南方海域強襲偵察!(艦隊これくしょん)

登録日:2016/11/01 (火) 10:28:00
更新日:2021/12/10 Fri 10:29:13
所要時間:約 16 分で読めます




南方海域強襲偵察!とは、ブラウザSRG「艦隊これくしょん」(以下艦これ)のイベントである。2013年8月1日から8月26日にかけて行われた。
新人増加とイベント中のアクセス集中でエラー頻発したため、このイベントでも期間は当初の予定より延ばされている。
モチーフのないオリジナルの戦いとされており、春の作戦成功(撤退したあれを成功といっていいのか疑問であるが)によって太平洋の制海権を得て、南方へ勢力を広げるためのイベントである。

プロデューサーの田中氏始め運営は、当初このイベントを最後にサービスを打ち切るつもりでいたのだが、あまりに人気が出たため方針を転換、現在まで続くビッグネームとなった。

新規艦娘は味方にも潜水艦が参戦、航空巡洋艦の実装、そして艦これサービス開始以前から、名を知らぬ者はいなかった戦艦大和がついに登場した。
あと竹達さんきたー!!とちょっと騒ぎになった。そしてその全員が運用資材に絶望した。




艦これ、有名になる


当初の艦これは夏まで続けばいいね、という思いで作られていたため、本来ならこのイベントを最後に艦隊これくしょんというゲームはサービス終了するはずだった。

それが原因なのか、どのオンラインゲームよりもアットホームと例えられるほど運営とプレイヤーの距離が近く、戦争史好きの集まりのような、のんびりとしたやりとりが日々繰り返されていた。
たとえば艦娘や装備のロック機能はそうしたやりとりで実装が決まっている。

転機が訪れたのは前回のイベントが行われていた2013年5月27日。艦これ史上最強最悪のエラー娘/エラー猫と決着が着いた頃の話である。
その日、ヘルシングやドリフターズで有名な漫画家の平野耕太氏が、加賀を轟沈させたという嘆きのツイートを行う。
これをきっかけに艦これに興味を持った人々が詰め寄せ、ユーザー数が1週間で3万人増加する事態になった。まだ無名であった艦隊これくしょんというゲームが陽の目を浴びるきっかけになった出来事であり、平野氏のあだ名からとって、これはヒラコーショックと呼ばれている。

また2013年はイベント前後を問わず、1年を通してゲームユーザー全体で人口流出と移動が盛んになった時期でもある。*1

時期にも恵まれてか、夏時点では、プレイヤー数はヒラコーショック後の5万人からさらに増加し始め、夏イベント時には50万人を超える需要過多になっていた。

これは初期からいた最古参組も、運営も完全に予想外の事態であり、プロデューサーの田中氏ですら、どうしてここまでヒットしたのか分からないと述べている。
当然、角川にとっても想定外であり、この頃はまだ、後に稼ぎ頭となるビッグネームを完全に視界の外に置いていた。商品展開やコンプティークでの集中特集が組まれたのはこのイベントの後である。

急激に増え過ぎたプレイヤーに対応するため、このときサーバーが初めて増設された。初期サーバーが横須賀の名前を得て、新規に呉、佐世保が7月10日に解放、7月17日に舞鶴が解放され、本土四つの鎮守府が揃った。


イベントの特徴


全4マップからなる。E-2以降は一時間で大体2%くらいのゲージ回復があるが、ボスへのダメージで減らせる量もかなり多く、春のように詰むことはまずない。どのマップもボス撃破回数換算なら最低10回もいかずにゲージを破壊できる。
E-2では水母によるルート固定が初めて導入され、戦闘回数を減らせる可能性があった。また、敵の種類によって最適な編成は変わるものの、どのマップも艦隊編成に艦種の縛りがなかったのも珍しいポイントである。
本来ならこのイベントで伊168、伊58、だけでなく伊19も実装される予定だったのだが、直前になって音声が録れてなかったことが判明。
変わりに、鈴谷と熊野が実装された。なお、伊19の画像など音声以外のデータは既に完成しており、翌月のコンプティークで公開された。
もしこのとき伊19もいれば、難易度が下がりすぎていたため、結果としてバランスは取れている。


攻略に関わる前回イベントからの変化

  • プレイヤー数が増えたからエラーは出るけど、夜にも休日にもプレイできるようになったよ!←とても重要
  • 情報が少しずつ増えてきて、攻略wikiが、攻略サイトとして機能し始めたよ!
  • 改二が実装されたよ!このときは北上、大井、千歳、千代田の4人がいたよ!
  • 潜水艦実装に伴って、先制雷撃も実装されたよ!ハイパーズ誕生!
  • 1度攻略したイベント海域にも再出撃できるようになったよ!


海域解説

E-1


E-2


E-3


E-4



イベントMVPのお話


南方棲戦鬼「奴は戦艦が大好物なんだ」

南方棲戦姫「私の艦種が戦艦だからちくしょう!!」



168「怖いか深海棲艦どもよ!」


58「己の無力を嘆くがいい!!」



実は、上記の説明は結構な茶番である。何がといえば、書いてある全てが、だ。
ここを読んでいるということは、上記の情報を全て読んで来たのだと思う。それでは、名前が上がっていた敵の艦種を思い出して欲しい。



大体が空母、戦艦、重巡の話で、ボスも初戦を除いて戦艦であったことを思い出してもらえただろう。
次にこちらの文を見てもらいたい。

新装備【オートジャイロ】の導入に伴い、味方の【洋上対潜航空兵力】運用仕様が更新されています。以下詳細です。

●味方航空機の対潜値上方修正
●航空戦艦・航空巡洋艦搭載の対潜攻撃可能機による対潜攻撃

これは運営ツイッターからの引用文なのだが、これが告知されたのは2013年12月25日である。
つまり、夏イベントの時点では、大破撤退ポイントとされていた敵は、全て潜水艦への攻撃手段を持たなかった。データ上航空戦艦と同じ扱いの南方棲鬼系統も今でこそ潜水艦を攻撃できるが、このときは全く対抗手段を持たなかった。しかも、その天敵は必ず初戦で仲間入りする。


                               ,.へ
  ___                             ム  i
 「 ヒ_i〉                            ゝ 〈
 ト ノ                           iニ(()
 i  {              ____           |  ヽ
 i  i           /__,  , ‐-\           i   }
 |   i         /(●)   ( ● )\       {、  λ
 ト-┤.      /    (__人__)    \    ,ノ  ̄ ,!
 i   ゝ、_     |     ´ ̄`       | ,. ‘´ハ   ,!
. ヽ、    `` 、,__\              /” \  ヽ/
   \ノ ノ   ハ ̄r/:::r―–―/::7   ノ    /
       ヽ.      ヽ::〈; . ‘::. :’ |::/   /   ,. ”
        `ー 、    \ヽ::. ;:::|/     r’”
     / ̄二二二二二二二二二二二二二二二二ヽ
     | 答 |      168 大 勝 利       │|
     \_二二二二二二二二二二二二二二二二ノ


せっかく強化された雷巡や、当時は最強格であった長門ですら容易に凪ぎ払う鬼や姫から、

  • 全く攻撃を受けずに
  • ほとんど資材を消費せずに
  • 先制雷撃まで持っている伊168はあまりに強すぎたのだ。

E-2で伊58を仲間にできれば、以降のマップもボスにたどり着いて、2人がボスを攻撃してくれるのを待つだけである。潜水艦削りという戦術が生まれた瞬間であった。
羅針盤のせいで難所であったE-3もボスが装甲10、戦艦とこのためにあったかのような性能。これで伊19まで実装されていたら簡単どころではなかっただろう。
しかも、当時は旗艦が大破しても強制送還されなかった。潜水艦を酷使し、時間さえ掛ければ絶対にゲージを削り切れたのだ。まだ着任直後で、資源も少ない横須賀以外のプレイヤーにとって、この手段を使わない手はなかった。
どれだけ大破させようと妨害しようと、決して沈まずヒタヒタと近づいてくる様は、大和を観測したガミラス住人が如く敵に恐怖しか与えなかっただろう。


酷使のその後


58「イベントは嫌だイベントは嫌だイベントは嫌だ……」




提督「オリョォォール、クルゥージングッ!!」




-伊58とオリョールの囚人-



-大ヒット航海中-








このイベントで潜水艦の性能が認知され、ご存じオリョールクルージングが誕生。潜水艦はイベント以上に酷使されることとなった。
ただしイベントでは敵の対潜性能向上や、魚雷の届かない陸上の敵が登場し、潜水艦だけでクリアできるようなイベントはこの後でもアルベジオコラボぐらいとかなり限られることとなった。
実装して2回目のイベントで、いきなり鉄底海峡ということからも、バランス取りに相当難儀したことが察せられる。
まぁ、この後も潜水艦だけでクリアできずとも活躍の場が与えられるイベントが出てきてはいるが。


余談

このイベント後、艦これの急速な人気上昇に気づいた角川が急いで商品展開を始め、着任制限で待たされていたDMMの松栄社長も8月15日に艦これを始める。
そのとき、半ば冗談じみてはいるが、社長権力で大和をもらえるか聞いたところ、運営に相当叱られたことが語られている。その経験から秋まで自力で頑張り、武蔵との邂逅は果たした。
艦これの話題で運営「ダメです」とよく運営が断っているのは、古くはここから始まったものである。
ちなみに、運営に圧力をかけた経験は赤城や雪風役でお馴染みの藤田氏も暴露しており、その結果扶桑姉妹が水着になっている。
一方、角川の社長の方はというと、長らく話題になることもなかったのだが、2016年10月に開催されたリアル秋刀魚祭りに参加したのを見られている。以下その状況。

「くじ引きの景品にレギオン入れたい」

角川の人「ダメです」



―そのちょっと後―



参加者「あそこでレギオン並べてる人はだれですか?」

角川の人「うちの専務ですね」

以上。


追記、修正は大和を大型建造してからお願いします。






















そして…

あれから3年。
南方棲鬼は新天地にて復活を遂げた。

2017年4月末。3年の月日を経て、艦これアーケードで「南方海域強襲偵察!」 再始動。

今回は現在の艦これイベント同様 前段作戦 後段作戦 に分かれており、それぞれ3つの海域を攻略していく事になる。金がー!金がー!
なお、今回のクリア報酬は軽巡・阿賀野型 全員 と、いよいよ参戦の戦艦・大和。
ちなみに酒匂は前段作戦のみ、矢矧・大和は後段作戦でしか入手できない。

その大和だが、後段作戦においては酒匂以外全員が排出される仕様となっていた為、E-4~掃討戦に至る時間と手間等の点も起因してか、大和の一点狙いが極めて困難な欠点を抱えていた。
またイベント先行実装艦娘はだいたいイベント終了後半年程度で本実装&改の実装がされる事が多いが、大和の場合は本イベント終了後長きにわたって実装されていない状態が続いていた。ノーマルカードであっても珍しく感じるのは大和らしいといえばらしいのだろうが…。
…そして本イベント終了から約1年が経過した2018年5月、大型艦建造と共にようやく大和が本実装される運びとなった。

さらに今回は遂に 甲作戦 が解禁された。
前回の乙作戦が 「難易度詐欺も甚だし過ぎじゃないのか」 と言わんばかりの物だった為、(主に中堅の)提督からは戦々恐々とされているとか何とか。

なお、参加条件は前回同様1-4クリア済みである事。

海域解説


E-1


E-2


E-3


E-4


E-5


E-6



追記・修正は計5週でクリア報酬艦5隻をコンプリートできた人にお願いします。

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最終更新:2021年12月10日 10:29

*1 ただしそれは事業失敗や海外からのサーバー攻撃が年中頻発したからで、決して好ましい理由ではなかった。後にアーケードでお世話になるSEGAも渦中にいた一社であり、ある事件で訴訟寸前までもつれ込み、株主総会にまで騒動が波及した。はたから見ているだけなら面白い騒動もあり、島風のパンツを見に行くと言い残して千人以上が消息不明になったMHF-Gのような例もある。

*2 艦娘中随一の露出度を誇る武蔵に対するしずま氏の答え。さらしが胸からスカートの中にのびていることから議論を呼び、「股間周りを確実に巻いてます」と返答した。なお、問い合わせたパンツ派と履いてない派は仲良く狂喜していた。