イプシロン(装甲騎兵ボトムズ)

登録日:2011/10/17(月) 22:20:20
更新日:2023/02/01 Wed 22:05:55
所要時間:約 7 分で読めます




※推奨BGM:炎のさだめ


予告

愛を見たのが幻想なのか。

心の渇きが幻想を生むのか。

戦いの果てに理想を見るのが幻想に過ぎないことは、

兵士の誰もが知っている。

だが、あの瞳の光が、唇の震えが幻だとしたら。

そんなはずはない。

ならば、この世の全ては幻想に過ぎぬ。

では、目の前にいるのは誰だ。



次回、「再会」


劇的なるものが牙をむく。


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イプシロンとは、『装甲騎兵ボトムズ』の登場人物の一人。

声:上恭ノ介


概要

ボトムズ本編におけるいわゆるライバルキャラクター的な存在。
ヒロインのフィアナと同じパーフェクトソルジャー (PS)であり、キリコ・キュービィーの前に幾度となく立ちはだかる事になる。



作中での活躍

◆誕生と初陣〜デライダ高地にて〜

アストラギウス銀河を巻き込んだ百年戦争の末期、ギルガメス側の小惑星リドが襲撃され、開発途中のPSが何者かにより奪取されるという事件が発生した。
PSの奪取した集団……秘密結社はその内の一体プロト・ワンの運用試験をウドの街で行うが彼女はアクシデントによりキリコの存在が刷り込まれていた為不調に終わり、プロト・ワンを欠陥品と見なした。
一方で秘密結社はデライダ高地にて新たなPSを完成させる……プロト・ツー、またの名をイプシロンである。
生まれたばかり故に純粋で発語すらままならぬ彼に対しプロト・ワンは教育係として人間らしい情緒を持たせる教育を行った。これはプロト・ワンの意志もあるが同時に秘密結社に身を寄せPS開発に携わった元レッドショルダー最高司令官のヨラン・ペールゼンの意向によるものであった。
ペールゼンはイプシロンを冷血な戦闘マシンではなく一人の人格を持った兵士として育成する為にプロト・ワンを教育係としたが、それはかつて自分が死なない兵士の理想像として追い求め、そしてその本質を知ってからは恐怖と憎悪を抱いたキリコ・キュービィーを機械ではなく人の手で殺す為であった。
そのチャンスは意外と早くやってくる……ペールゼンに恨みを持つ元レッドショルダーのグレゴルー・ガロッシュ、バイマン・ハガード、ムーザ・メリメ、そしてキリコ・キュービィーがデライダ高地を襲撃してきたのである。
次々と防衛線を突破されていく中、戦闘兵器としての本能が触発されたのかイプシロンはブラッドサッカーに乗り込み侵入者に対し戦いを挑んだ。常人を遥かに上回るPSとしての能力を発揮しムーザ、グレゴルーを撃破しキリコをも圧倒するイプシロン。イプシロンをプロト・ワン……フィアナと誤認している事もありその力の前に為す術も無いキリコは遂に機体から放り出される。
そこにペールゼンが現れイプシロンに機体から降り自らの手でキリコを殺せと命じる。遂にペールゼンの執念が実る時が来たかに思えたが邪魔が入る……キリコを愛してしまっていたプロト・ワンである。彼女は愛するキリコを守る為、そしてイプシロンに人を愛するとはどういう事か教える為にイプシロンに口づけをする。
この妨害の成功に激昂したペールゼンはその狂気の赴くままに自ら銃を取りキリコを殺そうとするが、致命傷を負いながらも駆け付けたバイマンの機銃掃射を受け死亡する。
この間意識が朦朧としていたキリコは自分を圧倒した相手がイプシロンであるとは気付いていなかったが、フィアナが見知らぬ男とキスしていた事は覚えており、それを忘れる為にクメン内乱に身を投じていく事となった。


◆再会、そして決別〜クメン内乱とブルーAT〜

秘密結社幹部と共にデライダ高地から逃れたプロト・ワンとイプシロン。秘密結社はイプシロンに実戦経験を積ませるべく内乱の地クメンをテストの場として選び、神聖クメン王国に接触しビーラーゲリラ側の戦力としてイプシロンを投入した。
イプシロンはPS専用機のスナッピングタートルを駆り、クメン政府側に攻撃を仕掛け政府側からはブルーATと呼ばれ恐れられた。
そんなある日、交戦していた1機のマーシィドッグのパイロット……キリコからの接触を受け、遂にキリコとイプシロンが対面する事になる。フィアナと勘違いしていたキリコはイプシロンに驚くも、既に自我が芽生え能弁な自信家となっていたイプシロンは愛するプロト・ワンが執着しているキリコを不快に思っており、攻撃を仕掛け遂にキリコをビーラーゲリラ側の捕虜とする。
バランシング素人のキリコをバランシングによる決闘で叩きのめし追い詰めたイプシロン。だがプロト・ワン……フィアナの機転もありキリコは一命を取り留め脱走してしまう。イプシロンはその事を知りながらも黙認する。
その後は対PS用のミッションディスク(MD)を組んだキリコと何度か対決するが、プロト・ワンの度重なる裏切り行為に業を煮やした秘密結社側は遂に抹殺を決意、追っ手を差し向ける。イプシロンは彼女を庇うが味方を撃てない様プログラムを植え付けられていた為プロト・ワンの盾となる事しか出来なかった。
クメン政府側と神聖クメン王国による決戦の最中、新たに開発されたPS専用機ストライクドッグを受領したイプシロンはキリコを求め次々と敵を撃破していき、遂にキリコ、そして彼に保護されたプロト・ワンを発見する。機体の性能差もあり優位に立つイプシロンだがキリコを守る為にプロト・ワンが銃を向ける。同じPSである自分を撃てる筈が無いと高を括るイプシロン。だがプロト・ワン……フィアナはイプシロンに向けて発砲、イプシロンはこれにショックを受けてしまう。


◆サンサにて〜愛の究極、憎しみの究極〜

戦艦Xに乗り込みサンサへと向かうキリコとプロト・ワンを追撃する為に戦艦テルタインに乗り込むイプシロン。だがプロト・ワンを奪ったキリコへの憎悪に加えてプロト・ワンへの愛が転じた憎悪から徐々に情緒不安定となっていく。
サンサへ到着後もキリコと対峙するもプロト・ワンの妨害等もあり失敗が続くイプシロン。だがバララント軍と接触したキリコを攻撃した際にキリコと共に奈落の底へと落下してしまう。
奈落の底から脱出すべく一時的に協力する事を決めた二人。その中で何故かプロト・ワンをフィアナと呼ぶキリコと会話を交わすイプシロン。だがキリコはイプシロン唯一のアイデンティティーであるPSとしての誇りを無意味なプライドと切り捨て、それに縋る切れ味のいいだけの人間と言い切る。
無事脱出を果たした後二人は互いに相容れない存在と理解する。そして愛する者と兄弟同然の者との板挟みとなり苦しむ一人の女を尻目に二人の兵士は決戦に向け準備をするのであった……


◆決戦、そして最期〜誇りを抱いて〜

指定した場所に到着したキリコのスコープドッグに対し奇襲を仕掛けるイプシロンのストライクドッグ……遂に二人の決戦は始まった。機体の性能差があるにも関わらずかつては一方的にやられていたイプシロンと互角以上に渡り合うキリコ。互いの全てを賭けた壮絶な死闘が繰り広げられるがとうとう決着の時が来る。大破したストライクドッグに銃を向けるスコープドッグ……勝者はキリコであった。
だがそこでフィアナ……プロト・ワンが飛び出して言い放つ……キリコはPSであると。必死に否定するキリコに瀕死のイプシロンは断言する……自分に勝ったキリコはPSであると。普通の人間ではなく同じPSに負けたのだと確信したイプシロンはPSとしての誇りを抱いたまま『同類』二人に看取られ息を引き取った。



同じ女を愛した事を除けば経歴も性格も何もかも違う(むしろ対照的と言える)キリコとイプシロン。だがキリコはイプシロンの戦いの中でしか生きていけない本質に気付いており、かつての自分と重ね合わせゴウト達とは違う意味での『仲間』と見なしていた。




※推奨BGM:炎のさだめ


予告

始めから感じていた、心の何処かで。

雑談や愚痴の裏にある渇きを。

厳しい自治の底に潜む悲しみを。

似た者同士。

自分がWiki籠もりである為に、守ってきたルールの数を数える。

声にならない声が聞こえてくる。



次回、『仲間』


一足先にROMになったアニヲタの為に。



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最終更新:2023年02月01日 22:05