リリアン女学園(マリア様がみてる)

登録日:2016/05/02 (月) 22:11:28
更新日:2024/01/27 Sat 08:34:22
所要時間:約 8 分で読めます







リリアン女学園(りりあんじょがくえん)とは、
ライトノベル及びアニメ『マリア様がみてる』シリーズの舞台となる架空の私立学校である。


○概要
東京都武蔵野市の丘にある、幼稚園から大学までの一貫教育を行う女子校
明治34年(1901年)に華族の令嬢のための女学校として創設されたミッションスクール(カトリック系)。
敷地は広大で、幼稚園から大学、各校の体育館、図書館、食堂、シスターの寄宿舎その他諸々が同じ敷地に集められている。

内部進学は基本エスカレーター式だが、その分外部入試はかなりの難関。
校名の「リリアン(Lilian)」とは、欧米での女性の名前の定番であるほかに、百合(Lily)のごとく純潔な女性という意味も込められている(百合はキリスト教において聖母マリアの象徴)。
作品のテーマである同性愛的な意味も含まれている……?
制服は幼小中高で微妙に違うが、深緑色という点は共通。


◇リリアン女学園高等部
主人公・福沢祐巳や山百合会(後述)メンバーらが在籍する、本作の主要な舞台で、都内有数のお嬢様学校。
制服はワンピースのセーラーで、白いスカーフが特徴(中等部はスカーフの部分が黒いリボンになる)。
各学年は李(すもも)・藤・菊・桃・松・椿の6学級編成(2年生のみ、何故か李が桜になる)。
生徒数は不明だがアニメのシーンの目見当で大体1クラス40人くらいはいる模様。
生徒の大多数は中等部から上がってきた内部進学者で高校入試枠はかなり狭いらしく、作中において私立高校受験のレベルは都内最難関と言われている。
実際、二条乃梨子がある理由で不本意ながら受験しようとしたところ、中3の担任に「滑り止めで受けるようなところじゃない」と言われるくらい。

旧華族女学校ということもあってお嬢様が多く、同級生と敬語で会話する生徒もいる。
また、愛校心の強い学校なのか二世生徒(親も卒業生の生徒)がかなり多い(作中では祐巳、祥子、由乃、令、瞳子、乃梨子がその例。しかも乃梨子以外全員幼稚舎から。)。裏口まではいかないが、卒業生の子供が受験する場合、少し判定が甘くなる(縁故?)ような描写がある。
今時の学校にしては珍しく校舎がほぼ全部木造である。
オープニングの「スカートのプリーツは乱さないようゆっくり歩く」からなのか、制服のまま全力疾走する生徒が(よほどのことが無い限り)おらず、
アニメでは祐巳が山百合会の会議に校門前に来た時点で遅刻しているにもかかわらず走らずわざわざ早歩きで急ぐシーンがある。
同級生を呼ぶときは「~さん」、上級生は「~さま」、下級生は呼び捨てか「~ちゃん」が基本でニックネームや先輩という表現はNG。また苗字で呼ぶことも全くない。
実際、中学受験で中等部から入った水野蓉子は佐藤聖(初等部出身)を最初「佐藤さん」(リリアン的には「聖さん」が正解。)と呼んだため、聖に外部生だと見破られるシーンがある。
修学旅行の行き先はイタリア。

◇リリアン女子大学
高等部からすぐ行ける距離にあるらしい。
高等部の生徒は3年2学期までに所定の書類を提出すれば内部進学できる(但し学部選択は成績順。)。
作中では文学部があることが判明しているが他の学部については詳細不明。

◇スール(Soeur=フランス語で姉妹の意。)
リリアン女学園高等部特有の慣習で、上級生と下級生が「姉妹」になる約束を交わすこと。
基本的に1対1、異学年同士が絶対条件で複数の姉や妹は持てない。そのため、スール=特別なレベルで親しいとみなされる。
作中(高等部)で「姉」、「妹」、「姉妹」という単語が出てきたら血縁関係ではなく、基本こちらの意味である。このため、家族としての姉妹のことを学園で話すときは「実の」とわざわざ付ける必要が出てくるわけだが、傍で聞いている人には何やら家庭環境が複雑なのではないかと思われてしまうという弊害(?)もある。

姉妹になる際は、上級生が下級生にロザリオ(姉からもらったものでも新品でもいい。)を首にかけてもらうことで関係が成立する。
本人から見て姉をグラン・スール(Grande Soeur)、妹をプティ・スール(Petit Soeur)と呼ぶ。
ちなみにフランス語で呼ぶのは、カトリックの学校なので英語(=シスター(sister))だと修道女とごっちゃになるのを避けるため。

この慣習ができた経緯は、校則が厳しい中等部からやや緩やかになる高等部に上がる際に、自分たちの行動は自主的に規律正しくすべきであるという理念から。
さらにそれを後輩に伝える際に、姉が妹を想うように厳しくも優しく導くのが理想だという考えがあるため。
ちなみに校則で定められているわけではないので、姉妹を持たない生徒もそれなりにいる。しかし生徒会役員や部活の部長職などにつく生徒は、後継者確保の点から妹を作ることが多い。

また、後述の薔薇様を中心に人気の生徒とスールになることで生徒たち(主に新聞部)から注目を浴びてしまったり、嫉妬の対象になったりすることがある。
また、リリアンでほぼカップルとみなされることもあるらしく、
某黄薔薇ペアがスール解消騒動を起こした際、校内新聞で「破局」と書かれた。どこの『フライデー』だ。
ちなみに実在の学校でも上級生と下級生が疑似的な兄弟姉妹、
もしくは家族として交流するシステムを持つところが無いわけではない(宮城県立五ヶ瀬中等、不二聖心女子学院など)。

◇お姉さま
スールになった際、妹側が姉側の上級生を呼ぶ言葉。
ちなみにスールでない上級生をお姉さまと呼ぶのはNGだが、不特定の上級生複数を「お姉さま」と呼ぶのはセーフとされる。
また、姉の姉は「おばあちゃま(BBAではない)、妹の妹は「」になる(どちらも呼び掛けには使えない)。

◇山百合会
リリアン女学園高等部生徒会の名称。高等部では全生徒が会員という扱いになっており、会長などの役員だけを指すわけではない。
会長職にあたる三人の薔薇さま(ばらさま)が正式な幹部で、その妹である薔薇のつぼみ(ブゥトン)、
そのまた妹の薔薇のつぼみの妹(ブゥトン・プティ・スール)が通常の学校での生徒会役員にあたる事務補助として、職務に当たっている。
また忙しい時は前述メンバーのクラスメイトらが助っ人を務める。
さらに次期メンバー候補になった生徒(主に1年生)を、つぼみやつぼみの妹達と手伝いをさせて、スールになるよう画策するのが常套手段になっている。

◇薔薇さま
山百合会役員(他校の生徒会長に相当)で、同会及び高等部のトップを務める3人組のこと。
「会長」「書記」「会計」「庶務」といった役割ははっきり決められておらず、3人が平等に分担して業務を行っている。
一応3学期に行われる生徒会役員選挙で選ばれるが、薔薇のつぼみ(薔薇さまの妹)がそのまま繰り上がり、
外部から立候補する生徒はほとんど皆無なので実質薔薇様のスールによる世襲制となっている。
紅薔薇(ロサ・キネンシス)白薔薇(ロサ・ギガンティア)黄薔薇(ロサ・フェティダ)の三色に分かれている。
色ごとの序列は特にないが、作中では紅薔薇が代表を担うことが多い。
薔薇様の妹は薔薇の学名(()内のカタカナ)の後にアン・ブゥトン、さらにその妹はアン・ブゥトン・プティ・スールとつける。
(例:ロサ・キネンシス・アン・ブゥトン・プティ・スール=紅薔薇のつぼみの妹)。

◇薔薇の館
山百合会本部として使われる建物(生徒会室)。通常の学校とは違い校舎とは別に中庭に独立した建物になっている。
木造2階建ての洋館で主に2階の大広間が生徒会室になる。
冬は水道管が凍ったり、階段を上るときしむ音がしたりと結構老朽化が激しい模様。
作中の紅茶やお菓子は経費ではなく、各々が個人的に持ち寄っている。
校舎から独立していることや、歴代薔薇さまやつぼみ達がやたらハイスペックな人物だらけなせいで聖域扱いされていたが、
あるイベントの会場として利用されるようになってからは一般生徒も親しみやすい雰囲気になってきている。

○山百合会幹部
薔薇さまとつぼみ・つぼみの妹を指す言葉。要するに生徒会役員共。
薔薇さまだけを指して言われることも多い。また、本部が薔薇の館である為「薔薇の館の住人」と呼ばれる事もある。

○ごきげんよう
リリアン女学園での基本的な挨拶の言葉。朝出会った時も、夕方別れる時もこれ。祐巳曰く、いつどんな時でも使える「合理的な挨拶」。
現実でも跡見学園や学習院女子などで使われているとのこと。

○新聞部
校内新聞「リリアンかわら版」を発行している。
週刊だがイベント告知などの時は号外も発行する。
蓉子世代が薔薇様の頃は当時の部長の方針もあってゴシップ色が非常に強く、学内の有名人(特に薔薇様)をしつこく狙うため、
ターゲットになった生徒の保護者が怒鳴り込みに来たこともあり、山百合会とも度々嫌悪な関係になっていたが、イベント関連では協力することもある。
前述のゴシップ色も、祐巳の同級生である山口真美が部長になってからは少しずつ落ち着いている。

○花寺学院
リリアンからすぐ近くにある仏教系の男子校。祐巳の弟である祐麒が在籍。
作中では高校しか登場しないが、リリアンと同じく幼稚園からエスカレーターの総合学園で、かなりのお坊ちゃん学校&難関校。福沢家のように「女はリリアン、男は花寺(に入学させる)」と決めている家もそれなりにある。
リリアンとは一種の姉妹校な関係にあり、イベント(文化祭など)の時は互いの生徒が助っ人やゲストで呼ばれるのが慣例になっている。また、リリアンのスールに相当する「烏帽子親*1」制度がある。
また、生徒が源氏(運動部)、平氏(文化部)に分かれていろいろ競い合う習慣がある。
制服は鼠色の学ラン(ボタン部分がファスナーになっている)。






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最終更新:2024年01月27日 08:34

*1 平安時代に男児が元服する際、烏帽子を被せる役。元服する男児の後見人と見なされた