2016年日本シリーズ

登録日:2016/10/31 (月) 00:26:39
更新日:2024/01/27 Sat 22:21:29
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概要


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この項目では、2016年のプロ野球日本シリーズの頂上決戦を紹介する。

混沌と予想されたセ・リーグで独走を続けて25年ぶりのリーグ優勝を果たし、CSも勝ち抜いた広島東洋カープ
前年度日本一のソフトバンクの独走に驚異的な勢いで追いつき、優勝を果たした北海道日本ハムファイターズ
どちらもシーズン前の評判を覆しての日本シリーズに、多くのプロ野球ファンが沸いた。

2006年の日本一以降、セ・リーグの壁に阻まれ続けてきた日本ハム。
32年前の昭和の時代から日本一に届かず、長年Bクラスの時代を味わっていた広島。
どちらも日本一への願望は強いが、その思いの強さが届くのは果たしてどちらのチームか。

日本シリーズとしては、第67回目のプロ野球日本選手権シリーズとなる。


主な試合内容


第1戦(10月22日・マツダスタジアム)


広島 5‐1 日本ハム

クリス・ジョンソン
大谷翔平

第1戦から両チームとも絶対的エースの大谷・ジョンソンが激突。

ジョンソンは度々ピンチを招くが、自身の制球と相手の粗雑な打撃で失点せずに乗り切っていく。
大谷は雨のせいか冴えず、2回にバッテリーミスで一・三塁からダブルスチールされるという予想外の形で下位打線相手に先制点を奪われてしまう。
DH制のない本球場では打撃面で大谷が活躍を見せるが、やはりジョンソンの牙城は崩せない。

一方、先制した広島は勢いに乗ると4回には松山竜平、ブラッド・エルドレッドの一発攻勢で更にリード。
7回裏には丸佳浩の適時打とエルドレッドの犠牲フライで2点を加え、そのまま逃げ切った。


第2戦(10月23日・マツダスタジアム)


広島 5‐1 日本ハム

野村祐輔
増井浩俊

2回裏に小窪哲也の適時二塁打で広島が先制。
その後エラーで一旦は追いつかれるが、6回に広島打線が爆発し4点差としてそのまま勝利した。

投手の好投やエルドレッドの活躍が光る広島。
日本ハムは投打ともに調子が振るわず、よろしくない状況で本拠地札幌へ向かうことになった。


第3戦(10月25日・札幌ドーム)


日本ハム 4x‐3 広島

アンソニー・バース
大瀬良大地

勝利の波に乗る広島は、今季での引退を決意した大投手・黒田博樹を予告通り投入。

黒田は日本ハムの選手から「引退する人の球とは思えない」と評されるほどの力投を見せ、中田翔の内野ゴロの間の1点のみで抑える。
しかし、6回裏一死から大谷を三振に打ち取ったところで足の負傷により降板し、これが人生最後のマウンドとなった。

8回裏、広島のリリーフエース、ジェイ・ジャクソンはピンチで大谷との勝負を避け、得点圏で打てない中田との勝負を選択。
これには中田も顔を伏せながら打席に立ち、松山の守備のミスも絡む形で勝ち越し二点打を放つ。
しかし広島はここでは終わらず、9回裏に谷元圭介から安部友裕が同点打を放ち延長戦へ。

最終的に10回裏、二死二塁から大谷が大瀬良から難しいボールを捌いてサヨナラタイムリーを放ち勝利した。


第4戦(10月26日・札幌ドーム)


日本ハム 3‐1 広島

谷元圭介
ジェイ・ジャクソン
セーブ 宮西尚生

広島は3回まで無安打に抑えられるが、4回に2四球でランナーを二人置いた後、近藤健介の落球の間に先制。
しかしそれ以降は先発の高梨裕稔を相手に打線の調子が奮わず、5回には満塁から無得点に終わる。

一方の日本ハムも広島の先発・岡田明丈の前になかなかチャンスを作れず5回まで3安打と苦戦するが、6回に中田がソロ本塁打を放って同点に追いついた。

両チームの投手が粘投を見せたが、ついに8回裏にブランドン・レアードの2ランで勝ち越しに成功。
9回表は広島もこれで終わらないとばかりに二死満塁の状況を作るが、最終的に宮西の前に力尽きた。

ここで、ついに広島は日本ハムにタイに持ち込まれる。


第5戦(10月27日・札幌ドーム)


日本ハム 5x‐1 広島

アンソニー・バース
中崎翔太

広島は初戦で勝利したジョンソンを中4日で投入。1回表に早速一死一・三塁から鈴木誠也の適時打で先制した。

一方、日本ハムの先発・加藤貴之は投球がピリッとせず、先制点を奪われた上に2回表に一死満塁のピンチを招いたところで早々に降板。
2番手として投入されたルイス・メンドーサは、広島打線に付け入る隙を与えない抜群の投球を見せた。

ジョンソンは無失点の好投を見せ、6回で降板。
2番手として今村猛が投入されたがここで一死から岡大海が犠牲フライを打ち、日本ハムが遂に追いついた。

その後は両チーム得点が進まず、9回に二死一・二塁から中崎が岡に死球。
両チームの選手が飛び出し、乱闘寸前の険悪な空気となった。

その直後に打席に入った西川遥輝は、中崎の2球目を豪快に振り抜く。打球はどんどん伸びてライトスタンドへ飛び込み、日本シリーズでは1992年の第1戦で杉浦享(ヤクルトスワローズ)が決めて以来24年ぶりとなるサヨナラ満塁本塁打という劇的な幕切れとなった。
日本ハムが王手をかけて歓喜に包まれる札幌ドームの中、両チームは再びマツダスタジアムに乗り込んだ。

なお、この試合はテレビ朝日系での放送だったが、終了後に放送されるのは人気ドラマである『ドクターX 〜外科医・大門未知子〜』の第4シリーズだった為、試合開始時刻が18時30分ではなく18時となっている*1


第6戦(10月29日・マツダスタジアム)


広島 4‐10 日本ハム

アンソニー・バース
ジェイ・ジャクソン

日本ハムが1回に先制するも2回裏には広島が2点を取って逆転。4回には日本ハムが適時打2本で3点を取り再逆転するが、5・6回で広島も1点ずつ取って追いついた。

一進一退の試合だったが、大きく流れが動いたのは8回表。
この回から登板したジャクソンに二死まで追い詰められるも西川、中島卓也、岡の3連打で満塁とし、中田の押し出し四球で勝ち越し。
更に投手のバースにも適時打が出た後、なお満塁の状況からレアードが左中間に満塁弾をぶち込み、6得点の猛攻で一気に日本ハムが流れを引き寄せた。

9回裏には谷元が登板し、ヒットこそ許すがしっかりと試合を締め、日本ハムが10年ぶりの日本一を決めた。
広島ファンで赤く染まった球場は、日本ハムを称える拍手を送るファンもいれば、帰宅するファンもいた。

MVPは第2戦の勝ち越し弾や第6戦の止めの一発を放ったレアードに送られた。
優秀選手はバース、西川、中田が選ばれ、敢闘選手賞はエルドレッドが選ばれた。

さらに、広島側から今村とジャクソンが日本シリーズ最多登板記録タイとして名前を残した。
これはあの神様、稲尾和久と並ぶ大記録なのだが、ジャクソン的には全く嬉しくない記録だろう。


その他


宮本慎也氏は日刊スポーツにて今回の日本シリーズを総括したコラムを掲載。

寂しくてならない試合」と評し、両チームの四球や失策の多さを指摘した。
第6戦におけるジャクソン継投も「理解できない」と見解を述べた。
最終的に「ある意味歴史に残るシリーズ」と今回の日本シリーズを酷評して締めている。







追記・修正は十年ぶりの日本一を味わってからお願いします。

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最終更新:2024年01月27日 22:21

*1 余談だが、2011年の日本シリーズの第1戦も『ワールドカップバレー』を中継していたフジテレビの都合でデーゲームでの開催となっている。