クー・フーリン・オルタ

登録日:2016/04/06 (水) 18:00:00
更新日:2024/03/02 Sat 11:41:52
所要時間:約 10 分で読めます




手前は相手の質で殺す殺さないを推し量るのか?

弱いなら活かす、強いなら殺す、と?

―――話にならねえ。優しい殺生がしてえんなら牧場に行けよ、牧場に。

ここは戦場だ。持論ほざく前にさっさと死ね。

蠢動しな、死棘(しぎょく)の魔槍。


Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント
クラスはバーサーカー


ILLUST:しまどりる
CV.神奈延年


身長:185cm
体重:72kg
出典:ケルト神話
地域:欧州
属性:混沌・悪


◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
A B+ A+ C D A


【スキル】

○クラス別スキル
狂化:EX(C相当)
理性と引き換えにステータスを向上させるスキル。

神性:C
光(太陽)の神ルーの息子で半神半人。
ランサー及びキャスター時よりもランクダウンしている。


○保有スキル
精霊の狂騒:A
クー・フーリンの唸り声は、地に眠る精霊たちを目覚めさせ、敵軍の兵士たちの精神を砕く、精神系の干渉。
敵陣全員の筋力と敏捷のパラメーターが一時的にランクダウンする。

矢避けの加護:C
飛び道具に対する対応力。使い手を視界に捉えた状態であればいかなる遠距離攻撃も避ける事ができる。
ただし超遠距離からの直接攻撃、および広範囲の全体攻撃は該当しない。
こちらも通常時よりランクダウンしている。

戦闘続行:A
所謂「往生際の悪さ」。決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。

ルーン魔術:-
己の肉体の補強、及び治癒のみに使用している。


【宝具】
『抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルグ)』
ランク:B++ 種別:対軍宝具 レンジ:5~50 最大捕捉:100人

ホーミング魔槍ミサイル。
クー・フーリン本来の宝具。
オルタの場合は自らの肉体の崩壊も辞さないほどの全力投擲であるため、通常の召喚時よりも威力と有効範囲が上昇している。
敵陣全体に対する即死効果があり、即死にならない場合でも大ダメージを与える。
(ルーン魔術によって「崩壊する肉体を再生させながら」投擲しているため、クー・フーリンがダメージを受けることはない―――途方もない苦痛を除けばだが)


噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)
ランク:A 種別:対人(自身)宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人


殺戮だ、残らずな。

全呪開放、加減は無しだ……絶望に挑むがいい。

噛み砕く死牙の獣(クリード・コインヘン)』!!


荒れ狂うクー・フーリンの怒りが、魔槍ゲイ・ボルクの元となった紅海の怪物・海獣クリードの外骨格を一時的に具象化させ、鎧のようにして身に纏う。
攻撃型骨アーマー。着用することで耐久がランクアップし、筋力パラメーターはEXとなる。
この宝具を発動している最中は『抉り穿つ鏖殺の槍』は使用できない。



狂王クー・フーリン(オルタ)

ランサーの兄貴ことアルスター伝説の光の御子、クー・フーリンがオルタ化した姿。

元々クー・フーリンには、「戦場に立つと頭から光の柱がそそり立ち、全身が筋肉の膨張で倍以上に膨れ上がって巨躯を成し、顎は頭ほど肥大化し、
片目は小さく顔に埋もれ反対の目が大きく出てくる。目の中に七つの瞳が現れ、全身が赤黒く染まり、髪からは血が滴って湯気が立ち、踝の関節は裏返る」

……という最早訳の分からない姿に変貌し、敵も味方も悉く血祭りにあげ、止めるためには大樽一杯の水に3度放り込まなければならなかったという伝説があり、
バーサーカー適性も持っているというのは『stay night』の頃から語られていた。


しかし、この姿はその狂戦士のものとは異なる。

その実態は女王メイヴが「クー・フーリンを私と並び立つ邪悪な王に」と聖杯に願った結果、クー・フーリンが変転した姿。
聖杯によって作り出されたという点ではジャンヌ・オルタに近いが、ジャンヌ・オルタが完全に0から聖杯によって生み出されたのに対し、
クー・フーリン・オルタは英霊クー・フーリンが変貌した姿である。
これはジャンヌ・ダルクの復活を願ったジル・ド・レェと、クー・フーリンを自分のものにする事を願ったメイヴの願望の違いによるものだと思われる。

前述の怪物じみた身体とは違い通常のクー・フーリンと同様*1の屈強な肉体を持つが、
生気を宿さない虚ろで殺意に満ちた瞳、全身を彩る赤黒い魔術的な紋様の刺青、腕と下半身を覆う魔獣じみた甲冑、至る所から無数の棘を生やして変質した魔の朱槍。
スカサハはその姿を「全身を死の棘に委ねた牙神」と称した。
本人によれば、「これでも限界まで抑えている」らしい。抑制が解放された状態が『噛み砕く死牙の獣』という事だろうか。

通称「狂王」
聖杯によって王とされてはいるが、クー・フーリンは元より王などに興味はなく、目指すべき王道などというものは存在しない。
ただ淡々と敵を殺すのみ。戦い、殺し、支配する。
彼がやる事はただそれだけ。己が力尽きるまでただ戦いを繰り返す「王」という名のシステム。
そこに愉悦はない。民の笑顔などに興味はなく、己の夢など何もなく、強者との戦いでさえ彼の心は奮わない。
ここまで極端な状態になってしまったのはメイヴのクー・フーリンへの強い愛憎故か。
そして本人も「俺が見てきた王は皆醜かった」として、その在り方に何の躊躇いも持っていないなど非常に虚無的。


◇第5章「北米神話大戦イ・プルーリバス・ウナム」
聖杯を手に入れたメイヴによって召喚され、狂王としてアメリカの大地を食い荒らす。

その暴れっぷりたるや、
  • 開始直後に『抉り穿つ鏖殺の槍』によってラーマの心臓を抉り飛ばす
  • ネロ・ブライドの劇場を力技で粉砕
  • アルジュナと一騎打ちを行っていたカルナを後ろから刺し殺す
  • 師であるスカサハすら仕留める
とやりたい放題のまさに化け物。
特にネロに対しては、槍で心臓以外の内臓をも貫き殺害するという非常に(悪い意味で)インパクトのある仕留め方をしており、
新作ゲーム発表、テレビアニメ化で今一番ノリに乗っている上にコラボイベントで見せてくれたネロのかわいい笑顔に萌えまくった全国の奏者を一瞬にして恐怖と絶望の地獄に叩き落した。


そしてホワイトハウスでの最終決戦にてメイヴが消滅し、「クー・フーリンが王であるように」という願いの源泉が無くなった事で若干正気を取り戻すが、


メイヴって女は全くどうしようもない悪女だが―――

時代を支配できるだけの願望器を、俺一人の心を奪うために、躊躇なく使いやがった。

あれにとっちゃ飽きれば捨てるはずの玩具だろうが、心意気だけは買ってやらねェとな。

なんで、一切の愉悦を捨てて戦い続ける。これまでも、そしてこれからもだ。

大体なぁ、テメエら―――

いままでさんざんオレの邪魔をしやがった奴らを、生かして返す道理はねぇだろうが。

と彼女の信念を評価し、加えて「敵対者を屠る」というアルスターの戦士としての考え方故に対立姿勢を崩さず、カルデア陣営と戦闘を続行。
聖杯のバックアップによってやられる度にパワーアップするという「俺はまだ変身を残している」状態で更に暴れ回るが、
総力戦の末に力尽き、最期には魔神柱ハルファスを召喚して消滅した。


◇『プリズマ☆イリヤ』との期間限定コラボイベント『魔法少女紀行~プリズマ・コーズ~』
魔法大学生蜂蜜禁誓系魔法少女コナハト☆メイヴの守護獣(おとも)として顕現した。
つまりはマスコット役である。お前のような殺伐なマスコットがいるか
見た目はオリオンよろしく2等身のちびキャラ化(通称「ミニクーちゃん」)しているが、態度や性格は変わることなくそっけない殺伐としたもの。
当然思考も普段通りリアリスト的な殺伐思考。
盛大にメイヴが惚気ようとすると、「うるせえ。チー鱈ぶつけんぞ」という容赦ないツッコミを返すのがテンプレ。
そもそも彼女との関係は普段通り殺し殺されの敵対関係である。
シナリオ終盤では、主人公達に敗北した後自分の内心の願いを見抜かれて心が折れたメイヴを看取り、憎まれ口を叩きながらもメイヴと共に崩壊する城に呑まれ消滅した。
ちびキャラとなってもカッコよさは薄れない辺り流石というべきか。

2等身というファンシーな見た目とは裏腹にサーヴァントレベルの戦闘力の持ち主。
他のマスコットたちと異なりシナリオでも戦える。しかもスキルや宝具まで使える。
宝具名は『爆ぜ喰らう甘牙の幼獣(アマガミ・コインヘン)』
どこか本来の姿及びマスター担当のイラストレーターを思わせる技である。

なおこのミニクーちゃん、後に本人のバレンタインのお返しになっていたり、実際に商品になっていたりする。
いつの間にか別の場所に移動していたり、傷ついていたりするそうなのでそのときはちゃんと補修してあげよう。


ゲームでの性能

星5バーサーカーとして、第五章終了後にストーリー召喚(ガチャ)に追加される。
最大ATKで実装時点(2016年3月)最高だったゴールデンを上回る第1位に輝き、現在でも邪ンぬ、キングプロテアに次ぐ3位に君臨している。
一方でスキルは生存特化。槍ニキでも持っていた『矢避けの加護』と『戦闘続行』に、敵全体の攻撃力とクリティカルを下げる『精霊の狂騒』を持ち、バーサーカーでありながら非常にしぶとい。
しかし、ランクダウンした影響でオルタ兄貴の矢避けは回数が2回に減っているのでその点には注意。
宝具は『噛み砕く死牙の獣』を採用。Buster宝具で、1ターンの攻防バフからの強烈な単体攻撃を放つ。
単純な火力もそうだが、オルタニキの持つ唯一の攻撃強化手段なので、宝具を打つ際は出来るだけ自分の他のカードと組み合わせる事を心掛けたい。
さり気なく防御バフも役に立ち、他の防御バフや精霊の狂騒等と組み合わせれば被ダメージをかなり抑えられる。
宝具以外の自前のバフを持たないが、素のATKが極めて高い事、相手を選ばないバーサーカークラスであることから、圧倒的な素殴り性能を発揮し、特に最後の一人、いわゆる殿になった時に毎ターン繰り出されるバスターブレイブチェインの火力はちょっとした宝具並である。
スキルをきちんと上げきり、さらにマスター礼装の「アトラス院制服」でサポートしてやれば、しぶとく居残り敵を削り殺す頼もしき狂王が旅の道行きを助けてくれるだろう。

弱点はAが1枚しかないのにNP獲得スキルを持たないこと。
スキルによるNPチャージができないため、同じ星5狂戦士であるヴラドや金時のように「単体でNPを溜めて、登場したターン中に宝具ぶっぱして相手を屠る」という戦法は使えない。
ただし、Aの枚数が1枚なためA1枚でのNP獲得量はかなり多く、またAが3ヒットに対しQのヒット数が4のため、比較的QのNP取得量も多いことも覚えておくといいだろう。
とは言え前述の通り、オルタニキのメインのダメージソースは素殴りなので、「敵が死ぬ前に貯まったらラッキー」くらいに割り切ってしまうのも一つの手である。
また、耐久も高めとはいえバーサーカーなので過信は禁物。特に必中や無敵貫通バフをかけてから攻撃してくる相手にはいささか歩が悪かったりする。

オススメの礼装は耐久を補助する「月霊髄液」。礼装と矢避けを合わせると無敵貫通などがない限り5回は攻撃を無力化でき、生存力を大幅に底上げできる。
他には「カレイドスコープ」などのNPチャージ礼装による宝具発動補助や、オーバーチャージで上がる宝具によるバフを活かすための「魔性菩薩」、単純なBuster強化で「リミテッド・ゼロオーバー」なども面白い。
また、各種ガッツ礼装との相性も良い。年に一回の『ネロ祭』系のイベントでは期間中攻撃力アップの特効の付いたガッツ礼装が配られるのが恒例となっているため超高難易度クエストで無双状態になることもしばしば。

余談

自軍として召喚された場合は「サーヴァントとして召喚された以上やるべき事はやる」と語り、こちらでもやはり役割に徹しようとしている。
曰く「俺は敵を倒すだけ。裏切らない限り、俺の槍がお前を刺すことはない」との事。
後、スカサハが自軍にいると分かるとホッとしている。

ストーリーでもイベントでも状況に流されずシリアスに徹していたオルタニキだが、2020年年末に放映された「Fate/Grand Carnival」では遂にギャグ落ち。
カルデアのリソース確保の為にサーヴァントを整理する事になりまずレアリティの低いクーフーリン3人が落とし穴に落とされマナプリズム化。(ちなみにプロトランサー役の中井和哉はここしか台詞が無い)
だが☆5のオルタニキはそんなかつての自分を見てメタ台詞で決めるが、「クーフーリンは多すぎる」ということで彼もレアプリとなった
その際見せた表情と声は、いろいろな外伝に出てはギャグ要員として便利に扱われたかつての自分のそれであった…。

「ハロウィン・ライジング!~砂塵の女王と暗黒の使徒~」のフリークエストでは、「ミニクーちゃんハントだと…?」の名義で登場。
イベント開催一週間前に行われたハントクエストで、ミニクーちゃんが対象のハントクエストが登場していたので、それを念に持っていたのだろう。


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最終更新:2024年03月02日 11:41

*1 セイントグラフや会話シーンの立ち絵では褐色の肌をしているように見えるが、これは背景が「燃え盛る赤い月夜or夜明け」のシーンである為。バトルキャラの通り、本来は通常のクー・フーリンと同じ肌色をしている。