方界(遊戯王OCG)

登録日:2017/04/04 (火) 02:35:20
更新日:2024/04/09 Tue 12:39:04
所要時間:約 20 分で読めます



■概要


劇場版「遊戯王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」にて登場するキャラクター藍神が使用するカテゴリ。
使用するモンスターはほぼ全てに存在する不気味な目玉が特徴的な、禍々しくもどこか神聖さを感じさせるデザインである。

映画でのみの登場で、藍神がデュエルした総数も3回であるため登場したカードの種類自体は他のカテゴリと比べても少ない方。
ほとんどのモンスターに召喚条件が指定されていることもあり、メインデッキに投入できる通常召喚可能な方界モンスターはなんとたったの2種類しかいない。

その2種類を展開の起点にする関係上、40枚中6枚しかないカードを手札に揃えられなければ何もできない大事故に陥るという不安定さを抱える一方、上手く回れば大抵の相手を容易く1ターンキルできる爆発力も秘めている。
良くも悪くも攻撃性能に極端に特化したカテゴリと言えよう。


方界の基本的な動きとしては後述する「方界胤ヴィジャム」というモンスターを特定数墓地へ送ることで、
「方界獣」「方界帝」モンスターを出すことが出来る。藍神は2回のデュエルにてこの二種を使い分けていたため同時使用はしていない。

またこれからのモンスターは戦闘を行った、或いは戦闘で相手モンスターを破壊した時自身を墓地へ送ることで、
「ヴィジャム」を墓地から復活させ、更にデッキから新たな進化先を手札に加えることが出来る効果を持っている。

映画では「ヴィジャムを組み込むことで分離、合体を繰り返す」という表現がされており、
特殊召喚条件は方界胤モンスターをエクシーズ素材のように下に重ねるというものだった。
エクシーズモンスターではないけどモンスターを重ねるという原作の絶望神アンチホープみたいなモンスターたちである。
この特性と映画にて藍神達「プラナ」という存在が使用する「次元領域決闘」によって連続召喚や連続攻撃を決め、相手を一瞬で葬りさるという戦法を得意とする。

また方界カードの中には相手の効果・攻撃を封じる「方界カウンター」を置くことが出来るカードも存在しており、
劇中ではこれを「アンディメンション化」と呼んでいた。


「方界獣」はバトルによって相手を叩き潰すことに特化した派生形であり、
「ダーク・ガネックス」、「ブレード・ガルーディア」、「バスター・ガンダイル」の3体が存在する。
それぞれヴィジャムを組み込むことによっての攻撃力が1000ずつ上がり、更には攻撃回数も増えていく。

つまり「ブレード・ガルーディア」は攻撃力2000の2回攻撃、
「バスター・ガンダイル」に至っては攻撃力3000の3回攻撃が可能と言う驚異の殺意を秘めている。
更には後述するが、方界には「方界業」や「方界波動」と言った攻撃力を跳ね上げるサポートカードも存在しており、一気に相手を叩き潰すことが出来る。

ただしこちらは墓地のヴィジャムを蘇生させるための条件が「相手モンスターを戦闘破壊すること」なので、
戦闘破壊できなかった場合は後続へと繋げられないという地味ながらも無視できない欠点も存在する。

映画では【方界】の初お披露目となる海馬VS藍神で使用した。
アンディメンション化による弱体化と「方界獣」による連続攻撃、更には「次元領域決闘」を利用した怒涛の連続攻撃で海馬にワンターンキルを決めようとしたが……。



一方の「方界帝」はバーンダメージを主体とする派生形。
確認されているのは「ゲイラ・ガイル」、「ヴァルカン・ドラグニー」、「インディオラ・デス・ボルト」の3体。

それぞれ攻撃力が800ポイントずつ上昇していくが、バーンダメージは共通で「手札から特殊召喚した時に800ポイントのダメージを与える」というもの。
つまりどれだけ進化させようとも800ポイントずつしかダメージを与えられない。できたらワンターンキルが横行するので仕方ないが。

攻撃力も「方界獣」と比べると低く、更には連続攻撃も出来ないため一見下位互換のように思えるがこちらは「戦闘を行う」だけで分離、サーチが出来る。
つまりは最悪守備モンスターを攻撃するだけでもよく、また身を守るための時間稼ぎにもなる「和睦の使者」などとも相性が良い。

またバーンダメージは手札からの特殊召喚が条件なので自身の効果だけでなく「方界合神」による手札からの特殊召喚でも発動できる。
場合によっては引導火力にもなり得るため覚えておいて損はないだろう。
更には「インディオラ・デス・ボルト」に限り、ある特定の条件を満たすと無限ループによるワンターンキルが成立する。

こちらの派生形は遊戯VS藍神で使用された。
こちらも連続展開によるバーンダメージや連続攻撃で遊戯を追い詰めた。


またこれらとは別に殺意の塊たる「暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ」やその融合体たる「暗黒方界邪神クリムゾン・ノヴァ・トリニティ」も存在する。
そちらに関しては個別項目を参照に。


ちなみに上位の方界モンスターの特殊召喚は劇中ではバトルフェイズ中に特殊召喚する効果であったため、
藍神はヴィジャムの分離→合体をバトルフェイズ中にやっているが、OCGでは効果が違うため残念ながら不可能。



デッキタイプ

それぞれ微妙に召喚条件が違うため、どれかに絞って組むのが基本。
さっくりわけると、
①やや不安定だが連続攻撃で一気に仕留める【方界獣】
②ちまちまと安定したバーンダメージで削っていく【方界帝】
③ヴィジャムによる進化は切り捨て、方界サーチに特化した【クリムゾン・ノヴァ】
④さらに融合ギミックを混ぜた【クリムゾン・ノヴァ・トリニティ】

どの型もデューザと方界業によるサーチは必須。


一覧

■通常召喚可能なモンスター



方界胤(ほうかいいん)ヴィジャム
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1):このカードは戦闘では破壊されない。
(2):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージステップ終了時に発動できる。
モンスターゾーンのこのカードを永続魔法カード扱いとして自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置き、その相手モンスターに方界カウンターを1つ置く。
方界カウンターが置かれたモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
(3):このカードの効果でこのカードが永続魔法カード扱いになっている場合、自分メインフェイズに発動できる。
魔法&罠ゾーンのこのカードを特殊召喚する。

【方界】における基本モンスターであり生命線その1。
戦闘では破壊されず、戦闘を行った相手モンスターの効果を無効化させ更には攻撃も封じる「方界カウンター」を置く効果を持つ。
これにより最近では多く見かける「カード効果の対象にならない」モンスター相手でもその効果と攻撃を封じることが可能となる。

攻守0、レベル1、悪魔族と多くのサポートカードにも恵まれているためそれらを駆使すればデッキから引きずり出すこと自体はそこまで難しくない。
逆に言えばこのカードをデッキから引っ張りださないと多くのモンスターが特殊召喚できず腐ってしまうことになるため是が非でも呼び出す手段を投入したい。
最悪壁としてだけでも果たせる役割は大きいため、「方界獣」や「方界帝」を使用した【方界】ならばフル投入も推奨される。



流星方界器デューザ
効果モンスター
星4/光属性/機械族/攻1600/守1600
(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから「方界」カード1枚を墓地へ送る。
(2):1ターンに1度、このカードが表側表示で存在する状態で、モンスターが自分の墓地へ送られたターンに発動できる。
このカードの攻撃力はターン終了時まで、自分の墓地のモンスターの種類×200アップする。
この効果は相手ターンでも発動できる。

【方界】における通常召喚可能なモンスター2体目にして生命線その2。
展開時にデッキから方界カードを墓地へ送る効果を持つが、これこそが【方界】にとって最重要。
というのも【方界】の魔法・罠は墓地発動するカードが多く、しかも「方界業」は墓地発動によって方界モンスターをサーチ、
「方界合神」は手札・デッキから展開という動きが可能。これによって【方界】は安定した動きを行うことが出来るため。
というよりもこれをしないとこのデッキを自力で回すことははっきり言って無理ゲーにも等しい。

また「方界合神」によって更なるデューザを展開することも可能であり、
これによって状況によっては手札枚数を維持しつつ場に方界を並べると言った芸当が可能となる。
このギミックによりこのカードと「方界合神」は一時期シンクロを主体とするデッキに出張パーツとしても活躍した。

また攻撃力アップの効果も地味ではあるが意外と役立つ効果で2種類のモンスターが存在するだけでも攻撃力2000と大抵の下級モンスターを返り討ちに出来る。
しかも相手ターンでも発動できるため「増殖するG」などの手札誘発と相性がいい。

これらからも分かるように【方界】で勝てるかどうかはコイツが全てを握っていると言っても過言ではなく、その重要性から他のカードに比べて高騰している。

因みにこのカードだけは映画では登場しておらず、登場は前日譚となる漫画にてプラナが使用した。
この際はデュエルリンクス(現実の方とは違うもの)での登場だったため、厳密にはM&Wのカードではなかった。
また使用者が藍神でないためか攻撃力も0ではない。




■方界獣



方界獣ダーク・ガネックス
特殊召喚・効果モンスター
星2/地属性/獣族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「方界」モンスター1体を墓地へ送った場合に特殊召喚できる。
(1):この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は1000アップする。
(2):このカードが戦闘でモンスターを破壊した時、自分の墓地の「方界胤ヴィジャム」を2体まで対象として発動できる。
このカードを墓地へ送り、対象のモンスターを特殊召喚する。
その後、デッキから「方界獣ブレード・ガルーディア」1体を手札に加える事ができる。


方界モンスター1体から派生出来る方界獣。
展開の難易度自体は低いがその分攻撃力も低いため分離、サーチするためには確実に戦闘破壊できるようなサポートが必要となる。


方界獣ブレード・ガルーディア
特殊召喚・効果モンスター
星3/炎属性/獣族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「方界」モンスター2体を墓地へ送った場合に特殊召喚できる。
(1):この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は2000アップする。
(2):このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
(3):このカードが戦闘でモンスターを破壊した時、自分の墓地の「方界胤ヴィジャム」を3体まで対象として発動できる。
このカードを墓地へ送り、対象のモンスターを特殊召喚する。
その後、デッキから「方界超獣バスター・ガンダイル」1体を手札に加える事ができる。

方界モンスター2体を組み込むことで生まれた方界獣。
攻撃力2000で2回攻撃と悪くない効果を持っており、前述した通り方界には攻撃力を挙げられる手段が存在するためここからワンターンキルも視野に入る。
「ダーク・ガネックス」は採用しなくてもこちらは採用しているという人も多いのでは?


方界超獣バスター・ガンダイル
特殊召喚・効果モンスター
星4/光属性/獣族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「方界」モンスター3体を墓地へ送った場合にのみ特殊召喚できる。
(1):この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は3000アップする。
(2):このカードは1度のバトルフェイズ中に3回攻撃できる。
(3):このカードが相手によって墓地へ送られた場合、自分の墓地の「方界」モンスターを3体まで対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
その後、自分のデッキ・墓地から「方界」カード1枚を選んで手札に加える事ができる。

【方界】における切り札その1。
方界モンスターが3体必要と難易度は高いがその分凄まじい殺意を有している。
攻撃力3000で3回攻撃と、このカードでダイレクトアタックが通る状況であればワンターンキルが成立する。
更には方界サポートだけではなく光属性という点から「オネスト」の恩恵も受けることが出来、決まれば大抵の相手は死ぬ。
ただし一見岩石族や機械族と思しき姿をしているが獣族である。間違えないように注意。
また相手によって墓地へ送られることで墓地から方界モンスター3体を蘇生させつつデッキ・墓地から方界カード1枚をサーチできる。
当然墓地に送られた自身もサーチ出来るため、自分のターンに回ればまた展開することも出来る。
因みにこのカードも後述する「インディオラ・デス・ボルト」と同じ方法で無限ループを発生させることが出来る。



■方界帝



方界帝ゲイラ・ガイル
特殊召喚・効果モンスター
星2/風属性/天使族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「方界」モンスター1体を墓地へ送った場合に特殊召喚できる。
(1):この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は800アップする。
(2):このカードが手札からの特殊召喚に成功した場合に発動する。
相手に800ダメージを与える。
(3):このカードが戦闘したダメージステップ終了時、自分の墓地の「方界胤ヴィジャム」を2体まで対象として発動できる。
このカードを墓地へ送り、対象のモンスターを特殊召喚する。
その後、デッキから「方界帝ヴァルカン・ドラグニー」1体を手札に加える事ができる。

方界モンスター1体で出すことのできるモンスター。
手札から特殊召喚するだけで800ポイントのダメージを与えることが出来る。
【方界】の中でも非常に出しやすく、また戦闘を行うだけで分離できるのでその条件も満たしやすい。


方界帝ヴァルカン・ドラグニー
特殊召喚・効果モンスター
星3/炎属性/天使族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「方界」モンスター2体を墓地へ送った場合に特殊召喚できる。
(1):この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は1600アップする。
(2):このカードが手札からの特殊召喚に成功した場合に発動する。
相手に800ダメージを与える。
(3):このカードが戦闘したダメージステップ終了時、自分の墓地の「方界胤ヴィジャム」を3体まで対象として発動できる。
このカードを墓地へ送り、対象のモンスターを特殊召喚する。
その後、デッキから「方界超帝インディオラ・デス・ボルト」1体を手札に加える事ができる。

方界モンスター2体から特殊召喚できる2体目の方界帝。
攻撃力は800ポイント上がったが、バーンダメージは800一律。
やっと正面戦闘出来るかも取った攻撃力だがやはり心もとない数値なので何らかの補助は必要。
ここから「インディオラ・デス・ボルト」へと派生していく。


方界超帝インディオラ・デス・ボルト
特殊召喚・効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻 0/守 0
このカードは通常召喚できない。
自分フィールドの「方界」モンスター3体を墓地へ送った場合にのみ特殊召喚できる。
(1):この方法で特殊召喚したこのカードの攻撃力は2400アップする。
(2):このカードが手札からの特殊召喚に成功した場合に発動する。
相手に800ダメージを与える。
(3):このカードが相手によって墓地へ送られた場合、自分の墓地の「方界」モンスターを3体まで対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
その後、自分のデッキ・墓地から「方界」カード1枚を選んで手札に加える事ができる。

【方界】における切り札その2……になるかもしれないカード。
攻撃力は2400にまで上昇したが、同じ条件で出せる「バスター・ガンダイル」に比べると物足りなく感じてしまう。バーンダメージもやっぱり800で統一。
こちらも「バスター・ガンダイル」同様相手によって墓地に送られることで墓地の方界モンスター3体を蘇らせつつ、デッキ・墓地から方界カード1枚を手札に加える。
と、一見すれば方界超獣の下位互換に感じてしまうかもしれない。

………が、このカード。
実は無限ループによるワンターンキルを起こすことが可能というとんでもない可能性を秘めている。
  • 1.自分フィールド上に「インディオラ・デス・ボルト」1体と方界モンスター3体を用意する。
  • 2.相手フィールド上に「コトダマ」を用意させる。(強制転移などの送り付けが有効)
  • 3.1と2の条件を満たしている時に「インディオラ」以外の方界モンスター3体を使ってもう1体を手札から特殊召喚する。
これだけである

同じモンスターを並べただけに思えるかもしれないが、同じモンスターであることが最大のキモであり、「コトダマ」は「同名モンスターが後から特殊召喚された場合、そのモンスターを即座に破壊する」と言う永続効果を持っている。

すると2体目として展開した「インディオラ・デス・ボルト」は出した瞬間に即座に破壊される。
それも相手フィールドに存在するコトダマの効果によって

これによって(3)の「相手によって破壊された」という条件を満たすことになり墓地の方界モンスター3体を展開しつつ自身も墓地からサルベージ可能となる。
そして最後に手札から特殊召喚された際のバーンダメージが入る。

……そう、手札から特殊召喚→破壊&サルベージ&バーンダメージという無限ループがここに成立するのである。

しかも「インディオラ・デス・ボルト」がフィールドに出ると同時に破壊されるため、
「エフェクト・ヴェーラー」や「ブレイクスルー・スキル」と言った汎用無効化カードも打てない。
少々難易度は高いが決まれば高確率で相手を葬れる。試してみる価値はあるだろう。

「バスター・ガンダイル」もバーンダメージこそ発生しないが同様のループが可能で、
相手が「相乗り」や「増殖するG」など強制ドロー効果が発動していればこれを使って相手のデッキが尽きるまでドローさせてデッキ破壊完了、ということも出来る。

余談だが、映画の公開中はARC-VのED5の「ビジョン」にて劇中シーンの一部が公開されていたのだが、
そのワンシーンにこのインディオラ・デス・ボルトがガイアロードの槍に貫かれるシーンがあった。
毎週やっつけられる不憫な枠……と思われていたが、実際にはやられたと見せかけて自身の効果で攻撃を回避しているシーンだったという。
その次のこいつの攻撃がvs遊戯戦の敗北の引き金というオチがついたが。

因みにこのモンスターは「遊戯王」の原作者である高橋和希先生が映画のためにデザインしたもの。
東洋の神秘性と妖怪の不気味さを意識してデザインしたとのこと。
残りの方界モンスターもこのモンスターを元にデザインされているらしい。


■魔法カード


方界(カルマ) 
永続魔法
(1):このカードの発動時に、「方界胤ヴィジャム」以外の自分フィールドの「方界」モンスター1体を対象にできる。
その場合、手札・デッキから「方界胤ヴィジャム」を任意の枚数墓地へ送る。
その後、対象のモンスターの攻撃力は、この効果で墓地へ送ったモンスターの数×800アップする。
(2):相手ターンに「方界」モンスターの効果で「方界胤ヴィジャム」が特殊召喚された場合に発動する。
このカードを墓地へ送り、相手のLPを半分にする。
(3):墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「方界」モンスター1体を手札に加える。


これも【方界】における生命線である。
デッキから「ヴィジャム」を墓地へ送りつつパンプアップする効果は強力で最大で2400もアップさせることが出来る。
デューザに使用するだけでも攻撃力4000とあのオベリスクと同等の数値になると言えばその強力さが分かるだろう。

第二の効果は相手ターン中の方界モンスターの効果で「ヴィジャム」を特殊召喚した場合、ライフを半分にする効果。
「和睦の使者」などの戦闘補助があれば相手の戦闘を誘いつつ効果を発動できる。が、大抵これを警戒されているので中々条件を満たしづらい。

第三の効果が最も重要で自身を墓地から除外することによりデッキから法界モンスターをサーチすることが出来る。
前述したように「デューザ」の効果でこのカードを墓地へ送りつつデッキから必要な方界モンスターを手札に加える、
と言う動きが【方界】における基本的な動きなのでこのカードの優先度は高い。
また「デューザ」だけでなく「おろかな副葬」も相性がいいため是非とも投入したい。



方界波動 
通常魔法
(1):自分フィールドの「方界」モンスター1体と相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。
その自分のモンスターの攻撃力を倍にし、その相手モンスターの攻撃力を半分にする。
(2):自分の墓地から、このカードと「方界」モンスターを任意の数だけ除外し、除外した「方界」モンスターの数だけ相手フィールドの表側表示モンスターを対象として発動できる。
そのモンスターに方界カウンターを1つずつ置く。
方界カウンターが置かれたモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。

何と自分の方界モンスターの攻撃力を倍加させつつ相手モンスターを弱体化させるという殺意しかない魔法カード。
あの幻の究極のレア魔法カード《フォース》とあの制限カード《リミッター解除》の効果を併せ持った上で無制限、というと恐ろしさが解るかもしれない。
方界には攻撃力が高く、連続攻撃も出来る「バスター・ガンダイル」や「クリムゾン・ノヴァ」も存在するため、
このカードを発動するだけでワンターンキルも視野に入れることが可能。
ただし自分のモンスターは勿論相手の場に表側表示モンスターが存在することも条件なので注意。
また倍化と弱体化は永続的に続くため対象モンスターを維持できればそのまま高い攻撃力で制圧も出来る。

二つ目の効果は自身と任意の方界モンスターを除外することで相手モンスターをアンディメンション化させる効果。
いざという時に便利な効果であるが、【方界】も墓地からの蘇生を強いられる場面が出てくるので無暗に除外し過ぎないように注意。


方界(ダーマ) 
永続魔法
このカード名の(1)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分メインフェイズに発動できる。
手札から「方界」カード1枚を墓地へ送り、自分はデッキから1枚ドローする。
(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分の「方界」モンスターの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
(3):墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の「方界」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを手札に加える。

とにかく事故が大敵の【方界】で貴重な手札交換札。
手札から墓地に送る形なので、墓地アドバンテージを活かしやすいこのデッキでは単純に触れる札が増える。
(2)はお気持ち原作再現。ヴィジャムで戦闘してもダメージを受けなくなる…が、ワンキル特化構築の多い【方界】では正直あんまり…
(3)は方界業と対になる効果だが、同名ターン1がついているのであちらのように積極的に複数枚落とす必要はあまりない。


■罠カード


方界縁起 
通常罠
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分フィールドの「方界」モンスターの数まで、相手フィールドの表側表示モンスターに方界カウンターを置く。
方界カウンターが置かれたモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
(2):墓地のこのカードを除外し、自分フィールドの「方界」モンスター1体を対象として発動できる。
このターン、そのモンスターが戦闘で方界カウンターが置かれているモンスターを破壊する度に、その破壊されたモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

(1)はフリーチェーンのアンディメンション化、(2)は直火焼き付与。
なによりフリーチェーンで方界カウンターをばら撒けるのがうれしいところ。
(2)はフレーバー的には「次元領域デュエル」のルールを再現したものにも見えるが、通常の戦闘ダメージも普通に発生する。
そのため、アンディメンション化しつつ攻撃力0にする《方界曼荼羅》あたりと組み合わせるとひどいことに。


方界降世(ごうぜ) 
通常罠
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
デッキから「方界胤ヴィジャム」1体を特殊召喚し、攻撃対象をそのモンスターに移し替えてダメージ計算を行う。
(2):自分のLPが相手より2000以上少ない場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
自分の手札・デッキ・墓地から「方界胤ヴィジャム」1体を選んで特殊召喚する。
相手フィールドにのみモンスターが存在する状態で発動した場合、さらに「方界胤ヴィジャム」を2体まで選んで特殊召喚できる。

DSoD劇中で活躍した割にOCG化が遅く、藍神ファンをヤキモキさせた罪なカード。
その分追加効果の(2)を引っさげて登場し、進化にターンを食うようになったOCG版方界獣・帝デッキでの使い勝手は上がった。


方界輪廻 
通常罠
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象として発動できる。
相手はその同名モンスターを可能な限り自身の手札・デッキ・墓地から攻撃表示で特殊召喚する。
対象のモンスター及びこの効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は0になり、それらのモンスターに方界カウンターを1つずつ置く。
方界カウンターが置かれたモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
さらに、自分の手札からレベル4以下の「方界」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。


相手モンスターを弱体化させつつ、フィールドを埋め尽くし、更には手札から方界モンスターを展開できる。
しかし現在ではシンクロやエクシーズ、リンク召喚のための素材に利用される可能性が高いため考えなしの使用は危険。

映画では藍神が「青眼の亜白龍」の直接攻撃宣言時に使用。
「青眼の亜白龍」が「青眼の白龍」扱いであることを利用して手札から残りの2体の青眼の白龍を引きずり出させ、
更にはアンディメンション化させた上で海馬の場を埋め尽くすという戦法を採った。
映画ではシンクロやエクシーズも存在していなかったため*1この戦法は非常に有効だった。


方界曼荼羅(まんだら) 
永続罠
(1):自分フィールドに「方界」モンスターが存在する場合、このターン破壊され相手の墓地へ送られたモンスターを任意の数だけ対象としてこのカードを発動できる。
そのモンスターの攻撃力を0にして相手フィールドに特殊召喚し、そのモンスターに方界カウンターを1つずつ置く。
方界カウンターが置かれたモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。
(2):対象のモンスターが相手フィールドに存在する限り、相手が発動したモンスターの効果は無効化される。
(3):対象のモンスターが全てフィールドから離れた場合にこのカードは破壊される。

相手モンスターをアンディメンション化させた上で任意の数特殊召喚させるという効果を持ち、この効果によって特殊召喚されたモンスターが存在する限り別に展開されたモンスターも効果が無効化されてしまう。
これも上記と同じく場を埋め尽くすことが出来るがその後のリリース要員や各種素材になってしまうため、
その後処理できる方法を考えないとむしろ相手をアシストする形になってしまう。

映画でも藍神が海馬の罠カード「カウンター・ゲート」の発動に対して使用。
これによって海馬のモンスターの展開を阻害するつもりだったが、これが仇となってしまい……


方界合神 
通常罠
(1):自分の手札・フィールドから、「方界」融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
(2):表側表示の「方界」モンスターが、戦闘で破壊された場合、またはフィールドから離れた場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
手札・デッキからレベル4以下の「方界」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。
この効果で特殊召喚されたモンスターは、このターン戦闘・効果では破壊されない。

映画ではラストデュエルである「藍神VS遊城&海馬」で使用された罠。
罠カード版融合であるがこれによって現状出せる融合モンスターが「クリムゾン・ノヴァ・トリニティ」のみであるため少々使いづらい。
余裕があったら狙える程度の認識でいいだろう。

それよりも重要なのは(2)の効果で方界モンスターがフィールドを離れるだけで効果を発動できる。
その効果も自身を墓地から除外することでデッキからレベル4以下の方界モンスターを召喚条件を無視して特殊召喚できるというもの。
しかもこの効果で特殊朱召喚されたモンスターはそのターン破壊されないため緊急時の壁としても機能する。

当然自分から能動的にフィールドから離れさせることでデッキから展開することも可能。
「方界帝」や「方界獣」のコストとしての墓地送りは勿論、シンクロや融合、リンク素材として使用された場合も機能する。

「デューザ」による墓地送り効果とは相性抜群で、
デッキから墓地へ送りつつもそのデューザを素材にすることで新たなデューザを展開→「方界合神」を墓地へ……と言う流れで大量展開も可能。
これにより上記の通りデューザ共々一時期出張セットとして活躍した。


相性のいいカード

  • 名推理やおろかな副葬
基本的に方界業や合神を送ることになる。

  • 召喚僧サモンプリースト
手札でダブついた方界業を墓地に送りつつ、デューザを出して合神を墓地へ送り、何かしらのリンク2を出せば即座に合神の墓地効果を利用できる。

  • リンクモンスターやシンクロモンスター
合神を自発的に発動するためにこれらのモンスターがあると便利。特にヴィジャムを墓地に送れるリンクリボーや、デューザに対応するライナ・ダルクといった霊使いリンクモンスター、汎用性の高いトロイメアもおすすめ。
また、自発的に破壊することを求められたり除外が多いため、隠し味でトポロジック系統を投入するのもあり。

  • E・HERO プリズマー&ヒーローアライブ
ご存じ条件付きで融合モンスターの素材になれる変身ヒーロー。EXデッキのトリニティを見せることで一時的に方界モンスターになれるため、インディオラやバスターガンダイル軸で活用が可能。波動を使えば打点要因になる。クリムゾンノヴァを落とす目的でも使われるが名推理で誤って出てきたり、アライブでライフが半分になることが裏目に出る可能性もあるため採用する場合は枚数を吟味すること。

  • 悪夢再び
墓地に落ちたクリムゾンノヴァやヴィジャムを回収するために使われる。

  • オッドアイズフュージョン&覇王眷竜スターヴ・ヴェノム
デュエル後半で場ががら空きになった場合の最終手段。墓地に行ったクリムゾンノヴァの名称をコピーすることで打点こそ200下がっているものの、クリムゾンノヴァの耐性と攻撃的な性能は据え置きで貫通能力が使え、さらに方界サポートも使えるため一気にゲームエンドまで持っていける。EXデッキは覇王紫龍オッドアイズ・ヴェノムドラゴン2体と覇王眷竜スターヴ・ヴェノムの3体と圧迫するが方界はEXデッキに依存するテーマではないためこれらも気軽に入れられる。ただし、オッドアイズフュージョン自体は序盤~中盤にかけては事故要因にしかならないため、採用枚数はよく考える事。

  • 隣の芝刈り
一気に方界カードを落としたいときに。事故率も跳ね上がるものの、上振れた場合の爆発力がとんでもない事になる。
墓地から除外して効果を発揮する方界魔法罠とはややアンチシナジーではあるが妖精伝姫―シラユキとは光属性レベル4で方界では貴重な妨害手段になるため1枚挿しておくのもいいだろう。

弱点

ご多分にもれずというか、全体除外・特殊召喚メタ・スキドレが苦手。(スキドレに関してはデュエル後半であれば波動を用いてクリムゾンノヴァで押し切ること自体は可能)
特にどの軸でもインディオラやバスターガンダイルを破壊以外の除去をされたり破壊された際墓穴を打たれると墓地の方界を蘇生できずカードのサーチもできないため何としてもそれは避けたい。

そしてそれ以前の段階で怖いのはやはり手札事故
ほとんど全てが特殊召喚モンスターなので、手札が悪いと壁モンスターすら出せずに終わる。
方界獣・方界帝はどちらもバトルしないと真価を発揮できないため、相手の罠には細心の注意がいる。
クリムゾン・ノヴァ軸は召喚条件の都合上、手札が減ってしまうと建て直しが困難になる。

デュエルリンクスにおいて

クリムゾン・ノヴァ系列以外が藍神の使用カードとして実装されており、藍神・セラ*2のレベルアップ報酬やデュエル報酬、一部のカードはトレーダーで入手できる。
が、致命的な弱点としてデッキの核となるヴィジャムが未実装。
唯一使用する方法が藍神のスキル「方界胤」でデッキに投入するしかなく、その場合方界以外のモンスターが一切使えないため戦術が大幅に狭まる欠点を抱えている。
もう一つの核である「流星方界器デューザ」はセラの初期デッキで1枚、後はデュエル報酬で手に入るものの、方界の主力モンスターはヴィジャムなしではほとんど回らないため、必然的に藍神以外のキャラでこのデッキを運用することは不可能となっている。*3
2022年12月26日のアップデートで「方界胤ヴィジャム」や「暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ」が藍神のレベルアップ報酬で追加されたものの、それぞれ1枚ずつしか手に入らない為、依然としてスキル無しでは厳しいままとなっている。

この為か、対戦相手としては藍神はヴェルズ、セラはセイクリッドを代用のデッキとして使用している。

一方で、2020年9月29日辺りに行われたバーン半減のテコ入れの前に実装された為にバーンダメージは据え置きであり方界帝の効果が実質的に強化された他、デッキ枚数が少ないために比較的手札事故を起こしにくいと言った評価点もある。


追記・修正は分離・合体を繰り返してからお願いします。

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最終更新:2024年04月09日 12:39

*1 前日談の漫画ではエクシーズ関連のカードが確認できるが、少なくとも海馬は所有していなかった様子

*2 ちなみに方界モンスターの使用時における演出が異なっており、二人共レベル4の特殊召喚モンスターに大カットインが設けられているが、藍神は「暗黒方界神クリムゾン・ノヴァ」やレベル3以下の特殊召喚モンスターに目線カットイン・それ以外は通常の演出になっているのに対し、セラは「流星方界機デューザ」に目線カットイン・それ以外は通常の演出になっていると言った差異が見られる。また、セラは特殊召喚モンスターを出す際の台詞が「特殊召喚!(カード名)!」で統一されている。

*3 藍神だけでなくセラも各種専用セリフは設けられているものの、彼女のスキルの中に「方界胤ヴィジャム」を入れられるスキルは存在しないため、彼女を使ってキャラクターデッキを組むのは正直厳しいとしか言いようがない。