SCP-411-JP

登録日:2017/03/23 (木) 20:19:12
更新日:2023/06/30 Fri 21:49:27
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ケーキの上のイチゴは後で食べるタイプなんだ。


SCP-411-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクトのひとつである。
タイトルは「尊い犠牲」。JPのコードが示す通り、日本支部生まれである。
オブジェクトクラスは「Daath(ダアト)」。

……そんなクラスあったっけ? とお思いの諸兄は、この先を読んでいただきたい。



概要

コイツが何かと言うと、40代の男性のように見える、身長1.91m、体重79.6kgの人型生物である。「人型実体」ではなく生物である。
暗褐色の肌を持ち、その表面は白色と赤褐色の紋様に覆われている。が、これはペイントや刺青ではなく、生まれつき持っているものらしいことがわかっている。

さて、オブジェクトである以上コイツには異常な特性がある。
大きく分けると二つあり、一つは会話する相手の使用する言語を、訛りや俗語表現も含めて完璧に、流暢に発話出来る、ということである。つまり意思の疎通に問題はない。

問題なのはもう一つの方で、これはヒトとの皮膚接触、つまり抱擁などに限らず握手とかぶつかったとか、それくらいでも発現する。
簡単に言うと、コイツの皮下組織はわずかでも圧力がかかると、ごくごく小さな針状の組織を形成して体表に露出させる。
この針状組織は接触した対象の皮膚を突き破り、未発見のリゼルグ酸誘導体を分泌する。どんなものかよく分からないのであれば、とりあえずそういう酵素みたいなものを出すと思ってくれればよい。

そしてこの酵素を受け取ると、対象は感覚で受け取ることの出来る最大限の疼痛を覚えるのである。
この人型生物はこの事実を対象に説明することで、接触とそれに伴う苦痛への誘導・誘惑を行うのだ。当然、財団としてはそんなものを野放しにはしておけないので、番号を振って収容と相成った。

ちなみにこの人型生物、収容後はサイト内で比較的自由に行動している。
また、自身も「楽行」と称して、数十日間にわたる滝行など、多大な負荷や苦痛を伴う宗教的行動を頻繁に行っている。が、コイツ自身がこれによって傷ついたことはない。
人型SCPは大体、能力や特性は異常だがダメージは受ける、というタイプが多いが、その中では珍しい高耐久型と言える。




ところでコイツ、実は以前にも財団が一度発見している。
詳細は不明だが、収容違反の後に2004年になって与那国島で「再発見」されたSCP-411-JPは、「Daath」のクラスを割り当てられてサイト-8181ヘ移送された。
ちなみに、この年の1/30付けの、以前のコイツに関する報告書が財団のアーカイブにある。当時コイツが収容されていたサイトに関する言及が見られるが、データがあちこち破損しているため全文を読み取ることは出来ない。
このため、当時の状況を把握するのはかなり困難となっている。

しかしこの報告書や、当時のあらゆる記録を見ると、生物が「死」や「苦痛」と言った、本来は尊ばれるべき概念を忌避し、それを齎す超常的な物品や現象、要はSCPオブジェクトを脅威と見なしていた節が見受けられる。
この異常な認識はどうも有史以来、少なくとも先史時代から共有されてきたらしい。その背景には、特大のCK-クラス再構築シナリオを引き起こす実体の関与が疑われている。

そして、この年の1/30から、正常な価値観はI5サイト群を中心に徐々に再度獲得されていったことがわかる。
このサイト群の地理的座標と当時の記録から鑑みるに、正常な価値観の再獲得にはSCP-411-JPが大いに寄与している、と結論された。価値観の正常化そのものはは2004/9/27、つまりコイツの再発見・再収容の2週間後に完了したが、O5評議会(現在のD5神官団の前身)により、サイト群外部の価値観は再度異常な状態に置かれることになった。
嘆かわしい限りである。



ちなみに特別収容プロトコルだが、サイト-8181の低セキュリティ区画での自由行動を認め、定期的に儀礼を行うための物品を提供することになっている。
先述した特性の関係から、物理的接触を行う場合はレベル4以上のスタッフ3人の許可が必要となる。
実に緩いプロトコルだが、最大の苦痛という恩恵を与えてくれるものをそう蔑にも出来ない、ということなのだろう。


















そんなわけがあるか。

以上の記録は財団の正式なものであるが、諸兄ならばお分かりの通り、報告書を作った財団自体が完全に狂ってしまっている。
このオブジェクトは一体何で、財団に一体何事が起きたというのか?
箇条書きにするなり要点をかいつまむなりで解説するのが筋だろうが、ここはアニヲタWikiである。
よって少々セオリーを外れ、建て主の代わりに「正常な」財団職員の方に語っていただくことにする。
では、どうぞ。

ヤツに割り振られたアイテム番号はSCP-411-JP、これは正しい。
オブジェクトクラスは「Euclid」だった。知性がある人型実体、何をするかわからないからな。
特別収容プロトコルだが、ヤツは栄養補給を必要としない。だから、昏睡状態にとどめてI5-サイト81……の気密収容ユニットに収容することになっていた。このユニットの保全に携わる職員は、常にレベルAのHAZMAT除染を受ける必要があったんだ。どうしてか? 今から説明するさ。

異常な特性は……今あんたらが読んできた報告書に書いてある通りだ。ヤツはどうやら、死や苦痛を美徳、尊ぶべきものと捉える特殊な価値観を持っているらしい。そして、接触した対象に最大の苦痛を与える。ヤツにとって痛みは歓迎すべきものだから、周りにその「歓び」を分け与えようとするんだ。もちろん、よっぽど特殊な趣味でもなきゃ、好き好んで痛みを感じたい、ましてや死にたいなんて思う奴はいない。
それだけなら、行動させなきゃいいからSafeでもいい。が、コイツはEuclidだ。
コイツの発するリゼルグ酸誘導体は揮発性が極めて高い、つまり蒸発しやすい。さらに、1気圧の環境で一定の濃度に達すると、ヒトの大脳旧皮質に深刻な影響を及ぼす。わかるか? 揮発したコイツの酵素が変異した光学異性体に影響されると、コイツと同じような思考になる。痛みや苦しみを受け取ろうとする衝動を引き起こすんだ。低強度のミーム汚染に近いな。
問題なのは、この影響は取り除く手段がなかった。光学異性体を完全に隔離する方法なんてあるわけがない。だが、このまま放っておくと世界規模で価値観が変わっちまう。世界の全てが死と苦痛を望むようになるんだ。だから財団は、この作用を打ち消す研究を続けていたんだが、科学的アプローチには効果がなかった。そこで、ミーム的な側面からのアプローチに切り替えたんだ。

コイツの影響を受けた者……被害者としておくが、この連中はさっき言った通り、死と苦痛への衝動を持つ。財団はこれを修正するのではなく、強化誘導するミーム媒介を作った。つまり、単に死と苦痛へ向かうのではなく、確固たる信仰の対象とするミームを、だ。
とはいえ、使わないに越したことはない。このミームは予備手段として改良が進められていたが、その矢先……2004年1月30日に、収容違反が起きてしまった。この時点で、信仰のミームは全体の6割にしか達していなかった。残り4割の職員による、刹那的な行動へ対処するため、直ちにサイトを隔離して海水を注入した。これによって狂った職員を終了したんだ。
爆破しなかったのは、世界的な混乱の後でこの実体に関する情報が全くなくなるという事態を避けるためだ。だから、例のサイトの跡地から破損したデータがサルベージされたわけだな。
この時、SCP-411-JPは既に職員の手引きでこのサイトを脱走し、太平洋に消えていた。だが、価値観崩壊後にまた発見され、サイト-8181ヘ移送されたんだ。

財団は信仰ミームを予備策に据え、メインとして影響を打ち消す対抗ミームを作っていた。だが、この対抗ミームは完成直前に何かのアクシデントで抹消されちまった。
だが、財団は諦めたわけじゃなかった。予備策の信仰ミームを世界中にバラ撒いたんだ。死と痛みを信仰の対象に位置付けることで、安易に苦しむ、簡単に死ぬことを逆説的に拒否させた。そして、それは成功した。

……狂っちまった財団職員たちは、自らの信仰する苦痛と死を、自分たちが独占しようとした。いや、独占したんだ。SCP-411-JPを収容したのはそのためだ。神の真意という意味の「Daath」とかいうクラスまで作ってな。死と苦痛を齎すあの実体は、連中にとっては神の遣いだ。「死と苦痛は尊い者にのみ与えられるべきであり、配り歩くべきではない」。そんな理由でな。そして同じ理由で、今もオブジェクトの収容は続いてる。それらから外界を守るためじゃない。それらが齎す死を確保し、地獄を収容し、悪夢を保護するためにだ。財団が、それら全てを独占するためにだ。
連中はあれから、T-710とかいうミーム媒介を開発してバラまいた。何でかって言うと、理由は同じ。死と苦痛を独占するためだ。このミームがどんな効果を持ってるのかはわからんが、少なくともこれによって外界の価値観はかつてと同じになった。死に対する恐怖を取り戻したんだ。

報告書を読むだけだと、このサイトだけが異常に思えるだろ? けどな、陛下の高貴なる王冠や、韓国支部のSCP-050-KOのケースを思い出せ。サイト一つがあんな感じで異常な事態になったら、財団は対処する。にも拘らずこの報告書は、注釈もないまま放置されてる。……つまり、是正すべき財団そのものの価値観がイカレちまってるんだ。

これだけは覚えとけ。SCP財団は狂っちまった。正常な世界のためじゃない、自分たちのために確保・収容・保護するようになった。だが、表向きには何も変わっちゃいない。財団はオブジェクトを収容する、外界はその影響から外される。ほら、な? 今までと同じだ。
たとえ今の財団が、死と苦痛を最上の歓びとしてとらえ、外の人々はそれを受け取る価値のない下民だと蔑んでいたとしても、だ。




SCP-411-JP。
それ自体は、死と苦痛を歓びと捉える人型実体であり、接触した他者に最大の苦痛を与えるオブジェクトである。
だが、その苦痛をもたらす酸誘導体が問題だった。

極端に高い揮発性を持つこれは、蒸発した結果生じる光学異性体によって、不可逆のミーム汚染を引き起こす。これを受けると、SCP-411-JPと似たような思考を持つようになるのだ。
こんなものが広まったら、それこそCK-クラス・再構築シナリオの始まりである。財団はこれに対処する手段を模索したが、科学的な側面では歯が立たなかった。だが放置していれば価値観が崩壊する。
そこで財団は、発想を逆転させた。

財団の理念は確保・収容・保護。SCPオブジェクトの異常な影響から今の世界を守るために、SCP財団は存在している。
そのために必要な犠牲は、躊躇なく払う。残酷ではなくとも、冷淡に。
民間人を処理することもあるし、Dクラス職員を使い潰すことも多い。



例え、その理念のために払うべき犠牲が財団そのものであったとしても、同じなのだ。


当時の報告書の中には、0サイズの文字で当時の財団の決意が書かれている。

2004/09/05
我々には時間がなかった。
死は歓迎されるべきものとなり、人類の尊厳は失われた。
SCP-411-JPの影響を打ち消す対抗ミームは、完成を目前にして抹消された。
だが、対抗策が尽きたわけではない。
これは賭けになる。
この試みが成功した暁には、少なくとも財団の機能が見かけ上は取り戻されるだろう。
確保、収容、保護。


財団は賭けに出た。変異した価値観を持つ「被害者」達の認識を変える、つまり単純に死と苦痛を求めるのではなく、信仰の対象として崇め奉るという信仰ミームを、財団内部にバラ撒いたのだ。
並行して影響自体を打ち消す対抗ミームも開発されていたが、これは完成を前にしてアクシデントにより抹消されてしまった。

そして、収容違反により、世界中にこのミーム汚染が広がってしまった。これにより、予備策である信仰ミームの広域拡散が行われた。
その結果が現在である。


かつての「正常な」財団の目論見通り、信仰ミームに感染した財団職員たちは、死と苦痛をあがめるようになった。
そして彼らは、それらを独占し始めた。外界において同じ認識を持つ者達から、死と苦痛を取り上げようとして、実際に取り上げてしまったのだ。

それでも飽き足らず、狂った財団は別のミームを開発した。つまり、死と苦痛を恐れるようになるミームである。
こうすることによって、死と苦痛という最大の恩恵と歓びに浴する、その栄誉は財団のみに独占され、自分たちは楽園に住まうことが出来る。
そう考えて、実行したのである。


そして、世界は元に戻った。狂わされたものがさらに狂わされた結果、一周回って元に戻ったのである。
SCP財団の活動理念が、根本から破壊されたことを除いては。
だが、表面的には何も変わっていない。今日も、明日も、その先も、SCPオブジェクトは確保され、収容され、保護され続ける。


例えそれが、財団による死と苦痛という「恩恵」の独占のためであったとしても。



財団の明日はなかった。世界の明日と引き換えになった。




ちなみに、現在収容されているSCP-411-JPは、どうも財団の姿勢に強い違和感を覚えているらしく、脱走を度々試みている。
その中でのインタビューの一つがコレ。

D5-10: それではインタビューを開始します。SCP-411-JP、貴方があのように取り乱した理由をお聞かせ願えますか?
SCP-411-JP: ……どうなっている。私はいつまで、いや……そもそも何故ここに収容されている?
D5-10: 貴方が苦痛を振り撒くアノマリーだからです。他に理由がありますか?
SCP-411-JP: そうだ、苦痛を振り撒く。それは善行ではなかったのか?
D5-10: 勿論、善行ですよ。尊敬に値します。貴方のお陰で我々は正しい道を歩めるようになりました。故に貴方には特例として神の真意……"Daath"のオブジェクトクラスが割り当てられているのです。
SCP-411-JP: ならば閉じ込めておく理由が無いだろう!?……全く話が見えてこない。
(D5-10が肩をすくめる。)
D5-10: 宜しいですか?SCP-411-JP。惨たらしい"死"は……"苦痛"は……尊い者にこそ与えられるべきなのです。決して、配り歩いて良い代物などではありません。
SCP-411-JP: [不明瞭な呟き]
D5-10: かつての我々は……愚かにも、あるべき姿とは真逆の存在でした。アノマリーと接する者の地位は低く……一切の接触を避ける不心得者が組織を管理していました。
SCP-411-JP: 嘆かわしい限りだ。
D5-10: 同感です。神の恵みが賤民の一存で運用されるなどと……全く以て嘆かわしい話です。そこで我々は、貴方のようなアノマリーを独占し……楽園を築き上げる事にしたのです。
SCP-411-JP: [沈黙]
D5-10: T-710ミーム媒介の開発には14ヶ月もの時間を要しました。そして外界は、死と痛みを怖れる愚かな民で満たされました。死を施す者は死を以て罰せられる……死が罰則とは、何とも狂った世界です。それでも尚、他者に死と痛みを施す者が現れました。外界で"死刑囚"と称されていた人々は、この楽園に招かれ"神祇官"の称号を授かりました。
SCP-411-JP: ……お前もその神祇官か。
D5-10: ええ、私は最高神祇官の一人です。我々の責務は、アノマリーを不浄なる賤民から守り、この苦痛の楽園に永劫の繁栄をもたらす事です。至上の死を確保し、極上の地獄を収容し、無上の悪夢を保護する……その為に財団は存在しています。方針は違えど、確保、収容、保護の理念は昔も今も変わりありません。
SCP-411-JP: 繁栄する必要がどこにある? 矛盾しているだろう。そうだ、お前達は今や死も苦痛も恐れている。ミーム媒介とやらで恐怖を取り戻した……違うか!?三文芝居はもうやめろ。何時からだ?……最初からなのか?
(D5-10が椅子から立ち上がり、SCP-411-JPの腕を掴む。直後、D5-10は激しく痙攣を始める。)
D5-10: 我等賜りし全ての辛苦に万代不易の祝福を。潔めるは毒、潤すは炎、飢えを満たすは刃なり。我等賜りし全ての辛苦に万代不易の祝福を。蝕むは骨、焦がすは血肉、刻むは五臓六腑なり。
(祈祷は90分間続けられた。)
D5-10: ……失礼、つい脱線を……さて、貴方をここから出せない理由は先程述べた通りです。他に何かありましたらどうぞ。
SCP-411-JP: ……今すぐ死んでみせろ。死んでしまえ、狂人共め。
D5-10: ……それは出来ません。第一、人類が真っ先に死へと飛び付く存在であったならば、T-710ミーム媒介を開発している間に死に絶えていたはずでしょう。
SCP-411-JP: では何故だ?何故お前達は……文字通り、尊い犠牲になろうとしない?
D5-10: 分かりませんか?ほら、よく言うでしょう……
(D5-10が満面の笑みを浮かべる。)
D5-10: 楽しみは最後まで取っておく物ですよ。

……SCP-411-JPは苦痛を信仰し、それを媒介する認識災害ベクターである。
が、本人の精神性はどうかというと、信仰以外の部分では割と普通の人のようだ。そもそもこの御仁、言動を見るに「痛みを与える」ことを善行と捉えているようだが、死なせることは望んでいないようだ。そもそも生きてないと痛みがわからないし。

まあ、そんな御仁が死と苦痛を賛美する狂人に囲われていれば……SAN値がガリガリ削られるのは仕方ないだろう。
本人的には自らの信仰に従って善行を積んでいたら、狂信者集団に捕まって祭り上げられたようなもんである。




SCP-411-JP

尊い犠牲




財団は犠牲になったのだ……正常な世界を守るという理念……その犠牲にな







知ったり触れたら最後

ここからはSCP-411-JPと同じくソレを知ったり触れたりする事が危険で、同じようにSCP側によってサイト丸ごと影響を受けてしまったようなものを述べる。

陛下のSCP-MDLXI - The Tyrant's Pretext(暴君の託け)

上記の報告書にも挙げられていた同系統SCPの一つ。ミーム汚染によって見たり触れたりした者を「民」、被った者を「王」にしてしまう王冠。
少しでも影響を受ければあっという間に「王国の民」となり、暴君かそれを崇め奉る存在に成り果てる。
厄介なところは直接見なくてもこれを認知した時点で少しずつ精神を蝕まれていき、気づけば「王国の民」となってしまう点。
例によって一つのサイトが丸ごと影響下となってしまい、現在は「王国」として独自のルールで動く存在に成り果てている。
幸いにも、財団としての矜持だけはなんとか覚えているようで、「そっちの指示に従うから助けてくれ」とめっちゃ高圧的かつ偉そうな文章でSOSを送ってきていた。

SCP-050-KO - SCP-050-KO에 관한 건(SCP-050-KOについての報告)

上記の報告書にも挙げられていた同系統SCPの一つ。精神に悪影響をもたらす現象。
このSCPの影響を受けると、実在しないはずの「いじめてもいいし痛めつけてもいい弱くて不愉快なやつ」が見えるようになり、それに対する陰湿なイジメを楽しむ様になる。
すぐ真上の陛下の素晴らしい王冠と同じく、このSCPも伝播する力が凄い。やはりというか、少しでも存在を知ったり影響下にある人物と話したりすると同じように「架空の人物を痛めつける邪悪ないじめっ子」と化す様だ。
こちらも一つのサイトが「イジメの蔓延る倫理観が終わりきった場所」と化しており、丸ごと隔離された上で耐性持ちの「とある条件を満たした人間」をエージェントとして送り込んで調査が行われている。

SCP-2662 - cthulhu f'UCK OFF!(くとぅるふ ふっざけんな!)

見た目がどっからどう見てもSAN値をピンチにする例の邪神であることを除けば、ごくごく普通の感性を持つ大型の実体。
その異形に反して性格はゲームで遊ぶのが好きな成人男性とも言えるマトモな人物なのだが、彼自身にもどうにもできない強烈な精神汚染効果を持つミームを全身から放ち続けている。
これによって、SCP-2662の近くにある人間は精神をどんどんと歪められていき、最終的にSCP-2662を崇める狂信者と化して邪教の儀式を行い始めるというもの。そしておぞましいサバトを無理やり見せつけられた彼のSAN値がピンチになっていく。
装備を固め耐性のある者達を彼の担当にしているが、それでもミーム汚染に抗いきれず定期的に邪教の儀式が行われてしまうらしい。

SCP-1973-JP - メアリー・スーの怪物

見た人間にとって「完璧かつ最強、何もかもが優れた理想的な人物」に見える人型実体。
この実体が放つミーム汚染は「自分(SCP-1973-JP)こそが何でもできる主人公であり、周りの人間はそれの引き立て役」というもので、影響を受けると彼を妄信的に崇め彼の行う事全てを称賛してしまう。
更に彼に対して攻撃を行おうとしても、まるで簡単に倒されるかませ犬の如く稚拙な失敗を繰り返して自滅したり、「お前には敵わない!」と降伏してしまう。
例によって一つのサイトが彼の影響下に置かれており、彼を妄信する引き立て役や驚き役と、彼のかませとなる哀れな敵役で溢れる地獄絵図となっている。



CC BY-SA 3.0に基づく表示

SCP-411-JP - 尊い犠牲
by suramusi
http://ja.scp-wiki.net/scp-411-jp

SCP-1561 - The Tyrant's Pretext
by Randomini
http://www.scp-wiki.net/scp-1561
http://ja.scp-wiki.net/scp-1561

SCP-050-KO - SCP-050-KO에 관한 건
アカウント削除のため原著者不明
http://ko.scp-wiki.net/scp-050-ko
http://ja.scp-wiki.net/scp-050-ko

SCP-2662 - cthulhu f'UCK OFF!
by SoullessSingularity
http://www.scp-wiki.net/scp-2662
http://ja.scp-wiki.net/scp-2662

SCP-1973-JP - メアリー・スーの怪物
by jet0620
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最終更新:2023年06月30日 21:49