闇の魔法つかい/終わりなき混沌(魔法つかいプリキュア!)

登録日:2017/1/15 (日曜日) 12:39:00
更新日:2024/02/11 Sun 19:14:55
所要時間:約 30 分で読めます







闇の魔法つかい/終わりなき混沌とは、『魔法つかいプリキュア!』に登場する敵組織である。




【概要】

本作は2部構成であり、同時に敵組織が1部と2部でガラリと変わる交代制となっているのが特徴。

第26話まではドクロクシーが率いる『闇の魔法つかい』が、
第27話からはデウスマストとその眷属で構成された『終わりなき混沌』という2つの組織がプリキュアの敵として立ち塞がる。

大きな特徴として、プリキュアと敵幹部が交流したり、一般人の日常に紛れてギャグに走る奴等が歴代悪役の中でもかなり少ないことが挙げられる。というかほぼいない。
加えて敵からプリキュアの仲間入りする様な幹部も今作には居ない。
故にプリキュアと良好な関係を作っている敵キャラは皆無。互いが相容れない敵同士という関係性となっている。

その辺りを好しと捉えるか悪しと捉えるかは、判断が分かれるところかもしれない。


両組織とも特色と毛色が違いすぎる為、一見何の繋がりもない組織と思われていたが、終盤意外な関係が判明する。



【闇の魔法つかい】


我が僕たちよ……。ドクロクシーの名のもとに命ずる……

第1話から第26話まで登場する敵組織。
魔法使いドクロクシーと自身が魔法で生み出した使い魔で構成された集団。
「全世界を闇で覆うこと」を目的とするオーソドックスな敵集団。
世界征服を成すため「リンクルストーン・エメラルド」と「リンクルスマホン」を手に入れようとプリキュアをつけ狙う。
幹部達は皆魔法使いや魔女の使い魔をイメージするような動物がモチーフとなっている。

同じく魔女の使い魔をモチーフとした前作の敵幹部との被りはない。
いずれも元となった生き物の姿が強く出ているスマイル以来の人外姿の幹部であり、瞳が入っていない目のデザインはSplash☆Starの実に9年ぶりである。
なお、「闇の魔法使い」とは本来はドクロクシーの称号であり組織の名前ではない。
捨て台詞の「オボエテーロ!!」はそのまま撤退の魔法らしい。


【首領】

  • ドクロクシー/クシィ
全てを塗り潰す…我が闇には叶わぬ!

CV:秋元羊介/中村悠一
全身をローブに包んだ謎の魔法使い。
一切言葉を発さず、ヤモーへの意思疎通(?)の際には目を光らせる。威圧程度の魔力で配下達を脅えさせるほどの力を持つ。
髑髏の手や髑髏の様な顔を覗かせており、純粋な生き物かどうかも定かではない。
一言も喋ることなく全てヤモーが代わりに伝えていたため、そもそも本当に存在しているのかすら怪しいとバッティに疑われていたが、
第19話にてついに直々に言葉を発してバッティに命令し、闇の力を凝縮した髑髏を与える。
どうやら喋る事すらも体に負担がかかるらしく、その光景にヤモーも慌てふためいていた。

その正体はかつて魔法学校でも優秀な魔法使いで、校長の友であったクシィ
校長と共に災いに備えてエメラルドを探していたが、見つからないことに業を煮やし、過去に禁断とされた禁術を蘇らせるなど闇の魔法へと傾倒した結果、命を落としたが、人としての魂を失うも欲望と魔力だけが原動力となり骸そのものに定着している。

本拠地へと乗り込んで来たプリキュア達からリンクルスマホンを奪い、そして魔法界に現れたリンクルストーン・エメラルドを取り込んだことにより、骨太の巨大な骸骨へと変貌する。
その戦闘力は強大であり、肉弾戦やエネルギー波、目から発射するビームロケットパンチのような腕を飛ばす攻撃でプリキュア達を追い詰める。
魔法界とナシマホウ界のエネルギーだけでなくヤモーすらも取り込み更なる力を発揮するが、はーちゃんを助けたい為に力を振り絞る2人の思いに応え、はーちゃんがドクロクシーの中から脱出し援護したことで、プリキュア・ダイヤモンド・エターナルを食らい消滅した
……と思われたが、凄まじい程の欲望や執念により巨大な亡霊の姿で魔法界に現れる。
再びエメラルドを奪わんとするが、みらいリコ2人の絆や思いを受けて最終成長を遂げたはーちゃんの力に浄化されて消滅。
その際に全ての闇から解き放たれたからか魂が生前の姿へと戻り、校長に後を託すとはーちゃんに導かれ天へと還っていった。

そして物語終盤、彼が書き記した闇の魔法が書かれた書が登場。オルーバの儀式に利用されることに。
配下の使い魔も復活することになるが、自らを悪の道に引き摺り込んだオルーバは消滅。
オルーバ消滅後、書を開いた校長により最後まで語り合うことも出来ずに魔の道に堕ちてしまったクシィの真意が明らかとなった。

『友よ…。来たるべき災いを退けうる手段。そして力を見つけるために…。』
『君には反対されてしまったが…それでいい。』
『たとえ研究の果てにこの身がどうなろうと覚悟はできている。しかし、君を巻き込むことは、それだけはしたくなかった。』

『災いを乗り越え、またいつか……共に飛ぶ日を夢見て……』

そこに在ったのは、この世の行く末を憂い、最後まで親友を真面目に想い続けながら孤独に『災厄』と戦おうとした、哀しき友の姿であった。

クシィよ…お前はどこまで真面目な奴なんだ…バカヤロウ!

この文章を読み彼の真意を理解した校長は本を抱きしめ、こう涙した。
なお最終回で、実は生前は大のスイーツ好きだったことが判明。*1
死後怨霊になってもその感情は消えておらず、スイーツを食いすぎて虫歯になっていたという衝撃の事実まで明かされた。
ドクロクシー消滅後も残っていた「スイーツを思う存分食べたい」という残留思念が最後に残っていた自身の骨と融合を果たし……


  • ドクロムシー
生前スイーツを食べ過ぎていたことで虫歯になっていたドクロクシーの「虫歯」を素体にして生まれた新たな闇の怪物。
広義で見れば再生・復活したドクロクシーと言えるかもしれない。
見た目はヤモーが作っていたドクロクシーの案山子に近いが、違いとしてはお菓子の意匠があちこちにある。
人語を介さない為細かい性格は不明だが、美味しいスイーツを食べること以外に興味が無く非常に子供っぽいことは垣間見える。
「全世界のスイーツを奪って食べ尽くす」という目標を掲げ、ヤモーと共に魔法界とナシマホウ界を股にかけてスイーツを食べまくる行為に打って出た。
ちなみにコイツ奪うのにあれだけ時間かかったリンクルスマホンのペン(はーちゃんの)をいとも簡単に奪ってる上に無制限テレポートしたりと割とやりたい放題の能力を持っている。
結論としてはプリキュアたちやキュアホイップの参戦によって計画は阻止される。しかし、プリキュアたちがドクロムシーの悩みであった虫歯を治療したことで両者は和解。笑顔になりながらヤモーと共に姿を消した。

と思ったら、校長の部屋に乗り込んで冷凍みかんを食べていた。どこまでも甘党である。


【幹部】

ドクロクシーが闇の魔法で生み出した使い魔達。
彼が欲している「リンクルストーン・エメラルド」と「リンクルスマホン」の捜索および強奪を任務としている。
魔法によって生み出された存在であるため、闇の魔法の力さえあれば例え元の動物の姿に戻っていても復活できる。


  • ヤモー
私の言葉はすなわちドクロクシー様のお言葉。逆らうことは許しませんよ

CV:高戸靖広
ヤモリを素体にして生み出された側近で、ヤモリのような顔で貴族風の格好をした小男。
言葉を話さないドクロクシーの意思を幹部たちに伝える役目を持っており、
他にも毒々しい色の液を使った占いでリンクルストーンのありかを探している(バッティには当てにならないと馬鹿にされているが)。
慇懃無礼な性格であり、幹部達の報告もすぐに信じず疑るほど用心深い。
伝説の魔法使いであるプリキュアについて何か思う節があるような含みを持たせている。
スパルダからの報告によりリンクルスマホンの存在に思い当たり、エメラルドだけでなくリンクルスマホンの奪取も幹部達に命ずる。
魔法やアイテムに関する知識は豊富のようであり、校長すら知らなかったリンクルスマホンの言い伝えや、来たるべき災いについての一節についても知っている。
プリキュアとドクロクシーの決戦の際に自ら進んでドクロクシーの力となるべく取り込まれる。
過去のシリーズから黒幕扱いされていたが最後まで忠臣であった。

ドクロクシーが消滅したその後、謎の魔人ラブーにより尻尾の切れ端から再生され、ドクロクシーの魔力のこもった骨から生んだスーパーヨクバールを使い、プリキュア達に復讐を誓う。
復活の際に力が強くなったのか頭身も高くなっている。
骨が最後の1本になった際にかつての幹部達と同様に自らを素体としてスーパーヨクバールとなり、ことはを捕らえることに成功するがミラクルとマジカルの奮闘により解放され、戦いの末フェリーチェに浄化され元のヤモリの姿へと戻った。
彼が浄化されたことにより闇の魔法使いは完全に滅び消え去った。
だが第45話では素体だったヤモリがドクロクシーを模したカカシとともにバッティの元に駆けつけてきた。

その後最終回ではクシィの魔導書の力を受け復活。
ドクロクシーの忘れ形見である怪物「ドクロムシー」に相変わらずの忠誠を捧げつつ、ドクロムシーが好むスイーツを集めるべく魔法界で悪さを繰り広げた。
結末は「ドクロムシーを倒さず笑顔にする」という方針を定めたプリキュアの活躍によって和解。
ドクロムシーを消滅させなかったことに感謝を述べながら穏やか表情でドクロムシーと共に姿を消した。


  • バッティ
まあ退屈な魔法しか知らないあなた方には、こんな真似できませんがね

CV:遊佐浩二
蝙蝠を素体にして生み出された幹部で、蝙蝠のような耳を持ち吸血鬼のような格好をした優男。
人外な姿だらけの幹部達の中では一番人間に近い姿をしている。
敵であろうと紳士的な態度を取るが目的のためには手段を選ばない非情な性格。
リンクルストーン・エメラルドを求めてナシマホウ界に来たところでみらいとリコを見つけ追い詰めるものの、2人がプリキュアに覚醒したためヨクバールごと撤退する。
つまりはプリキュアが生まれるきっかけを作った立役者である
元が蝙蝠である為か、何かにぶら下がって登場することが多い。
ナシマホウ界ではどこかの山の洞窟で暮らしている。
スパルダに対しては彼なりに仲間意識を持っており、彼女をあっさり切り捨てたヤモーに不信を抱き始める。
そしてドクロクシーにも「本当は存在しないのでは?」と思い始めており、第19話にてそのことをヤモーやドクロクシー達の前でついに打ち明けるが、
ドクロクシー自身が言葉を発して命令し、さらに闇の力を凝縮した髑髏を与えられたことで疑念が掃われる。

同話にて魔法界にそびえる大樹の頂上にてみらいやリコ達を見つけ、スパルダとガメッツ、上記の髑髏の力を取り込みそれぞれの特徴が現れたキメラのような姿となって強襲する。
サファイアスタイルとなった二人を圧倒しリンクルスマホンを奪おうとするも、はーちゃんの力に呼応するように大樹がはーちゃんとモフルンを守り木々が攻撃をしてきたため、その隙を受けて金魔法を受けて敗北する。
しかし他の2人と違い本人までは浄化されず、ボロボロになりつつも撤退した。
その後、本拠地にやってきた校長からドクロクシーを守るために立ちはだかるも一蹴され、出現したエメラルドを手に入れようとするもエメラルドの光により消滅した。
…と思われていたが、ドクロクシーの消滅後、素体と思われる蝙蝠は無事生存しており人知れずどこかに飛んでいった。

第44話ではオルーバによって復活するが「自分の主人はドクロクシーのみ」と協力を拒否してハブられた。
第45話では校長と偶然出会いドクロクシーの素性を知り、オルーバが自分たちを利用していたことも知って激昂。


我らの生き様! 茶番などと言わせておくものかぁぁぁッ!!


「闇の魔法つかいの誇り」をかけてドクロクシーのカカシとスパルダの素体とガメッツの素体とヤモーの素体から生み出したモットヨクバールでオルーバのドンヨクバールを撃退することで、自分達と主ドクロクシーの存在と生き様を侮辱したオルーバに一矢報いることに成功。
プリキュア達がオルーバを打ち倒す切っ掛けを作った。
オルーバの消滅後は素体のままの仲間たちと共に何処かへ去っていった。

第49話の最終決戦の時プリキュアの仲間たちに混ざって姿が映っていたが、最終回ではなんと改心して魔法学校の生徒として通っていることが判明。
普通に学生生活をエンジョイしていた。*2

何気にプリキュアとモフルンに混じって彼のプリプリお手玉が公式グッズ化している。

彼女とは古い知り合いだったのかも知れない。


  • スパルダ
立場が分かってない様だねぇ、あんた達に選択の余地なんて無いんだよ

CV:小林ゆう
蜘蛛を素体にして生み出された幹部で、蜘蛛のように毛に覆われた手足と胸と腰、黒地の肌にウェーブのかかった紫の髪の女。
リンクルストーン・ダイヤをみらいから奪い変身できなくさせる、町全体を蜘蛛の糸で囲み逃げ場を無くすなど、罠を張り巡らせることを好む。
また、罠に嵌ったものだけでなく周囲の物にまで平然と攻撃したり、ヨクバールの素体にする形で母親ペガサスを人質にする、
傷つけたものを嘲笑うなど、幹部の中でも残忍な性格をしている。
元が蜘蛛なので糸を使ってぶら下がったり、相手を絡めとることが出来る。この糸は文字通り雲を掴む事も可能。
ナシマホウ界では、森の木々や都会のビルの間に巣を張ってハンモック替わりにして暮らしている。
三幹部の中では唯一、リンクルストーンの核心に迫りつつあったが…。

第16話では功を焦り過ぎ、自らがヨクバールとなって2人に襲い掛かるが、最後にサファイアスタイルとはーちゃんとの激戦の末に光の必殺技を受けて浄化され“本来の姿=普通の蜘蛛”に戻ってしまい、幹部初の退場となった。
素体となった蜘蛛はバッティに回収され、闇の魔法使いの本拠地へと連れられた。

第43話ではオルーバによって復活し、第44話ではバッティとガメッツを復活させるようにオルーバに提案する。
しかし、オルーバに素直に従う気は全くなく自分自身が闇の世界を生み出すためにオルーバが奪ったドクロクシーの魔導書を奪い返そうとするが、ドンヨクバールに倒されて再び本来の姿に戻ってしまう。
最終回には元の姿で登場。相変わらず野心丸出しだったがヤモーの予想外の復活でまたしても目的を達成できなかった。


  • ガメッツ
どうした、何故本気を出さぬ? バッティやスパルダを退けた戦いぶり、我にも見せてみよ!

CV:中田譲治
亀を素体にして生み出された幹部で、鎧と兜をつけた二足歩行の亀の姿をした大男。
幹部達の中でも特に戦いに秀でた武人であり、策や小細工を使わず自身の怪力による真っ向からの戦いを好む。
敵であろうと一定の敬意を払えるものの、プリキュアに変身前の状態でも容赦なく(しかも勘違い同然に解釈して)襲い掛かってくるなど戦闘狂な面が強い。
ドクロクシーへの絶対の忠誠心を持っており、ドクロクシーの存在に疑問を持つバッティとは対照的に信じており、プリキュアとの決闘の際には遺書もとい書置きまで残している。
元が亀であるため水中での戦いは得意であり、また、亀の宿命ゆえか仰向けにひっくり返ると自力では起きられないという弱点を持っている。
さらに奥の手としてドクロクシーより魔法戦士としての真の力を与えられており、甲羅を破り捨てることでリミッターを解除し、普段より巨大かつスマートな姿に変貌することができる。
ナシマホウ界では下水道で暮らしている。

第18話で前回に入手したリンクルストーン・ガーネットを餌にプリキュアと決着をつけるべく、魔法界の「最果て島」での決闘の果たし状を送り付け待ち構える。(しかしあまりにも来るのに時間がかかるのに苛立ち、もう少し近い場所にすればよかったと後悔した模様。)
ようやくやってきたみらい達に赤のプリキュア(ルビースタイル)で純粋な力での戦いを要求し、自らも上述の真の力を解放する。
島も砕く程の圧倒的な力で一度はプリキュアをねじ伏せ圧倒したが、はーちゃんの勇気に鼓舞された2人によって巻き返され、最後は金魔法にて浄化される。
この時、初めて全力を出し尽くして戦い抜いた2人の健闘を褒めたたえる、力以外の強さを認める、戦いの末に敗れたことに悔いは無いなど精神的な寛容さを見せた。
その後本来の姿である亀に戻るが、バッティに回収され本拠地へと連れられた。

『シンデレラ』の世界が舞台となった第29話では、意地悪なお母様の役をノリノリで演じていた。

第44話ではオルーバによって魔法戦士の状態で復活するが「ミラクルとマジカルとの決着はついた」として2人との対決は拒否。しかしキュアフェリーチェの存在を知った事で彼女に対決を挑むようになる。
なおこの回では元の亀も登場しているがその姿でも自分の何倍も大きいサメと真っ向勝負して普通に勝利していた辺り相当なものである。
第45ではオルーバの本心を知りスパルダとともに立ち向かうが、ドンヨクバールに倒されて元の亀に戻ってしまう。
最終回にも元の姿で登場。亀の姿なのにプリキュアに勝負を仕掛けようとしたが気づいてすら貰えなかった。

1時間前敵組織チームリーダーフェムシンムの民との関係は不明である。



バッティ、スパルダ、ガメッツの3人は「Beauty of truth」というキャラソンを持っている。
しかし、ガメッツは歌の間のセリフのみであるため、実質バッティとスパルダのデュエットとなっている。


  • ヨクバール
「ギョイー!」
CV:島田岳洋
闇の魔法使いが生み出す怪物。
「魔法入りました!」と詠唱し魔法陣を展開、任意に2つの物(生物も含む)を取り込み「いでよ、ヨクバール!」と詠唱することで2つの物体が融合して誕生する。
鳴き声は「ヨクバール」と「ギョイ」の2種類であり、鳴き声が全て名前と同じだった歴代の怪物とは違うパターンである。
また、浄化される際のセリフも「ヨクバール……」である。
取り込んだ物体ごとに姿は異なるものの共通して髑髏型の顔を持ったデザインになっている。
第22話から第25話まではヤモーがドクロクシーの欠片を使うことで生み出される強化タイプのスーパーヨクバールが登場している。
第43話と第44話では復活したスパルダが生み出す強化タイプのハイパーヨクバールが登場している。
第45話では復活したバッティが仲間の素体となった生物たちとドクロクシーを模したカカシで作ったモットヨクバールが登場する。





【終わりなき混沌】


第2部から登場する新たな敵組織。暗躍を始めたのは第27話から。
デウスマストとその眷属で構成された謎の勢力。
地上のあらゆる道理を超えた強力なエネルギーを自在に操る能力「ムホー」を操る。
ナシマホウ界で生まれた遥か大古の存在らしく、プリキュアの存在や伝承自体は知らないようである。

厳密には「終わりなき混沌」とは支配者であるデウスマストの異名に過ぎず、組織名という訳ではない。
デウスマストの眷属たちは、主であるデウスマストを降臨させるための障害となりうる存在の排除を目的にプリキュア達をつけ狙う。
尚ムホーは魔法と根本的に異なり、練習や訓練、研究などをしなくても強大な力を自在に操れるという大きな違いがある。所謂超能力や異能に相当する能力と思われる。
眷属達が魔法を「無駄な努力をして習得する脆弱な力」と評し露骨に見下しているのはこういった違いがあるため。
まさに守るべきルールや秩序が存在しない無法そのものであり、混沌を象徴する彼らにふさわしい。
しかし最初から強大な力を扱えるムホーは言い換えるとすでに完成されて成長の概念がないため、使い手の思いの力が増大する可能性=成長していく力とも言える魔法に打ち破られる可能性があるという欠点も持つ。


一人一人が万能の力を持つため眷属たちの間には上下関係はないものの、比較的団結力のあった『闇の魔法つかい』とは異なり仲間意識は非常にドライで、足を引っ張り合う事も無いが逆に互いに深く干渉し合わず、同胞の殉職に対して哀悼や感傷も抱かない。

終盤に明かされた事実により、彼らこそが今作の舞台設定や『闇の魔法つかい』という勢力を生み出した元凶であることが明らかになった。

デウスマストとその眷属たちのイメージは「古代の神々」「無慈悲な神さま」であり、伝承に登場するや物の怪といった「人ならざるもの」がモチーフ。


【支配者】

命溢れるこの地が…

混沌に染まりし時…

秩序を無に還す力が…

飲まれる。我、終わりなき混沌に……

CV:龍田直樹、速水奨、杉山紀彰、井上喜久子*3

「天の彼方より永劫の渇きとともにこの地に降り立つ終わりなき混沌」と呼ばれる『終わりなき混沌』の首領。
校長やクシィが予見した「来たるべき危機」「大いなる災い」の正体である。
現在は魔法界の太陽からゆっくりと地球へ向かっており、降臨間近の段階まで至っている。
シャーキンスが見せた映像では、宇宙空間で雄叫びを上げ、自身に触れた星々を片っ端から消滅させながら宇宙を移動する龍のような怪物のような見た目。

復活時は太陽そのものを飲み込んでおり、復活後はさらに巨大化上半身だけで地球の直径の優に数倍はある大巨人の姿となった。
というか回想でのイメージでは上半身だけで木星を超える巨体を持つ。


尚デウスマスト自身には意志を伝える機能はなく、他者との会話は自らの分身体である眷属の肉体を介して行う。


【デウスマストの眷属】

デウスマストに仕える怪物達。全部で12体存在する。
厳密には個々の生命ではなく、デウスマストが世界を混沌にするために放った力が具現化した存在。
謂わばデウスマストが生んだ自身のアバターみたいな存在であり、デウスマスト本体が存在する限り不滅という特性を持つ。
ただし、彼らはデウスマストの力を擬人化したような存在でもあるため、眷属が封印された場合デウスマスト本体も存在と力が封印されてしまうという欠点を抱える。

  • ラブー
どうも、こんちはプリキュアのお嬢ちゃん。悪いけどさ、消えてくんない?

CV:龍田直樹
ドクロクシー亡き後に現れたデウスマストの眷属たる魔人。
姿は2本の角を生やしたオレンジ色の肌を持つランプの魔人のようであり、下半身は普段は竜巻のような煙状になっているが二足姿になることも可能。
面倒くさがりであるが、ムホーに劣ると称する魔法を使う魔法使いを嫌っており、彼らを小馬鹿にしながら徹底的に見下し嘲笑う傲慢で残酷な性格をしている。
衝撃波を放ったり金魔法を受けても逃げる余力を持つ、巨大化するなど本人の戦闘力も高い。
ナシマホウ界のとある遺跡のランプに封印されていたが、ランプが壊れたことにより外へと飛び出す。
遥か昔から存在していたようでナシマホウ界・魔法界の両方を知っており、また両世界を自在に行き来することができる。
魔法界に来た際にヤモーが切り離した尻尾を見つけ、自らの力を注ぎこみ再生・強化させるが、特に手を貸すことは無く彼のプリキュアへの復讐の傍観者となる。
主であるデウスマストを呼び寄せる準備もヤモーに押し付ける任せるつもりだったが、彼が浄化されて敗れたことにより自ら動き出すことにする。
プリキュア達に敗北しかけたことで、第31話にで本格的に彼女達を始末するために全力での巨大化で決戦を挑む。

真の姿は等身大だった頃の姿をそのまま巨大且つ屈強にしたような姿。

真の姿も見せ、銀魔法も全て通じないその圧倒的な力でプリキュア達を文字通り吹き飛ばし勝利を確信するも、
ミラクルたちの思いに反応してリンクルストーン・アレキサンドライトが誕生し、3人の虹色魔法・プリキュア・エクストリーム・レインボーを受け敗北。
最後までプリキュアを見下し続け、自分の身に何か起こったかもはっきり理解できないまま、本気になることもなく消えていった。
ベニーギョが気配が消えたと言った事から消滅したようである。

その後デウスマストの降臨に伴い復活。
他の眷属達と共にデウスマストと一体化し、デウスマストの意思を伝える役目を担う眷属の中の1体となった。



  • シャーキンス
プリキュアが危険な存在であることは、最早絶対的事実。

我等がデウスマストが降臨する前に、徹底的に潰さねば……

CV:速水奨
デウスマストの眷属である魔人の1人。
石板に封印されていたが精神の状態で復活して、眷属の中では2番目に完全復活する。
復活後の姿は葉の扇子を持ち和服を着こみ、緑色の肌を持つ天狗のような外見の魔人。
軍人のように堅苦しく厳格で生真面目な性格。面倒くさがりのラブーに小言を挟んだり、プリキュア達の戦力を把握するためにベニーギョと共に観察をしたりしている。
反面真面目な分非常に冷淡且つ高圧的で、配下のドンヨクバールにも冷徹に指示を下し、時には容赦なく叱責する。
……が、生真面目すぎる性格が故に全体的にマイペース気味なプリキュア達の言動や行動に翻弄され、
自身が意図せずとも結果的にコミカルな行動や言動を取ってしまう節が見られる。

人間の存在や彼らが生み出す文化、生命については、「命など、いかに生まれてこようといずれ混沌に消え行く定め。祝福する意味などなかろう」と決めつけ興味関心は愚か、一切の価値さえも認めていない。
故にムホーの力を絶対視し、「デウスマストとムホーこそがこの世の全て」という思想の持ち主。
その思想故に「ムホーがあらゆる力の中で最強であることを示さないとならない」という考えが根底にあり、戦いでも「ムホーの力でプリキュアを真正面から圧倒しないと意味はない」と考える融通の利きにくい一面がある。
一方でラブーを滅ぼしたプリキュアの実力は認めており、プリキュアの存在を危険視し「徹底的にプリキュアは倒すべきである」という堅実な考えを持つ。

真の姿は四対に増えた翼を生やしてより筋肉質な体付きになり、髪は逆立ち目も瞳の無い緑色のものへと変わった巨人のような外見。
服装も袖がなく、より戦闘に適した形に変化している。

第42話では復活の際に消耗した力も回復したことでプリキュアを完膚なきまでに叩きのめす事を宣言し、チクルンにアイテムを盗まれ変身できないプリキュアを強襲。
巨人の如き真の姿を披露し、変身アイテムを口から飲み込む事で変身を封じてプリキュア達を苦戦させる。
しかし約束を守らなかったことで反旗を翻したチクルンによって取り戻されたリンクルストーンで変身したプリキュアの底力に押され始め、逆に自身が地面に叩き付けられてしまう。
最後は『プリキュア・エクストリーム・レインボー』の直撃を受け、自身の敗北が信じられないとでも言うように絶叫を上げながら消滅した。

その後デウスマストの降臨に伴い復活。
デウスマストの意思を伝える役目を担う眷属の中の1体となった。


中の人は劇場版ふたりはプリキュア Splash☆Star以来のプリキュアシリーズ出演である。



  • ベニーギョ
アハハハ!あーあ、もうダサすぎ。ショボい力しかない癖に出しゃばるから……

CV:井上喜久子
デウスマストの眷属である魔人の1人。
土偶に封印されていたが精神の状態で復活した後、眷属の中では3番目に完全復活を果たす。
復活後の姿は、背に刺々しい後光のような光輪を背負い、赤いビキニアーマーを纏い、赤い尻尾とのような赤い2本角を生やした妖艶な美女。
テンションが低く、気怠いギャル風の荒々しい口調をしている。
他のデウスマストの眷属達同様ムホーの力を絶対的な物と認識しており、魔法を「ショボい力」として見下し、人間や魔法使い達の抵抗したり足掻く様を眺めては嘲笑うサディスト。
加えて努力したり、策を巡らせることを毛嫌いし、真っ向から叩き潰すことを好む。

真面目とは程遠い性格だが、やはり人間と価値観が異なりすぎるのが災いしギャグ的にペースを乱されることも。
第46話の勝木かなによるサンタコスイメージ図は必見。

第47話ではオルーバの策により復活するも思念体のままだった眷属達と融合し、異形且つ巨大な天使のような完全体に変貌。
筋肉質な体躯を生かした獣じみた動きによるパワーファイトや、巨神兵の如きビームを放ち街を破壊し尽くすなど、今作品では最大規模の破壊規模の猛攻を発揮した。
それでも一撃必殺技『プリキュア・オーバーザレインボー』の前には屈し浄化されかかるが、覚醒したデウスマストの力により一命を取り留め、等身大の姿となって生存する事に成功した。
そして復活した眷属達と共にデウスマストと融合。
デウスマストの意思を伝える役目を担う眷属の中の1体となった。


キュアファイヤーの母親ではない。



ボク達には知る必要がある。プリキュア…その力の正体について…

CV:杉山紀彰
デウスマストの眷属である魔人の1人。
見た目は青白い肌に薄い青色の髪、2本の角をもった優男風の美青年。
黒いショールを肩に掛けた青い洋服を着こなし、メガネを着用することもあるなど、地味に今作では初の正統派美形悪役だったりする。
読書を好むなど理性的で落ち着いた性格だが、冷徹に使命を遂行する。
人間を露骨に見下す傾向にあるデウスマストの眷属の中では珍しく、人間に興味関心を抱いている変わり種。
大きいお友だち向けか抱き枕が公式グッズ化している。


何処かの正義の味方との関係は不明。


  • その他眷属
オルーバ自身の闇の力により封印から復活した7体の眷属達。
固有の姿は見せず、全員思念体もしくは黒いローブを纏った姿で描写されている。
本編では、力が足りず思念体の状態で復活を果たし、ベニーギョに力を貸す形で彼女と融合。ベニーギョの力を爆発的に増幅させる役目を果たす。
『プリキュア・オーバーザレインボー』の前には屈し次々とベニーギョの身体から分離させられ浄化されかかるが、
覚醒したデウスマストの力により黒いローブの状態になり一命を取り留めた後、ベニーギョ、そして復活したラブー、シャーキンス、オルーバと共にデウスマストの魔法陣に取り込まれた。
封印されていた場所は、雪山の頂上、氷山に近い海中、滝が流れている川、洞窟内の氷、スフィンクス内部、パルテノン神殿風の遺跡、溶岩溜りの岩石。


  • ダークマター/シャドウマター
CV:浪川大輔
映画魔法つかいプリキュア!』にでてきた眷属。*4
モフルンを誘拐して魔法界で行われていた大魔法フェスティバルを混乱に陥れた謎のクマ。
選ばれた者の願いを叶えるという「願いの石」に選ばれたモフルンに、「全ての魔法使いを消滅させる」という願いを叶えさせようと目論んだ。
「シャドウマター」はダークマターの魔法の力と負の感情が具現化して誕生した本作のラスボス。
本体となったダークマターとは独立した存在で、彼の意思とは無関係に行動する「全ての魔法つかいの消滅」という目的のためだけに行動する破壊の化身である。



  • ドンヨクバール
「ガッテン!」
CV:山本祥太
デウスマストの眷属達が生み出す怪物。
名前はヨクバールと似ており、ヨクバールと同じく2つのものをムホーで取り込んで生み出すが、ムホーの劣化版の闇の魔法で生み出したヨクバールと違い、
黒地に赤い×が入った顔をしており、戦闘力もヨクバールを圧倒していたキュアフェリーチェをも上回る。
本質的にはヨクバールと別物ということからか声優も違う。
他にも、ヨクバールと異なり召喚する際の詠唱も必要なく、眷属達は指パッチンだけでドンヨクバールを生み出している。




プリキュアとの力関係

スケールこそ歴代でも大きな力を持ちおふざけ要素も皆無だった終わりなき混沌であったが・・・

  • 今作の女王ポジであるマザー・ラパーパが強すぎて物語の前半では完全に封印されていたし、後半でも大半の眷属を封じて組織的な侵攻を封じられていた。
  • マザー・ラパーパの準備した遺物が強すぎて、本編で最も追い詰められたラブー戦ですら変身が解除されることはなく、レインボーキャリッジに至ってはフルポテンシャルでデウスマストですら完全浄化できるほどのチートアイテムだった。
  • 長年封印された混沌の眷属たちは「過去ではマザー・ラパーパを除いて自分達を止められるものはおらず、彼女がいない以上自分達を阻める者はいない」と、慢心しプリキュア達を侮って力押ししては圧倒され敗北していった。
  • シリーズ恒例ともいえるえげつない策略でプリキュアに精神的なダメージを与え時にはレイプ目にするほど追い詰める知略系幹部が終わりなき混沌には皆無。
  • プリキュア側の装備には精霊の認証によりポテンシャルが上がるというある種のリミッターが組み込まれていたのだが、混沌側はこれを「自分達が虫けらに負けたのは悔しいが、どうせ今の状態では復活したデウスマスト様には歯が立たない」と楽観視していた。

という感じで、プリキュア側の迎撃環境があまりに充実しすぎた+とラパーパが歴代でも類を見ない有能女王で対策があまりに強力すぎた+終わりなき混沌が慢心しすぎて稚拙な行動が目立ったせいで、「どれだけプリキュアを苦戦させたか」で比べた場合、ラスボスが例年に比べて押されまくりでAパートすら保たなかったことも相まって寧ろ歴代最弱と視聴者から評価されてしまっている。少なくとも歴代で戦術が最も稚拙すぎたことは否めないであろう。そもそも混沌そのものなのでまともな戦術ができなかったのかもしれない。




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最終更新:2024年02月11日 19:14

*1 校長の回想でも、大きなパフェやキャンディーを食べているシーンがあったため、ある意味伏線になっていた

*2 これにより、敵と和解しないという鉄則を最後の最後で覆した事となる。

*3 自らの意思を表明する際は、自身の分身である眷族たちの姿を使って話す為、キャラ固有の声優は存在しない

*4 但し厳密に本編内にて眷属とは明言されておらず、「デウスマストの眷属、またはそれに類する存在」という裏設定。