おうじゃのつるぎ(MOTHER2)

登録日:2011/12/25 Sun 23:20:15
更新日:2024/04/16 Tue 21:49:57
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おうじゃのつるぎは『MOTHER2』に登場する3人目の友達(仲間)であるプー専用武器である。

まずはプーについて軽く説明しておきたい。
プーは主人公達とは異なる国、文化圏の出身であり、それをゲーム上で表現するために回復アイテムの効果が異なったり他3人が装備できる装備品を装備できないという(厳密に言うと装備自体はできるが逆に攻撃防御が下がってしまう)特徴がある。
そのため、彼のステータスを上げるには「おうじゃの~」で始まる彼専用装備を装備させる必要があり、それらは世界各地のプレゼントボックスから入手する事ができる。

さて、この項目の覗いてくれた諸兄は恐らくMOTHER2のプレイ経験がある人が大半だと思うが、少年期にプレイしていてこのような経験はないだろうか?

「世界各地回って全部のプレゼントボックス開けたけどプーの武器だけ見つからないな……」

そう、実はどのプレゼントボックスからもプーの専用武器だけは見つからないのである。
そのため「武器だけ無いのかな?」と思った人もいたかもしれない。
確かにプーは武闘家っぽい見た目をしているし、素手でも十分な火力が出せるステータスだし武器がなくても違和感は無い。
しかし、実際には専用武器が存在している、それがこの「おうじゃのつるぎ」。
「世界各地のプレゼントボックス調べたけどそんなのなかったよ?」と思われるかもしれないが、それもそのはずで各種専用装備の中でこれのみ敵が落とすプレゼントボックスのみからの入手、所謂ドロップ限定アイテムとして設定されているのである。

そのドロップする敵は限られており、スーパースターマンという敵が一定確率でドロップするのみ。
これ以外の入手法は存在しない。
「スーパースターマン何体も倒したけどそんなの落ちなかったな……」と思った人も多いだろう。
それもそのはずで、なんとそのドロップ率は128分の1。つまりレアドロップアイテムとして設定されている。



まあ数字だけを見れば、『ドラクエ5』でキラーマシンはぐれメタルなどのモンスターが仲間になるより倍の当たりやすさである。
しかし、MOTHER2をプレイした事のある方なら知っていよう。

このスーパースターマン、物語中盤も終わりに近い所で挑むことになるダンジョン「ストーンヘンジ」の後半にのみ出現するのだ。

更にランダムエンカウントのドラクエと異なりMOTHER2の戦闘はシンボルエンカウント制に加え、敵の復活には一度別フロアに移動する必要がある。
十字キーを機械的にガチャガチャ押すだけでは戦闘を繰り返せないため、同じ敵と繰り返し闘うには、時間と神経を使うのである。
しかも、スターマン系の敵はテレポートでちょこまかと動き回るため戦いにくい。
ただ彼らはテレポートでしか移動できないので、他の敵シンボルと比べて背後(先制)が取りやすいのが救いか。
本作のダンジョンの中では最長の部類であるストーンヘンジの後半のみ出現というのも、ドロップの粘りにくさに拍車をかけている。
もちろんセーブポイントや回復ポイントなんて甘っちょろいものは無い。


ネス「イライラするんだよ…」(「おうじゃ」だけに)
じゃあ一旦クリアしてストーリー終盤にチャレンジすれば良いじゃん!と考えてもそうは問屋が卸さない。
何故ならここのボスであるDXスターマンを倒すとダンジョン内の敵が消えてしまうためスーパースターマンも出現しなくなり、二度と手に入れることができなくなる。
恐らくDXスターマンを倒した後にそれを知り泣きを見たプレイヤーも少なくなかっただろう。

つまり、このアイテムはドロップ率が低い上に試行回数を稼ぐのも面倒で尚且つ期間限定でしか入手できないという三重苦にあるアイテムなのである。

まあ入手しなくてもクリアに支障は無いが…ゲーム終盤に最強装備のメンバーに混じって素手で戦うプーの気持ちも考えてあげてほしい。
尚、ドロップ率が低くここで何日間も粘った結果ネスのレベルがカンストマジカントでの恩恵が受けられないなんてことも、よくある話。
(レベル99でネスのあくまを倒すとレベルアップできずにステータス上昇イベントも発生しない。)*1*2

上記の状況を避け、時間を短縮したければ、
  • ジェフの「チェック」(アイテムを持っている場合は奪える)&「にげる」を繰り返す
  • ある程度レベルが上がった状態であればスーパースターマンを背後から先制
……などの方法がお勧めだろう。

やや戦闘時間はかかるもののネスだけを戦闘不能にしてレベル上げがてら他の3人のみで戦うのもアリ。
回復はさとりのべんとうやエナジーロボへの変身で行うといい。

そんなに苦労して(あるいは運良く)手に入れた所でこのおうじゃのつるぎ、オフェンスは+30
ステータスに補正があるので一概には比べられないが、これはポーラの「いいフライパン」と同数値である。おうじゃのつるぎ(笑)。
とはいえ、このゲームはオフェンス×2の数値が物理攻撃の基本ダメージ量になるので、素手に比べればこれだけでも約60ポイントものダメージ増加になる。
また、ジェフの武器と同じく空振りしない点はありがたい(ネスとポーラは1/16の確率で空振る。因みにジェフの武器は空振りこそ発生しないがSMAAAAASH!!も発生しないように設定されている)。
地味ではあるが確実にプーの戦力アップには貢献してくれるだろう。

なお、装備したときの通常攻撃のコマンド名は「たたく」のまま。
このゲームでは宇宙人や怪物を"倒した"り、機械を"破壊した"りすることはあっても、明確に生物を殺したという描写は意図的に避けられている。
そのような事情もあり「きる」などのコマンド名ではまずかったのだろう。
もっとも、敵を剣で叩けば模造刀や逆刃刀でもない限り結果的に斬ることになってしまうが。
例えば、刀身の重量と遠心力によって叩き斬る大剣や斬馬刀のような武器なら、「たたく」という表現のままでも問題なさそうではある。
あるいは、そもそもこの剣は儀礼用とか観賞用とか練習用とか、実戦向きの殺人剣ではない、もしくは平で叩いているという可能性も考えられなくはない。オフェンス低いし。
かといってオフェンス+100だとバランスブレイカーと化してしまう
むしろ、武器の強さに頼らずに無双してこそ真の王者たりえるという見方もなくはないが、だったら素手こそが王者の剣ならぬ拳なのではと思わないでもない


ちなみに、売ったり捨てたりすることができないため、2個目以降は完全に邪魔になる。
万全を期すなら、1個手に入れた時点で極力戦闘を避け、早めにセーブしたい。


ちなみにこういったレアアイテムがMOTHER2にはいくつかあり、その中には最終装備の候補となるような強力なものもある。
ただ、おうじゃのつるぎと違い時期限定入手ではなく他に代用できる装備もあるので、やはりプーの待遇の悪さが目立つが。
おうじゃのつるぎもそうだが、このゲームは一回の戦闘で手に入るアイテムは一つのみという仕様上、複数の敵が出現した時にプレゼント獲得のメッセージが出ても実際にアイテム名が表示されるまでお目当てのアイテムとは限らないので注意。

  • メテオタイト、メテオニウム
クルーン系、タコ系等エイリアン型の敵からドロップ。意外なところではあつくもえる てきも持っている。
「なかなかせつめいしにくいぶっしつ」とのことだが、少なくとも熱には強い物質なのだろう。
何度でも使えるが、売る以外の使い道はなく、売値はそれぞれ2000ドル、1000ドル。
…コレクターアイテム程度に留めるべきか。
一応、メテオニウムは序盤から入手機会が訪れるため、早い段階でクルーンあたり*3から入手できれば金策がかなりラクになる。
一方、メテオタイトは売値こそメテオニウムの倍だが、入手時期が遅く(※最速はクルルーン*4)、その頃には金が余っておりありがたみは少ない。
……コレk(ry。

  • スーパースプレー
フォーサイドサマーズに出現するマッドタクシーからドロップ。(確率は1/128。)
ドラッグストアで購入できる「さっちゅうスプレー」の強化版。
戦闘時ムシたちに約200ポイントのダメージを与える。そして「なんどでも つかえる」。
しかしながら、虫系のモンスターは種類が少なく、使う機会にすらそもそも恵まれないという「おうじゃのつるぎ」よりも不遇なレアなだけのアイテム。
意外なところではナメクジ(内部的には虫扱い)に効くため、運良く拾えたら魔境あたりで気が済むまで存分に噴射してやるといいだろう。
……というか、魔境のナメクジがこのアイテムを活用できる最初で最後のポイントだったりする。
なにげに売ったり捨てたりできないため、拾ったところでむしろ邪魔になるかも
実用上はドロップを粘る意義は薄く、純粋にコレクターアイテムとして狙うことになる。

  • こわれたパラボラ
ルミネホールのぶきみボールからドロップ。
必要IQ値は65と過去最高だが、直せば「ムーンビーム」のオフェンス+110を15も上回るジェフの最強武器「ガイアビーム」へと姿を変える。
…しかし「スーパーバズーカ」を使った方が結果的に強いのはナイショだ。
マジカント前でもドロップが見込めるが、攻略中たまたまドロップしたのでないのなら入手はマジカント後に狙った方が良い。
「おうじゃのつるぎ」と同様に処分できないアイテムなので2個目を取らないように注意したい。

  • ふしぎなフライパン
地底大陸のハラペコザウルスからドロップ。
オフェンス+50とポーラの武器の中で最大威力を誇る「てんしのフライパン」*5よりも30劣るが、代わりにガッツが+100になる。
元々ポーラは単発の物理ダメージに期待できるキャラではないため、この武器でスマッシュに賭けてみるのも悪くはない。
ガッツが大きく上昇するため、致命的なダメージを受けてもHP1で踏みとどまりやすくなる……ように思えるが、装備品によるガッツ上昇(補正)は攻撃時にしか影響しない。
この武器は例外的に空振り率が1/4と高く(※素手および各種フライパンは1/16、「ヨーヨー」や「スリングショット」は3/16)、ダメージの期待値は悪くないものの安定感では劣る。
後述の「ガッツのバット」ほど強力ではないが、それでも「かたにちからバット」や「おうじゃのつるぎ」よりは実用性のある武器といえる。

  • ほしのペンダント
終盤のダンジョン、ファイアスプリングのPKおとこ・かくうえからドロップ。
ボディ装備で最高のディフェンス+30とファイアー、フリーズ、フラッシュ、パラライシスへの耐性を併せ持つ。
基本性能・PSI耐性共に他の全てのペンダントを上回るまごうことなき最強のボディ装備。
ただし、相手のレベルも高い上、フィールド上をうねるように動くために背後からのYOU WIN!!も狙いづらい。
ボスを倒してから狩るのが無難。
こだわる人は1個では飽き足らず、人数分揃えてから「うみのペンダント」を売っ払ったり捨てたりするとか。
因みにプー専用ボディ装備の「おうじゃのマント」には耐性が殆ど備わっていないためディフェンス低下分を含めてもこちらを装備させた方が強かったりする。*6

  • めがみのリボン
ギーグ軍に占領された後のオネット過去の最低国に出現するスターマン・センゾからドロップするポーラ専用装備。ディフェンス+110と強力。
しかし、入手時期が微妙なため存在すら知らず「どせいさんのリボン」(ディフェンス+90、ラック+40)で最終戦に臨んだプレイヤーは多いはず。
(もっとも、ラック+40も命中・回避率に大きく関わるため、あえて「どせいさんのリボン」の方が上として装備し続けるプレイヤーも多い。)
幸い(?)センゾは過去の最低国でセーブ・回復ポイント直後から現れるので、レベル上げがてらセンゾ狩りをすればそれほど入手は難しくない。

  • ガッツのバット
過去の最低国の後半、ギーグの根城前にのみ現れるクラーケンバイオからドロップ。
こいつ自体の出現率が低いうえ、敵シンボルの形で見分けがつかないのも辛いところ。
また、同じエリアにはPKスターストームΩを降らせるさいごのスターマンも出現するなど、ドロップまでの道は果てしなく遠い。
ただし、(グラフィックの都合で)必ず単体で出現する仕様になっているため、接触時に周囲の敵が加勢してこなければ、その敵シンボルはクラーケンバイオである可能性が高い。

オフェンスこそ「でんせつのバット」より低い+100だが、ガッツが+127とありえないほど上がるため、2回に1回はスマッシュヒット(会心の一撃)が出る鬼畜バット。
ネス自体の攻撃力の高さもあって、ダメージの期待値で言えばこのバットが実質で本作最強武器といえる(最大ダメージは「かたにちからバット」の「SMAAAAASH!!」)。

単純な戦力上昇具合で言えばぶっちゃけおうじゃのつるぎの比ではなく、ただでさえ物理最強のネスがこれを装備できれば鬼に金棒ならぬ鬼にバットなのだが、上記の通り入手難度もおうじゃのつるぎの比ではなく、おうじゃのつるぎ以外何も装備できる武器がないプーと違って特に苦労せずとも強い武器があるネスでさらに強力な武器を粘る必要があるかというと微妙な所。

何より多大な労力の末に手に入れても使えるのが、過去の最低国および最終決戦のみ。
まぁ(入手難度を別に考えれば)ラストダンジョン後半でやっと入手できる上に、ラスボス相手くらいしか使いようのない武器という物自体は決して珍しくないのだが(それこそどこぞの初代王者の剣とか)、本作のラスボスであるギーグは高い攻撃力が必要になる相手でもないため、これを手に入れてもはっきり言って過剰火力でほとんど役に立つことがないというのが実情である。

そんなわけで高い性能の割に殆ど報われないかわいそうな武器。そのあたりの微妙さもコレクター魂をくすぐるため粘る人も結構いるのだが。

ちなみに「でんせつのバット」も過去の最低国に行かないと入手できないため、それまではオフェンス+80の「マジカントバット」が最強武器となる。

帰ってきたゲップーが確定でドロップする「かたにちからバット」は全バットで最高の攻撃力125を誇るが、3/4の確率で空振るため実戦向きではない。
また、ネスのレベルが高いと他のバットでも容易にオフェンスがカンストするため、そういった意味でもあえて装備するメリットは薄い。


【バーチャルコンソール版について】
バーチャルコンソール版では、「まるごと保存」機能を利用することで、乱数調整による状況再現が比較的容易に行える。
このゲーム(他の多くのSFC作品でもそうだが)の乱数は厳密には疑似乱数で、いわゆる乱数テーブル(乱数表)の値を処理の度に順番に拾っているに過ぎない。
そのため、乱数テーブルを適当に進めながら*7試行を繰り返せば、いつか*8は必ず期待する結果を生む乱数を引き当てることが可能。

仮に「おうじゃのつるぎ」を入手する場合の具体的な手順を例に挙げる。
まず、ジェフのグッズ欄を1つ以上空けた状態で「スーパースターマン」が出現するエリアに行く。
そして、「スーパースターマン」1体が画面内にいる位置で「まるごと保存」。
次に、敵シンボルに接触し「チェック」してプレゼントの有無を調べ、無い場合は「復元」。
復元後は、B(SELECT)ボタンを1回押してHP・PP表示をしてすぐに消し、さきほどと同様に敵シンボルと接触し「チェック」。
以降、ボタンを押す回数を1回ずつ増やしてこれを繰り返す。適当な回数(5回、10回などキリのいい回数)試したら「保存」し直すと良い。
このようにすれば、いずれは「おうじゃのつるぎ」をドロップする乱数に到達することになる。
10~20回程度の試行であっさり入手できることもあれば、100回以上粘っても出ない時は出ない。
……が、実機よりはるかに簡単に入手できることは言うまでもない。


追記・修正はおうじゃのつるぎをゲットしてからお願いします。

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最終更新:2024年04月16日 21:49

*1 本作では後半に登場する敵1体だけでも数千から数万もの経験値があり、得られる量がインフレを起こすので、普通に進めるだけでレベル70くらいまで上がる。

*2 そしてマジカントでのステータス上昇イベントは、レベルアップをフラグ起点にしてHPとPPが急上昇するため、レベル99のネスで発生させるとレベルアップしない=ステータスが上がらず、通常プレイよりも相対的に弱体化するので、ここでのレベルカンストは避けたい

*3 入手確率は1/64。他には「プレーンわに」「わらいボール」も持っているがドロップ率は1/128。

*4 ドロップ率は1/128。最も入手しやすい敵は「ジロリンガ」(1/16)。次点で「でかぐちゃぐちゃ」「あつくもえる てき」(1/64)が続く。いずれも終盤の敵。

*5 オフェンス+80の武器。この武器にもガッツ+10の補正がある。

*6 もっとも、プーは何を装備してもディフェンス低下は同じで、「おうじゃのバンダナ」+「だいちのペンダント」で「うみのペンダント」と同等の耐性(ファイアー、フリーズ、フラッシュ耐性)を得られるため、こちらを装備するメリットはパラライシス耐性くらいになるが。

*7 このゲームではB(SELECT)ボタンを1回押す操作がそれに相当。開く/閉じる操作でそれぞれ1消費し、HP/PP表示中は1F毎に1消費する。さらに、先頭のキャラの向きが変わることでも乱数は進んでしまうため、完璧な精度で乱数を1ずつ進めるのは至難の業。

*8 上でも補足したが、乱数の仕様により128回試行すれば確実に手に入るとは限らない。なるべく「復元」から再開した後の行動のズレを少なくして乱数の進み具合のズレを減らすことは可能。