昭和ウルトラシリーズ

登録日:2011/10/12(水) 22:01:40
更新日:2023/05/03 Wed 00:03:19
所要時間:約 6 分で読めます





M78星雲の宇宙人から


その命を託されたハヤタ隊員は


ベーターカプセルで宇宙人に変身した




【概要】

『昭和ウルトラシリーズ』とは円谷プロダクションが初めて制作した連続TVシリーズ『ウルトラQ』から続いた特撮シリーズの総称。
それまでは不可能といわれていた「TVでお茶の間に怪獣を出す」という事を実現させた番組。



【第一期ウルトラシリーズ一覧】

これから三十分


貴方の目はあなたの体をはなれて


この不思議な時間の中に入って行くのです



●『ウルトラQ
円谷プロ最初のTV映画であり、本邦初の本格怪獣作品
「ウルトラマン」といったヒーローが存在せず、けっしてゾフィーが主人公ではない。
開始から高い視聴率を叩きだし、「怪獣ブーム」に火をつけた。
また、「もしも日常のバランスが崩れたら」というテーマから、怪獣だけでなく、
社会派SFドラマ、お伽話風のファンタジー、怪奇的なホラー、スパイアクション等といった様々な話がある。
作品としての評価は回によってアンバランスになっている。




申し訳ないことをしたハヤタ隊員


そのかわり、私の命を君にあげよう


君と一心同体になるのだ


そして、地球のために働きたい



●『ウルトラマン
『ウルトラQ』に続く、シリーズ第二弾。
「人類の味方ウルトラマンが怪獣や宇宙人を退治する」という以降の特撮のコンセプトを作りだし、子供達からも人気で怪獣ブームを飛躍的に盛り上げた。
作品の内容も個性豊かな怪獣や宇宙人、人間味のある科学特捜隊達により、コメディ、シリアス問わず、今でも遜色の無い出来の良い話が多い。




地球は狙われている!


今……


宇宙に漂う幾千の星から恐るべき


侵略の魔の手が……



●『ウルトラセブン
『ウルトラマン』のストックが切れ、放映に追いつかなくなった為、半年の期間*1を経て制作されたウルトラシリーズ
人類VS侵略宇宙人というテーマにより、ほとんどの話がシリアスな内容となっている。
『ウルトラマン』の時より予算が少なく、一部の序盤や終盤に少しチープな回があったが、
「盗まれたウルトラ・アイ」や「第四惑星の悪夢」等、それを補う評価の高い話があったり、メカニックな描写や人類や文明に疑問を投げかける重厚な作劇、
セブンの仮の姿である主人公モロボシ・ダンが宇宙人と地球人の狭間で悩むといったドラマ性などにより、根強いファンが多い。



快い眠りを妨げられましたエレキング


俄然、怒りました!


セブンの方は自分が悪いと


知っておりますから全くの無抵抗!


頻りに謝っております



●『ウルトラファイト
マン、セブンの戦闘シーンに実況をつけた映像をまとめた総集編的番組。
途中でストックが切れた為、セブンが造成地や山の中で流用スーツの怪獣と戦う超低予算映像が放送された。
マスコミには「出涸らし商法」とボロクソに叩かれたが、この作品が無ければウルトラシリーズはここで終わっていたかもしれない…………。




【第二期ウルトラシリーズ一覧】

俺はウルトラマン


俺の使命は


人類の自由と幸福を脅かす


あらゆる敵と戦うこと!



●『帰ってきたウルトラマン
『ウルトラセブン』が終了し、怪獣ブームも下火になった。
しかし、再放送や『ウルトラファイト』により、再燃の兆しを見せ、『帰ってきたウルトラマン』が誕生した。
本作品は第一期に比べ、郷秀樹がいろいろな人と出会い、対立し、成長していくドラマが展開されるといった主人公の私生活面を描いた。
当初はやや暗めの雰囲気や市街地であまり戦わないせいか、子供受けがあまり良くなかったが、
テコ入れとして宇宙怪獣や宇宙人、マンとセブン、必殺武器・ウルトラブレスレットを登場させる。
結果的に終盤は第二期ではトップクラスの視聴率を得た。
企画初期は初代ウルトラマンが30年後に地球に帰還する続編となっており、生存の円谷英二によりこのタイトルが付けられたもののスポンサー都合(前と同じ商品では売れないことから)別人となった。


銀河連邦の一員たるを示す


ウルトラリングを今


お前達に与えた


そのリングの光る時


お前達は私の与えた


大いなる力を知るだろう



●『ウルトラマンA
怪獣ブームが変身ブームに発展する中、『ウルトラマンA』が登場する。
本作品は変身ブームの流れに乗り、「男女合体変身」が誕生したり、
「怪獣」より強い「超獣」、それを操るウルトラシリーズ初の悪役レギュラー異次元人 ヤプールが現れる。
また、『帰ってきたウルトラマン』でも少し語られた、「ウルトラ兄弟」が確立された。
従来に比べ、ワンパターンな話が多く、内容の評価はあまり高くないが、超獣の今までに無いデザインや、
等身大ヒーロー番組を意識した激しい殺陣や多彩な必殺技、元々のテーマのひとつである、
「人間が心の奥底に持つ醜悪なエゴイズムが現実味を帯びて演出されるエピソード」によるケリをつける為に、
再登板したメインライター市川氏が脚本を担当した最終回等の評価は高い。




見よ、ウルトラの命の誕生を!



●『ウルトラマンタロウ
「円谷プロ創立十周年記念作品」として制作された『タロウ』は『A』で確立したウルトラ兄弟の幅を広げ、シリーズで初めて光の国の様子も描いた。
「タロウ」の名の通り、日本の民話や「アラビアン・ナイト」をモチーフにしており、
明るい雰囲気で、コミカルなストーリーとなった(意外と暗い話やハードな話も多いが)
その為、対象年齢が多少低くなり、一部の従来のファンからは不評だった。
しかし児童達からの人気は高く、作風も第二期では唯一路線変更が無い。



あそこに沈む夕陽が私なら


明日の朝陽はウルトラマンレオ


お前だ!



●『ウルトラマンレオ
「生きる厳しさと哀しさを鮮烈に謳う」というテーマで制作された『レオ』は、
戦士として未熟な主人公・おおとりゲンがウルトラセブン=ダン隊長の特訓を受け、成長していく暗く重いストーリー展開となった。
序盤はスポ根ブームに乗って主人公であるゲンの特訓シーンがあったりしたが当時の子供達には不評。
OP曲を子供向けに変更したり中盤からは「日本名作民話シリーズ」、終盤は第二次オイルショックなどにより、
「恐怖の円盤生物シリーズ!」に路線変更されるなどのテコ入れを行いつつ何とか一年間完走した。
本作を持ってのテレビシリーズ再休止は新聞記事にもなる程であった。
『タロウ』の後番組としては、あまりにも序盤の暗い話が当時の子供達からは受けが悪く、
「怪奇シリーズ」や「民話シリーズ」も視聴率は高く無かった事もあり、再放送や玩具化があまりされなかった。
だが、近年は第二期再評価やレオ優遇により他のシリーズに負けず劣らずの扱いになった。




【第三期ウルトラシリーズ】

これが第三種接近遭遇だ



●『ザ☆ウルトラマン
『レオ』終了後、終焉を迎えかけたウルトラシリーズだったが、アニメとして復活した。
本作品はSF性の高いストーリーや特撮ではできない怪獣(例:ウルトラマンよりデカい怪獣)を何体も出すなど、アニメーションとしての強みや特徴を生かした作品となった。
人気は高かったものの、「やはりウルトラマンは実写で観たい」という声も多く、80へと繋がる事となった。




見てください、この子供達を


このまま育てば怪獣になってしまうような


子供もいるんです


僕は怪獣の根本を叩き潰したいんです


僕は怪獣と戦うのと同じ様な気持ちで


先生になったんです



●『ウルトラマン80
教師ドラマブームの流行を受け、(コンセプトは前からあったらしい)主人公・矢的猛は防衛チームの隊員ながら、中学校教師という設定の『80』
しかし、大人の事情も*2あり、1クールで路線変更、以降は「UGM編」「少年ドラマ編」「ユリアン編」と展開されていく。
また、ミニチュアの造型やアクロバティックな戦闘シーンの評価がかなり高く、「アナログ特撮時代の最高峰」と称されている。
本作終了後はテレビシリーズ制作が『ウルトラマンティガ』(1996年)まで16年間の長い休止に入ることとなった。




追記・修正はウルトラ兄弟の活躍を思い浮かべながら願いします。


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最終更新:2023年05月03日 00:03

*1 この間に放送されていた東映の『キャプテンウルトラ』も当時はウルトラシリーズの一作品に数えられることもあった

*2 裏番組があのドクタースランプだった