デアデビル(映画)

登録日:2016/02/26 Fri 16:18:15
更新日:2023/07/10 Mon 22:30:25
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◆デアデビル


レーダーセンス覚醒! 彼には、見えない悪が見える。


『デアデビル』とは2003年に公開されたアメリカの映画。

MARVEL社の人気コミックヒーローである「デアデビル」の実写映画化作品である。
当時、映画『スパイダーマン』のヒットに乗じ、同作と縁の深い都市型ヒーローの代表作として映画化された。
ジャンルは市民を守る正統派のヒーローとは一線を画し、暴力には暴力をもって犯罪者に対抗するクライムファイターもの。
その一方で、自分自身に疑問も持つという屈折した盲目の主人公の心を反映するかのように映像もとことんダーク。

監督・脚本は、本作の後にニコラス・ケイジ主演の『ゴーストライダー』の監督・脚本を務めたマーク・スティーヴン・ジョンソン。
共同製作には後にマーベル・シネマティック・ユニバースを手掛けるケヴィン・ファイギが関わっている。

生身の人間ならではの心の痛みと愛を持つデアデビルを演じるのは『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』のベン・アフレック

ゴシック・メタルバンドであるエヴァネッセンス「 Bring Me To Life 」 が本作のサントラに使用されたことでエヴァネッセンスの人気に火がつき、1st アルバム 『 Fallen 』 は世界中でロングセラーの大ヒット。

2005年には未公開シーンを追加したディレクターズ・カット版がリリースされた。
テンポを重視した通常版と比べると本編が30分長く、新たなエピソードも追加されており、台詞が一部変更されている。
その一方では通常版におけるいくつかのシーンがカットされている。*1



【あらすじ】

ニューヨークのヘルズ・キッチンに住む盲目の弁護士マット・マードックは正体を隠し、謎のヒーロー“デアデビル”として法では裁けぬ悪党を制裁していた。
ある日、彼はギリシャ人富豪の娘エレクトラと出会い、お互いに心を通わせる。
しかし、彼女は何者かに父を殺され、自らも命を狙われる。
そして、エレクトラはデアデビルを父親殺しの犯人と誤解し、警察もデアデビル逮捕に動き出す中、マットは事件の首謀者である犯罪王キングピンを倒すために立ち上がるのだった。



【登場人物】

  • マット・マードック/デアデビル(演:ベン・アフレック/吹き替え:小山力也
主人公。
幼い頃に事故で有毒廃棄物を浴び、視力を失ったが、その代わりに嗅覚・触覚・味覚が超人的に研ぎ澄まされ、
そして音の反響を三次元のイメージとして捉える超感覚“レーダーセンス”を手に入れた。
しかし、息子に正しい生き方を示そうとしたボクサーの父親が、八百長試合を拒否してギャングに殺されてしまう。
天涯孤独の身となった彼は正義のために戦う事を決意する。
そして大学で法律を学びつつ、格闘技で肉体を鍛え上げた彼は、昼間は弁護士として弱者のために法廷に立ち、
夜になると法の目を逃れる悪を裁くヒーロー「デアデビル」となった。
ちなみに吹き替えが24時間戦う男

「恐れを知らぬニューヨークの悪魔」として悪人に正義の鉄槌を下している一方では、自分の行っている正義の矛盾に苦悩する一面もある。
以前は別の女性と付き合っていたが、二重生活が災いして本編が開始した時点で別れてしまった。*2

◇ビリークラブ
デアデビルの武器である2本のスティック。
ワイヤーを仕込んでおり、先端がフック状に変形する棍棒であり、スパイダーマンのごとく建物や天井に引っ掛けて空中移動ができる。
普段は盲人用の杖として持ち歩いている。

◇レーダーセンス
驚異的な聴覚によって、音の反響を感じ取って物体の位置をソナーのように三次元イメージとして把握できる生体レーダー。
ただし、色彩の判別が不可能であり、近くで大音響を耳にすると感覚が乱されて行動に支障をきたす程の苦痛に苛まれる等の弱点もある。


  • エレクトラ・ナチオス(演:ジェニファー・ガーナー/吹き替え:岡寛恵)
ヒロイン。
ギリシャ人富豪の娘であり、2本の釵(サイ)を操る格闘技の達人。
幼い頃に母親を亡くし、護身用ということで幼少より様々な格闘術を習わされていた。
原作では戦国BASARAシリーズまつに似たデザインのスリットが入ったセクシーな赤のコスチュームを着ていたが、本作ではX-MENのX-23に酷似した黒のレザースーツとなっている。

ちなみに二人を演じたベンとジェニファーはプライベートでも恋人同士であったが、現在は破局している。


  • フランクリン・フォギー・ネルソン(演:ジョン・ファヴロー/吹き替え:茶風林
マードックの親友で法律家仲間。
演じたジョン・ファヴローは後に『アイアンマン』の監督に抜擢され、同作を含めたMCUシリーズではハッピー・ホーガン役を俳優として演じている。


  • ウィルソン・フィスク/キングピン(演:マイケル・クラーク・ダンカン/吹き替え:大友龍三郎
本作のヴィランである黒人の巨漢。
表向きは実業家だが、裏の顔は犯罪界の帝王として暗黒街に君臨している。
肥満体に見えるが、実は全身筋肉の塊で、事業で日本に訪れた時に習得した相撲や柔術を駆使する。
かつてはギャングのボディガードであったが、並外れた腕力と冷酷かつ狡猾な頭脳で頭角を現し、雇い主であったファロンに反旗を翻して組織を乗っ取った。
やがて真っ当なビジネスマンとして表社会に姿を現し、今では慈善事業に協力して社交界での声望も高い。
ちなみにターゲットを抹殺する際には一輪の薔薇を死体のそばに残している。

ディレクターズ・カット版では近くにいた部下達を気まぐれで撲殺したり、片手で首の骨をへし折ったりする等、狂気じみた一面も描かれている。


  • ウェズリー・オーウェン・ウェルチ(演:リーランド・オーサー/吹き替え:亀山助清)
キングピンの側近。
ブルズアイと比べると地味なキャラでいつの間にかフェードアウトしていたが、ディレクターズ・カット版では若干出番が増えている。


  • ブルズアイ(演:コリン・ ファレル/吹き替え:村治学)
キングピンに雇われた煽り耐性が低い殺し屋。
狙った標的は絶対に外さない驚異的なダーツの達人で主な武器はベルトに仕込んだ手裏剣であるが、触れた物はどんなものでも凶器に変わり、トランプ・鉛筆・ガラスの破片・クリップ・ピーナッツなどあらゆるもので相手を百発百中で仕留める。
だが、キングピンの依頼でエレクトラの父親を抹殺しようした際に目の前に立ちはだかったデアデビルに攻撃をかわされたことに心を乱すも、彼のレーダーセンスの感覚が狂った隙をついてビリークラブを奪い、それをニコラスに投げつけて殺害した。また、初めて自分の攻撃が外れた事でプライドが傷つき、デアデビルを因縁の相手として付け狙うようになる。
吹き替えがS.H.I.E.L.D.のエージェント

原作コミックではいかにもアメコミな全身スーツ姿であったが、本作では額に的のタトゥーを入れたスキンヘッドとロングコートが特徴のスタイリッシュな悪役に仕上がっている。


  • ベン・ユーリック(演:ジョン・パトリアーノ/吹き替え:円谷文彦)
デアデビルの正体を追っている新聞記者。


  • ニコラス・ナチオス(演:エリック・アヴァリ/吹き替え:小林勝彦)
エレクトラの父親。
イギリス人富豪であるが、裏ではキングピンと繋がっている。
自身は決して悪人ではなく、良心の呵責もあって足を洗うためにキングピンと手を切ろうと決意したが、それを良しとしない彼の策略でスケープゴートにされ、最期はブルズアイに暗殺された。


  • ジャック・マードック(演:デヴィッド・キース/吹き替え:菅生隆之)
マットの父親。
「デビル」の異名を持つボクサーであったが、既に引退し、酒浸りで落ちぶれた生活を送っていた。
だが、自分の行動が原因で息子が失明したのをきっかけに心を入れ替えて再びボクサーとして立ちあがった。

ある日、かつての雇い主であるファロンから八百長試合で負けるよう強要され、一度は八百長を受け入れて試合中にわざとダウンするものの、
試合を観ていた息子に応援され、ボクサーとしての誇りと父としての想いに抗えず、ファロンの意向に逆らって試合に勝ってしまう。
その後、八百長試合を台無しにした報復としてファロンの手下達から暴行を受け、その一人である大男の一撃を顔面に受けて殺害された。
遺体の側には一輪の薔薇のみが残されていた。


  • カレン・ペイジ(演:エレン・ポンペオ/吹き替え:園崎未恵)
マットとフォギーの秘書。


  • エヴェレット神父(演:デリック・オコナー/吹き替え:永田博丈)
デアデビルの正体を知る数少ない人物。
何事も恐れずに自警活動を行なうマットに対して「復讐は罪だ。暴力は暴力を産む」と苦言を呈している。


  • ホセ・ケサダ(演:ポール・ベン=ベクター/演:立木文彦
序盤に登場した被告人。
下劣なレイプ犯であるが、キングピンの後ろ盾を得ており、法廷では嘘の証言でマットや被害者をコキ下ろし、裁判所を出る際には勝ち誇ったような笑いを浮かべる等、実に典型的な腐れ外道と言える。*3
(職業柄の都合上、そうするしかないとはいえ)ちなみに担当の弁護士も外道であり、ケサダを擁護したばかりか、セカンドレイプ同然の態度で被害者に責任を追及する有様であり、その場にいたマットを激怒させた。

その後、酒場で仲間達と祝杯を挙げていたところをデアデビルに襲撃されるのだが、周りの仲間がデアデビルに応戦しているのに対し、彼だけは無様に怯えながら1人でその場から逃げ出した。
地下鉄のホームに逃げ込んだ末に最期は追ってきたデアデビルに制裁されて線路に落とされた挙句に走ってきた電車に体を真っ二つにされるという
彼の醜悪な人間性に相応しい因果応報な末路をたどった。


  • ファロン(演:マーク・マルゴリース/吹き替え:麦人)
マットの少年時代に登場したマフィアのボス。


  • ダンテ・ジャクソン(演:クーリオ/吹き替え:志村知幸)
ディレクターズ・カット版のみの登場である黒人男性。
殺人事件の容疑者であるが、本人は無実を主張している。
実は前述の事件が本編の重要な伏線となっている。


  • スタン・リー
……また出てるよ!


  • フランク・ミラー*4
お前もか!



【余談】

本作から2年後にエレクトラを主人公としたスピンオフ映画が公開された。

のちにマーベル・シネマティック・ユニバースと同じ世界観に属する作品として、Netflixでドラマ化された。








ヘルズ・キッチンは私の街

私は夜中に路地や屋上をさまよい、闇の中から追記・修正し続ける…永遠に闇の中で

私はデアデビル

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最終更新:2023年07月10日 22:30

*1 セクロスや懺悔のシーン等

*2 彼女と付き合ったのはわずか3カ月

*3 弁護料はキングピンが払っていた。

*4 現在の路線を作ったことでデアデビルを人気シリーズにまで成長させた育ての親的ライター