩行可能)
  • 3連続で爆発四散しながら空中上昇(爆発したのは黒やんX)
  • 試合会場と会場側にある山の山頂を数十秒〜数分で走って往復
  • 顔が能面のように変化し、織田信長のように敦盛を舞った後で日本刀を3回飲み込む(種もしかけもなかったので口内に大けがを負う)
  • 14人の島耕作を召喚&結婚して名字を「島」に変更(その後即離婚)
  • シーサーに変身
  • 異世界創造
  • 何もなかった愛媛の山奥に白樺湖(人工湖)を作成
  • 世界(画風)を丸ごと印象派風や少女漫画風、浮世絵風に改竄
  • 鳥のヒナに変身して人語を介す
  • インコに変身→インコ化したまま空を飛んだことで猟銃の弾の直撃を受け血塗れになるも、当然ながら存命して審査続行
  • 頭、腕、足の位置が逆転(逆立ちしているのではなく胴体部はそのまま)
  • これまでの試合の勝敗の結果を反転させる(人々の認識・記憶も改竄)
  • 汁粉に変化し、餡子のように肉体がバラバラの破片になった状態で平然と生存
  • 霧崎雄一に変身
  • ロッテファン化し只管ジャンプを繰り返す
  • 人間を完全に辞め、新人類ヒューパンに変身
  • 森繁久彌に変身



【劇中終盤での奇行】

劇中最終盤の霧崎もとい意志あるパン『魔王』の決戦では東たちの仲間として同行…するのだが、魔王率いるヒューパン*2の軍勢と遭遇。
そのまま黒柳は「美味いなら食ってみたい」という発想から何の躊躇いもなくヒューパンの肉体を捕食。ヒューパンに見事変貌してしまった。
なお黒柳の理屈によると、


そんなコトは分かっている。
だがな、真の味覚審査員たる者、例えヒューパンになっても美味いモノへの探求心だけは失われない…

仲間、大いに結構!!

だが、その代わり、仲間ならお前たちを食わせろー!!


お前のような味覚審査員がいてたまるか。
ついでにヒューパン化してやらかしたことは同じヒューパンの捕食であり、この奇行はヒューパンもドン引きし、狂人を見るかのような扱いをして逃げ惑った。

基本的に人間を辞めてしまえば悲壮感なりなんなりが出てくるのがこういったシチュエーションの常だが、
黒柳にとってみれば四肢や首が伸縮し銃弾を受けても全く問題のない上に肉体のスペックも高まるヒューパンの肉体はむしろ好都合だった模様。
実際ロウニンアジ*3を片手で手掴みで生け捕る怪力や、凄まじい海岸の砂浜で砂嵐を起こしたりとスペックは超人である。

そして最終回前後では地球温暖化に伴う海面上昇に苦しむモルジブを救うリアクション芸人メンバーの1人としてピエロ、河内と共に抜擢。
餓鬼のごとく美味いモノを求めながら檻に収容されて空輸されると、「美味いパンが食える」という理由でメンバー入りの依頼を快諾。
「地球温暖化ごとき私のリアクションで止めてやる!! 私こそ黒柳亮!ナンバーワンでオンリーワンの黒柳亮だ!!」
といういつもの狂人の理屈で東のパンを実食しリアクションに臨む……が、
気張りすぎたのかうっかり国民的名優『森繁久彌』になってしまい残念な結果に終わった。

ただし2番手のピエロはモルジブを『ブラジル』へ物理的に変えてしまったため
陸地面積の大幅上昇に伴う津波により世界規模の大災害を引き起こしかけるという惨事が起きるところだった*4
ちなみにピエロはブラジル化したモルジブの大地と一時的に融合している。お前ら人間じゃねぇ!!


そして最終回のエピローグでは、究極の美味いモノを求めて日本を去り世界を放浪。世界各地でリアクションを取っていることが語られている。
おそらく味覚審査員としての真っ当なキャリアや経歴は投げ捨てたと思われる。

【余談】

アニメ版で黒柳亮を演じていた子安武人氏は、後に同じくグルメリアクション漫画『食戟のソーマ』がアニメ化された際に、同じく審査員を務めている「堂島銀」を演じている。
ちなみに、彼も料理を食べた際にマッチョな風体の魔法少女やJKになっていたりと、黒やん並かそれ以上のインパクトを持つリアクションのネタキャラクターであった。またお前か





余計なお世話だ~~~!!私がパンを食って追記修正して死のうが、それは私の勝手だろー!!



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  • ※料理漫画の審査員です
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最終更新:2024年03月17日 13:49

*1 入社試験時黒柳の採点に納得のいかなかった相手に対しての回答

*2 簡単に言うと人間とパンが融合した不死身のミュータント。食える上に味は極上だが常人が食うとヒューパン化する

*3 成魚は全長180cm・体重80kgに達する巨大魚

*4 一応3番手の河内の活躍で津波は防がれ、モルジブも温暖化による水没を免れることができた