バラバ

登録日:2009/07/16 Thu 07:27:07
更新日:2024/02/27 Tue 04:20:17
所要時間:約 9 分で読めます






降れぇ……!降れぇ!
放射能の雨に守られた超獣バラバは

負ける筈がないっ!!


バラバはウルトラシリーズに登場する超獣の一体。
初登場は『ウルトラマンA』第13話「死刑!ウルトラ5兄弟」、第14話「銀河に散った5つの星」。


別名:殺し屋超獣
身長:75メートル
体重:8万5千トン


概要

ヤプールが作り出した生物兵器。
鱗に覆われた灰色のずんぐりとした巨体に、水牛のような角と太い牙、爛々と光る眼を備えた禍々しい怪物。
単一の鼻の孔の開いた顔は獣のドクロにも似ている。
超獣の例にもれず全身が武器のカタマリであり、両手は左手がカマ、右手が棘付きの鉄球になっており
鉄球の棘部分はワイヤーが仕込まれ、射出して相手を拘束するのにも用いられる。
後頭部にがついており、この剣は発光させてショック光線を放ちTACの戦闘機を墜落させたりエースの動きを封じたりした上、自在に飛ばして遠距離攻撃も行える。定番の口からの火炎放射も備えている。

アゲハ蝶の幼虫と宇宙怪獣を合成させた超獣……なのだが、外見のどの辺にアゲハ蝶の幼虫の要素があるのかは謎。

装備した武器とは別に周囲の天候を操作して「放射能の雨」を降り注がせる固有能力を持つ。
この雨はミサイルを狂わせ使用不能にする効果があり、雨が降っている間はTACのミサイルやロケット弾が通用しない。


活躍

◆『ウルトラマンA』

ヤプールがウルトラ5兄弟をゴルゴダ星に縛り付け、その間に地球を征服する為に送り込んだ。
放射能の雨に守られていて、その為か定かではないが雨が降っている間はTACのミサイルやロケット弾が通用しなかった。
だが、エースがウルトラ4兄弟の力でなんとかゴルゴダ星から脱出してきた為、対決することに。

地球に戻ったエースとの初戦では頭部の剣を奪われて追い詰められるが、ヤプールが人質にとったウルトラ4兄弟の映像を見せて戦意を削いだこともあり、敗退に追い込んだ。


だが、ウルトラ兄弟救出後の再戦時は放射能の雨も降らず、それでも最初は互角に渡り合っていたものの発射した剣をエースに奪い取られ、ぶん投げられて胸に剣を刺され吐血。
更にはエースに後頭部を蹴られ、顔から眼球が飛び出した状態で走り回っていたところで鎌をぶっこ抜かれ、その鎌で首をちょん切られて絶命した。殺った殺った!エースが(首を)刈った!
何故か最期だけすごくギャグ&グロい。


後世では見た目と能力のおかげで同エピソードに登場したエースキラーが目立っており、バラバはその前座のような印象を付けられているが、13・14話の前後編のメイン超獣はバラバの方であり、エースキラーは後編の中盤にやっと登場したと思ったらあっという間に倒されてしまうくらいに出番が短い。

尤も、ヤプールの作戦は
ゴルゴダ星にウルトラ兄弟を誘き寄せて一網打尽にし、エースが兄弟の救出に来たらエースキラーで迎撃し、地球にエースが不在になった隙にバラバで地球を攻撃する
というもので、ヤプール的にはどれか1つでも作戦が上手く行けば万々歳だったので、エースキラーもバラバもどっちが前座でどっちが真打ちなのかは関係なかったのだろう。
全部大失敗したけどね。


◆『ウルトラマンタロウ

ウルトラ兄弟に倒された怪獣の怨念が合体した暴君怪獣 タイラントはバラバの腕を持っており、ナレーションも解説している*1

……が、その元となっているバラバは、エースキラーの一件もあってか強豪ではあるが正直そこまで知名度の高い超獣ではない。
一方のタイラントはその後のシリーズで映像作品・ゲームや漫画媒体問わず引っ張りだこになるくらいの人気怪獣であり、その結果「バラバについてはよく知らないけど、"タイラントの腕"としてならよく知ってる」という名誉なのか不名誉なのかよく分からない称号を頂くことに……。


◆『ウルトラマンギンガ

劇場版第1作に出演が決定。それに合わせてソフビ(500円サイズ)も発売されている。
ようやく平成作品への登場が果たせる事に……と思ったら、スパークドールズだけの登場だった。
しかも身も蓋も無い事を言うと、物語的にはタイラント誕生のための舞台装置でしかない扱い。やっぱりここでも「タイラントの腕」というポジションだったのだ。
一応千草から「強そう~!」という好評価を頂いているのがせめてもの救いといったところか。


◆『ウルトラマンZ


お前か。
殺し屋超獣……バラバ。


エースゥ…エースゥゥ…

エースゥゥゥゥゥゥ!


声:金子はりい

平成の世に出る事はついぞなかったが、令和時代に入った『ウルトラマンZ』の第19話「最後の勇者」にて遂に48年ぶりに再登場。更にメイン怪獣に抜擢されると言う快挙を成し遂げた。「怪獣じゃない、超獣だ」
もちろん着ぐるみも新造されており、よりシャープかつ凶悪さが増している。

今回の個体はヘビクラ曰く、「ヤプールの残留エネルギー(おそらくエースに対する怨念)が実体化してバラバの姿を取った」らしく、どちらかと言えばUキラーザウルスの小型版とも言える存在。そのせいか初代と異なり言葉を話す。
……が、エースへの怨念が強すぎる為か終始エース(とウルトラマン)の名前や、エースに対する恨み言や殺意しか口にせず、
挙げ句の果てにエースのメダルを持つハルキが乗るウインダムをエースと誤認して襲い掛かったのでまともな理性があるとは到底言い難い。確かにウインダムもトサカあるけど…

時勢と言ったメタ的な理由か、放射能の雨は使えなくなっているもののその戦闘能力は『A』の個体を遥かに凌駕しており、
  • 続投の火炎放射「デスメガファイヤー」に加え、ベロクロンの様に鼻から発射するミサイル「デスミサイルショット」が追加。威力は凄まじく単発でもすでにダメージを受けていたとは言えゼットのウルトラフュージョンを解除させカラータイマーを点滅させるダメージを与えるほど
    また威力は下がるものの連射式に切り替える事も可能となっている。
  • 目から放つメタリウム光線と同等の威力を誇る光線「スネークヘルサンダー」が追加。
  • 頭部の剣「テリブルブレード」に異次元の穴を開ける能力が追加され、相手の攻撃を異次元送りにして防ぎつつ紫色の稲妻で反撃する攻防一体の技が追加。
    更に発射時には頭部と剣の間を光のワイヤーで繋げており、複雑な軌道で動かしたりぶん回して広範囲を薙ぎ払ったりが出来る上に奪われて投げ返される危険性を排除している。
  • 左腕の鎌はパンチレーザーを耐え、バーチカルギロチンを真正面から叩き壊す頑丈さを誇る。
    右腕のハンマーと併せてエースブレードをへし折る事も可能。もちろんすっぽ抜ける様な事もない
  • 幾つもの光線技や格闘技を喰らおうとも耐え抜くほどの圧倒的な耐久力
  • (ギリギリで間に合わなかったとは言え)初見の技・ストップリングによる拘束を力尽くで破るパワー。
…とまさに「怪獣を超えた存在」「生物兵器」と言わんばかりのスペックを誇る。もうタイラントのパーツとは言わせない
また、上にまともな理性がある様には見えないと書いたが、ヤプールの怨念の集合体ということもあってか戦闘においては、
  • ベリアロクやエースブレード、ゼットランスアローと言った強力な武器は優先して破壊したり弾き飛ばしたりする
  • 武器を拾おうとして隙が生まれたゼットを右腕の刺付きワイヤー「テリブルチェーン」で拘束して引き寄せる
  • 異次元攻撃を喰らってダウンしたゼットが起き上がったタイミングを狙ってミサイルで追撃
と言った具合に、見境なく暴れ回るのではないクレバーな一面も見せている。

エースのウルトラメダルに引き寄せられてゼットのいる地球へ来訪。空を円形に割って紫色の稲妻と共に襲来し、発生した爆炎が収束する形で実体化した。
その圧倒的なスペックでキングジョーSCとウインダム、ゼットの最強形態・デルタライズクローを次々と蹴散らし、
同じくメダルに導かれたエースとゼット・ベータスマッシュのタッグとも互角にやり合う。
しかし、エースのストップリングで拘束され、エースのアドバイスでウルトラホールを開いたゼットにエースがスペースQのエネルギーを渡して発動した合体技・スペースZを喰らい、
かつての巨大ヤプールと同じ台詞である「ヤプール死すとも超獣死なず」の台詞を残して身体が真っ二つになって目玉が飛び出しつつ爆散した。

「バラバが……バラバラ。……フフッ」

しかし、この時爆発せず残ったバラバの角がきっかけとなり、人類が持つには強力すぎる力が生まれてしまうことになる……


◆『ULTRAMANREGULOS

マグマ侵略軍提督ヴォルカンが、ヤプールとの取引で手に入れた個体。
赤龍白虎拳の幻獣闘士となったばかりのレグロスに差し向けられ、レグロスを追い詰めるも、アルビオとファルードのコスモビーストがレグロスに託された事で形勢逆転され、飛翔精鶴陣→幻影水蛇弾→精鶴水蛇拳のコンボで倒された。
劇中では鎌と鉄球、テリブルチェーン、テリブルブレード、デスメガファイヤー、デスミサイルショットを使用した。


その他派生作品

虹田充の漫画版ではバラバのみ登場する内容となっており、ヤプールからは「エースキラー」と呼称される。
メタリウム光線も受け付けずAを追い詰めるが最後はエースのエースラッガーを受けて串刺しにされ倒された。

映画『ウルトラマンZOFFY』ではナックル星人の手下みたいな扱いをうける。

漫画『ウルトラマン超闘士激伝』ではヤプール軍団三強超獣となっており、「超獣武器庫」の異名を持ち、朱の鍵を託されている。
闘士怪獣五獣士バルタンJr機甲師団を壊滅させ、トドメとばかりに部下の超獣(ガマス、カメレキング、ドラゴリー)に自らの武器を託し殲滅させようとするも、増援に駆け付けた闘士ゼットンにより、部下たちはたちまち全滅。
一人残されると武器を回収しゼットンに挑みかかるも、「仲間に与えた武器を再び持つというのは素手では俺に勝てないと認めたということ」とバカにされた上、拳一発で剣ごとフッ飛ばされ瞬殺されてしまった。

漫画『ウルトラマンSTORY 0』では野生の個体がタロウを襲っているが、タロウのストリウム光線であっという間に消し飛ばされた。
この個体は剣が鎌状の角に、左手が棘付きの鞭になっていた。


ゲームではエースキラーはよく中ボスになるが、こっちはなったことがない。
それどころか登場すら危うく、『ウルトラマン倶楽部 怪獣大決戦!!』でタイラントの手下扱い*2されていたくらいしか……

……と思ったら、『ロストヒーローズ』で最初の中ボスとして登場。
ウェザー・ドーパントによって光学迷彩の技術を組み込まれて透明になり、2人のネモを殺すというクロスオーバーまでやってくれた。
しかも『超闘士激伝』同様にしゃべりまくり。
最初の敵とはいえ普通に強いので、システムをよく理解していないまま戦って全滅したプレイヤー多数。
ちゃんとスキルツリーで技を開放し、回復アイテムも揃えてから挑むこと。
倒された後は死体が放置されるが、中盤にまた訪れると腕が切り取られており、案の定タイラントがスーパーショッカーによって生み出される。



余談

名の由来は、聖書で処刑されそうになったキリストに代わり恩赦を受けた罪人「バラバ」。
バラバラにする、されるからではない。

『ウルトラマンZ』第19話を担当した辻本貴則監督のツイッターによると「バラバのミサイルはベロクロン、両眼光線はジャンボキングからとヤプールも総力戦」との事。
一部の視聴者からは「異次元の穴による反撃技はバキシム+ブラックピジョン、エースブレードを折る怪力はドラゴリー、耐久力はアリブンタではないか」と考察されている。

ウルトラマンブレーザー』第16話では幻視怪獣モグージョンが見せた幻覚の一つに「さそりの尻尾」があったが、実はこの怪獣からの流用である。やはりアゲハの幼虫に見えないからだろうか。

追記・修正は後頭部にチョップを叩き込まれて目玉を飛び出せる人がお願いします。

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最終更新:2024年02月27日 04:20

*1 デザイン画では同じであったが、決定稿ではなぜか左右が逆になっている

*2 タイラントの登場する第4面では、レッドキングやベムスターなどタイラントのパーツになった怪獣が手下として登場する。