ガンダムローズ

登録日:2016/04/01 Fri 09:49:54
更新日:2024/04/05 Fri 18:10:43
所要時間:約 5 分で読めます




マリアルイゼ様ぁああああああああっ!!!


ガンダムローズとは「機動武闘伝Gガンダム」に登場するモビルファイターである。


◇機体概要

登録番号:GF13-009NF
所属:ネオフランス
全高:16.2m
重量:7.2t
装甲材質:ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
      レアメタル・ハイブリッド多層材
武装:シュバリエ・サーベル
ローゼス・ビット×多数
バルカン砲×2
必殺技:ローゼススクリーマー
ローゼスハリケーン
搭乗者:ジョルジュ・ド・サンド

ネオフランス屈指の有力貴族でありながら優秀なファイターでもあるジョルジュに相応しい機体として作られた存在で、
かのナポレオン・ボナパルトを思わせるような外観の帽子と肩マントを纏った騎士のような姿をしている。
また、カラーリングもフランス国旗に使われている青・白・赤のトリコロールに金のアクセントを加えた鮮やかなものとなっている。
西洋のレイピアを模したシュバリエ・サーベルによる剣技や、薔薇の形をしたビット「ローゼス・ビット」によるオールレンジ攻撃を主体としたバランスファイターである。
???「薔薇型のビットだと!? 貴様私を愚弄する気か!」

その優雅かつ苛烈な攻撃は一切隙がないものの、パイロットのジョルジュのメンタル面がやや弱いという事から苦戦することが多いのがネックである。
その影響もあってデザインに反して非常に泥臭い試合が目立つのも特徴。
しかしこれは裏を返せばそのような想定外のパワープレイにも耐えるほどのパワーと堅牢さがその華奢な機体に秘められているという証でもある。


【武装】

シュバリエ・サーベル

意訳すると「騎士の剣」。レイピアのような拵えの柄を持つサーベル。
実体剣…のはずだが、ビーム刃のように見えたり(色は水色。)刀身がナニかの力場で包まれているように見えたりと
場面ごとに演出にはばらつきがある。フェンシングのように敵を突く攻撃を主体としているが、後半ではあまり使われることはなかった。

ローゼス・ビット

左肩のマントシールドから射出される薔薇を模したビット兵器
脳波でコントロールを行っており、ジョルジュの意のままに動く。

なお、ジョルジュは生身でも薔薇を手裏剣の如く放って対象を射抜く技の使い手であり、
その威力は何の変哲もない薔薇の茎がタワーの鉄骨に突き刺さる程である。
実際この技を活かしたような使い方をシャイニングとの初対面時も行っており、シャイニングの腕にダメージを与えている。

騎士道なのに剣だけでなく兵器に頼っていることをよく突っ込まれる。
が、ジョルジュ自身がネオフランスの技術面を誇っていることからも、技術面を誇示することもまた国家の威信を示すことに繋がっているのである。
そもそもMFの大半には射撃兵器が積まれており、技術競争の側面が存在しているのである。よってガンダムローズだけにツッコミを入れるのはお門違い。

バルカン砲

頭部に装備されている。例によって影がすごく薄い空気武器。


【必殺技】

ローゼススクリーマー

バーニングパンチと同様2タイプ存在する。
一般的には相手の周囲をビットで囲み、電撃の檻に閉じ込める拘束技とされている。しかしビットが一個でも破壊されると他のビットも誘爆するという弱点がある。
もう一つは単純にローゼスビットで敵の周囲を包囲して蜂の巣にするというもの。
スーパーロボット大戦Tではこの両方が再現されている。

ローゼスハリケーン

ギアナ高地での修行で手に入れた新必殺技。
ビットを相手の周囲に高速で回転させることで、相手をエネルギーの渦に閉じ込める。
ちなみに生身でも薔薇を使って使用可能。

シャッフルサーベル

ときた漫画版で使用した技。
ハイパーモードとなりジャック・イン・ダイヤの紋章が浮かんだシュバリエサーベルで敵を突く。


【劇中の活躍】

本編から1年前、ネオフランス代表を決める戦いで同じく有力貴族のジャン・ピエール・ミラボーの操るミラージュガンダムと戦うも、
ミラージュガンダムの暴走により観客の多くが犠牲になる「マルセイユの悲劇」に巻き込まれてしまう。
このことが中盤までジョルジュのトラウマになってしまうのだった。

本編での登場は第4話から。
本来の対戦相手を倒して乱入してきたドモンに嫌気が差し、当初ジョルジュは相手にしなかったが、
主であるマリアルイゼ姫の頼みでしぶしぶこれを受け入れる事になる。
ローゼスビットによってドモンをしばし圧倒していたが、シャイニングフィンガーに破られ、
そのビットの爆発で倒れかけていたエッフェル塔がマリアルイゼに向かって倒壊してきたため、彼女を守るために身を挺して塔を支えた。
その結果、勝負は引き分けとなる。

その後ネオイングランドのジェントル・チャップマン操るジョンブルガンダムとのファイトでは、霧に紛れた無人機を絡めた戦法により敗北。
ジョルジュ自身も重症を負うものの、ドモンにその事を伝え彼の勝利への道を切り拓いた。

中盤DG細胞に感染し操られてしまうものの、
先代シャッフル同盟の一人ジャック・イン・ダイヤ(ナシウス・キルヒャ)によって浄化され、その称号と紋章を受け継いだ。
ちなみにDG細胞感染時のピアノを弾いてるだけのニートプレイとか謎ポーズとか「ボンジュール☆ドモォン」という台詞とかはどこかしらシュール。
後に前述の「マルセイユの悲劇」の張本人であるミラボーが脱獄し、DG細胞に感染してまで彼に復讐しに来るが、激闘の末これを撃破。
ジョルジュ自身は過去との決別に成功したのだった。

決勝リーグではジェスターガンダムと対戦するが、相手のコピー戦術に翻弄され敗れてしまう。

ジョンブルガンダムとの試合ではミケロの工作によってサポーター席前のみバリアを解除されてしまい、
防戦一方を強いられるものの、ドモンたちの助けもあって反撃に出る。
しかし突如ジョンブルガンダムがグランドガンダムに変身。
串刺しにされるものの、顔面への集中攻撃により辛くも勝利する結果に終わった。

その後の試合では確実に白星を挙げていくが、
彼のメンタル面に難色を示したネオフランス本国の命令によってドモンとの再戦は棄権されてしまう。
このことに納得がいかなかった彼は全てを失う覚悟でドモンに決闘を挑んだ。
貴族として、戦士として、負けられない戦いがあると執事のレイモンドとマリアルイゼに宣言したジョルジュは
いつもとは違うすさまじい気迫で戦いに挑み、
ゴッドガンダムを相手に新必殺技「ローゼス・ハリケーン」で挑むが、ゴッドスラッシュ・タイフーンにより破られ敗北した。

ランタオ島での最終バトルロイヤルではチボデーのガンダムマックスターと交戦していたが、デビルガンダムの出現によりドモンと合流。
ドモンを先に向かわせ、チボデーと共にグランドガンダムと再戦。

グランドガンダムの圧倒的火力と防御力の前に状況を不利と見たジョルジュは一時後退し、
マックスターのギガンティックマグナムで至近距離からコックピットを撃ち抜く作戦に出る。
チャップマンの注意を引くために自らは囮となり、マックスターがピンチに陥った際には
グランドガンダムの巨体を持ち上げる程の執念を見せつけた。(冒頭の台詞はこの時の台詞)
そしてガンダムローズのローゼスビットを弾の代わりに装填させるという機転を利かせ、
ガンダムマックスターの一撃によりグランドガンダムを撃破した。
ここぞという場面では常に拳がモノを言う本作において、射撃武装の組み合わせが勝利のカギになるというかなり珍しいが、熱いシチュエーション。


その後はネオジャパンコロニー内部の死闘に他のシャッフル同盟の4人のMFと共に参加し、勝利に導いている。


【関連機体】


■ガンダムヴェルサイユ


ガンダムローズ…じゃねえ!!

原作を元に再構成された漫画作品『超級!機動武闘伝Gガンダム 爆熱・ネオホンコン!』にて
初登場した本作オリジナルのガンダムローズの後継機。 型式番号はGF13-009NFⅡ。
ネオフランスが第13回ガンダムファイト決勝大会用に新たに用意したMFであり、
他のシャッフル同盟と全く同じタイミングで決勝会場に急ぐゴッドガンダム=ドモンの前に現れ彼を驚愕させた。

本作初登場の他のシャッフル同盟の後継機が旧型機の名前の一部を受け継いでいるネーミングなのに対し、
ガラッと名前そのものを変更しているが、繋げると『ベルサイユのばら』になるのはご愛嬌。

ガンダムローズ同様、デザインは大河原邦夫氏だが、
がっちりとした立ち姿の「まさに巨大ロボット!」というテイストの濃い氏のデザインにしては珍しく
トリコロールカラーで彩られたナポレオン時代の騎士という基本コンセプトはそのままに
スマートさ・優雅さを追求した工夫が随所に凝らされている。

寸を詰めた胴体とハイヒール状の踵を持つ長い脚…と頭身が高いシルエットを持ち、
ガンダムローズよりシャープな印象を見る者に与える。
ハットの向きは横被りから縦被りとなり(二角帽は元々は縦に被るものである。)、
そのため、帽子の両脇からV字アンテナ*1が飛び出している…
あるいは普通のガンダムの頭のてっぺんに帽子が突き刺さっているように見える。
…縦に長い素顔はちょっとガンダムX似。
左右非対称のマントパーツは取り払われており、ローゼスビットは前腕部の袖の中に搭載位置を変更。
使用する際は袂から射出する。


武装面ではより「騎士」という側面を掘り下げたアグレッシヴなMFに仕上がっており、
左肩アーマー側面についた巨大な一輪の薔薇に模したサーベルに加え、
各ローゼスビットもビームの刃を展開するローゼスサーベルビットに強化され、
遠間の相手に剣技を繰り出す感覚で操作可能。
変幻自在の動きはそのままに、剣の切れ味までも加わったその包囲攻撃は
例えるなら同じ技量を持った無数の凄腕の剣士が全方位から斬りかかってくるのと同じであり*2
自機の分身を創り出し相手を無数の剣で斬りつける「ローゼスタイフーン」
ビット全群のビームを収束させることで巨大なビームランスを形成するなど、多彩かつ強力な特殊攻撃も可能となっている。
特に収束ビームランスは無数の剣の刃で構成されているため、
直撃時はひとつひとつの刃がバラのトゲのように絡みつき、相手の動きを拘束する効果を持つ。

劇中ではかつてのジョルジュの愛機・ガンダムローズの模倣を仕掛けた
ジェスターガンダム相手にサーベルビットで快勝、新型機のお披露目とアニメ版のリベンジという一石二鳥を成し遂げた
(その一方でチボデーのトラウマ破り関連のイベントは潰された形になるが彼には彼の新しい見せ場がある)。



【余談】

そのデザインやジョルジュのキャラのために優雅で華麗な機体の印象が強く本編でもそのような活躍が多いが、
上述の如く倒壊するエッフェル塔(推定1万t)を受け止めたり、
ジョルジュがブチキレた際は執事のレイモンドを傷付けた相手を一方的にボコボコにしたり、
自身の倍以上の巨体のグランドガンダムを持ち上げたりとボルトガンダム以上の力技を見せる事もあり、
意外にも純粋な腕力や機体構造の頑健性も非常に高いものを持っている。

コックピット内にはジョルジュがガンダムファイトに優勝した際の祝杯のためのシャンパンがこっそり隠されているが、
ランタオ島でグランドガンダムをくい止めるため優勝を諦めた際にこのシャンパンはローズの頭部に掛けられている。
あれだけ激しい動きをするコックピット内でどうしてシャンパンの瓶が割れなかったのかとツッコんではいけない。

前期OPの完成版では毎回ドラゴンガンダムに目の部分をエネルギーロープに擦りつけられて潰される残虐ファイトを強いられている。
スーパーロボット大戦Tの中断メッセージでは長時間のプレイを危惧するジョルジュとドモンに
毎週毎週顔面をビームロープにこすりつけられるような痛みを皆さんに味わってほしくないのです」「大変だったな毎週毎週」と
毎週OPを撮り直していたかのようにネタにされている。

ガンプラでは本放送当時、1/144スケールが発売。
...何故か他の4機と違い付属するシールがホイルシールでなく紙シール。
造形自体は当時なりに纏まってはいるものの、特徴的な腰アーマーのおかげで下半身の可動は絶望的。
腕回りの可動もマントパーツのおかげで干渉の嵐...と総合的な出来は芳しくない。
別売りのグレードアップパーツを装備すれば盾からローゼスビットを発射するギミックを再現出来るが、
一発しか撃てないたま若干物足りなくも感じる。

ガンダムローズのプラモデル商品は他にSDガンダムや廉価版キットのメカコレクションなどもあるが、MGはおろか1/100スケールすら発売されておらず、
頼みの綱であるHGFCも、2011年にシャイニングやノーベルが出た辺りで止まってしまい(2019年に何故かデスアーミーがHGで出たが)、大半のファンが願う事すら忘れていたのだが……





















2022年11月22日


ほぼ何の前振りも無く



HGFC ガンダムローズ 爆誕!



本放送から実に28年もの月日が経過し、特に何かの記念でもないこの年に突如としてこの世に再臨した。
一応RGでゴッドガンダムが出たり、クリアカラーのデビルガンダムが出るなど多少のアクションがあったはあったのだが……

当然の事ながら完全新規造形であり、数々のエフェクトパーツや専用台座まで兼ね備え、
更には今川泰宏監督考案のHGオリジナルギミックまで引っ提げての、まさかまさかの復活である。

当時ですら微妙としか言いようの無かった色分けも非常に力が入っており、勿論コアランダーやマント型シールド個別可動までも再現。

惜しむらくはプレミアムバンダイ限定商品であり、一部で物議を醸したものの、
上記のようにガンダムタイプ全体としても決して立体化に恵まれた機体であったとは言えず、失礼ながら主役チームたるシャッフル同盟の中でも人気がある機体と言える方ではない。

おまけに本機を始めシャッフル同盟は、スパロボやGジェネでも何度もリストラの憂き目に遭っており、A.C.E.やガンダム無双シリーズでは完全リストラ。
特に本機はEXVSシリーズに置いて、アシストとはいえ参戦している僚機と違い未だに不参戦と、
(一応EXVS2においてマックスターの格闘CSとして、ローゼスビットのみは参戦しているが……)販売元であるバンダイから見て、セールスポイントが高いと判断するのは中々難しい。

奇しくも販売された2022年前後は様々な要因で社会情勢が悪化、プラモデルの原料の一つである石油の元売り価格は相変わらず不安定と、バンダイも企業である以上ある程度の守りの姿勢に入るのは仕方のない部分であり、
いくらバーザムショックがあったとしても、流用が効くとはとても思えない新規金型を興しての本機の発売など、
バンダイとしても、ある種のリスクを覚悟しなければならなかったのは想像に難くない。

そのような中で本機は本当に発売された。
恐らく担当者、関係者の並々ならぬ努力の賜物であると想像することは容易であり、多くの人達の調整、大人の会話ややり取り、駆け引きがあった事は間違いなく、
「プレミアムバンダイという形であっても何とか……」という意地の結晶であろう。

そんな本機をして復活第1弾にするという、まるでGガンダムファンの本気度を試すかのようなバンダイ側の戦略に、30年近く待たされた往年のファンは見事に応え、
恐らくはこちらが本命であったであろう、同日発売のRG デスティニーインパルス同様数分で完売と、中々の健闘を見せた。

昨今問題となっていた転売行為も対策等で若干落ち着いたのか、デスティニーインパルス同様購入報告がTwitter等で無事に上がっている。

そのTwitterでも『ガンダムローズ』が、これまたまさかのトレンド入りを達成する等、
当時からの不遇としか言いようのない扱いを知っているファンからすれば、まさか続きの日々であった。

余談ながら、本機同様立体化に余り恵まれなかった『ボルトガンダム』もトレンド入りをしており、
不遇な扱いを受け続けてきた僚機達も今後どうなるのか、これからの展開に期待が持てる事となった。
一方でモチーフがモチーフだけに、特にボルトとドラゴンを出せるのか不安視する声もあるが……



私はガンダムファイターとして、騎士として、この項目を追記・修正しなければならないのです!


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最終更新:2024年04月05日 18:10

*1 大河原氏曰く、隠しモチーフはエッフェル塔

*2 さらに言うならビットなので当たり判定は無いに等しい