イーグルリバー事件

登録日:2017/01/01 (日) 22:26:00
更新日:2024/03/07 Thu 14:42:55
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イーグルリバー事件とは、1961年4月18日にアメリカで発生したUFO異星人目撃事件である。
証言者の名前からジョー・シモントン事件とも呼ばれる。


この事件の最大の特徴は、何よりも異星人が残したとされる物質が公的機関によって回収され、科学的な分析をされているという点である。
……が、その物質が「塩分の無いパンケーキ」という点がなんとも言えない事件である。

合理的な解釈も、エイリアン・クラフト説も容易には受け付けないハイ・ストレンジネス事例の1つであり、一見するとツッコミどころ満載ながらも、一部の研究者からは非常に重要視されている(理由は後述)。




概要


1961年4月18日の午前11時過ぎ、ウィスコンシン州イーグルリバーの郊外に住む農夫のジョー・シモントンの農場の鳥小屋の前にUFOが着陸した。
それは直径9メートル、高さ3.5メートルほどの円盤であり、クロムメッキされたような金属製に見えたという。

シモントンが近付いてみると、その中には3人の搭乗員がいた。
彼らは身長は150センチほどで、一見20代ほどのイタリア人風であり、肌の色はやや黒く、タートルネックの服を着てヘルメットを付けていた
……なんとなく、エド・ウッドの映画に出てきそうな異星人である。


ここまででも十分奇妙な事件だが、さらに奇妙な展開になる。
搭乗者の一人が、水差しのようなものをシモントンに示し、「水が欲しい」というジェスチャーをした。
シモントンはその容器を受け取ると、水を満たしてきて渡してやった。

その時シモントンは、搭乗者の一人が円盤の中でパンケーキを作っているのに気が付いた。
シモントンが「それをくれ」というようなジェスチャーをすると、水のお礼にと思ったのか、搭乗者は4個のパンケーキをくれた。
……こんな変な連中のくれたパンケーキなんか、よく欲しいと思えたもんである。
5分ほど後に、円盤は南のほうへと飛んで行った。


シモントンがパンケーキのうちの1つを食べてみると(よく食べる気になったな)、ボール紙のような味がしたという。
要するに激烈に不味いということであろう。


その後、通報を受けてやってきた空軍がパンケーキを回収し、保険教育福祉省の食品医薬品研究所で分析に回した。
当時はUFOや異星人の存在は国防上の問題として真面目に議論されていたとはいえ、さぞかし分析現場は微妙な空気だったのではないだろうか。


で、その分析結果は、主成分は小麦とトウモロコシであり、通常使う塩分が全く含まれていなかった




ここまでお読みいただければわかるだろうが、あまりにも奇妙でツッコミどころ満載の事件である
水くらい地球人に頼まなくてもその辺でいくらでも汲めるだろとか、異星人も料理に小麦とトウモロコシを使うのかよとか、
そもそもイタリア人風のタートルネックとヘルメットを付けた異星人ってなんだよとか、いくらでもツッコミどころがある。

まあ十中八九、農夫の見た白昼夢であり、パンケーキは無意識のうちに自分で作ったとかいうオチであろう。












……と結論付けたいところだが、実はこの事件、UFO・異星人の謎を解くを握っているとも言われ、一部の研究者の間では非常に重要視されている事件である。


最初にこの事件の重要性を指摘した研究者はジャック・ヴァレ*1
彼が注目したポイントは「パンケーキには塩分が含まれてなかった」という点である。


一般人としてはだからなんだよ、としか言いようがないが、ヴァレはこの事件がヨーロッパにおける妖精伝承と奇妙に一致することに気が付いたのである。


妖精伝承では、妖精と水と食物を交換したというパターンが多く見られ、しかもしばしば妖精は塩分を嫌うので、妖精の作った食物には塩分が含まれていないと言われているのである。


実際、西洋では近代以降でも妖精の目撃証言が多く発生している。
しかしアメリカにおいては、異星人の目撃談が増加するのと同時に、妖精の目撃談が減少し、しかも異星人目撃談の増加数と妖精の目撃談の減少数はほぼ一致するという。

つまり、異星人目撃談と妖精目撃談は、同じ現象を別の側面から見たものである可能性があるのである。


特にアメリカにおいては、先住民以外の移民たちは独自の伝承を持っていないと言われている。
UFOや異星人の目撃がアメリカに集中していることからしても、異星人はアメリカ人の生み出した妖精・妖怪に相当するものと言えるかもしれない。


この事件以外でも、異星人目撃談と妖精目撃談には多くの共通点が指摘されている。
例えば、いわゆるエイリアン・アブダクション事例では異星人に精子を採取されたという証言が多いが、これはヨーロッパの伝承における妖精の行為と一致する*2


これらの点を合理的に解釈するなら、異星人目撃談と妖精目撃談は、同じ心理学的・脳科学的メカニズムに由来するということになるだろう。
一方あくまでエイリアン・クラフト説を支持する立場からは、妖精伝承は過去に異星人が地球に来ていた証拠ということになるだろう。


そんなわけで、この事件は一見ツッコミどころ満載ながらも、極めて重要な事件なのである。







……え、「で、結局シモントンの見た円盤は何で、パンケーキはどっから来たのか」って?
さあ……

まあ案外、変な格好で旅行してたイタリア人団体が、調理ミスしたパンケーキをくれたというのが真相かもしれない。






追記・修正は異星人からパンケーキを貰ってからお願いします。


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最終更新:2024年03月07日 14:42

*1 1939年生まれのフランス出身でアメリカ在住の計算機学者・UFO研究者。自身もUFOを目撃した経験がある。エイリアン・クラフト説には批判的な研究者である

*2 ちなみに、エイリアン・アブダクションは偽記憶という説が有力である