大学選抜チーム(ガールズ&パンツァー)

登録日:2017/04/15 Sat 22:07:00
更新日:2024/04/05 Fri 22:07:31
所要時間:約 4 分で読めます




大学選抜チームとは、アニメ「ガールズ&パンツァー」の映画である『ガールズ&パンツァー 劇場版』に登場する戦車道チームの一つである。

◆概要

読んで字の如く、各大学から選抜された選手たちの集うチームであり、一人ひとりが精鋭と呼べる実力者集団である。
劇中ではバラバラな砲撃を撃ち込む大洗連合に対して、見事な一斉射撃で反撃する場面など、練度の高さがうかがえる。
社会人チームを破った実績もあり、いずれ創設される国際リーグへの参加選手としても期待を集めている。


◆メンバー

島田愛里寿


やってやる やってやる やってやるぜ

イヤなあいつをボコボコに

大学選抜チームの隊長。
因みに彼女が使用していたタブレット端末によると、彼女の名前の綴りはローマ字の『ARISU』ではなく英語と同様の『ALICE』である。
戦車道の家元・島田流師範の一人娘にして、13歳で大学に飛び級入学した天才少女。
まだ幼いながらその実力は本物であり、劇中クライマックスでは西住姉妹と相対してなお、一両だけで優勢に立つほど。
しかし戦車を降りれば年相応の恥ずかしがり屋な女の子であり、「ボコられグマのボコ」が大好き(上記の台詞はボコのテーマソング「おいらボコだぜ」の歌詞)。
劇場版以降は共通の趣味などから西住みほと友情を深めつつ、戦車道では「強力なライバル」として意識している。


三副官


「ちまちましているのは性に合わないわ。集まりましょうか」

「いつも通りの」

「バミューダアタック!」


大学選抜チームの3つの隊を指揮する中隊長。ファンからの通称は"ミミミ"など。初期には三姉妹とも呼ばれていたが、三人とも血縁は無い。

いずれも戦車乗りとしての実力は高く、特に3人の乗る戦車3輌の連携攻撃「バミューダ・アタック」はケイ・ナオミ・アリサが乗る3輌の戦車を一切の抵抗すら許さず一瞬で撃破する程の威力を誇る。
ファンからは最終時点でこの3人が揃った状態での愛里寿との合流を阻止できた事こそが、大洗連合の勝因とする声も少なくない。

◆メグミ

島田愛里寿を支える三副官の一人。たぶんリーダー格。戦車のマーキングは
サンダース大付属出身であり、おっとりとした見た目に反してわりと大雑把な性格。
遊園地後での最終決戦では最後まで残っていた。
中の人がボコ(愛里寿の趣味のクマ)と一緒。

スピンオフ漫画の「もっとらぶらぶ作戦です!」ではルミに対して水中でヘッドロックかけたり、劇場版の漫画である「Variante」では愛里寿を迎えに行くアズミに対して「隊長に抱きついたらウラカン・ラナをくらわす」と言っており、プロレスに造詣があるらしい。

◆アズミ

三副官の一人。ドSらしい。戦車のマーキングは
BC自由学園。副官三人の中では一番オシャレに気を使っており、服装に無頓着な二人を自らコーディネートをしていた。
他の2人がわりとヒートアップしやすい性格なせいか、静止に回ることが多い。
インナーのシャツを着ておらず、胸の谷間が見えるお色気担当。

◆ルミ

三副官の一人。メガネ担当。戦車のマーキングは
継続高校の出身。*1
ドリタンによるとミカとは面識がありアキ・ミッコとは入れ違いで卒業したとの事と、ドラマCDで飲酒シーンがある事との兼ね合いから、
年齢は20歳(大学2年)以上と推測される。
やたらと挑発を繰り返したり、戦車の上に立って偵察したりして目立つので印象に残りやすい。
劇場版では迷路での戦いの中で冷静に状況を分析したり、移動中の戦車の上に立って周囲を観察するなど、三副官の中では特に知性的に描かれている*2


◆戦力

M4シャーマン

社会人チームとの練習試合の際に使用。この時はこの車両でほぼ統一されていた。
M4は戦車道に投入できる戦車としては「格別優秀ではないが弱くもない」くらいの性能であり、
対する社会人チームの戦車は中戦車としては走攻守に優れM4より格上と言えるパンター*3中心だったにも関わらず見事に殲滅させており、
大学選抜チーム、延いては愛里寿の能力の高さがうかがえる。

M26パーシング

大学選抜の主力となる中戦車。大洗戦では30両中、24両をこの車両が占める。
WW2末期にキングタイガーに対抗するために設計された経緯がある(ただし実際のWW2では実戦投入が間に合わず、主に朝鮮戦争などで活躍した)。
言ってしまえばやられ役で、わりとあっさりやられるシーンも多いが、実車の性能は戦車道に投入できる戦車としては最高級の部類。

被撃破率の高さはGuP名物「戦車に施されたチューン」の影響が大きく、現物はBT-42やチハで撃破できる代物ではない。

◆T28

メグミ中隊に一両のみ配備された超重戦車。要塞攻略を目的として設計された。
キャタピラの間の戦闘室に固定式の105㎜砲を備えた、狭義の戦車というよりも戦車駆逐車に近い構造の車輛である。というか一時期「T95戦車駆逐車」と名乗っていた。
現実の車両以上に堅牢に描写されており、正面装甲はなんと304.8mmの装甲厚である。
大洗チームのあらゆる砲撃を受けても全くひるむ様子がなかった。
一両残らず敵を撃破しなければならない殲滅戦だったので、ある意味一番厄介な存在。
内部からの操作により側面装甲を爆砕ボルトで瞬時にパージする機能を持っており*4、これにより侵入不能と見て狭い場所に逃げ込んだ聖グロリアーナの一団を追撃するも、
遂にはダージリンとナオミの捨て身の連携によって撃破された。

◆M24チャーフィー

メグミ・アズミ・ルミの各中隊に一両ずつ配備された軽戦車。傾斜装甲と軽戦車にしては中戦車並の威力のある75mm砲を備えている。
試合序盤は愛里寿の指示で偵察に徹して、各中隊の最後尾に位置していたが戦場が遊園地に移ってからからはパーシングが次々と撃破されていき戦力の穴埋めのために攻撃に駆り出されるようになる。
終盤のジェットコースターの上でCV33を追い掛け回す姿はいろんな意味で怖い。

◆カール自走臼砲

マジノ線を攻略するためにドイツで作られた600mm口径の自走砲。
サンダース大付属が導入しようとして問い合わせた時点では協議中*5だったのだが、なんとしても大洗を廃校にしたい役人の差し金で大洗戦直前に戦車同連盟に認可させ使用可能にした。

操縦席と乗員室を車両内部と側面に増設し、更に 装填機構を自動化している。 *6
実車はもちろん車体の外側に取り付いての人力*7であり、リロードも本来10分程かかる所を数分から数十秒間隔で連射していた。

その圧倒的な火力と射程距離で、丘の上を陣取ったひまわり中隊を壊滅に追い込み、
その後も空爆めいた砲撃により大洗連合をしばらく行動不能に追い込むが、対策として急遽編成されたどんぐり小隊の活躍により撃破される。
ちなみに、このカールを撃破したのはカメさんチーム。役人の横暴の象徴であるこの車両を直接撃破出来た会長はさぞやスカッとしたことだろう。

小説版では撃破された際に愛里寿が「あんなのいらない」と言っていた。
漫画版では「急に渡されて練度が足りない」「防御力が皆無なせいで防衛戦力を余計に回さなければいけない」と、面と向かって文句を言われていた。

センチュリオン

隊長・島田愛里寿の駆るイギリス製の戦車。シャーマン・ファイアフライと同じ17ポンド砲とベサ機銃を備えた先行量産車が登場。*8
ティーガー1に対処するべくイギリスが送り出した重巡航戦車であり、史上初めてのMBTとの呼び名が高き名車。
第2次世界大戦の終戦直前に完成した、いわば戦車道における最新鋭の戦車である。
航続距離が短いという欠点の為か、当初島田愛里寿は指揮に徹していたが、カールが撃破されたのを切っ掛けに自らも前線に出る。
車両自体のスペックはもちろんの事、乗員の練度も尋常でなく、劇場版のラスボスにふさわしい強さを発揮した。


◆総評

作中では倒すべき強大な「敵役」としての登場であるが、実際は文科省の差し金で大洗との試合をセッティングされただけであるため、試合中では撃破された両軍の乗組員同士で観戦しつつお茶を飲みながら談笑しているシーンも見られた。

ぶっちゃけ大学選抜チーム30輌に対して大洗は8輌、数の時点で比べるのも馬鹿馬鹿しい程に圧倒的である上に戦車も悉く高性能である。
隊員も高校生に比べて一日の長がある分練度も高い。おまけに試合のルールも大学選抜チームに圧倒的に有利な殲滅戦と来ている。逆ハンデも良い所である。
大学選抜チームからすれば 勝って当然、しかし勝てば弱い者いじめ、さりとて負ければ「質量共に格下を相手に敗北を喫した」という屈辱を被る という、どっちに転んでも大学選抜チームは得しない試合といえる。
更に小説版においては殲滅戦や30対8というのは大学選抜側も直前に役人に知らされており、三副官も大洗に同情する意思を見せていた。(愛里寿は試合に可哀想もないと諭してはいたが、酷い条件とは思っていたようである。)
ゆえに、本編での決着のつけ方は双方ともに最良の望ましい結果であったとも言える。



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最終更新:2024年04月05日 22:07

*1 当初は三副官では唯一出身校の設定が無かったが後にドリタンにて判明。ドラマCDではフィンランドのウォッカ「ヴァルハラ」を頼んだり、コケモモジュースやカレリアパイ等フィンランド料理の入ったレーションが大学選抜のピットにあった事などから、以前から有力視されてはいた。

*2 この時の彼女によってそれまで誰にも気付かれていなかったジェットコースターのレール上に居たCV33が発見され、またそれが迷路を移動する大洗勢を誘導している事を見抜いた

*3 装甲厚と主砲の威力の関係から、M4がパンターを撃破するには100m以内まで近付く必要があったのに対し、パンターは3000mからM4を撃破可能だったという。M4でパンターを撃破するには、強引な正面突破を成功させるかパンターから気付かれずに100m以内までこっそり近付く他なく、もし途中で察知されればM4では一撃で撃破される危険がある。

*4 装甲パージは実車も可能だが、実車は数十人がかりの人力で数時間、数人~十数人では半日かかるという。

*5 操縦席が装甲に覆われていないオープントップ車両は戦車道のルール上参加できないため。この規定に絡む描写として、TV版で登場した「38(t)用ヘッツァー改造キット」は本来マルダーⅢのようなオープントップ車を戦力化するためのものである

*6 戦車道のルールでは二次大戦終戦時点までに投入・計画された技術しか採用できない事になっているのだが、これについてははファンからはグレーないし黒、或いはガルパンなら仕方ないと見做されている

*7 流石に(本来であれば随伴する)砲弾の運搬車両からカール本体までの砲弾の移動は元から機械化されている。何しろカールの砲弾の重さは軽くて1トン、最大2トンを超えるためとても人力で運べるものではない。

*8 A41先行試作車と正式量産型にはそこまで差はない(先行試作車の大半はのちにMk1相当装備へ改造されたという事情もある)。砲塔構造が違う程度