中間管理録トネガワ

登録日:2016/04/18 Mon 16:23:00
更新日:2024/04/16 Tue 17:38:58
所要時間:約 24 分で読めます







週刊で頑張っているカイジくんの労をねぎらってこの利根川がスピンオフをしようというのだ……

ククク‥‥

面白かろう‥‥?





『中間管理録トネガワ』とは、月刊ヤングマガジンとコミックDAYSに連載されていた『賭博破戒録カイジ』のスピンオフ漫画である。カイジ外伝?知らんな。
原作:萩原天晴、漫画:橋本智広(ハッシー橋本)・三好智樹、協力:福本伸行と、作者クレジットがやけに長いのが特徴。
作画は『カイジ』の作者である福本氏本人ではないが、再現度は非常に高く、福本氏の筆だと思い込む人も多々。
単行本収録の書き下ろし編には、福本先生本人が執筆したエピソードもある。

タイトル通り、『カイジ』の人気キャラ・利根川幸雄を主人公にしたスピンオフ作品。
……なのだが、完全にギャグ作品に徹しているのが大きな特徴。

本編では強敵としてカイジの前に立ちはだかった利根川が、本編では全くと言っていいほど見られない日常の勤務風景が描かれている。
兵藤会長と黒服たちの間でひたすら気を揉む姿が描かれており、兵藤会長のご機嫌を取るためには黒服たちの協力も不可欠という立場上、
一晩かけて黒服全員の顔と名前を覚えたり、自ら慰安旅行(神戸牛バーベキュー付き)を企画したり、会長の風呂上りを待ち構えたりと謎の暗躍を繰り広げる。

作風自体が福本作品のパロディとなっており、「ざわ……ざわ……」というおなじみの擬音はもちろん、
本編で出てきた名言のパロディが飛び出したり、勝負の決着がついて決め台詞が出た時のような演出でギャグのオチが描かれたりする。

単行本が即座に重版され、「このマンガがすごい2017」で1位になり、様々な企業とコラボするなど記録的なヒットを叩き出した。

本編では敵の組織と言う位置づけだった帝愛グループだが、この作品では「裏社会もの」というより「企業もの」として描かれていることも大きな特徴。
帝愛グループがわりとシステマティックな組織であることが分かる。
ちなみに、新入社員はエントリーシート→筆記試験→TPOチェック→役員面接を経て入社できるか否かが決まる。

単行本4巻では、利根川と愉快な黒服たちが限定ジャンケン大会の企画を立案し、実行に向けて奔走した結果、無事第2回の開催までこぎ着けている。
本編では早くも次の第3回にカイジが参加し、利根川が例の末路をたどるのだが……

連載当初から大きな話題になり、単行本1巻は早々と増刷が決まった。
ただし内容が内容であるため、人によっては「流石にキャラ崩壊が酷過ぎて受け付けない」という人もいるので注意。

ちなみに時系列はカイジの参加(1996年)よりもさらに前の第1回限定ジャンケンが開かれる前のはずなのだが、Twitterが登場しているなど明らかに時代設定が2010年代後半あたりであるような描写がある。
一方で利根川の使用している携帯電話が本編の時代設定に合わせたものだったりグレーゾーン金利が「廃止されるわけがない」と言われていたりと、正確な時代設定は曖昧。

単行本2巻では、番外編として大槻班長の一日外出の様子が描かれている。
こちらも好評を得たため食べ歩き日常系漫画1日外出録ハンチョウ」(作画:上原求、新井和也)として独立し、週刊ヤングマガジンにて連載中。

2018年には待望のアニメ版が2クールで放送された。ナレーションは川平慈英。
原作を補完したアニメオリジナルのシーンも盛り込まれており、かなり真っ当な出来となっている。
ただその反面、声優及びナレーションの変更を残念がる声も……。*1
第2クールでは番組をジャックする形で「1日外出録ハンチョウ」のストーリーも交えるようになっている。実質ニコイチ状態。
ざわボイスとして声優名に「ざわ」や「さわ」、あるいは「ハン」「チョー」が付く声優が、「ざわ…ざわ…」を言うためだけにキャスティングされている。

【一覧】
さわ…城みゆき(002)
芹ざわ…優(003)
小ざわ…亜李(004)
花ざわ…香菜(005)
黒さわ…ともよ(006)
井ざわ…詩織(007)
ハン めぐみ(008)
チョー(009)
さわ…城千春(010)
野ざわ…雅子(001)


登場人物

帝愛グループ関係者

CV:森川智之
主人公。
本編の裏社会の大物然とした雰囲気は一応残しつつも、本作ではあくまで「中間管理職」としての苦悩が描かれている。*2
また、原作での兵藤の「管理はできても勝負のできぬ男」「平常時の仕事は無難にこなしても緊急時にはクソの役にも立たぬ」の評価通り、
想定外の事態や大事な場面では、決断出来ず保身に走ってしまったり、ミスをやらかす欠点もある。

会長の要求に応えるため、および自分の出世のためには黒服たちの協力が不可欠であるため、部下の人心掌握と勤務管理に気を遣っている。
時には会長に取り入るため理不尽な仕打ちも見せるものの、基本的にはなかなかいい上司である。
というか、
  • 徹夜で基本見た目が酷似した部下の顔と名前を覚える
  • 何かというと自ら率先して動く
  • 会議の度にコンペを開き、全員にアイデアを発表する機会を与える
  • コンペでやらかした者もさし飲みに誘い、「次がんばれ」と発破をかける
  • 失態を埋め合わすためとはいえ、慰安旅行を主催して神戸牛や高級酒をふるまう
  • 部下の体調管理には細心の注意を払い、手の洗い方までレクチャー
  • 勤務中に具合が悪くなった部下はすぐ病院に行かせる
  • 会議で自分のアイディアをこき下ろされたり反駁されても一応素直に聞く。優れた対案が出たら自分の案を切ってまで採用
  • 部下のほとんどが利根川よりも先に帰宅している描写すらある
  • 挙句、部下全員に会議に遅刻されてもなんだかんだ許した(というか全員丸刈りになったせいでそれどころではなかった)
  • 解雇してもう会社と出世にも無関係な元部下に対してもプライベートで会う。その後もなんだかんだで面倒見が良い
  • 部下たちにスーツスタイルにおけるお洒落のなんたるかをレクチャー
  • 部下の結婚式で誰かがやらかす事を見越して予備のネクタイを用意。同僚たちが余興を始めたら、その場のノリを理解して飛び入り参加、息もバッチリ合わせる
……と、部下にして見れば、非合法活動をやらされることを除けば理想的な上司と言えよう。
少なくとも兵藤会長とは雲泥の差だと思われる。

が、問題はこのような利根川の気遣いが悪い方向に作用してしまうのが多いことである。
部下からも慕われてはいるのだが、そのエネルギーがあらぬ方向に向かって利根川を窮地に陥れることも多々。
本編における末路も考えると、もはや切なさすら漂ってくる。

慰安旅行編では、帝愛の保養施設の備品の鉄板が錆びついて使い物にならなかったため自ら奔走。
なぜかその保養施設の倉庫に置かれていた将来自分が焼かれることになるあの装置を見つけ、それを特大バーベキュープレートだと勘違いし、その上で肉を焼いた。

カツ丼回では初めて入るカツ丼屋でメニューを見ずに大盛を注文するも、実はこの店では並盛が他店の大盛サイズで、その下に更にレディースサイズ(他店の並盛)などサイズ分けがされており、結果通常の3倍以上はある量のカツ丼を食べる羽目になる。
当人のプライドもあり引くに引けず何とか完食するも、アニメ版では帰社後に会長からカツサンドを勧められてしまう。
スピンオフ「1日外出録ハンチョウ」と共演した読み切り『トネガワvsハンチョウ』にて再来店。
既に常連としてかつ澤に通うようになっており、以前の教訓からレディースサイズを注文するも、
たまたま居合わせた大槻(後述)に完食時の写真を見られて煽られたことで再度大盛を注文してしまい、結果大槻共々完食できなかった。

またこのかつ澤のエピソード含め焼肉や揚げ物が好物のようで、さらに喫煙者でもあるためか健康診断で「判定C(要注意)」が並ぶ結果となってしまった。
これを機に生活習慣を改善して再検査に臨もうとするが、節制に努める利根川の姿がとある部下の心に火を付けてしまい‥‥

兵藤会長に近い立場にいるため、20連勤で帰れなかったり、急な呼び出しでプライベートは皆無に等しい状態。
そんな彼にとって、地方への出張は数少ない癒やし。小旅行感覚で行きの新幹線で缶ビールを飲み、地方グルメを楽しみにしている。

優秀で知られる利根川だが過去には南波照間支社に異動(左遷)させられていたこともあるらしい。その理由は明かされていないが、いかんせん会長があんな性格なので……

なお、部下たちからは「先生」と呼ばれている。


CV:津嘉山正種
帝愛グループ総帥。おじいちゃん。
利根川と同じく、本編では見られない普段の姿がうかがえるが、利根川とは異なり本質は本編とほとんど変わらない。
というか本編の裏社会の支配者然とした姿よりも、本作の横暴な経営者としての姿の方が、人によっては生々しくてより嫌かもしれない。
鷲巣と違って王であるが故に黒服の顔は覚えず、「お前」で済ませている。

思い付きを即行動に移し、度々利根川を振り回す。
一方で夜遅くのコンペとなると寝入ってしまう、映画鑑賞の途中で眠ってしまうなど、普通の(?)おじいちゃんめいた姿も見せている。
また、福本伸行の読み切りでは、自家用ジェットでハワイに行こうとした際「自家用ジェットは息子の和也が同級生と共に使用中」と知らされると、
「アイツにそんな仲間が・・・・」と、どこか感慨深げに呟き「そういう理由なら仕方あるまい」と妥協するなど、人の親らしい一面も見せている。
徹底した上意下達組織のくせに、コンペを開かせたり企画書を提出させたりと変なところでちゃんとしている。

また、世俗の文化を「つまらん」「うんざり」と評するのは本編同様だが、
何だかんだ言ってTwitterの基本機能を把握していたり、某ユーチューバー恒例の挨拶を知っていたりと
なぜか妙に俗世間の文化に詳しい一面もある。あんた幾つだ。

ちなみに利根川チームの目的は会長を満足させることなので、利根川チームの佐衛門からは「経営者」ではなく「顧客」と認識されている。
と、基本、傍若無人に利根川たちを振り回す側なのだがギャグ漫画だからか会長自身が碌な目にあわないこともあったりする。


CV:宮内敦士
No.2の座を競う利根川のライバル。でも、正直利根川に勝ち目がない気がする。
彼は「会長が怒るか怒らないかのギリギリのラインを見極められる」という人知を超越した超常能力を有しており、失礼一歩手前の気遣いをいとも容易く行ってくる。
そんな地雷原を平気な顔で突っ走れる能力には利根川も恐れを抱いており、「自分が似たようなことをやったら確実に怒られる」と語っている。
さらには、後追いで真似ようとしたらしくじって見事に兵藤クレイモアに被弾した(その時の表情から、黒崎は特に狙ったわけではない様子)。
一応利根川より年下であるためか、利根川に対して敬語を使い、さん付けで呼んでいる。
まさやんに対しては穏やかながらも強い態度で接し、完全に自分の方が上であることをわからせた。


CV:津田健次郎
帝愛傘下、遠藤金融の社長。
限定ジャンケンのリハーサル中、見学をしにやってくる。
新入社員の黒服たちが真面目すぎていまいちゲームが盛り上がらないことに危機感を抱いた利根川に、自分が黒服たちを教育すると持ち掛ける。
職業柄、多重債務者のクズの特徴を熟知しており、真面目な黒服たちを見事クズに仕立て上げて見せた。
……が、肝心の限定ジャンケンの内容に関しては、いまいち理解が足りてなかった。
会長の影武者騒動では、用済みになってしまったまさやんを独断で山に捨てた。まるで犬のように。*3
その後も限定ジャンケンの参加者達が電車内で傍若無人な立ち振る舞いをしているのを説教するために利根川が第一回からルール説明の時に使っているお決まりの演説「Fuck you…~」をパクり、その結果として、利根川はルール説明の時の演説のネタを潰されてしまい予想外の窮地に立たされることとなった。


  • 木根崎
CV:山端零
帝愛大阪支社の中間管理職で、黒服を統括する立場という点では利根川と同様。
しかし、部下に対する態度は脅し付ける場面が多い上に空気も読めない。
視察に来た利根川がせっかくいい感じにした職場の雰囲気を恫喝でぶち壊し、おまけに利根川のあらぬイメージを大阪の黒服に吹聴した結果、場の雰囲気を余計硬化させた。
視察最終日でも彼が水を差したせいで、利根川の大阪グルメはパーになり、結局パックのたこ焼きで妥協する羽目になった。


CV:浪川大輔
「接待」に登場。
人喰いパチンコ 沼」での接待&15億の貯玉回収にやってきた利根川に対し、優秀な利根川相手にはあえて手を抜かずに勝負すると宣言する。
……が、実際の勝負内容は、物凄く甘い設定をされた沼による露骨な接待プレイ。何だよ、Y設定って。フェニックスシステムって。
沼も泣きたくなるというもんだ、本編とは別の意味で。
当初は挑発的な一条の態度から真剣勝負を期待していた利根川であったが、その残念すぎる内容から内心呆れ返っていた。この時のイメージ映像は心底滑稽である。
ちなみに読者からは「これじゃ会長に嫌われるのも無理はない」という辛辣な意見も。

のちに彼を主役としたスピンオフ『上京生活録イチジョウ』が連載開始。裏パチンコ店の店長になる前の一条のフリーター時代が描かれる。


黒服たち

本作におけるもう一方の主人公と言っても過言ではない。
本編ではごく一部を除いて、モブキャラ以下の舞台装置としての役割しかなかった彼らだが、本作では彼らの「組織の下っ端」としての悲哀が描かれている。

主に登場するのはほぼ全員が実直な性格であり、真面目で団結力もある。
……のだが、いかんせん方向性がズレており、特に初期では利根川の舵取りがないと線路を外れた暴走機関車と化すことが多かった。
利根川が何かやれば悪い方向に作用してしまうことも多いのだが、かといって面倒をあまり見ないという選択肢も(人心掌握という目的を度外視しても)ない。
後述するがそれぞれ微妙に特徴が異なるので、上手く行動する黒服も居るのだが、その場合残りの黒服が台無しにしてしまったりする。

作品冒頭で全員利根川組に新しく配属されたようだが、基本的に服装が同じな上に顔も似たり寄ったり。
この個性に乏しい部下たちから自己紹介で顔と名前を覚えようとした利根川であったが、覚えにくい・紛らわしい名前ばかりであったため激昴してしまう。

それでもその翌日まで*4にはなんとか一人一人の顔と名前を記憶するが、後の回で飲み会の次の日に全員揃って会議に遅刻するという大ポカをやらかし、
お詫びのつもりでほぼ全員が頭を丸めてしまう。
判別の際に最も頼りにしていた髪形で区別が付けられなくなってしまったことで利根川はますます混乱。
遅刻を責めるどころではなくなってしまった。
結局、その後数話の間は何の説明もなく黒服は全員名札を付けていた。最初からそうしろは禁句。
なお、趣味は全員がボウリング。
利根川の苦心の結果もあってか、なんやかんやで上司を慕い一丸となって行動する良いチームであり、最終話直前には顧客(=兵藤会長)満足度No.1を達成するまでになる。


  • 山崎健二
CV:羽多野渉
30歳。実直な性格の持ち主。趣味はボウリング。

何の変哲もない名前だが、他の黒服に「崎」という男がいたため、「崎」被りに気づいてしまった利根川を混乱させる。
というかモノローグで「どっちだか忘れたが……」とか言われた。

顔もやや似ているが、顎が尖っているのが山崎で、四角いのが川崎。
というか山崎はチームの中でも出番が多いので自然に覚えられるかもしれない。

会議中に利根川が理不尽な保身に走りまくるのを目の当たりにし、少々わだかまりがあったようだが、
一心に会長に仕えつつ自分たちにも気を配る利根川を見て徐々に心を開いていく。
利根川が会長に弁明するため、福岡出張を楽しみにしながら名古屋でUターンせざるを得なかったときには、一生ついていくと誓うほどだった。

かつて兵藤会長の下で働いており、上記の「特大バーベキュープレート」の正体にも気付いていたが、楽しむ利根川と仲間たちを見て何も言い出せなかった。
彼の「ありえないんだよ・・・・・・・!部下が羽根を伸ばせる社員旅行なんて・・!」の言葉は多くの社会人の心を打った。

本当に実直な人柄で、メンバーのまとめ役、利根川との橋渡し役となることも多い。
影武者騒動の際にはまさやんを徹底的に人格改造する冷徹さを見せたが、行方不明になった後は我を忘れて捜索し、見つかると利根川に土下座してまで帝愛に居場所を作ってやった。
利根川から新入社員の合否判定を任されたりなど、中堅として信頼もされている様子。ちなみに、その際は的確に合否を判定した。理屈はあんまりだけど(後述)。
第2回限定ジャンケンでは喉をやられた利根川の代役として緊急登板。何とか大役を果たした。ウルトラクイズみたいなノリになってしまったけど。
同期の宮本一と同じ大学出身。

利根川チームの解散後も帝愛グループで働いている。
最近、黒服を卒業しサングラスを外す事が出来たらしく自分のチームを率いている。


  • 佐衛門三郎二朗
CV:島﨑信長
23歳。実直な性格の持ち主。趣味はボウリング、アニメ鑑賞。

利根川組の黒服最年少。
「佐衛門三郎」が姓で名前が「二朗」。
聞き慣れない姓で、自己紹介させて顔と名前を憶えさせようとした利根川をいきなり混乱させた。
(ちなみに衛門三郎の姓は日本に実在する)
長すぎるので「佐衛門」と呼ばれることが多い。

最年少ながら利根川組でも極めて優秀な人物で、
あの限定ジャンケンを提案し、会場をエスポワールに決め、ジャンケンカードのデザインまでこいつの案が採用されている。
利根川は彼の発想のスケールや意外性を高く評価し、チームを引っ張っていく存在になりうると考えている。
ただ、遅刻騒動の時にただ一人坊主にしなかったり(仕事の失敗は仕事で返す主義と主張)、
容儀規定をギリギリクリアするようにお洒落上級者(洒脱じゃないけど……)をしてみたりと、良くも悪くも自由奔放な面があるようだ。
若い世代ゆえか、ドライな個人主義の表れとも言える。

帝愛アンチのツイートから正体を割り出す(割れたタブレットの画像の明るさとコントラストを調整してタブレットに映り込んだアンチの正体を暴いた)、
利根川とのコンビ打ち麻雀で破竹の強さを見せるなど、気づきや圧倒的理はカイジ本編の猛者たちにも比肩し得る。

利根川チームの解散後は帝愛グループを退職し、イベント会社を起業した。
同僚の西口と結婚し現在1歳半の子供がいる。また西口家に婿入りしたため西口二郎になった。


  • 海老谷卓
CV:八代拓
25歳。解雇。趣味はボウリング。

利根川組最大のトラブルメーカー。
熱意と行動力はあるのだが、かなりの天然で社会人としての常識に欠けており、方向性がまったくズレている上に空気が読めないという、まあどこにでも一人はいそうなタイプ。
佐衛門三郎とは同期で、有能な彼にどんどん差を付けられていくのに悩んでいた。

限定ジャンケンの会場を決めるコンペでは、非合法の集会だというのにオープンな有名料理店を推薦(しかも店主は曲がったことが嫌いなタイプ)するというズレっぷりを見せる。
その癖、店主のインタビュー記事まで掲載した長大な企画書を用意し、推薦する理由をその100までリストアップしていた。
三日でその仕事量は凄い。
利根川には「あさっての方向を向いている大砲」と評された。

その晩、さし飲みに誘った利根川に「次のジャンケンカードのプレゼンではワシを驚かせてみろ」と発破をかけられる。
……のだが、何を勘違いしたのか、よりによって超絶機嫌の悪い会長に「手形を取らせてください」と頼みに行って即解雇された。
……うん、何か向いてる仕事はあると思うからそっちに行った方がいいよ。
ちなみにカードのデザインは、次の話の冒頭であっさりと佐衛門の案に決まっていた。

なお、とばっちりで利根川も減俸に。大砲が最後に向いたのは自分自身だった。

教訓:こういうタイプには曖昧なアドバイスではなく明確な指示を出してあげましょう。というか、自由を与えたら駄目

後に再登場し、解雇された事を怒る事無く利根川に謝罪していたのだが、減俸の遺恨と空気の読めない性格で相変わらず利根川を苛立たせている。
一応償いとして副業を紹介するものの、それは典型的な悪徳マルチ商法であり、利根川にやめるよう忠告を受けるも聞く耳を持たず、それどころか利根川を勧誘しようとする始末。
そもそも謝罪の意思が態度にも言葉にも格好にも感じられない上に、まともに謝罪している様子すらない(デラックスパフェを食いながら謝っただけ)。
止めに、真っ向からマルチ商法だと指摘した利根川に対して、内心「物わかりの悪い古い考えのおやじ」だと決めつけて明後日の弁明を繰り出した。
後に会社の実態に気付いて真の謝罪の手紙を送った。拘置所から。つまり、捕まってから悪徳だと気付いたのだった。
ついでに、アニメでは「参った参った」などとこぼすシーンが追加されており、悪びれてない印象がブーストされた。

無罪で釈放された後、今度は海老を使ったビジネスに傾倒。クビになったばかりの帝愛を訪れ、殻も剥かずに生地に巻いただけの海老ロールを試食させる。
当然ダメ出しを食らうが、単価が安くなるから海老を200kgも仕入れていたことが判明。
「エビが食べたくなった」などとややツンデレなセリフで利根川や元同僚がその場でカンパしてくれたことに号泣して感謝していた。
数日後、お礼の手紙が利根川に届く。そこには感謝と反省と……

新たに海老を1トン仕入れたことが書かれていた。曰く、利根川たちの様子を見て海老の底力や魅力に気づいたという。
要は、温情で買ってくれたということを理解しておらず、海老を食べたくなったという建前を鵜呑みにしたのである。
その片鱗はこのエピソード最初でも表れており、かつて「謝罪するつもりならデラックスパフェは頼まない。百歩譲ってもコーヒーゼリー。」と言われたことから、コーヒーゼリーを頼んでいる。
「百歩譲って」なので普通はコーヒーゼリーも駄目なわけだが、そういう「言外の言葉」を一切把握せず、「コーヒーゼリーならOK」と記憶しただけなのである。
もちろんそこにかつての愚行に対する謝意などない。これは件のパフェの会計を謝罪相手にさせてしまっているのに今回も頼んでいることからも明白。

その後は事業に失敗したらしく無一文となる。
怨恨(というか逆恨み)から帝愛の悪口をTwitterに投稿して評判を下げようと目論む。
帝愛内部の人間しか知らない情報(帝愛社食のみそ汁の具がもやしだけという内容)をツイートし、
更に利根川チームの者しか知りえない情報(利根川が黒服の名前を覚えるのに苦労していること)をツイートしたことで利根川チームを疑心暗鬼に陥らせる。
しかし液晶の割れたタブレットの画像を帝愛のせいにしてアップしたところを佐衛門三郎の機転によって正体を突き止められ、
帝愛公式Twitterアカウントのフォロワーを10万人に増やすまで地下牢に幽閉される。
改心してフォロワー増加に励むが、相変わらずの空気の読めなさで帝愛公式アカウントを大炎上させてしまう。
結果的にフォロワー10万人を突破したため「ということで失礼します!」と立ち去ろうとするが、
利根川に「帰すか!こんな状態で‥‥‥‥!」と言われ認められなかった。残当。
結局、帝愛公式アカウントは停止することとなる。

第49話にてコンビニに行ったまま戻らなくなった(バックレた)津久井の代わりとして利根川チームに雑用係として復帰した。
‥‥が、早速以前と同じ調子でプレゼンを発表しようと大量の資料を持ち出してくる。

その後は新卒の蟹江に凄まじい先輩風を吹かしつつもアドバイスし、彼の提案するゲームの内容を酷評しつつもプレゼンの背中を押す様子を見せEカードの考案に一役買った。
原作を見ている人間には分かりきったことだが、Eカードの案は他の黒服、利根川、兵藤の全員から大絶賛であり先輩風を吹かしすぎた海老谷は孤独な夜を過ごすこととなった。
チーム1利根川に恩を感じている。

利根川チームの解散後は帝愛グループを退職し海老ロールを改良して何とか食える様になったようで、練馬に小さな店を出している。
何か思うところでもあったのか、人が変わったように腰が低く謙虚になり、店もひとつひとつ堅実にやっている。


  • 堂下浩次
CV:江口拓也
32歳。実直な性格の持ち主。趣味はボウリング。

元T京ラグビー部主将で体育会系のノリの熱血漢。
権田が利根川の代理を務めたときは「インフルエンザが何だ、リーダーとして頼りにしている」と激励したせいで全員インフルエンザ
佐衛門のお洒落に真っ先に興味を示す一面も。
一方で長田からは「体育会系のノリが絡みづらい」と指摘されたり、健康診断に引っかかった利根川に対し、カロリーの高い弁当をゴミ箱に捨てるなど徹底的な食事管理をしたりと極端な行動を取り、利根川からは「要注意人物」と評された。まぁ、そのおかげで無事健康診断で問題無しになってるんだけど。
アニメ版ではイナゴの佃煮やカエルの腸詰も残さず食べる悪食という設定が追加され、海老ロールを却下する決め手となった。
この際、「すまん」と言ってゴミ箱に叩き込んでいるが、海老谷ではなく海老ロールへの謝罪である可能性がある。
利根川チームに配属される前は宣伝部に所属しており、要・忖度おじさんの元先輩から間に帝愛のCMが流れている深夜ドラマの話題をよく振られていた。
中学の時ファンクラブが一瞬できた。

利根川チームの解散後は宣伝部に戻って活躍しており黒服から幹部に昇格した。
帝愛にラグビー部を作り社会人の大会で優勝した。


  • 権田平八
CV:小山力也
49歳。実直な性格の持ち主。趣味はボウリング、写真撮影。

帝愛勤続25年の古参で、利根川組最年長。年齢が近いせいか黒服の中で唯一利根川を「先生」ではなく「さん」付けで呼んでいる。
100を超える帝愛備品の場所を熟知、帝愛全社員の厄年データを網羅、帝愛近辺の最新ランチ情報もチェック済みという、縁の下の力持ちにして陰の立役者。でも要・忖度おじさんではない、とてもいい人。
幼い頃からの夢は古本屋の店長。
「この年まで黒服ってことはもう出世の見込みはない」とあきらめかけていたが、インフルエンザに倒れた利根川に「あとは頼んだ」と言われたことで一念発起。
それなりにリーダーシップを発揮して仕事を回していたが、自身もインフルエンザに罹患。
休んでくれという仲間たちに「利根川さんに頼まれたんだから最後までやり遂げたいんだ」「ここで諦めたら私は二度と自分を好きになれない」と訴え、仲間たちも同意した。

……結果、利根川組は全員インフルエンザに倒れた。
そりゃそうだろう。
ちなみに、結果的に限定ジャンケン時の現金入れホルスターの仕様を決めたのはこの人である。

なお、「病気で倒れようが代わりの黒服などいくらでもいる」とはならないようだ。
やっぱりいい職場なんじゃないのか?まあ、利根川はブラック中のブラックとか漆黒とか評していたけど。
実は最近彼女が出来た。

利根川チームの解散後も帝愛グループで働いている。
趣味の写真で大きな賞を取り、出世せずとも自分を好きになれる道を見つけた。

ちなみに担当声優は『逆境無頼カイジ』で鉄骨渡りの参加者・中山を演じていた。


  • 中田英寿
CV:濱野大輝
32歳。チームでも随一のボウリング好き。もちろん趣味はボウリング。

天然で、利根川に思ったことを何でも言ってしまう。
海老谷とはまた違った、細々としたドジの多い癒しキャラ。
というか作中の公私問わず数々のやらかし…空気を読まない「ボウリングしたい」発言で場を凍らせる、結婚式場にサングラス&黒いネクタイ着用で現れる、
帝愛公式Twitterアカウントを任されるが「何をつぶやいたらいいかわからない」とロクにツイートできずアンチにフォロワー数で負ける、
(それでいて西口のFBアカウントを佐衛門より早く発見して水着写真に「いいね!」をしているというのがまた何とも‥)
京都出張時に利根川の分の新幹線の切符を預かりながら寝坊し遅刻、会議用のデータを連日忘れるなど、海老谷とはまた別のベクトルでトラブルメーカー。というか忌憚なく言えば無能
左遷三人組を差し置いてなぜ彼が飛ばされなかったのかは作中最大級の謎かもしれない。
西口に惚れているようだが、チームで唯一佐衛門と西口の恋愛問題を全く知らない。
Pixivに自作のイラストを投稿している。
家に美少女抱き枕がある。

利根川チームの解散後は帝愛を辞めてプロの漫画家になった。講冬舎で4コマ漫画を連載している。
かつて利根川に出版を持ち掛けコロコロ意見を変え散々振り回した小宮が担当編集者に付いたため、苦労が絶えない模様。


  • (おぎの)圭一、(はぎお)純一
CV:石田彰(圭一)、河西健吾(萩尾)
どちらも35歳。実直な性格の持ち主。趣味はボウリング。

自己紹介の時、荻野の段階では「よし、覚えやすい名前だ」と油断していた利根川に「萩尾」で不意打ちを食らわせ混乱させる。
2人の名字をよく見比べてみよう。似てるようでよく見るとちゃんと違うことにお気づきになるだろう。だから、ややこしいのである
荻→「おぎ」 萩→「はぎ」と読むのが正しい。またアニメでは萩尾役の河西氏が荻野役の石田氏に似せて演技しているため、声も似ている。

「崎」コンビと同じく顎の形で見分けることが可能、荻野は四角く、萩尾は尖っている。

萩尾は大の猫好き。また幸一というそっくりな顔の弟がいる。就職活動でやってきたが、利根川の心中を察した山崎に「これ以上紛らわしい名前と顔は要らない」という理由で失格判定を喰らった。ちなみに、利根川はその理由を全肯定。
5巻にて利根川組から南波照間支社に移動になった。送別会の際には、萩尾は荻野に成り変わろうとしていた(アニメでは荻野が「声も似てるしー!」と前述の声質のことに突っ込んでいた)。
ジブリ作品を観たことがない。
最終回直前で利根川チームに復帰したものの、利根川チームの解散によって今度は北海道のサロベツ原野支社に移動になったが、なんだかんだで楽しくやっている。

荻野は作中で結婚式を挙げるも、その際に生誕地はザンビアだったり25歳の時にお笑いコンビを組んでいたりと次々と衝撃の事実が明かされ、利根川(と読者)の度肝を抜いた。
妻に内緒でFXをしている。
また、実写映画三作目の小説版ではドリームジャンプの責任者が荻野になっている。

利根川チームの解散後は元相方とお笑いコンビを再結成。
黒服をやりながらお笑いコンビをやりM1に出場するも2回戦でドン滑り。
しかし、めげることなく新たなネタを開発中。


  • 川崎敏政
CV:西山宏太朗
30歳。実直な性格の持ち主。趣味はボウリング。
彼を中心としたエピソードが特にないため、チームの中ではやや影が薄く、利根川が一時的に記憶喪失(名前を忘れた)になった時は、『崎』被りと真っ先にインフルエンザで倒れた事ぐらいで、まったく思い出がなかった。
後はアニメで長田と堂下の喧嘩を仲裁したり、会議室(恐らく業務中)で写真集を見て興奮していたぐらいか。
両親に金沢旅行をプレゼントした。

利根川チームの解散後は帝愛を辞めて大手銀行に転職した。


  • 長田雄一郎
CV:沢城千春
37歳。実直な性格の持ち主。趣味はボウリング。

マサチューセッツ工科大学卒。
5巻にて利根川組から南波照間支社に移動になった。
送別会で堂下の体育会系ノリに絡みづらいことをぶっちゃけ、取っ組み合いの喧嘩になる。
漢検一級。

最終回直前で利根川チームに復帰したものの、利根川チームの解散によって今度は北海道のサロベツ原野支社に異動になったが、なんだかんだで楽しくやっている。


  • 菊地亮
CV:青柳尊哉
35歳。実直な性格の持ち主。趣味はボウリング。

遅刻騒動の際に「際の際‥‥五厘まで‥‥!」行くべきだったと的はずれなコメント。
5巻にて利根川組から南波照間支社に異動になった。
送別会で佐衛門にドライな対応をされ涙する。ドライな佐衛門‥‥ドラえもん‥‥‥‥!

最終回直前で利根川チームに復帰したものの、利根川チームの解散によって今度は北海道のサロベツ原野支社に移動になったが、野ウサギを捕まえたりする等なんだかんだで楽しくやっている。
単行本10巻の黒服紹介で「めちゃくちゃに喧嘩が強い」ことが明らかになった。
もしかしたら送別会で元ラグビー部主将の堂下と喧嘩になって組み伏せていた長田とごっちゃになっている可能性が‥‥


  • 西口冴子
CV:前田玲奈
22歳。利根川チームのヒロイン。趣味はボウリング。
3人が移動になった後にチームに加わった新人で、珍しい女性の黒服。というか、スピンオフとはいえ福本作品では非常に珍しい女性レギュラーキャラ。というか福本作品通してレギュラー・準レギュラーの女性キャラは美心だけ。

博多出身。兄がいる。他の黒服と違い原作最終盤まで目が描かれず、横からのアングルでも影になっていた。
アニメでは荻野の結婚式に出席していたが、そこでも眼鏡をかけており、やはり目は描かれていなかった。
アメやグミをよく差し入れする。
プライベートでは、自撮り写真をSNSにアップする、他のメンバーに手作りのケーキを渡す、法事と言っておきながら実際はジャニーズのライブに行くなど、女の子らしい一面を持っている。
また、利根川から女性視点の意見を求められることもある。
一時期佐衛門と交際するも、一度破局してしまうが……
持たない暮らしに憧れている。

利根川チームの解散後は佐衛門と復縁し結婚。1児の母親になった。
ちなみに「佐衛(サエ)門三郎(サエ)子」と「サエ」被りするのが嫌だったらしく佐衛門が西口家に婿入りした。


  • 八乙女中
CV:寺島拓篤
27歳。中途入社の黒服。趣味はボウリング。

帝愛に入社する前は様々なセールス業を経験してきた営業のプロ。
それも単なるプロではなく、光回線のセールスを担当した時期にはあまりの契約成立の早さに「光」という異名がついたほど。
悪魔的おべっかで会長に気に入られ、入社して早々に会長秘書に出世した。


  • 津久井
CV:不明
32歳。派遣の黒服。サングラスではわかりづらいが、細目。

社会人の基本である報・連・相が苦手であり、利根川に頼まれていた「鉄骨渡り」で使用する先に行くほど細くなる鉄骨の発注を忘れていた。
自分のミスを隠蔽するために製鉄所に電話するのだが、ことごとく失敗。(もし利根川に素直に相談していれば利根川のコネと交渉術で鉄骨発注の遅れを取り戻せたかもしれないが、報告するのを恐れてできなかった)
代わりに物干し竿を使用したのだが、偵務者が全員ギブアップで生還されてしまった。むしろよく持ったな物干し竿…
尚、この結果に激怒した会長によって利根川はフルボッコにされる羽目になった。
この大失態を責められるのを恐れたのか、その後コンビニに外出したまま出奔してしまった。その後の行方は不明。

アニメでは荻野の結婚式の司会を務めていたが、声優はクレジットされておらず不明のままである。


  • 東さん
CV:大河元気
「ひがしさん」や「あずまさん」ではなく「トンさん」。
利根川が発案したギャンブル「人間麻雀」の説明のために麻雀牌の「東」のシャツを着せられてきたため「東さん」の呼び名が定着した。
利根川チームのメンバーではないが、登場してからは会議のアシスタント役として定着する。無口。
津久井が出奔してしまった為、津久井の代わりに正式に利根川チーム入りした。


  • 宮崎純一、大崎正也、、東御建田順三郎、山田正太、山田太一、山田正一、細山田、文殊四郎三郎、熊埜御堂京介
第54話から追加されたメンバーの一部。他にも数十名いたが、利根川は彼らの名前も四苦八苦しつつ覚えてみせた。その代わり山崎など既存メンバーを忘れてしまったが
趣味がボウリングの初期メンバーと異なり、彼らの趣味はほぼ全員ゴルフ(一名だけ趣味はパターゴルフの者がいる)。


  • 蟹江優作
第62話から登場した新卒の黒服。海老谷に気にいられ「カニ」「エビさん」と呼び合う仲になる。
電話を取るのにも緊張するなどまだまだ新人。しかしあのEカードを考案したのはこいつだったりする。
しかも利根川と黒服がEカードのリハをしている場面では腕時計について説明している描写があり、本編のあのイカサマ装置も彼の発案と思われる。悪魔的発想‥‥!


  • T-AI君
帝愛のAI部が開発した自己学習型人工知能黒服。時代設定?いまさら
初期の頃は暴走が目立ったが、それからすぐAI特有の情報力と素早い対応を活かして利根川や黒服たちの業務も的確にサポートするようになった。占いもできる。
兵藤会長の要求にも的確に応えたことで気に入られ利根川や黒服たちの立場を脅かすことを危惧される等、近い将来シンギュラリティが起こることを予感させた。
後にAIの癖に人間的な反応を見せるようになり、黒服たちが打ち上げに向かった際に存在を忘れ去られて寂しがったり、利根川の過酷な未来を占った時にそれをどう告げるべきか悩んでいた。


  • 宮本一
「ハンチョウ」からゲスト出演。手相占いを始めたT-AI君に占ってもらったところ、「仕事中に遊びすぎ」と鋭く見抜かれた。
そのほか、「ハンチョウ」の方で理想の上司として利根川の名前を挙げる場面がある。


その他の登場人物

  • 渡辺(クズ)くん
CV:萩原聖人
遠藤が黒服たちに『クズとは何たるか』を叩き込む為に連れてきた多重債務者。
想像を絶するクズであり、彼の言動は黒服たちや読者を唖然とさせ、見事にフレッシュな黒服たちをただのクズへと叩き落してしまった。
どのくらいクズかと言うと、雑誌掲載時のアオリ文で『渡辺くん』のルビが『クズ』だった程。


アニメでは一瞬本家のアイツではないかとミスリードさせるような間があった。ちなみに担当声優も同じ。
というか服装こそ同じであるがタレ目に丸い鼻とカイジと真逆の容姿をしている。


  • 投資バカ木村、カスタム山口、バブル川上、CHC中根*5
渡辺くん同様、遠藤が限定ジャンケンリハーサルのために黒服への教育を行った多重債務者。
本作オリジナルキャラと思いきやどっこい、原作でカイジが参加した限定ジャンケンにも登場している*6。気になる人はチェック。

第53話「特急」で再登場。
エスポワール行きとなった債務者が乗り合わせる電車の中で再び渡辺くん共々一堂に会し、各々圧倒的なクズっぷりを見せていた。



  • まさやん
CV:大塚明夫
兵藤会長と顔が瓜二つの飲食店勤務の男。本名「本田正安(ほんだ まさやす)」。
会長の超絶被害妄想から影武者探しを命じられた利根川と山崎にスカウトされる。
困ってる人を放っておけない、という会長とは真逆の善良な性格だったが山崎の洗脳まがいの苛烈なスパルタ教育を施され内面までも変貌。
(ただ、まさやん本人も会長の仕草を徹夜でビデオ学習するなど自身も精力的に影武者になり切ろうとしていた模様)
特訓の成果なのかまさやん本人の運動神経なのか本物とは違い吊り輪体操も軽やかにこなす。山崎!意味あるか?それ
のちに会長が影武者探しの件など忘却の彼方であったため一度は用済みと野に捨てられるもなんとボロボロになりながらも自力で帝愛本社まで帰還、その忠誠心と執念に感服した利根川らによってあらためて帝愛に迎え入れられる。と同時にすっかり山崎の飼い犬のような有り様に

27話でも再登場を果たしチーム利根川と共に『赤座エビロール』を試食、海老谷の無謀な計画を断念させる決め手となる。
(アニメ版ではこの役割は堂下になった。マルチと海老ロールの間でそれなりに期間が空いている海老谷のエピソードを、まさやんの登場に先駆けて一括で進めるためと思われる)。

その後、山崎が留守の際にチーム利根川から過度に甘やかされたことで一時期素行不良が目立ったが……

帝愛で空前の麻雀ブームが起きた際、理外の打ち手の可能性を見せる。
利根川によって麻雀のイロハを教え込まされた後はその博才を開花。麻雀の理を徹底的に理解した佐衛門すらも下す。
しかし肝心の黒崎戦では‥‥

さらにその後会長が影武者の件を思い出した際には会長から直々に手ほどきを受け、振る舞いもさらに会長に近づいた……が、会長がハワイから戻った後も王の生活をやめようとせず、利根川たちからも完全に見分けがつかなくなっていた。
その後最終的に上記のことが原因で牢屋に入れられて騒ぎ立てるが、会話中に山崎が手をたたくと同時にそれまでの凶暴さが急に溶けて元のまさやんに戻り、その後役目を終えて元の居場所へ帰っていった。
ちなみに10巻のおまけページにて「広安」というこれまた兵藤会長そっくりな双子の弟がいる事が判明している。

声優のチョイスは影武者ネタを兼ねている説あり。


第二回限定ジャンケンに1コマだけ小さく登場。アニメでは北見共々第一回限定ジャンケンにも参加していた。また、でかでかと映っている。


  • 田原歳彦*7
CV:速水奨
帝愛の面接試験で面接官の利根川と山崎の前に現れた就活生。
すごい経歴の持ち主で、帝愛という企業を十分理解している完璧な受け答え、筆記試験も全教科満点という逸材。
なにより澄んだ瞳、丸い鼻、黒沢の様な角張ったしゃくれ顎と圧倒的特徴……!を持った人物。
山崎は他の黒服と見分けがつくことで採用を決めようとしていたが、利根川は「兵藤会長よりも目立つ」という理由で失格判定にして見送った。
アニメでもCVによって大物感が増しているが、なぜか顔を現した途端にしゃくれ声になった
本名は「ハンチョウ」で判明し、意外な形で再登場した。


  • 山川稔
帝愛の悪魔的事業融資相談会に参加した地下行き確定の債務者の一人。負債額は850万円。二人同時に音楽を聴ける「ペアホン」をプレゼンするも、会長からは「ゴミの出すアイディアはゴミ」と一蹴されあっさり地下送りに。まぁ実際ゴミなので仕方無い


  • 相田さとし
上記の山川同様の参加者で、その日の最後の一人。負債額は1500万円。何を考えてか、お笑い芸人志望ということで自身が考えたネタを披露する。会長からは「己の現状を全く分かってないから焦りも絶望もない」「一番嫌いな正真正銘の馬鹿」と激しい怒りを買うが、よりによって利根川はドツボにはまってしまい(かといってブチ切れ寸前の会長の隣で大笑いなどできるわけがなく)、永遠にも思える10秒間3分間を必死に笑いを堪える羽目になる。地下送りになってからもネタを披露するものの、石和以外には全く受けていなかった。
ちなみに肝心のネタの内容はオヤジギャグとリアクション芸を組み合わせたものをただひたすら繰り返すだけの単純な物。『「ミーンミンミン」とセミの鳴き真似→「ミーン主主義大国日本!(キリッ)」』、『「ガタン・ゴトン」のリズムを「オカン・オトン」に変えて列車の真似をする「両親列車」』、『おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川で一本足打法』など、ジャンルもバラバラで法則性もなにもない。勿論利根川や石和のように人によっては面白いかもしれないが、芸人として食っていけるレベルなのかと言うと……*8
「ハンチョウ」でも時々登場している。

CV:チョー
読み切り『1日外出録ハンチョウ』の主人公。
内容は一言で言うと「班長のグルメ」。
幾度もの1日外出券の利用により、限られた時間の中でも余裕をもって自由を楽しめるようになっており、その様は彼の一時解放に立ち会った黒服たちも感心するほど。
以前の1日外出時に目をつけていた小料理屋に来店。突き出しの「ほうれん草と蒸し鶏」と、注文した「なめろう」「シトウの焼き浸し」「ボウ揚げ」「焼酎のック」に舌鼓を打つ。
『トネガワ』の人気により、のちに週刊ヤンマガにて彼を主人公としたスピンオフ『1日外出録ハンチョウ』の隔週連載が決定した。
また、5巻には利根川と共演した読み切り『トネガワvsハンチョウ』が収録されている。
アニメでは上記のように第2クールから『1日外出録ハンチョウ』のエピソードも挿入されるようになっており、後期ED映像ではダブル主人公のような扱いになっている。
後に地下送りになった相田のネタを見た時は絶句していた。


第50話ラストに大槻と共に1コマだけ登場。地下送りになった相田のネタを見せられるが、沼川は絶句していたのに対し石和は腹を抱えて大笑いしていた。


コラボ漫画で登場。
かつて月刊アフタヌーンで連載されていた漫画『ああっ女神さまっ』のヒロイン。
最終回にて主人公の森里螢一と結婚したため森里姓に変わっている。

不況のせいで螢一の経営するバイクショップの売り上げが思わしくないらしく、苦しい家計を支えるべく就職活動中。
帝愛ファイナンスで面接を受けるが、黒服特有の黒いスーツではなく、女神衣装のまま面接を受ける。
その姿に利根川と共に面接官を務める山崎が、「TPOも弁えられぬ」「クズ」「どうかしてるとしか……」と否定的な意見を述べるも、面接官の利根川は彼女の答えに釘付けとなる。
最後に利根川からの「あなたにとって債務者とは?」という質問に対し、彼女は「子羊」と答える。
「悪魔的っ……!債権者(クズ)共を人とも思わぬその発想……」
すっかりベルダンディーを気に入った利根川は彼女を採用するが、ベルダンディーは「私は女神ですから」と自ら内定を辞退してしまった。


登場するギャンブル

  • 人間麻雀
利根川先生自らがプレゼンした企画。
要するに人間を牌に見立てた麻雀。絵面がえらいシュール。
最終的に役となった14人のみにボーナスが与えられるため、切られることが少ない順子・刻子となる人間同士でチームのようになる。
しかし、所詮口約束のようなものなので、より良い役にするための裏切りが発生する土壌は存在している。
ツモるたびに誰を切るかでチーム(牌譜)内でいさかいが起きるはず、それを見れば兵藤会長もご満悦……

と利根川は自信満々だったが、佐衛門三郎から
  • 「麻雀牌とぴったり同じ人数を集めないとできない」
    • (麻雀は花牌等の変則ルール採用時を除くと136枚以上でも以下でも出来ないため、参加者を136人ぴったりに集める必要がある。しかし、いくらチャンスとは言え、債務者が逃げたり病欠する可能性もある*9
  • 「麻雀のルールを知らない債務者も多いのでアンフェア」
という鋭い突っ込みを食らった上、それらの問題をクリアした代案「カードジャンケン」(後の限定ジャンケン)をプレゼンされる。
結果、カードジャンケンの完成度を認めた利根川がそちらを採用、自身の案である人間麻雀はあえなくボツとなった。
ちなみに、黒服たちにはこの様子を人間麻雀という企画そのものに例えて
「切ったっ‥‥!自分の案を‥‥!」「純チャン三色一杯口のために‥‥‥‥‥下したっ‥‥‥!大人の判断‥‥!」と評されている。
とはいえちゃっかり「限定ジャンケン」というタイトルだけ強引にねじ込んだ利根川は流石と言うべきか‥‥

アニメではその後、利根川はバーで他の客の「麻雀はルールがわからないからジャンケンで予定を決めよう」という会話を聞いた。
やはり佐衛門の意見は正しかったと言える。


  • 限定ジャンケン
本編で最初に行うゲーム。考案者は佐衛門。
リハーサルが行われる寸前、実は用意したテーブルやカードといった小道具に何の細工もされておらず、電光掲示板の仕掛けと一切連動していないことが判明。
発注した黒服らに対して利根川は「中に入ってお前らがカウントしろ」と無茶ぶりをしたところ、精神面・健康面・食事面などを理由に無理と言われて利根川はキレてしまう。
利根川に報いるため、山崎の発案でゲームや漫画、果てには猫などを持ち込んで中を自分好みの空間に仕立てることで4時間もの密室に耐えられるようにするという斜め上な対策を繰り出す。...そういえば本編でカイジがテーブルを思いっ切り蹴り倒すシーンがあったようななかったような...。
結局利根川も、自分の言ったことが無茶だったと反省していたこともあって怒るに怒れず、そのままリハーサルは行われた。

が、リハの問題はまだ終わらなかった。まあ、終わるわけないよね。トネガワだし。

リハーサルのテストメンバーは教育を兼ねて新入社員が選ばれたのだが、失敗を恐れた彼らでは真面目に進行しすぎ、居合わせた遠藤に「債務者感0」などと言われてしまう。
結果、見かねた遠藤によって新入社員は「無責任・自堕落系クズ」「投資バカ」「車改造厨」「バブル世代」「無計画メーカー」といった様々なタイプの債務者を講師として洗脳教育され、見事そっちに染まった

「ようこそ…『債務者の世界』へ…」

この時点で遠藤がゲームマスターであるかのような錯覚を覚えるが、肝心のルールをイマイチ理解していなかったためか、各クズ(とそれに染まった黒服)同士のチーム戦かのような様相を呈しており、利根川からは心の中でツッコまれていた。


  • 人間競馬
兵藤会長が考案したゲーム。第41話で初登場。
初回のイベント管理等は他チームが担当することになったため、利根川チームは研修のため見学に向かう。
だが帝愛のコンプライアンスの都合上、詳細な内容は一切見せられなかった。
何が行われているのかは兵藤会長の悪魔的笑みと、チーム利根川のグループチャットの内容から察してほしい。
利根川「確かめろ‥!自らの目で‥!」
なお、単行本6巻ではこの41話の直後に「賭博黙示録カイジ全13巻‥‥‥‥‥発売中‥‥!」と宣伝が入っている。
圧倒的ダイマ‥!
なおこの研修は一週間前から申請していた有休と偶然被ってしまった山崎は欠席となっており、当該エピソードは休日を満喫する山崎と時折差し込まれる不穏なコマで構成されている。どうやら帝愛は重要な研修でも有給が優先されるようである。ブラック中のブラック企業とは一体……?

第47話で再登場。またもや兵藤会長の悪魔的発案で「先にいくほど鉄骨を細くする」という改変が成される‥予定だったのだが‥‥


  • Eカード
新卒の黒服・蟹江が(海老谷のアドバイスも加えつつ)考案したギャンブル。海老谷からの受けはいまいちだったが、利根川や会長からの評価は上々だった。



追記・修正は黒服の顔と名前をすべて一致させてからお願いします。

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最終更新:2024年04月16日 17:38

*1 会長、一条、大槻(、そしてカイジ)は『逆境無頼』と同じキャスト。

*2 役員クラスじゃね?という気はするが、トップがトップなのでこの組織では似たようなものなのだろう。一応役員以上ではある様子。

*3 一応フォローしておくと100万程度の金を一緒に置いてきており、野垂れ死にさせようとしたわけではない。

*4 具体的には第1話と第2話の間。

*5 アニメでは帽子のロゴがCHCからEBIに変更されていた。

*6 カスタム山口とバブル川上の2名は破戒録冒頭でも顔写真のみ出てくる

*7 アニメでは「就活生F」表記。

*8 しかもこの男、その場の誰一人(一応我慢している利根川も含む)として笑っていないにも関わらず一切気に留めることなくネタを披露し続けた辺り、芸人におそらく一番大事な「場の空気(特にネタが滑った際の重苦しい空気)を読む能力」すらないと思われる。そう言った部分も含めて「正真正銘の馬鹿」なのだろう。

*9 実際、カイジ本編でもエスポワール乗船の際に若干名の当日キャンセルが出ている