猪川将佐

登録日:2016/05/29 Sun 17:26:21
更新日:2023/02/21 Tue 20:37:52
所要時間:約 4 分で読めます






金田一少年の事件簿』の登場人物。

CV矢尾一樹
演:高杉亘(松本版)


石川県警刑事部捜査一課の所属で階級は警部。年齢は32歳。
ニヒルな性格のイケメンで、ノンキャリアながら30代という若さで警部に昇進しているやり手である。
明智健悟とはまた違ったタイプの美形であるため読者からの人気も高く、再登場を望むファンも多いらしい。
名前の由来とモデルは、『エロイカより愛を込めて』の登場人物「エーベルバッハ少佐」*1から。
なお、アニメ版で猪川を演じた矢尾氏は石川県出身である。

地に足のついた現実的な論拠を元に推理を組み立て、真相を解明しようとする捜査スタイルを持つ。
だが一度犯人がこの人物であると睨んだ後は、なかなかその考えを曲げようとせず徹底的に突っ走るという欠点も持っている。
初登場の事件では、犯人として疑っていた人物に関する証拠について金田一一に「不自然だ」と指摘された事に対し、「自分の容疑を晴らすためにわざと不自然な証拠を残したとも考えられる」と反論していた。
その後は証拠や裏づけもない状況で逮捕状まで発布し、その人物を逮捕しようとするのだが、直前で一の手によってその人物の無実が証明され、大きな冤罪事件を生み出さずに済んだ。
行き過ぎたところがあるものの根はそれほど悪い人間でもないようで、殺人犯と疑った人物に結婚式に招待されても「こんな悪役(ヒール)がめでたい席に顔なんぞ出せるか!」とあえて欠席する事を選び、同じく招待を受けていた一たちを気前よく式場まで送迎していた。
喫煙者であり、作中でもしょっちゅう煙草を咥えているヘビースモーカー。しかし、アニメ版ではそのような描写はカットされている。


初登場は『黒死蝶殺人事件』。
金沢のとある屋敷で起きたその事件を担当した際に一たちと知り合う。
しかし初登場時に、家族を殺され悲しんでいる遺族の悲痛な思いを踏みにじるかのような発言をしていたため、一に「踏みにじってんのはどっちだよ?」と敵意を向けられる。
その後行われた事情聴取では、一の祖父が金田一耕助である事を以前から知っていたような素振りも見せていたが、一の名字を見てそう思っただけかもしれないので詳しい事は不明。
その後は関係者の1人を徹底的にマークし、現場に残されていた不自然な証拠も前述のように自分の推理に都合よく解釈していきながら捜査を進めて行く。
そのため、他の人間にも疑いの目を向けていた一とも対立し火花を散らせていた。
解決編では自分の推理に異を唱える一に対し、「その人物が犯人ではないという裏づけを見せろ」と迫り、彼と討論を繰り広げる。
しかし自信を持っていた自分の推理をことごとく一によって論破され、真犯人が使ったトリックを鮮やかに解明された事でそれが間違いだったと思い知らされる。
そして真犯人が暴かれた後は、余計な口出しをせずに彼の推理に耳を傾けるようになった。
事件の解決後は一とも和解し、彼の推理力を認め「名探偵」と呼ぶようになる。
事件の半年後に一たちが金沢を訪れた際には自分の車で彼らを式場まで送り、「またどっかで会えそうな気がするよ」と一に言われた時には「俺はもう二度とお前なんかと会いたかないね」と憎まれ口を叩きながら去っていった。


第1期の出番はこれだけだが、キャラが立っているうえに人気の高い存在であったため『金田一少年の決死行』のグランドフィナーレで他県の警部たちに混じって登場する。
相変わらず煙草を咥え、「民間人でこれだけ全国に警察の知り合いを作っている怪しい人物はお前くらいだぞ」と皮肉を言っていたが、前よりは垢抜けた笑顔を見せるようになっており、一の自転車旅行のカンパにも快く協力していた。


ドラマ版で登場した時は、『黒死蝶殺人事件』の舞台が神奈川に変更されたため、神奈川県警所属という事になっている。
演じているのが『踊る大捜査線』の草壁隊長で御馴染みの高杉氏であったので、美形というより屈強で強面な刑事といった印象になっている。
原作よりも高圧的でイヤミな性格となっており、一だけでなく、いつき陽介の代役として登場した剣持勇警部とも敵対し警視庁の警部VS県警の警部という刑事ドラマさながらの対立抗争となった。

アニメ版では、咥え煙草をしていない事以外の目立った改変点は特にないが、「なぜか」期待された出番が無かったり、意外なところに出番が用意されていたりする。

一つ目の「なぜか」:アニメオリジナルストーリー『嘆きの鬼伝説殺人事件』は石川県が舞台の事件であるにもかかわらず登場しなかった。
『嘆きの鬼~』は『黒死蝶殺人事件』より後に放送されており、長島滋のように地方刑事がアニオリで出番が増える例もあったのに、である。
代わりに石川県警からはオリジナルキャラクターとして女性刑事・如月美和が登場している。彼女は彼女で美人でナイスバディー、能力も優秀と良キャラだったので文句はないが。

二つ目の「なぜか」:出演後に彼のキャラソンが発表されている。
曲のタイトルは「こんな日が来るとは思わずに」で、収録アルバムの名称は「金田一少年の事件簿 オールスターズ LOVE SONGS」。
このアルバムに収録されているのは、一たち御馴染みのメンバーを除けばほぼ全員が女性であり、そのほとんどが作中で何らかの犯罪を犯したゲストキャラなのだが、なぜかそこに混じって彼も選ばれているのである。
どのような人選だったのかは謎だが、『金田一少年』のキャラソンCDは『金田一少年』に出演経験のある声優が集まって作ったCDと言ったほうがしっくりくるものであるため、その点に関してはあまり深く突っ込まくてもいいのかもしれない。


ちなみに一役の松野太紀氏とは『サクラ大戦シリーズ』で共演しており、しかも直の先輩後輩設定なため舞台での「歌謡ショウ」版では脇役ながらいつも一緒に登場していた。


追記・修正は、咥え煙草をしながらニヒルにお願いします。


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最終更新:2023年02月21日 20:37

*1 「エーベルバッハ」はドイツ語で「猪の川」を意味し、「将佐」も「しょうさ」と読める