創星神 tierra(遊戯王OCG)

登録日:2017/06/10 (土) 17:07:44
更新日:2024/04/12 Fri 19:03:29
所要時間:約 10 分で読めます







システムをレプリカモードで起動する準備をしています………


C:¥sophia¥sefiroth.exe 実行中にエラーが発生しました。


次の不明な発行元からのプログラムを実行しようとしています。


C:¥tierra¥qliphoth.exe の実行を許可しますか? <Y/N>………[Y]




システムを自律モードで起動します。













創星神、再起動




レイジング・テンペストにて登場した光属性・悪魔族の最上級モンスター。
tierraは「ティエラ」と読む。
登場当初から同じ創星神の名を冠するsophiaとの関係性が疑われていた端末世界に降臨した新たなる神。

以下、そのスペック。



特殊召喚・効果モンスター
☆11/光属性/悪魔族/攻3400/守3600
このカードは通常召喚できない。
このカード以外の自分の手札・フィールドのカード10種類を持ち主のデッキ・エクストラデッキに戻した場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードの特殊召喚は無効化されない。
(2):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動する。
このカード以外のお互いの手札・フィールド・墓地のカード及びエクストラデッキの表側表示のPモンスターを全て持ち主のデッキに戻す。
この効果の発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。


sophiaに負けじと無茶苦茶な召喚条件&効果である。
創星神繋がりか、属性も種族もsophiaとは反対、攻守も逆転したものとなっている。

sophiaと同格の創星神というだけあって、そんじょそこらのモンスターみたくホイホイ召喚できるわけもなく、
自分の手札・フィールド合わせて10種類ものカードを用意するという非常に高いハードルが要求される。
重複さえしなければ何でも良いとはいえ、流石に10種類分の異なるカードを持ってくるのは並大抵のことではない。
単純に枚数だけで考えても5,6枚の初手から4,5枚は増やさないといけないわけである。
相手のものも召喚条件として使えたsophiaと違って、全て自前で用意しなければならないので
キッチリ10種類耳を揃えて支払わなければならない。良く言えば相手を計算に入れる必要がなくわかりやすいとも言えるが。

現代の環境級のデッキなら回れば4,5枚のアドを稼ぐことは難しくはないだろうが、
そういったデッキだとそれだけ回ってるなら本来の戦い方で勝ちに行った方がいいという根本的な問題と向き合うことにもなる。

同名でさえなければカードの質は一切問わないという性質から、相性が良いのは多種多様の弱小モンスターを高速で展開できるデッキ。
おジャマジックを擁するおジャマや、真炎の爆発で一気に展開が可能なラヴァル、炎星あたりが適正だろう。
sophiaと違ってエクストラデッキを圧迫したり、儀式モンスターを無理に入れないといけないわけでもないので、
とにかくどれだけ素早くコイツと他の素材を手札ないしフィールドに呼び込めるかが勝負の分かれ目。

とはいえこれまたsophiaと同様に一度呼び出すことにさえ成功すれば、ゲームに絡むお互いの全てのカードをデッキバウンスという鬼畜極まりないリセット能力が発動する。
時代が時代なのでご丁寧にエクストラデッキで待機している表側表示のPモンスターにまで干渉する徹底ぶり。
除外から帰還できるカードは多少あるが、デッキに戻されてから帰還できるカードはほぼない。
後に待っているのはsophiaの時と同様のワンサイドゲームor物凄い泥仕合である。
これとほぼ同じ鬼畜効果をリバースするだけで発動できたファイバーポッドのスペックが如何にぶっ壊れているかがよくわかる。

もちろん、召喚無効系や効果発動に対するあらゆるカード発動を阻止する耐性もしっかり完備。
奈落だろうが警告だろうが天罰だろうが問答無用でシャットアウト。
全てがリセットされた中で相手に待っているのはフィールドも墓地もカラッケツの中、
攻撃力3400の超大型モンスター相手に手札1枚で挑まねばならない絶望である。


……ただ、最近だと除外ゾーンのカードを主軸に据えたデッキも珍しくないので、
除外済カードには干渉できないことを逆手に取られてアッサリやられるなんてことにはならないように気をつけたい。
逆に自分でそれを利用するという手もあるが、召喚準備と仕込みの両立はかなり厳しい。
そしてというかなんというか、やっぱりsophiaと同様にスキドレや虚無様みたく、効果や特殊召喚そのものを封じられている場合はどうしようもなくなる。



因みにコイツの登場から遡って1年以上前、
クラッシュ・オブ・リベリオンにてコイツによく似たインフェルノイド・ティエラというカードが登場している。

融合・効果モンスター
☆11/炎属性/悪魔族/攻3400/守3600
「インフェルノイド・ネヘモス」+「インフェルノイド・リリス」+「インフェルノイド」モンスター1体以上
(1):このカードが融合召喚に成功した時に発動できる。
その融合素材としたモンスターの種類によって以下の効果を適用する。
●3種類以上:お互いはそれぞれ自分のエクストラデッキからカードを3枚選んで墓地へ送る。
●5種類以上:お互いのデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
●8種類以上:お互いはそれぞれ除外されている自分のカードを3枚まで選んで墓地へ戻す。
●10種類以上:お互いの手札のカードを全て墓地へ送る。


属性こそ違うものの種族や外見、ステータスは創星神であるtierraと瓜二つである。
効果もまた、素材としたカードの種類に応じて発動するという関連性を匂わせるもの。

生命の樹たるセフィロトの裏の存在とも称される邪悪の樹であるクリフォト。
それに対応する悪魔、煉獄の使者であるインフェルノイドの一種であり、
10の悪魔のどれにも該当しないコイツはダアトと同格の11番目の特別な存在という見られ方もしていた。

しかし、結局はどれもこれも憶測の域を出ないものであり、真相の解明が待たれていたのだが……

以下、マスターガイド5により判明した情報により激しくネタバレ





















  • Duel Terminalストーリー
そもそも端末世界の生死観はナチュルの神星樹を全ての源としており、
創造の力であるセフィロト、破壊の力であるクリフォトという2種類の輪廻転生システムによって成り立っている。
そして前者の遂行者がsophiaであり、後者の遂行者こそがtierra。
二柱の創星神は正に文字通りの表裏一体の存在であったと言える。

がしかし、太古の昔に起きたとされる神々の戦いによって、tierraはsophiaによって倒されてしまい、
創造も破壊も全ては残った創星神の片割れであるsophiaによって委ねられる形になったのである。
この際、sophiaは創造と破壊、2種の力によって核石(コア)を生み出し、それによってtierraを神星樹へと封印。
その後、悪用防止の為に核石は10の欠片へと砕かれ、遠く離れた地の生命に宿ることになる。
これが後のジェムナイト誕生のキッカケなんだとか。

だが、封印された後もtierraの野望は潰えておらず、神星樹内で虎視眈々と準備を整えていた。
驚くべきことに、ワームとの戦争で中核となり活躍した彼ら、ジェネクス達もまたtierraが用意した復活のための尖兵だったが、彼らの造り上げた決戦兵器「A・O・G リターンゼロ」も結局は敗北、ジェネクスは滅ぼされてしまう。

しかし、この新たな戦乱によってsophiaが敗れ去ったことで、最大の邪魔者が消えたtierraは遂に本格的に活動を再開。自身の復活を含めた地上制覇に向けて暗躍を始めるのである。

ぶっちゃけてしまえばsophia消滅後に起きた戦乱の元凶と呼んでも差し支えない。




嘗て現実世界のOCG環境で猛威を振るっていたシャドールたちも、大雑把に言えばtierra復活のために利用された集団である。
無理な融合の果てに暴走したジェムナイト・クリスタの成れの果てである暗遷士カンゴルゴーム。
そのカンゴルゴームがヴェルズ・ケルキオンを吸収して変異した存在であるシャドールーツを源に生まれ落ちたもの。sophiaの生命として転生する筈の魂を神星樹内のtierraの力によって変異させてしまい、
その際に生じたバグによって現世に実現した肉体だけの存在がシャドールなのである。
tierraの意志に導かれるままに動く人形同然の彼らは、神星樹へと還り正しき生命として転生を果たしたいという無意識下の願いによって侵攻を行う悲しい存在でもある。

ジェムナイトの輝石を受け継ぎし"竜星"、星因環の果てに力を取り戻した光の戦士"テラナイト"
嘗ての大戦の生き残りたちが興した新規勢力である"霊獣使い"や"影霊衣"たち。
それらの連合軍との激闘、時には彼らの力すらも取り込みつつ侵攻を続けるシャドールたち。

統括存在であるネフィリムの下、変質した10の核石の力によって生み出されたエグリスタが前線で暴れ回り、
その隙にtierraに目を付けられ霊獣使いウェンが堕ちた存在であるウェンディゴが神星樹の結界を破壊。
そしてsophia復活の際に浴び、その身に宿した神の波動の力を宿すガスタの巫女ウィンダの魂が堕ちたミドラーシュがその力を利用して神星樹の制御システムにアクセス。
嘗てのtierraが遂行していた破壊の力たるクリフォトことクリフォートシステムが起動。

蘇ったクリフォートは自らを起動したシャドールを、輪廻から外れた存在してはいけない生命と見なし排除を目論む。
アポクリフォート・キラーによってシェキナーガと化したネフィリムを失い、シャドールは烏合の衆同然となったものの、
クリフォート・ツールがミドラーシュを吸収したことによって事態は更に急変。
前述したように神の波動を宿すミドラーシュの干渉によって神星樹への更なるアクセスを許してしまい、tierraの尖兵たるインフェルノイドまでもが復活を果たす。

復活を果たし、シャドールの力の残骸をも取り込んで暴れ回るインフェルノイド。
数々の異常によって神星樹に致命的なバグが生じていると判断し、地上生命の抹殺を決意してしまうクリフォート。
世界そのものの存続をもかけた激化の一途を辿る戦乱に苦戦を強いられる連合軍。

未だ暗躍を続ける破壊の創星神の下、世界の行く末はどうなるのか―――




結論『クリフォトシステムが傍迷惑すぎる』



以下、更なるネタバレ























エグリスタの残骸から蘇ったマスター・ダイヤが星を繋ぐ力を持つテラナイトたちと融合することによりセイクリッド・ダイヤへと変身。
源竜星ボウテンコウの力によって帰還したセイクリッド・ソンブレス=ジェムナイト・ラズリーが、セイクリッド・ダイヤと残りのテラナイト達と融合することによってプトレマイオスが誕生。
インフェルノイド・リリスが封印されたシェキナーガと氷結界の三竜の力を取り込み、エルシャドール・アノマリリスとして再誕。
影霊衣の舞姫と彼女の纏いしsophiaの力によって復活した竜星と、彼らの力を触媒にドラグニティの神槍が降臨。

多くの力が集い対立する中、それに呼応する形で神星樹のもう一つのシステムであるセフィロトが起動。
その神託によって世界と神星樹の危機を救うべく進化した10の戦士――セフィラが誕生するのであった。

セフィラに戦況を押し返される中、インフェルノイドの1体であるリリスから分離して生まれたデカトロンがアノマリリス破壊の裏でクリフォトシステムにアクセス。
tierraの本体、肉体部分とでも言える11番目のインフェルノイド――インフェルノイド・ティエラが遂に姿を現す。

ティエラは破壊されたアノマリリス――その大元たるネフィリム――その中で眠るジェムナイト・ラピスから創造の力を取り込もうと画策。
既に連合軍とセフィラによって倒されていたクリフォートの力も利用してラピスの魂を覚醒、
長き時の中でクリフォトシステムの影響でラピスの魂は変質しきっており、インフェルノイドの手先、ヴァトライムスと化していた。

そしてヴァトライムスの力によって10機のクリフォートが再起動。
ティエラはそれら全てとヴァトライムスを取り込むことで、創造、破壊、核石全ての力を手中に収めることに成功。



――インフェルノイド・ティエラは――


――創星神tierraとして――


――完全なる復活を遂げた――



長きに渡る暗躍の末に表舞台へと現れたtierraの力により、地上生物たちは次々と駆逐されていく。
当然、これを黙っているセフィラではない。
プトレマイオスが一縷の望みを託して行った竜星の力によるセフィロトシステムへの干渉、それによって隠された11番目のセフィラが起動。
光と闇、双方の力を併せ持つオルシャドール・セフィラルーツをベースに、10のセフィラのコアと11番目のセフィラ自身と融合。
創星神tierraに対抗しうる最強のセフィラ、智天の神星龍――セフィラ・トーラ・グラマトンが爆誕。



激突する2体の巨神、tierraとグラマトン。
千日にも及ぶ戦いの果ての夜明けを迎えた時、そこにはtierraもグラマトンも存在しておらず、
残されていたのは神星樹の残骸と2体のジェムナイト……ジェムナイト・クリスタとジェムナイト・ラピスだけであった。

世界の命運を握る戦いは再び終わりを告げ、インフェルノイドの残骸から嘗ての戦乱で消えてしまったはずの懐かしい面々たちも姿を現す。
嘗てはエグリスタ、ネフィリムというtierraの操り人形であったクリスタとラピスも解放され、先に逝った戦友たちの待つ光の先へと消えていく。

神星樹と2体の創星神による輪廻転生のシステムが完全に失われた中、
残された者たちは神に縛られたものではない、安寧の大地と真の平和を漸く手にしたのである。









―――しかし、2017年に登場した「クリフォート・ゲニウス」のイラストでは、グラマトンによって撃破され、tierraから分離・墜落したと思しきクリフォート・ツールのコアから、黒い人型のモンスターが姿を見せている。
端末世界に訪れた平和は、そう長くは続かないのかもしれない……。


10期においてこのストーリーの総決算とも言うべき「星杯」と「星遺物」にまつわる物語が始まったが、これは第三の星神である「双星神a-vida」周辺のカードとそこから読み取れる情報を総合するに、「端末世界」の名の通り全てはデータの世界で起きていた物語であり、a-vidaによって歴史が再構成されるという結末を迎えたことが読み取れる。

星遺物周辺のストーリーではサイバース族が特別な存在として扱われていたが、一連のストーリーが「端末世界」という電脳で起きていたことならば、電脳の種族であるサイバース族は世界の根幹にもっとも近い存在であるために特別視された、と考えることで整合が取れる。

実際、a-vidaの器と思しき「星神器デミウルギア」は明らかにクリフォート絡みのモンスターであり、「星神の器」というネーミングとその外見から、「tierraが復活するための器だったのではないか」とも言われている。

sophiaの方も元ネタがグノーシス主義にかかっていることから、端末世界の物語と星遺物の物語が意図的に接点を持たされている可能性も高い。



◆余談
sophia消滅以降から散々に端末世界を引っ掻き回したtierraであるが、
「ティエラ」という名称は、1990年代に開発されたコンピュータ上で動く人工生命プログラムのことを指している。
このティエラは限られた資源の中で生物が繁殖と淘汰を繰り返し、進化してゆく様子をコンピュータ上で再現。製作者の予想だにしなかった「生物」を次々と生み出した。
そしてプログラム内には古い生物を強制的に排除する「死神」が用意されているのがポイントである。

今いる生物の強制排除という名のデッキバウンス、繁殖と淘汰という形での輪廻転生、
シャドールという予想外の生物を生み出したことといい、創星神tierraの元ネタらしい話ではないだろうか。






追記・修正は全てのカードをデッキに戻してからお願いします。

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最終更新:2024年04月12日 19:03