SCP-1296

登録日: 2017/07/21 Fri 21:53:07
更新日:2024/03/18 Mon 04:42:48
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お電話有難うございますDial-a-Llamaです。ご用件をお伺いいたします。



SCP-1296はシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクト(SCiP)である。
オブジェクトクラスはEuclid。
項目名は『Dial-a-Llama(「ラマ」なら何でも即座にお届け!)』


概要

SCP-1296は自動車であり、ヴォルガM24と呼ばれる車種の車である。
旧ソ連時代からあるロシアのGAZという自動車メーカーの車種で、これ自体は財団世界だけでなく現実でも東ドイツ警察のパトカーなどで使われている。
ただし後部座席は取り除かれ、なぜかラベルはGAZでもヴォルガでもなくTOYOTAとなっていて、車の上にはなぜかラマが鎮座している。

この車の表面には『Dial-a-Llama』というロゴが印字されており、連絡先も書かれている。
この連絡先に電話することで、この車がやってくる。でこの車は何なのかと言うと、Dial-a-Llama社のラマ販売業の車なのだ。

…そう、ラマ販売業。
別にそれだけなら(ラマ販売という珍妙さはともかく)異常はなさそうにも見える。
しかし本番はここからである。

誰かが連絡先に電話をいれ、「ラマ一頭ください」と言ったもんなら、その車の物理的な位置がどれだけその地点から遠かろうが、
必ず二時間以内にラマを届けてくれる。
財団はSCP-1296にGPSを取り付けたが、当然の権利のようにGPSは機能を停止。
どうやら異空間を突破してラマを急ぎで届けてくれるようだ。

「収容できてねえしKeterが妥当なのでは?」と思うかもしれないが、この車は電話しない限り出現しない。
あくまでDial-a-Llama社はラマ販売以外の異常行動に出たりしないため、電話番号さえ財団が情報封鎖しとけば問題ないということで
とりあえずEuclidなのだろうと思われる。

ちなみに、電話をかけるとDial-a-Llamaの販売員(SCP-1296a)が応対してくれる。
その人にインタビューしてみた結果がこちら。

SCP-1296a: お電話有難うございますDial-a-Llamaです。ご用件をお伺いいたします。

█████████博士: あー、その、御社がなさることについて説明して頂けますかな?

SCP-1296a: お客様はラマをご所望ではないのでしょうか?Dial-a-Llamaはお客様にラマを提供いたしております。いつでもラマを、どこでもラマを。そう、名前のある場所ならどこでもです。

█████████博士: あーはいはい。分かりました。

SCP-1296a: ええ、私どもに電話して頂いたということは、お客様もラマが必要でラマをご注文なさりたいということでよろしいでしょうか?いえいえ難しい話ではございませんで。

█████████博士: そのー…そのラマはどこで捕まえてくるんでしょうか?

SCP-1296a: あの…お客様にはラマが必要ではないのでしょうか?これは20の扉ではございませんでして。そうですねこれは2つの扉です。質問1、あなたはラマが欲しいですか?質問2、どんなラマがお望みですか?一つ目の質問がイイエならば、お客様がなぜ私共に電話なさっておられるかお聞きしてもよろしいでしょうか?

█████████博士: 経営者と話したいんですが。

SCP-1296a: いいえ、なりません。がっかりいたしました。お客様はラマが必要ではありませんのに、我々を悩ませていたのですね。さようならお元気で。

█████████博士: [溜息] 分かりました分かりました。ラマを買います。ラマを一頭、他に変なもの付けないでくれよ。

SCP-1296a: はいはい了解いたしました。45ドルになります。現金でお支払いただけますか?それともカードになさいますか?

█████████博士: 現金で。

SCP-1296a: ラマ配達員が2時間以内にお届けに上がります。ロバみたいな素敵な日々をお過ごしください。

質問に全く答えようとしない。
それどころか「ラマが要らないならなぜ電話して来るんだよ」と迷惑千万といった口ぶり。なぜって質問したいからだよ……

2時間後にラマが配達されたため、今度は配達員にインタビューを試みた。
結果がこちら。

SCP-1296b: やあ。あんたがラマを注文した人だね?

█████████博士: ああ私だ。

SCP-1296b: 45ドルだよ。

█████████博士: [SCP-1296bに代金を支払いながら] もし可能ならば、あなたに2,3質問したいんだが…

SCP-1296b: 駄目だっていってるだろ。あんたもしつこいね。あんたがラマを注文した、俺たちはあんたにラマを届けた。
エベレストの山頂からマリアナ海溝の底まで、あんたがラマを必要とするなら俺たちはラマを届ける。詮索は無しだ。あんたに渡せるのは奥の灰色のあれだけだ。


こっちもこっちで一切質問に答えようとしない。
どこだろうが届けると言い切るのはプロ意識の表れだろうか。届けるものはラマだが。


ラマ

注文: ラマを3頭
配達時間: 3分
代金: 33ドル
結果: 2頭のメスと1頭のオスのラマ。標本に特殊な異例は見られなかった。
カップラーメンにお湯を注いでから出来上がるまでの間にラマを三頭準備して連れてくるDial-a-Llama社。

注文: 褐斑病が左側の上にある妊娠したメスのラマ1頭
配達時間: 17分
代金: 50ドル
結果: 注文内容と合致するラマが届いた。標本に特殊な異例は見られなかった。
日本支部では褐斑病となっているが、褐斑病は野菜の病気なのでここでは単に「茶色の斑点」と理解すべきであろう。
それはともかく注文内容と合致するラマをどうやって準備したの?

注文: アルパカ(alpaca)を1頭
配達時間: 1時間43分
代金: 17ドル
結果: オスのラマ1頭。標本はアルパカの皮を張り付けられていた。より詳細な点検で、張り付けられていた部分が剥がれもとの部分が露わになった。
ラマなら問題ないがアルパカはごまかしで対応してくる。さすが「ラマならなんでもお届け」。

注文: ラマ僧(lama)を1人
配達時間: 1時間27分
代金: 200.02ドル
結果: ███ ██████の僧侶。対象は配達以前および途中の過程の記憶を有していなかった。対象は記憶処理をされ何事もなく解放された。
これじゃダイアル・ア・ラマならぬダライ・ラマだな、なんちtへぶっ●≡

前任者がトマトで亡くなったので後を引き継ぐと、どうやらラマなら本当になんでもありらしい。
ちなみにDial-a-Llamaは気付いた人も多いだろうが、「Dalai Lama」のアナグラムである。

注文: ロボットのラマ1頭
配達時間: 1時間13分
代金: 3561.87ドル
結果: ラマの形状をしたオートマトンが1体。その振る舞いは生物のラマのそれと同一。
ラマならロボットでもお届けします。何気にラマ僧拉致ってくるより早いのが気になる所。
人を拉致するよりもロボット作るほうがおちゃのこサイサイなのだろうか。

注文: SCP-1545
配達時間: 15秒
代金: なし
結果: 注文直後にSCP-1545が収容サイトから消失するのが確認された。SCP-1545は、死亡した人物2人を含んだ状態で15秒後に届けられた。後の検屍で、彼らは死後24時間以内の身元不明の死者であることが確認された。SCP-1296は、およそ150km/hで配達域の前を車で通り過ぎながら二人目のSCP-1296bがSCP-1545を屋根から投げ出すことで配送された。SCP-1296が通り過ぎる際に、SCP-1296b-2の"そーれっ!こいつを受け取りな!"という掛け声を聞いた。

15秒で何があった。


追記・修正はラマを注文してからお願いします。


SCP-1296 - Dial-a-Llama
by Djoric
www.scp-wiki.net/scp-1296
ja.scp-wiki.net/scp-1296
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最終更新:2024年03月18日 04:42