STEINS;GATE 変移空間のオクテット

登録日:2017/02/11 (土) 18:24:18
更新日:2023/06/17 Sat 17:21:12
所要時間:約 5 分で読めます






―――― “ある男”によって変えられてしまった世界



『STEINS;GATE 変移空間のオクテット』とは2011年10月28日に発売された『Steins;Gate』のスピンオフ作品の一つ。
Steins;Gateを「もしPC-88で再現したらどうなるか?」をコンセプトに制作された。ジャンルは「想定コマンド入力式ADV」。

本作はifとはいえ本編TRUEエンド後の話なので、やる場合は本編のTRUEをクリアしておくかアニメを最終話まで視聴しておくべき。
また前作『Chaos;HEAD』とのコラボ要素もあるため、そちらもやっておくとなお良い。

以下ネタバレ注意


概要

MAGES.が立ち上げたPC用新ブランド「Gigas Drop.」より発売されたSteins;Gateスピンオフ作品。
このゲームのため新規に製作したオリジナルシナリオを「8ビットパソコン時代のアドベンチャーゲーム」風に再構成してある。

当初のタイトルは『STEINS;GATE 8bit』だったが、正式な発売予告の際に正式タイトルや対応ハードが明らかになった。
正式タイトルの「オクテット」とは英語で「8組」…コンピュータの分野では8ビットの事であるため、
実際にはタイトルを普段のシュタゲ風にしただけで根本は変わっていない。変異空間もあらすじの通りである。

ゲーム内容としては80年代のパソコンゲームを再現した、コマンド入力タイプのアドベンチャーゲームで、
ADVゲーム黎明期にはスタンダードだった英単語コマンド入力型を採用している。
初回出荷分に限り、レトロゲーム風パッケージ仕様、サウンドトラック(8bit仕様)同梱している。

本作はシナリオはその当時のADVらしく短いが、代わりに難易度は抑えられている。

だがそんなことは問題ではなく、一番のポイントはその驚異的な再現度にある。

まず画面が8ビットPC風というコンセプトを徹底追求した結果、グラフィックはデジタル8色のライン&ペイント方式で描画((当時は画面が切り替わる際に1本ずつラインを引いてペイントしていくという描画方法だった。なお本作のはスキップもできる))。
しかも画面だけでなく、音楽も当時の機種を完全に再現しており、FM音源+PSG音源をエミュレート出力しPSGタイマー割り込みなし制御まで再現してあることがわかる。

その他、当時のPCを再現した様々なスペックにも切り替え可能など、レトロゲーマーが懐かしい要素が豊富とのこと。

ここまで徹底してレトロPCを再現して、今は完全に消滅したコマンド入力式のADVを出すという事で、
当時のゲームを知っている人達から発売前から話題と共に注目されていたとか。



◆ストーリー

世界線変動率「1.048596」
2010年の夏、岡部倫太郎が紅莉栖を助け出し、シュタインズゲート世界線に到達して一ヵ月経ったある日、
岡部は突然目眩のような感覚に襲われると同時に、15年後の未来にいる自分からのDメールを受信する。

メールによると、幻のレトロPC「IBN5100」がある者の手に渡ったことで世界中の基幹産業の全てが“萌え産業”へとすり替えられてしまい、
15年後の2025年に世界恐慌が発生。あらゆる国家や宗教が“萌え”の前に敗北し、崩壊していく事になるらしい。

現在の世界戦変動率は「1.048728」
未来の自分から「IBN5100を彼の手から奪還せよ」との指令を受けた岡部は
計画を壊す者作戦(オペレーション・ラーズグリーズ)」を始動する――――


◆登場人物

岡部倫太郎
主人公。せっかくシュタインズ・ゲート世界線にたどり着いたのにものすごく奇妙な世界線に移動してしまう。
未来の自分からのDメールを受け取り、その世界線から脱出するため秋葉原を巡っていくのだが……

牧瀬紅莉栖
ヒロイン。この世界線ではほとんどα世界線に近い関係(記憶等を含めればアニメ25話のSG紅莉栖が一番近いか?)。
要所要所で岡部をサポートする。……駄目男に都合のいいように利用されている女に見えなくもないがきっと気のせい。

椎名まゆり
中盤から登場。炭酸は苦手。
岡部が疎いオタク関連の知識をサポートしてくれる。

橋田至
さらにHENTAIなことが語られるスーパーハカー。
岡部に疾風迅雷のナイトハルトについての情報を提供する。

漆原るか
序盤に登場。今作では姉に関して少し言及がある。

フェイリス・ニャンニャン
中盤に登場。
雷ネットでスランプに陥っていたが、岡部の手により回復する。
さらに自身のCDを岡部に売ってくれる。

桐生萌郁
序盤に登場。
しかしラジ館の階段で寝てるだけであろう事か立ち絵すら無い。
その上セリフも「うぅぱ……?」の一言のみという扱いがひどい。

天王寺綯
序盤に登場。岡部が真っ先に会う人物でもある。

◇天王寺裕吾
なぜか駅員の姿をしている。
透明人間になれる謎の懐中電灯を岡部に使う。

◇橋田鈴
別の世界線では阿万音鈴羽、橋田鈴羽だった人。
この世界線では現在シリーズ唯一、過去のα世界線での偽名だった橋田鈴が本名となっている
なぜこの世界線でも過去に来ているのかというと……


◇疾風迅雷のナイトハルト
本編ではジョン・タイターが探しているIBN 5100をSNS上で有志を募って探していた人物。
正体はほとんどの皆が知っている通り『CHAOS;HEAD』の主人公 西條拓巳
彼がIBN 5100を入手したため2025年は世界の基幹産業が萌え産業にすり替わり、世界恐慌が続いているとされ、
岡部は彼を捜すために行動に移すのだが……



◆用語

・IBN5100
本編で重要なキーアイテムとなったレトロPC。
本作ではシュタインズ・ゲート世界線では見つからなかったはずのこのPCを、
疾風迅雷のナイトハルトが手にしたことで世界線がシュタインズ・ゲート世界線から少しずれてしまうことになる。

・世界戦変動率:1.048728%
本作の舞台となる世界線。シュタインズ・ゲート世界線から0.000132%ずれた世界線。
原作の林氏いわく「自分の中ではβ世界線」とのことだが、紅莉栖は死なないし第三次世界大戦も起きない。
だが、ディストピアや第三次世界大戦など比ではない悲劇――まさに“カオス”な世界が作られる世界線である。
現在の秋葉原もどこかおかしく……?

・ラボメンバッジ
原作でもキーアイテムで最後を締めたバッジ。
なぜかイニシャルが岡部の「O」しかないようだが……?




小説版

上述のゲーム作品を元にした小説版が、富士見ドラゴンブックにて全2巻で発売された。

著者:明時士栄
カバーイラスト:huke
本文イラスト:一葉モカ

前半に当たる1巻はゲーム版に比較的忠実な物語となっていて原作のほぼ最後まで進行するが、
後半に当たる2巻からは小説版オリジナルのストーリーが展開されて、その解決を経て最後は原作と同様の締めで終了する。

後半部はゲーム版では活躍が少なかったキャラクターも若干色物枠で活躍しており、
シュタゲメンバーをカオヘのノリ(比較的健全)に持ち込んだような感じになっている。
なお、ラストのとある場面はメタ要素を存分に発揮したゲーム版と違い、妄想の暴走を逆利用して解決している。



妄想……あるいは概念創製(オンリーマイジャスティス)と言ったところか

マジレスすると僕らは追記・修正って呼んでいる


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最終更新:2023年06月17日 17:21